ア式蹴球部

2017.03.22

東京都サッカートーナメント学生系の部予選 3月22日 東京・法大多摩グラウンド

劇的勝利で法大撃破!上々の滑り出し

 悪夢の関東大学リーグ戦2部への降格から4ヶ月が経過し、ことしも春がやってきた。新たなシーズンの幕開けを告げる東京都サッカートーナメント学生系の部予選で、早大は敵地に乗り込み、法大とのゲームに臨んだ。立ち上がりにPKを献上してリードを奪われたが、早い時間帯に同点とすると、後半は一進一退の攻防に。それでも、延長戦に突入するかと思われた後半アディショナルタイムに、途中出場のMF石川大貴(スポ4=名古屋グランパスU-18)が値千金の決勝点。劇的勝利で新チームの初陣を勝利で飾った。

 両チームともにロングボールを多用し、様子をうかがうように試合に入った。ところが6分、法大のDF奥村宣彦がドリブルでペナルティエリア内に侵入すると、対応で後手に回ったDF安田壱成(スポ4=ベガルタ仙台ユース)がたまらずファウル。直後にこのPKを沈められ、早々に追う展開となってしまう。ただ、風上側のエンドを取り、優位な状況にあった早大は慌てなかった。「相手が結構引いてブロックをつくってきたので、中盤に多くスペースが生まれていた」(MF鈴木裕也副将、スポ4=埼玉・武南)。ボールポゼッションも高まり始めた19分、左サイドでFKのチャンスを得ると、鈴木裕のゴール前へのボールに安田が頭で合わせて同点。その後も23分、30分にはそれぞれ高い位置でボールを奪ってフィニッシュに持ち込むなど、素早い攻守の切り替えと連動したプレッシングで相手の自由を奪い、危なげない試合運びを見せた。

新たに副将に就任した鈴木裕

 ただ、後半は一転して主導権を失った。後半開始と同時に法大が投入したFWディサロ燦シルヴァーノが再三ボールを引き出して起点をつくり始めると、早大は劣勢に。62分にGK笠原駿之介(法2=埼玉・早大本庄)がディサロとの1対1をストップすると、81分にもセットプレーからフリーのディサロに再びシュートを放たれるが、ゴールライン上でMF秋山陽介(スポ4=千葉・流通経大柏)がクリア。肝を冷やすシーンが続いたが、DF鈴木準弥主将(スポ4=清水エスパルスユース)を中心に声をかけ合い、苦しい時間帯を耐え抜いた。すると、待っていたのは歓喜の瞬間だった。後半終了間際、MF相馬勇紀(スポ3=三菱養和SCユース)がスルーパスでFW飯泉涼矢(スポ4=三菱養和SCユース)の決定機を演出。このチャンスは逸したが、このプレーで得たCKで、相馬からのボールに走り込んだ石川が頭で合わせると、力強いシュートが相手GKの手をかすめてネットを揺らした。

石川がチームを勝利へと導いた

 新チームでの初の公式戦で、一発勝負のトーナメント戦。今大会は天皇杯東京都予選も兼ねるため、2年連続の天皇杯出場を見据える上では落とせないゲームだったが、得意のセットプレーから2得点を奪い、見事に結果を残してみせた。内容面でも「ここまでやってきたことが、まだまだ少しではありますけど出せたのではないか」(古賀聡監督、平4教卒=東京・早実)と、一定の手応えをつかんだようだ。しかし、ポジティブな結果にも、「次勝たなかったら意味がない」(石川)と兜の緒を締めることも忘れていない。全ては天皇杯本戦で昨年のリベンジを果たすため、そして1年での1部復帰を果たすため。エンジイレブンはチーム一丸となって目の前の試合に全力を尽くす。

試合終了とともに安堵の表情を見せた鈴木準

※記事中の学年は新年度のものです

(記事=守屋郁宏 写真=栗村智弘)

 

 

東京都サッカートーナメント学生系の部予選
早大 1-1
1-0
法大
【早大得点者】19安田,90+1石川
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 16 笠原駿之介 法2 埼玉・早大本庄
RB 安田壱成 スポ4 ベガルタ仙台ユース
CB ◎鈴木準弥 スポ4 清水エスパルスユース
CB 熊本雄太 スポ4 東福岡
LB 松岡拓郁 商4 大阪・履正社
CMF 13 金田拓海 社2 ヴィッセル神戸U−18
CMF 鈴木裕也 スポ4 埼玉・武南
RMF 11 柳沢拓弥 社4 清水エスパルスユース
MF →80分 相馬勇紀 スポ3 三菱養和SCユース
LMF 10 秋山陽介 スポ4 千葉・流通経大柏
FW 飯泉涼矢 スポ4 三菱養和SCユース
FW 19 武颯 スポ4 横浜F・マリノスユース
MF →68分 石川大貴 スポ4 名古屋グランパスU−18
◎はゲームキャプテン
監督 古賀聡(平4教卒=東京・早実)

古賀聡監督(平4教卒=東京・早実)

――きょうの試合はいかがでしたか

学生が主体となって取り組んでいこうとしていることに対して、手応えも感じましたし、逆にまだまだ足りない部分もたくさんあると感じた試合になりました。

――具体的にはどういったところに手応えを感じましたか

攻守の切り替えの速さを徹底して戦うというところもそうですし、きょうのPKを与えた場面はサイドチェンジされて、そこからスピードアップされてという感じでしたけど、それ以降はしっかり奪い切って、サイドに展開させないということも、ある程度できていたと思います。攻めに関しては、一人一人が状況判断をしながらポジションを変えて、後ろから運んで崩すということができていたと思います。ここまでやってきたことが、まだまだ少しではありますけど、出せたのではないかと感じています。

――ここまでのトレーニングではどういったことに重点を置いてきましたか

ボールを速く奪うというこれまでも大切にしてきた本質は前提として、昨年よりも攻守においてギリギリの判断を伴いながら、状況に応じたポジションをとり続けて、ボールに積極的に関わる。それを追求してきていますし、まだまだ足りない部分もありますけど、それを戦う姿勢と合わせて、一年間通じてやっていくということが大事になってくると思います。

――日曜日の試合に向けて、意気込みをお願いします

昨年天皇杯の本戦に出ることができたにも関わらず、一回戦で負けてしまったという苦い経験がありますので、リベンジを果たすためにも、まずは東京都サッカートーナメントに出場する権利を、自分たちの力でつかみ取りたいと思います。

DF鈴木準弥主将(スポ4=清水エスパルスユース)

――きょうの試合はいかがでしたか

前半は自分たち、後半は相手が主導権を握っていた試合で、特に後半は自分たちがチャンスを決め切れなかったことで苦しくなってしまったと思います。ただ、最後になんとか決めて勝ち切ることができたのは、本当によかったと思います。

――新チームになってからどういったところに重点を置いてトレーニングをしてきましたか

チームとしては守から攻への切り替えを速くしようということを強く意識して、練習に取り組んでいます。あとは、攻撃でも守備でもボールに対して関わる回数を増やすことを意識してます。攻撃であれば、ボールの状況に応じてアクションを起こす。守備であれば、ファーストプレッシャーに対して、セカンドサードの選手はどういう動きをするか。その辺りを意識的に取り組んでいます。

――きょうの試合、その辺りに関してはいかがでしたか

切り替えの速さは意識できていたと思いますし、奪われてからも高い位置で奪い返すことができていたと思います。攻撃に関しても、一人一人がボールの状況を見て剥がしたり侵入したり、工夫できていたと思います。ただ、もう少しアクションを増やしていければ、相手に対してより恐怖を与えられると思います。

――新たにキャプテンに就任してから意識していることはありますか

チームが悪い状況なときこそ、自分が一番声を張って戦うということ。あとは、ポジションが一番後ろなので、気づいたこと感じたことを常にピッチの中で発信していくということです。

――きょうは2点ともセットプレーからの得点となりました

ことしは(セットプレーに関しては)まだそこまで詰められてないですけど、これまで積み重ねてきたことを出そうと意識していましたし、ことしは高くて強い選手が多いので、試合前からそれを生かしていきたいという話しはしていました。

――日曜日の試合に向けて、意気込みをお願いします

また苦しい試合になると思いますけど、90分経ったときに自分たちが勝者になっていられるように、チーム一丸となって戦います。

MF鈴木裕也副将(スポ4=埼玉・武南)

――今季初めての公式戦でした

遠征とか試合ではなかなか結果が出なかったんですけど、今シーズンは新たな取り組みもしていて、そこの部分で結果が出ない中でも焦らずにやってきたので、恐れずに出していこうということで試合に入りました。

――前半は相手よりもボールを握っていた印象がありますが

追い風ということもあって、相手が結構引いてブロックをつくってきたので、それで中盤に多くスペースが生まれて、うまくパスをつなぎながら相手をボールに集中させてサイドから攻めるとか、そういう感じでやろうと思っていました。

――ビルドアップについては

相手のディフェンスのポジショニングを見ながら、お互いサポートをし合えるようなポジショニングを意識してやっています。

――後半に入ると苦しい時間帯も長かったと思います

4年生がピッチにたくさんいる中で、「この時間帯は耐えよう」とか、「耐えればチャンスが来る」とか、そういう声かけが生まれていたので、それが結果につながったのかなと思います。

――良いスタートが切れたと思いますが

きょうの試合では自分たちはまだまだ課題だらけだったと思うので、目標は日本一だったり1年で1部に復帰することなので、そこに向けてもっと高い基準を追い求めていかなければならないと思いますし、まずは次の試合で勝てるように頑張りたいと思います。

MF石川大貴(スポ4=名古屋グランパスU-18)

――途中出場するにあたって意識したことは

自分自身、早関戦まではずっとスタメンで出ていて、ただ直前でケガをしてしまって、(きょうは)スタメンからは外れたのですが、チームの空気だったりやりたいプレーは共有できていたので、その点試合にスムーズに入れたかなと思います。

――得点シーンについては

セットプレーがうちの強みになるというのはわかっていましたし、クマ(DF熊本雄太、スポ4=東福岡)と涼矢(FW飯泉涼矢、スポ4=三菱養和SCユース)という強い選手がいる中で、自分のところがポイントになるだろうなというのは、きのうのセットプレーの確認から感じていたことではあったので、練習通りにできてよかったと思っています。

――ポジション争いはいかがですか

ことしは4年生を中心として、例年にないくらい層も厚いので、全員が練習からプレッシャーをかけ合って、良い雰囲気でバチバチして練習できていますし、それがこういう1点先制されてネガティブな状況になってもいつも通りのプレーをすれば問題ないという意識につながっていると思います。

――次戦について

次勝たなかったら意味ないですし、昨年グルージャ(盛岡)に0-4で負けて、悔しい思いもしたので、その雪辱を果たすという意味でも、きょうの勝ちを無駄にしないように、次も全員で勝ちたいと思います。