ラグビー部

2017.04.16

定期戦 対東大 4月15日 早大上井草グラウンド

現状を把握し、課題と収穫を得る

 山下大悟監督(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)も見守る中で、東大との定期戦が行われた。前半はFW陣がスクラムなど随所で好プレーを見せる一方で、チーム全体としてはパスや連携でのミスが目立ち、なかなか決定機を作り出すことができない。それでも後半に入ると敵陣でのプレーが増え、テンポの良い試合運びで得点を重ね、大差をつけて勝利。15人制初戦は、新体制が始動して以降強化してきたディフェンス面での手応えを感じる一方で、課題が多く見つかる一戦となった。

 序盤から相手を圧倒していきたい早大であったが、「自分たちのミスで苦しんでいるところがあった」(CTB中野厳、社4=東京・早大学院)との言葉通り、序盤はミスが頻発し思うような試合運びができなかった。前半3分には自陣でペナルティーを犯すと東大のPGが成功し、先制を許す展開に。その後もパスミスや風下でキックがうまく飛ばないことにより、敵陣へ踏み入ることができない。18分には自陣ゴール前での東大のラインアウトからモールで押し込まれるが、モールが崩れた後のこぼれ球にプレッシャーをかけて奪い返し、このピンチを切り抜けた。その後は徐々に敵陣でのプレーも増え、21分のトライで逆転。30分には早大ボールのスクラムで大きく陣地を広げ、そこから右に大きく展開し、最後はWTB郷地裕貴(人4=神奈川・桐蔭学園)がトライ。さらに40分にはクイックスローから空いた右のスペースを駆け抜けたフランカー埜田啓太(基理4=東京・早実)がトライを決め、15-3で前半を折り返す。

スクラムで東大に押し負けることはなかった。千野と入谷はプロップとして出場した初めての試合となった

 迎えた後半。3分、13分に中野厳の2トライで点差を広げると、その後も攻撃の手を緩めずに攻め続ける。17分にはタックルを起点に相手のペナルティーを誘い、クイックスタートを切ると、FB神山隆太(政経3=東京・早実)が抜け出してインゴールを割った。その後も2トライを追加すると、終了間際に中野厳のこの日3つ目となるトライで試合を決定付ける。前半の課題であったハンドリングやパスのミスが減り、またハイパントキックに寄った後のターンオーバーの成功率を始めとするブレイクダウンの意識が前半と比べて向上したことなど、後半にうまく立て直した早大。マイボールの時間を大きく増やし、後半だけで6トライを決め、かつ後半無失点でノーサイドとなり、55-3で東大に勝利した。

この日3トライを決める活躍を見せた中野厳

 点差で見れば快勝であるが、自分たちのミスが目立ち、ハンドリングやパスに不安を感じる試合でもあった。しかし一方で、チームの3つの軸である『スクラム・チームディフェンス・ブレイクダウン』に関しては、一定の成果を出すことができたことも事実だ。スクラムは今季BKからFWにコンバートした選手がいながらも東大FWを押し込み、チームディフェンスに関しては、一度も相手にトライを奪われなかったことが挙げられる。ブレイクダウンについてはタックルやハイパントキックなど要所要所でその意識の強さを見ることができた。「自分の力を試せるいい機会だった」とWTB桐ケ谷稜介(スポ3=群馬・太田)が語るように、おのおのが感じた課題を今後へ生かし、主力争いへの足掛かりにしていってほしい。

(記事 小川由梨香、写真 吉田安祐香、太田萌枝)

定期戦
早大 スコア 東大
前半 後半 得点 前半 後半
15 40
55 合計
【得点】▽トライ 吉田、郷地、埜田、中野厳(3T)、近田、辺津、神山 ▽ゴール 児玉(5G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
千野 健斗 人3 東京・成蹊
三隅 寛己 法3 東京・早実
入谷 怜 スポ3 愛知・南山
  後半30分交代→18齋藤大    
中野 幸英 文構2 東京・本郷
中尾 悟 スポ2 神奈川・桐蔭学園
岸野 楓 教2 岐阜聾
  後半30分交代→20近田    
埜田 啓太 基理4 東京・早実
佐藤 健 商3 東京・早大学院
貝塚 陸 スポ3 東京・本郷
  後半10分交代→22辺津    
10 吉田 重治 スポ3 富山・高岡第一
  後半0分交代→22児玉    
11 桐ヶ谷 稜介 スポ3 群馬・太田
12 ◎中野 厳 社4 東京・早大学院
13 小谷 海知 スポ4 東京・国学院久我山
  後半19分交代→24宇野    
14 郷地 裕貴 人4 神奈川・桐蔭学園
15 神山 隆太 政経3 東京・早実
リザーブ
16 尾島 拓樹 商3 東京・早実
17 森島 大智 教2 東京・早実
18 齋藤 大貴 法4 北海道・函館ラサール
19 板垣 悠太 基理3 北海道・函館ラサール
20 近田 和 法3 東京・早実
21 辺津 勘太 法3 東京・早実
22 児玉 郷介 商3 埼玉・早大本庄
23 松本 悠汰 スポ2 大阪・天王寺
24 宇野 明彦 スポ2 神奈川・横須賀
※◎は主将、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)
コメント

プロップ千野健斗(人3=東京・成蹊)

――プロップにコンバートしましたが、体重を増やすことなど、やはり苦労はありましたか

はい。苦労ばかりですが、その分やりがいを感じています。

――スクラムは押されてこそいませんでしたが、むらがあるように感じました。スクラムに関して振り返っていかがですか

悪くはなかったのですが、細かい反省点が多いので一つ一つ修正していきたいです。

――ハイパントの後の寄りが早かったと思いますが、ブレイクダウンで意識していたことはありましたか

ターンオーバーのチャンスを逃さないように意識していました。

――前半に比べて後半がよかったと思いますが、ハーフタイムで話したことや、意識の変化はありましたか

1人目のタックルとブレイクダウンでもっと鋭さを出そうと話しました。

――今季の意気込みを聞かせてください

プロップ転向は大きな挑戦ですが、強い意志を持って日々成長し必ず結果を出したいと思います。

NO・8佐藤健(商3=東京・早大学院)

――きょうはどのような点を意識してプレーされましたか

結果はもちろんなのですが、それに加えてディフェンスで圧倒するために、タックルと相手より早いセットをみんなで意識してやろうということだったので、そこを徹底してやりました。

――実際にそこの部分の出来はいかがでしたか

個人的にはまだまだかなと思うのですが、そこの意識は高まったと思います。

――前後半それぞれで感じたことを教えていただけますか

相手の方が試合慣れしているという部分もあるのですが、前半は自分たちのオフェンスのミスから相手に食い込まれたりして、リズムをつかみ切れない部分もありました。後半はスクラムのターンオーバーなどが結構あって、そこで試合運びが少し楽になったと思います。

――後半に入るとかなりチームの調子が上がっていた印象でしたが、ハーフタイムではどのようなお話をされていたのですか

きょうテーマにしていたタックルがまだまだ甘くて、ターンオーバーにつながらないタックルになっていたので、そこをチーム全体でもう少し修正してターンオーバーを狙って行こうという話をしていました。それが後半の意識の変化となって、後半のターンオーバーにつながっていったと思います。

――ハイパントキックの寄りでいい場面がいくつか見られましたが、何か意識されていることはありましたか

僕は蹴った後にケアをするために後ろに行ったんですけど、FWがそこをよくチェイスしていて、そこでターンオーバーをした場面が2回くらいあったので、それはすごく良かったと思います。

――きょうの試合で見つかったチームの課題については、どのように考えていらっしゃいますか

タックルの精度がまだ甘くて、東海大とか帝京大が相手になったときに、いまの僕たちはボールを奪い返せるレベルに達していないので、タックルの質を上げて、タックルを向上していきたいですね。

――ご自身の目標や今後意識していきたい点を教えてください

ことしはタックルで相手のボールを奪い返せる選手になれるように頑張っていきたいと思います。

CTB中野厳(社4=東京・早大学院)

――チームのコンセプトはなんでしたか

春はディフェンスを中心にやってきたので、ことしはアグレッシブハントという自分からボールを積極的に取りに行くというのをやっています。そこにフォーカスをあてて、ドミネートタックルというビッグタックルをしてそこに殺到してボールを取る、というのをチームの目標にしていました。

――ブレイクダウンの意識も去年から引き続き、ということですか

そうですね。ブレイクダウンにフォーカスをあてるのは去年と同じです。ことしは、またその質を上げていきます。

――ハイパントの後の寄りの速さも、その意識がよく出ていたからでしょうか

戦術で上げるというのは分かっているので、ハイパントに限らずいいタックルができたらすぐに寄れるように、というのはことしのテーマでした。

――久しぶりの試合となりましたが、個人としての意気込みはありましたか

4年生で残された時間もないので、春からしっかりアピールをするというか、ピークをもってきて自分の最大限を出そうというが意気込みでした。

――トライも取られていましたが、それを振り返っていかがでしたか

アタックはそんなにやっていないのでたまたま自分のところが空いて、持ち味にしているランニングが結果として出たのはよかったです。ただ、ディフェンスが個人的には全然よくなかったので、そこは反省ですね。

――後半にBKの動きがよくなっていた印象でした

前半は久しぶりの試合ということもありましたし、風の影響もあり対応しきれていませんでした。自分たちのミスで苦しんでいるところがあったので、そこでもう少しで落ち着いてポジショニングとか少しずつ変えていって、修正できたところもあったと思います。

WTB桐ヶ谷稜介(スポ3=群馬・太田)

――久しぶりの試合だったと思いますが、振り返っていかがでしたか

シーズン初戦ということもあって少し緊張したのですが、自分の力を試せるいい機会だったと思います。課題も見つかりました

――個人的に課題はどこだと思いますか

去年の秋からWTBになって、まだ日が浅くて、WTBになった時のポジショニングに少し自信を持ってやれていないというところがあります。あとは、もう少し声を出して外側から内側に意思を明確に伝えるということが課題だと思います。

――大きくゲインする場面がありました

これから相手が強くなってくると1人で抜くこともできなくなってくると思うので、もっと周りを生かせるようなプレーをしていきたいです

――前半はパスのミスが続きました

そうですね。このチームでは合わせる機会が全然なかったので、しょうがなかったと思います。試合前にもアタックというよりディフェンスにフォーカスしてやろうと話していました。

――ハーフタイムで何か話したり修正した点はありましたか

さっき言っていたパスミスなどがあったのでそこはパス回数を減らしてミスを減らしていくのと、タックルの後のブレイクダウンで勢いが足りていないというか刺されていなかったので後半はそこを修正していこうと話していました。

――最後に意気込みをお願いします

春シーズンがこれから始まっていって相手もどんどん強くなっていくので、もっと自分がレベルアップして自分がAチームで通用していけるようになりたいです。

WTB郷地裕貴(人4=神奈川・桐蔭学園)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

1月から取り組んできたチームディフェンス、ブレイクダウンで激しくやれたのでよかったです。

――相手にトライを許さず試合を終えました。ディフェンスの精度が上がった印象を受けます

今までチームディフェンスを強化してきたので、一定の成果を出せたことはうれしいです。

――前半はハンドリングやキックでのミスが目立ちました

練習ではもう少し精度が高かったと思います。しかしハンドリングの部分では相手に接近しすぎてボールを回してしまい、キックの部分では風にうまく対応できずミスが増えてしまいました。

――後半はミスが減りました

相手との距離を置いてボールを離すことを意識したため、外まで回すことができました

――最後に意気込みをお願いします

自分の強みであるスピードを生かして試合でイニシアチブをとりつつ、トライに貢献できる選手になりたいと思います。