ラグビー部
2017.04.03
YC&AC JAPAN SEVENS 4月2日 神奈川・YC&ACグラウンド
34年ぶりの優勝!収穫の大きい大会に
春シーズンの到来を告げるYC&AC JAPAN SEVENSが今季も神奈川・YC&ACグラウンドにて開催された。「優勝することを目標に掲げた」(山下大悟監督、平15人卒=神奈川・桐蔭学園)と、結果にこだわった今大会。初戦で流通経大との一進一退の攻防に辛くも勝利した早大は、続く2回戦の青学大戦、準決勝の北海道バーバリアンズ戦では順調にトライを積み重ね、決勝へ進出。決勝の東海大戦は前半終了間際に逆転に成功すると、東海大の猛追を何とか振り切り、春シーズンの幕開けを優勝で飾った。
第一試合は昨年度CHAMPIONSHIPで準優勝した流通経大と対戦。試合序盤は外国人選手を中心とする流通経大の攻めに苦戦する。開始早々、ディフェスラインのギャップを突かれ、インゴールへ持ち込まれて先制を許す。さらに敵陣でターンオーバーされると、自陣へ持ち込まれ追加点を許し、0-12とされる。しかし、ここから早大が攻勢に転じる。前半終了間際に1トライを挙げると、後半敵陣10メートル付近で齋藤直人(スポ2=神奈川・桐蔭学園)のグランダーのキックパスを大外に広がっていた桑山聖生(スポ3=鹿児島実)がキャッチ。そのまま独走し、逆転に成功する。その後、互いに1トライずつを奪い合い、流通経大に2点差に追い上げられたが、終了間際にトライを挙げ、28-19で快勝。優勝候補を破る、価値ある勝利となった。続くCHAMPIONSHIP1回戦の青学大戦では、先制トライこそ許したものの、佐々木尚(社3=神奈川・桐蔭学園)が3トライを挙げる大活躍。その後の準決勝も47-0と北海道バーバリアンズを全く寄せ付けず、早大は危なげなく決勝進出を決めた。
自慢の快足を飛ばし、青学大戦で3トライを奪った佐々木
迎えた決勝戦。相手の東海大も早大同様に、15人制でもスタメンに名を連ねる実力のある選手たちがメンバーに入っており、接戦が予想された。東海大に先制トライを許したが、直後にグラウンドを広く使ったパス回しで大外へ展開。桑山聖が相手にタックルを受けながらも、それをものともせずインゴールへねじ込み、同点とする。しかし、直後に早大がペナルティーを相手に与えると、ラインアウトからパス回しで展開され、失トライ。7-12と逆転を許してしまう。しかし、ここで流れを変える出来事が起こる。前半終了間際、早大が敵陣ゴール前でペナルティーを獲得すると、東海大にシンビン。数的有利な状況となると、クイックスタートからパスを受けた中野将伍(スポ2=福岡・東筑)がインゴール真ん中へボールを置き、試合をひっくり返す。その後も早大は後半に2トライを挙げて試合を有利に進める。終了間際に東海大の反撃を受けたものの、辛くも振り切り28-24でノーサイド。1983年以来34年ぶりの優勝を果たした。
決勝戦での早大初得点となった桑山聖のトライ
「大会を通して、いいディフェンスをしてターンオーバーなどのチャンスをものにできたのが良かった」(桑山聖)と振り返る通り、ブレイクダウンでしっかりと人数をかけてターンオーバーしたうえで、フィジカルで当たり負けすることなく、チャンスを作り出す場面が散見された。ブレイクダウン、フィジカルは15人制でも重要なファクターとなるため、この2つの部分の強化が進んでいるのを確認できたことは、この先シーズンを戦う上で大きな収穫といえるだろう。次週の東日本セブンズでも結果にこだわり、勢いに乗った状態で関東大学春季大会に臨みたい。
(記事 新開滉倫、写真 矢野聖太郎、本田理奈)
結果
1回戦 ○早大28-19流通経大
CHAMPIONSHIP1回戦 ○早大31-5青学大
CHAMPIONSHIP準決勝 ○早大47-0北海道バーバリアンズ
CHAMPIONSHIP決勝 ○早大28-24東海大
早大登録メンバー | |||
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名前 | 学部学年 | 出身校 | |
佐藤 真吾 | スポ3 | 東京・本郷 | |
齋藤 直人 | スポ2 | 神奈川・桐蔭学園 | |
岸岡 智樹 | 教2 | 大阪・東海大仰星 | |
中野 将伍 | スポ2 | 福岡・東筑 | |
梅津 友喜 | スポ2 | 岩手・黒沢尻北 | |
吉岡 航太郎 | スポ4 | 国学院栃木 | |
桑山 聖生 | スポ3 | 鹿児島実 | |
◎横山 陽介 | スポ4 | 神奈川・桐蔭学園 | |
フリン 勝音 | スポ3 | 福岡・筑紫丘 | |
緒形 岳 | スポ3 | 新潟・新発田 | |
作田 蓮太郎 | 教4 | 東京・早実 | |
佐々木 尚 | 社3 | 神奈川・桐蔭学園 | |
※◎はゲームキャプテン、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園) |
コメント
山下大悟監督(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)
――優勝という結果で大会を終えました
チームでやってきているストレングスであったり、チームで強化していこうとした部分が7人制でも活かせた大会であったと思います。
――例年と比べて、主力のメンバーの多くが試合に出場していました
プレーシーズンの3週間はターゲットを設定して練習を行っています。BK、そしてチームとしてはセブンスの大会で優勝することを目標に掲げたため、勝つためのメンバーを選びました。FWはセットピースを強化するため、スクラムを600本組みます。
――選手一人一人のディフェンスの精度が高かった印象を受けます
相手をしっかり倒し切っていましたね。タックルはよかったと思います。
――選手のフィジカルが強化されたと感じます
フィジカルの強さが試合に出ていますね。オフシーズンの8週間、プレーシーズンの4週間でストレングスをやってきたので、その成果は出てきているのではないかと思います。
――今回の大会で重視したことは何でしょうか
チームディフェンスやブレイクダウンといったチームの強みにしていく部分と連動させて試合をすることは意識していました。ただ、とにかく勝つことを目指していたので、セブンズに向けた練習時間が短い中で、優勝できてよかったです。
横山陽介ゲームキャプテン(スポ4=神奈川・桐蔭学園)
――優勝おめでとうございます。率直な感想を聞かせてください
大学に入学して以来初めてこのような大会で優勝したので、勝ててよかったです。
―普段あまり行われない7人制の試合ということで何か意識して臨んだことはありますか
守る範囲が広いので隣とコミュニケーションを取って、連結してラインでディフェンスすることを心がけました。
――コミュニケーションの話が出ましたが、きょうは積極的にコーリングする声も聞こえましたね
意識はあまりしていないのですが、いつも通りやっていこうと思っていました。
――ディフェンスでは人数をかけてターンオーバーする場面が目立ちました
そこの部分は練習を多くやっているので、決勝などは練習の成果が現れたのかなと思います。試合を重ねるにつれて慣れてきたなとも思います。
――ご自身のディフェンスを振り返っていかがですか
僕はディフェンスがウィークポイントだと大悟さん(山下監督)とも話しているので、ディフェンスを逆に強みにしていきたいと思ってます。出た部分もあったんですけど、足が動かなくてい抜かれた部分もあったのでしっかり改善していきたいと思います。
――スクラムも組んでいましたが、組んでみていかがでしたか
見ててきついと思っていたのですが、本当ににやってみたらきつかったので、FWはすごいと思います。
――来週は東日本大学セブンズもありますが、生かしていきたいことなどはありますか
ミーティングなどもあると思うので、そこできょう出来たことと出来なかったことを反省して来週につなげていきたいと思います。
桑山聖生(スポ3=鹿児島実)
――きょうの試合全体を振り返ってどのように感じましたか
大会を通して、いいディフェンスをしてターンオーバーなどのチャンスをものにできたのが良かったです。7人制ラグビーではブレイクダウンがあまりできないシーンがあるので、ディフェンスラインの使い方が今回はうまくできて、そこでボール争奪できたので良かったです。
――流通経大戦では2本のトライを決めましたが、それに対しての感想をお願いします
1トライ目はチームが押されていたので、いいプレーをして流れを持って来たかったので良かったです。2本目は齋藤直人が良いキックをしてくれたので。
――序盤は押されていましたが、そのトライによって流れを変えられたと評価しますか
先に2トライを取られたので自分たちも取りたいという気持ちはありました。
――決勝の東海大は主力メンバーでしたがどのように感じましたか
ラグビーが上手い選手が多くて、15人制の大学選手権でも決勝に進出しているチームなので、激しさはあったかなという感じです。しかし、それを想定して春やってきましたし、ブレイクダウンなど15人制で練習しているところが通じる部分があったので良かったかなと思います。
――きょうの試合に向けてどのような準備をしましたか
特にはありません。大会2日前からディフェンスのシステムやセットプレーからのアタックを練習しました。7人制でもチームが意識しているライフラインだったりブレイクダウンだったりハードワークだったりを取り込むだけだったので、いいかんじに出たのではと思います。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
東日本大学セブンズはもっと色々な大学と対戦することになりますが、ひとつひとつカラーがあると思うので、今回試合した大学や社会人のチームと同じようにカラーを見て臨機応変に対応して一戦一戦勝ちたいと思います。
佐々木尚(社3=神奈川・桐蔭学園)
―今大会にはどのような意気込みで臨んだのですか
自分はバックスリーの選手なので、7人制は自分の走力を生かせると思いました。15人制に比べて思う存分走るスペースがあるので、楽しもうと思って臨みました。
――チームとしてはどのような準備をしてきたのですか
優勝を目指すと言っていたものの、2日くらいしか練習していなかったので、ブレイクダウンなどに不安はありました。ですが、チーム一人一人のポテンシャルが高かったので、勝ちにつながったと思いますし、そこは誇れる部分だと思います。
――ディフェンスが乱れるシーンもありましたが、それは練習期間が短かったことも関わっているのでしょうか
そうですね。
――個々のタックルはよく決まっていたと感じましたが、いかがですか
個々のタックルは良くてもラインが乱れてしまって、そこを突かれることがあったので、東日本大学ゼブンズまでは時間があるので、そこは修正していくべきだと思います。
――印象に残っている試合はありますか
やはり決勝の東海大戦ですね。
――どの部分が特に印象に残ったのでしょうか
野口(竜司)選手は何でもできるオールマイティーな選手ですし、うちと違ってぎりぎりまで試合をしていたうえに、シンビンが出て人数が少ない状況でもファイトしていたので、そういう部分がすごくいいなと思いました。
――青学戦では3トライを挙げ、相手を二人かわしてのトライもありました。青学戦を振り返っていかがですか
あのときはSOとCTBが前に圧力をかけてくれていました。CTBは中野将伍(スポ2=福岡・東筑)だったりして、相手のラインを1回止めるようなかんじだったので、すごく外が生きたのだと思います。
――15人制のスタメン定着に向けて、佐々木選手にとって勝負のシーズンになってくると思います。ご自身のアピールポイントはどこだと考えていますか
ボールを持ってからの加速、ゼロスピードですね。それで一気に相手のディフェンスラインを切り裂いていくというところです。
――来週の東日本大学ゼブンズに向けて、意気込みを聞かせてください
まだメンバーは決まっていないのですが、今回自分もディフェンスの連動がうまくできていなかったので、アタックの部分を伸ばしつつ、ディフェンスを修正していけたらなと思います。