スケート部

2017.04.24

秩父宮杯第65回関東大学選手権 対慶大 4月23日 東京・ダイドードリンコアイスアリーナ

課題を克服できず、慶大にまさかの敗北

 絶対に負けられない試合だった。日体大に黒星を喫し、29年ぶりにベスト4入りを逃したワセダ。今試合よりアメリカから帰国したDFハリデー慈英(スポ3=埼玉栄)がチームに合流した上に、相手の慶大には冬の早慶定期戦(早慶戦)で42連勝しており、敗北からの巻き返しを図るにはまたとないチャンス。しかし、前回強豪・中大相手に肉薄した慶大の勢いを止めることはできなかった。試合序盤に失った点を取り返せず、3―5で試合終了。長い歴史で初めての関東大学選手権7位以下が確定してしまった。

 今季の課題であった守備の甘さが露呈した。試合開始からなかなかDF陣とGKの連携がうまくいかず、慶大のFW安藤直哉(4年)一人に3点も得点を許してしまう。さらにシュート数は多いものの得点は決められない、パワープレーを活かせない、などの昨季からの弱点も克服できなかった。第1セットにFW矢島雄吾(スポ3=北海道・駒大苫小牧)が加わり、前回よりもパス回しに磨きがかかったが、それでも慶大相手に攻めあぐねてしまった。ワセダは第1ピリオド(P)のみで20本ものシュートを放ち、さらにパワープレーで得点のチャンスも巡ってくるが、結局1度もゴールを決めることはできなかった。

第1セットを引っ張った矢島

 GKを谷口嘉鷹(社2=東京・早実)へと変更して臨んだ第2P。開始早々慶大に4点目を決められてしまうが、この失点をきっかけとして谷口の心に「これ以上失点できない」という強い気持ちが芽生えた。その後谷口は次々と好プレーを見せ、相手に得点を許さない。チームもそれに呼応した。相手選手の負傷により試合が一時中断するというアクシデントが起こるも、動じず着々と得点を重ねていく。FW青木孝史朗(スポ2=埼玉栄)が2試合連続ゴールを決めるなどの活躍もあり、ついに慶大を1点差までに追い詰めた。この一連の得点劇で、特に良い動きをしていたのが矢島である。矢島は2回のアシストを決め、沈んでいたチームを活気づけた。3点目を獲得した時点で残り1分53秒。後がないワセダは、ここで6人攻撃を選択する。しかしその作戦が裏目に出てしまった。最終的に慶大にエンプティゴールを決められ、試合終了を告げる無慈悲なサイレンが会場に轟いた。

途中出場の谷口が好守で起用に応えた

 長年連勝していた慶大に屈し、歴史的敗北となってしまった今回の一戦。しかし、選手たちは試合後すでに気持ちを切り替えていた。「後は這い上がるだけ」(ハリデー)。来週に控えた青学大戦、そして1カ月後の早慶戦でのリベンジに向けて、ワセダは今前だけを見ている。

(記事 藤岡小雪、写真 冨田千瑛)

★ハリデーが復帰!攻守の底上げ担う

頼もしい存在が帰ってきた

 1月の日本学生氷上競技選手権、早大ベンチに背番号『29』のユニホームが掲げられていた。鳴り物入りで入学し、チームを支えてきたDFハリデー慈英(スポ3=埼玉栄)のユニホームだ。その実力を磨くため、昨秋から大学を休学し渡米。NAHLに所属するチームで本場アメリカのホッケーに触れた。そのハリデーが帰国し即復帰、これで全員がそろった。公式戦の出場は昨季のサマーカップ以来。第2セットで起用されたこの日はペナルティを2度取られるなどまだブランクを感じさせたが、強烈なシュートと的確なパス、冷静な状況判断は健在だ。「その国のその環境で一番効率のいいプレーをしなきゃいけない」。そう語る守備の要が、窮地に立つ早大の救世主となることを期待したい。

(記事 川浪康太郎、写真 冨田千瑛)

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結果
早大 ピリオド 慶大
0(20) 1st 3(7)
2(16) 2nd 1(9)
1(16) 3rd 1(8)
3(52) 5(24)
※( )内はシュート数
得点経過
チーム 時間 ゴール アシスト1 アシスト2 PK/PP
慶大 7:53 安藤 福盛
慶大 15:59 安藤
慶大 18:54 安藤 大久保 PK
慶大 21:30 運上
早大 33:19 鈴木 矢島
早大 35:30 青木 飛田 前田 PP
早大 58:07 坂本 矢島
慶大 59:03
※PKはキルプレー、PPはパワープレー、PSはペナルティショットを指す
 なお、PK/PPの表記は早大にとってPKに当たるかPPに当たるかを表記するものとする
早大メンバー
セット FW FW FW DF DF
生江 鈴木 矢島 篠田 新井
飛田 瀨戸 青木 坂本 ハリデー
田中 高橋 小澤田 羽場 大崎
伊東 前田 田村 格地 野村
GK草島邦→GK谷口

工藤哲也監督(昭63社卒=青森・八戸)

――試合を終えて

積極的に勝ちにいった試合で負けたのは悔しいですし、慶應に40年ぶりくらいに負けたと思いますが、結果としては受け止めるしかないかなと思っています。

――敗因は

先週と同じく決定力であったり、第1ピリオド(P)の失点も全員で攻めてカウンターを取られてということをしてしまったので、そういったところは反省点です。

――FW矢島雄吾選手(スポ3=北海道・駒大苫小牧)が加わった第1セットの働きぶりはいかがでしたか

全体的によく足も動いていたとは思いますが、チャンスで決めきれなくて焦りが出てきて、結果としては失点につながってしまいました。

――GKはこの試合では2人起用しましたが、GKの現状については

2人とも昨年まで経験のなかったプレーヤーで、一生懸命やっていると思いますが、そこで少しミスが続いてしまいました。きょうはコーチの判断で第2Pから交代しました。

――DFハリデー慈英選手(スポ3=埼玉栄)が復帰しましたが、どう見ていますか

ハリデーが戻ってきてチームとして全員がそろったかたちなので、まだ彼も戻ってきたばかりで疲れや体調面の不安もあると思いますが、経験を生かしてこれからチームにいい風を吹かせてくれればいいかなと思います。

――今大会最後の試合に負けた意気込みをお願いします

来週で最終戦になるので、いい結果は出ていないのですが、これまでの2ヶ月間でやってきたうちのホッケーができればと思います。

DFハリデー慈英(スポ3=埼玉栄)

――きょうの試合全体を振り返っていかがでしたか

僕にとっては久しぶりに早稲田に合流した試合でした。宿敵、ライバルである慶應とは絶対に負けられない戦いだったので、負けてしまったことはすごく悔しいです。自分の実力のなさなどいろいろと考えて情けないなという気持ちですね。

――日本に帰ってきてからの初戦でしたが、チームやセットとのコミュニケーションは

今週一週間、火曜日から練習していました。今のセットも仲良い子達でそれなりにコミュニケーションも取れていて、試合の合間合間にもけっこういい攻めもしていたかなと思いますし、そういう面ではコミュニケーションはしっかり取れていました。

――久しぶりの日本でのプレーでしたが、体の当たり具合など調整されたりしましたか

そうですね、まずリンクの大きさやコンディションなどから、レフェリーまでいろいろなことが違います。その国のその環境で一番効率のいいプレーをしなきゃいけないと思っているので、環境に合うように自分のプレーは調整しました。

――今後の意気込みをお聞かせください。

いい意味でどん底に落ちて、後は這い上がるだけなので。もう4強には程遠い存在だと思っているので、またいつか4強の早稲田と言われるように頑張りたいです。

GK谷口嘉鷹(社2=東京・早実)

――今試合は途中出場でしたが、いかがだったでしょうか

途中出場の意味というのは監督から伝えられていたので、流れを変えてやろうという気持ちで臨みました。

――交代された直後に点を決められてしまいましたが、それについて振り返っていただけますか

今思うとあの1点がなければ相手に追いつけたので、悔しいですね。

――その後は好プレーが続きましたが、そちらはどう感じていらっしゃいますか

これ以上失点できないという思いがありました。また僕がそれから無失点に抑えることでの士気も上がると信じて、得点を取ってくれるのをずっと待っていました。

――ディフェンス全体について振り返っていかかでしょうか

チームとして守りの意識を高めていくというのはずっと練習でやっているのですが、結果として5失点しているというのはまだ意識が足りていない部分があると思います。防げたはずの失点もあったので、意識をもっと変えていかなければ勝てないですね。

――遠藤秀至さん(平29社卒=東京・早実)がご卒業されてから、意識の変化などはありましたか

昨年までは遠藤さんがずっと守ってくださっていたので、その穴を埋めるのは改めて大変だなと実感しています。

――最後に次の試合への意気込みをお願い致します

本当に早稲田は今強いチームではないので、チャレンジャーとしての気持ちを忘れずに全力で勝ちにいきたいと思います。