フェンシング部

2016.12.27

第69回全日本選手権 12月25日 愛媛・伊予三島運動公園体育館

苦しさ乗り越えた女子エペ、ラストは笑顔で銅メダル!

  振り返れば苦しい時もあった。女子エペ、創部史上初の五冠から1年。全日本学生王座決定戦では優勝を決めるが、関東学生選手権では3位、全日本学生選手権ではまさかの準々決勝敗退と表彰台にすら届かない。勝ち続けることの難しさを感じざるを得なかった。そして迎えた、ラストの全日本選手権(全日本)。2回戦、準々決勝を勝ち抜くと、準決勝では序盤の失点が尾を引き最後は粘るが42-45で惜敗。3位決定戦では法大にリードを譲らず勝利した。連覇とはならず、うれしさ半分悔しさ半分ではあるが、最後は笑顔で表彰台に上った。

★深い絆で結ばれたチームの集大成は銅メダル(女子エペ団体)

伊藤はメンバーに声を掛け続け、プレーでもチームを引っ張った

 初戦は厳しい展開となった。長時間にわたるロースコアでの競り合いが続く。しかし試合を動かし流れをつかんだのは、第8セット。山村彩和子(教4=岡山・玉野光南)がタイミングを狙って突きを決め4点差まで広げた。しかし、最終セットの3分間は点の取り合いに。才藤歩夢(スポ2=埼玉栄)が点数をうまく取れない場面もあったが、相手の猛追を振り切って44-40。最初の山場を乗り越えた。続く準々決勝では関学大と対戦。一度もリードを許さない、圧倒的な強さで試合を運ぶ。「チームのいいところを出していい雰囲気で勝てた」(山村)とまさにワセダらしさが表れたゲームとなった。準決勝の相手は大阪シティ信用金庫。手強い社会人チームを相手に、前半に大きくリードを許す。しかし、第5セットに才藤がペースをつかんで連取。8点差から4点差まで縮めることに成功した。しかし、相手もそこで引かず取っては取られる展開に。最後にアンカーの才藤が同時突きを含む6連取で追い上げを図るが届かず。42-45と、前半の失点が悔やまれる試合となった。しかし、泣いても笑っても次の試合がラストゲーム。「4位という結果で何も持って帰れないということだけは避けたかった」(伊藤由佳、スポ4=栃木・宇都宮中央女)と確実にメダルを狙いに行った。相手は昨年の全日本の決勝で当たった法大だ。第3セットに山村が勝ち越すと、その後はわずかにリードを保つ。第8セット、山村が一気に10点差まで広げる圧巻のプレーで相手の勢いを断ち切った。最終的には45-33と快勝。試合終了後の円陣で、チームキャプテンを務めた山村は一瞬声が出なくなった。「本当にワセダとして試合をするのが最後なんだな」という思いが募る。「ワセダ―!ファイッ」。涙声だった。

 「ワセダじゃないほうが、と思ったことは一度もないし、このチームでずっと戦ってきて良かったなという思いしかない」(山村)。大好きなチームと歩んで迎えたラスト。一番欲しかったものとは色は違うものの、このメダルは何としても欲しかったメダルだ。卒業した先輩、そして伊藤と山村が作ってきたワセダの強い女子エペ。この日の背中は、姿勢は、見ている多くの人の胸に刻まれた。そしてまたこのタスキは後輩に受け継がれる。

★新体制で挑むが、苦い苦い初陣(男子サーブル団体)

一本勝負に敗れ頭を押さえた竹下。ただ竹下はこの日チームをプレーでも支えた

 4、5年生が引退した男子サーブルは2回戦で専大と対戦。第1セット、高木良輔(スポ1=埼玉・立教新座)が1-5と立ち上がりは出遅れてしまう。しかしここで気を吐いたのは新主将の竹下昇輝(スポ3=静岡・袋井)。連取に成功し、10-9と1点差まで持ち返した。しかし第3セット、第4セットで大幅にブレーキをかけ8点ビハインド。今回はリザーブだった男子サーブルの柱・茂木雄大(スポ2=神奈川・法政二)を引きずり降ろされずを得なかった。第6セットで竹下が前に出る攻めで6点差まで縮める。続く第7セットで茂木が同点まで追い上げる、さすがとしか言いようのないプレーを見せた。その後高木が逆転に成功し、最終セットでは竹下が3連取。先に王手をかけたがそこから3失点。一本勝負となり、点いたのは相手側のランプ。ただ、今回の敗因は大差を背負うことになってしまったことだ。来年は茂木も留学に行くため、エース頼りのチームでは勝利を手にすることさえ難しい。スコア以上に厳しい現実がのしかかる。春に向けて課題が浮き彫りになった。

(記事 加藤佑紀乃、写真 本田京太郎)

笑顔で表彰台に上った女子エペ

※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。

※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。

結果

▽女子エペ団体
早大〔伊藤由佳(スポ4=栃木・宇都宮中央女)、山村彩和子(教4=岡山・玉野光南)、才藤歩夢(スポ2=埼玉栄)、澤浦美玖(スポ1=静岡・沼田女)〕 3位
 2回戦:〇44-40青山クラブ
 準々決勝:〇45-25関学大
準決勝:●42-45大阪シティ信用金庫
  3位決定戦:〇45-33法大

▽男子サーブル団体
早大〔竹下昇輝(スポ3=静岡・袋井)、武山達(創理2=東京・早大学院)、茂木雄大(スポ2=神奈川・法政二)、高木良輔(スポ1=埼玉・立教新座)〕 1回戦敗退
 2回戦:●44-45専大
 

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コメント

伊藤由佳(スポ4=栃木・宇都宮中央女)

――大学生として最後の大会でした、やはりこの大会にかける思いは強かったですか

フェンシング生活最後だし、思い切って頑張ろう、という気持ちでした。この大会の前の大会で、結構落ち込んだ部分があったので考えるよりも、楽しむことを重要視して試合をしていました。

――試合内容や大会を振り返ってみて

試合内容に関しては、臆することなく自分のプレーができて、強気に攻めることができていたんじゃないかなと思います。ここをこうすればよかったのに、という変な悔いはないですね。

――今大会の3位という結果に対してどう思われていますか

正直なところ負けてしまったことに関しては悔しいです。でも、4位という結果で何も持って帰れないということだけは避けたかったので。そういった意味ではメダルを持ち帰ることができてよかったなと思いますね。

――準決勝である大阪シティ信用金庫との試合を振り返ってみていかがですか

自分の出た試合で、取れる点もあったのですが、取られ方がもったいないなと思ったところもありましたね。そこはもっと足を使ったりだとか、自分のプレーに持って行きやすくするようなコースを突いて行くべきでした。もっと時間を使ってプレーできたらよかったとは思います。でも、その時の自分の状況でのベストは尽くせたのかなと思います。

――3位決定戦はこれまで何度も対戦してきた法大との試合でした。それについては

法大との試合は久しぶりだなとは思っていました。試合が始まって、向こうのベンチを見たときに暗いイメージだったので、もしかしたら早大に有利な風が吹くんじゃないか、と軽く思っていました。特に悪い感じはしていませんでしたね。

――試合中でも、ベンチでも大きな声を出し仲間を鼓舞している姿が印象的でした

点を取られたことで毎回沈んでいると、相手が勢いづいてしまうので。自分たちが黙って、仲間がいいプレーをした時やミスをした時にちゃんとした声をかけれないと、1点の重みに対するを感じることができないと思っています。落とした1点の大きさ、取った1点の大きさをチーム全体で理解できるようにするために大きな声を出すということは心がけていました。結果として、これがチームに良い流れをもたらしたと思っていますし。

――このメンバーでの1年間を振り返ってみて

昨年の自分にはプレーの軸となるものがなかったと思います。プレー中でも、揺れ動いちゃう部分がどこかしらありました。ですが、今回の全日本選手権では自分の中でうまく区切りをつけながらプレーができて、なおかつ仲間のことを信じながら試合に集中できていたんじゃないかなと思います。最後の最後で、大学生らしい絆の深まった団体で戦い抜くことができたんじゃないかなと思います。

――大学での4年間を振り返ってみて

エペを始めたのが大学からで、1、2年の間はずっと先輩方や同期について行くだけで必死でした。3年になって少しずつ自分のプレーがわかってきて、自分で考えながら、他大の選手にアドバイスをもらいながら、少しずつ余裕が出てきました。これまでの過程で、本当に、周囲の方々には恵まれていたなと思います。そして、自分も成長できましたし。フェンシングから学んだことはこれからも生きてくるんじゃないかなと思いますね・

――最後に後輩たちや同期に向けて一言お願いします

1試合1試合をちゃんと目標を持ってと言いますか、ただ練習するのではなく意味のある時間を過ごしてもらいたいですね。団体戦でも、全体の流れを意識しながら、練習試合でもなんでも取り組んでいってもらいたいですね。ぜひ、頑張ってもらいたいですね。同期に関して、本当にいい同期だったなと思います。助け合える同期で、感謝をしています。これからも、みんな元気でやろうぜ(笑)。

山村彩和子(教4=岡山・玉野光南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

最初はきつい勝負になるなというのを分かっていて、そこを乗り越えたので2回戦はチームのいいところを出していい雰囲気で勝てたなと思います。やはりちょっと準決勝では相手の方が一枚上手だったというか、取られなくていいところで取られてしまいました。でも相手はそこをちゃんと狙ってきているので、ちょっと戦いようがあったかなと思います。3位決定戦では最後はメダル取ろうとみんなで話をしていたので、落ち着いてみんな動けていたかなと思います。

――初戦は競っていましたが、そこを乗り越えたのは大きいですか

相手がやはり3人とも大きかったので、駆け引きというよりかは自分のプレースタイルを相手がしてくるというかんじでした。そこで自分たちが崩されずに点差が開かないにしても勝てたというのは、次は駆け引きが必要になる大学で王座(全日本学生王座決定戦)なども当たっている相手だったのでちょっと気持ちとしては楽に戦えたかなと思います。

――準決勝では序盤に点差を離されてしまったのが悔やまれるところですか

そうですね。それまでは私とかは感覚で動いていて、それがいいようにいっていたのですが、準決勝になった途端負けて回ってきたところでどういうふうに取ろうといったところから始まり、攻め切れずにその前に相手にやられるという展開で、どんどん開いてしまいました。そこを自分が取るというよりかは自分の動きを最後まですると思ってやったほうが良かったかなと思います。

――3位決定戦は何度も対戦している法大でしたが、山村選手の3回り目で点差を大きく離しました

去年の全日本の決勝では法大と当たり、きょう8試合目に当たった子と去年は3試合目に当たったんです。その時にボコボコにされて、8試合目に当たるのはどうかなと思っていたのですが、それまでに相手の動き見ていてこういうふうに取りたいんだろうなというのが見えていたので、落ち着いてそれを実践して点につなげられました。動きとしては良かったね自分って(笑)。

―― 最後円陣組むとき涙目でしたね

なんか「ワセダー!ファイッ」って言うのも最後なのかと思うと、勝ち負けと言うより、あっ本当にワセダとして試合をするのが最後なんだなということに感極まったかんじですね。

――関東学生選手権では3位で、全日本学生選手権ではあまりうまくいかず、全日本に懸ける思いは大きかったと思いますが、3位という結果はどのように考えていますか

率直にもちろん連覇は狙いたかったのですが、まず表彰台に立てたというのは良かったなと思います。でも悔しさ半分くらいですね、うれしさ半分くらいかな。

――このチームで組んだ1年を振り返っていかがですか

いろいろ試行錯誤して、去年まではずっと考えて考えてやってきて、4人目までしっかりメンバー揃っていたというかんじでしたが、ことしはやはり残っている3人でうまく回さなきゃいけないという思いが強くて、考えていてもそれを実践できないというもどかしさというのがあったので、特にきょうの2試合目はまとまって最後の大会でそういう戦いをできたのは1年間悔しい思いをしてきたのもあったけど、それがうまく活かせた結果なのかなと思います。最後1年間を振り返って、いい状態で終われたかなと思います。

――足が良くないとお聞きしましたが、良くなっていましたか

足はまた手術するかなというかんじではあるのですが、気合です(笑)。もう全然何も感じなかったです。全く痛いとかも思わなかったんで、それは良かったです。インカレより全然。

――ワセダとしての4年間を振り返っていかがですか

ワセダじゃないほうが、と思ったことは一度もないし、このチームでずっと戦ってきて良かったなという思いしかないです。同期に恵まれ、先輩に恵まれ、後輩にも恵まれて、感謝してもし切れないですし、もうこのメンバーはだったからここまで結果残してこれたのかなと思います。それは団体だけではなく個人もなので、ケガとかもあったけれど最終的にはいいかたちで終われました。後悔はないかな。悔しさはあるけど後悔はないかなと思っています。

――来年の女子エペはメンバーがかなり変わると思いますが、後輩に伝えたいことはありますか

強い選手が集まっているからといって勝てるとは限らないと思います。やっぱりコミュニケーションを取って、自分たちでチームでやっていくんだという気持ちがないと、ただの寄せ集めになっちゃうだけなので。団体って特にチームワークで、普段からの練習も自分さえ良ければいいのだとワセダとしては良くないかなと思うので、そこをワセダとしてやっているという誇りを持ってチームで強くなる、最終的に個人も団体も結果が残るんだという気持ちで、4年間残りの生活やっていってほしいなと思います。

――特に伊藤由佳選手(スポ4=栃木・宇都宮中央女)は4年間ずっと一緒にやってきましたが、伝えたいことはありますか

個人も当たったりして、お互い気をつかう部分もあったと思うのですが、由佳じゃなかったら私はのびのびともできていないんで。ありがとう、という本当にその一言ですね。ありがとうって言いたいですね。