フェンシング部

2016.12.24

第69回全日本選手権 12月23日 愛媛・伊予三島運動公園体育館

男子エペが銀!!来季につながる今季初メダル

 「みんなの歯車がかみ合いました」。(安雅人、スポ1=茨城・水戸一)。全てがこの一言に表されている。2016年団体戦のラストを飾る全日本選手権(全日本)。早大からは男子エペが出場し、初戦から見事な試合運びで決勝まで駒を進めた。決勝では強豪・法大を前に悔しい敗北を喫するが、今季初めて早大の男子エペはメダルを獲得。来季に向けて大きな一歩を踏み出した。

 理想的な展開が実現した。まずは初戦を難なく突破。続く準々決勝では1-5とスタートで出遅れてしまう。しかし加納虹輝(スポ1=山口・岩国工)が一度もシングルでの得点を許さず、10-7と流れを持ち返した。それ以後は追随を許さず圧勝した。迎えた準決勝の相手は、何度も対戦している慶大。今月11日に行われた早慶戦では慶大相手に今季初勝利を収めたものの、その時にはフルーレ専門の松山恭助(スポ2=東京・東亜学園)の助けもあったため今回の勝敗の行方は不透明だった。「最後自分と仁さん(武田、慶大)の前で点差をつけられたら勝てる」(小野真英、スポ2=埼玉栄)という考えの下に、早慶戦の時と同じくアンカーを加納から小野に変更して臨んだ。序盤は追い掛ける展開となるが、第4セットに安が同時突きを含む5連取で逆転。相手の勢いを削り落とす。続く小野がリードを6点差まで広げ、チームに勢いをもたらした。その後は全く焦ることなく点を積み重ねて45-31。作戦がうまくはまり、因縁の相手に快勝した。

決勝進出を決めて喜んだ

 しかし、ここから歯車が少しずつずれていく。決勝の相手は強豪・法大。序盤わずかにリードを保っていたが、第4セットで安の攻撃がうまくはまらず逆転を許す。ここで力を見せたのはやはり加納。シングルで5連取し再度リードを奪い返した。攻防が続く中、流れが大きく傾いたのが第8セット。小野が「自分からはまっていってしまった」と語るように、突きが決まらない。相手の勢いに飲まれ痛恨の6連続失点。最終セットを前に35-40、追い込まれた。アンカーの加納はいきなり3連取し2点差まで詰め寄る。しかし相手も黙っておらず39-45でゲームセット。「勝てた試合だった」(加納)というだけに悔しい一敗となった。

決勝でも加納は安定してポイントを積み重ねた

 ただ、このメダルはメダルの色以上に価値のあるものになった。特に安はポイントが取れずに気持ちを強く持てない時もあったが「やられてもしょうがないし、後ろもいる」と気持ちを切らさず、自分の役目を果たして自信を得た。まだ結成して1年目。今大会を経て一人一人がこのチームなら勝てるという手応えを感じた。団体戦は全員でつなぐ種目。大事な局面で全体として力を発揮できれば、このチームはさらに強くなる。「来年は全部取りに行く勢いで」(小野)。野望にも聞こえる言葉が現実味を帯びた。男子エペにワセダの時代が到来するのはもう遠い未来の話ではない。

(記事、写真 加藤佑紀乃)

表彰台でうれしそうな表情を見せる男子エペ。この日の男子エペは純粋にフェンシングを楽しみ、お互いに声を掛け合うなど雰囲気がとても良くなっていた

※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。

※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。

結果

▽男子エペ団体
早大〔小野真英(スポ2=埼玉栄)、加納虹輝(スポ1=山口・岩国工)、十河昌也(スポ1=香川・三本松)、安雅人(スポ1=茨城・水戸一)〕 2位
 2回戦:〇45-31福岡フェンサーズ
 準々決勝:〇45-32宇都宮フェンシングクラブ
 準決勝:〇45-31慶大
 決勝:●39-45法大

コメント

小野真英(スポ2=埼玉栄)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

他の二人が調子良くて、自分も最後以外は調子良かったのですが、最後すごく情けない試合をしてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいですね。

――最後は悔やまれますか

はい。法大もチームとして若くて、他の法大のメンバーとも一緒に遠征に行っていたので一応お互い手の内は知っていたはずなのですが、自分からはまっていってしまって、それで点差が開いてどんどんどんどん…。駄目でしたね…。

――準決勝までは上手く試合進みましたが、慶大に勝てたのは早慶戦に勝てたことは大きかったですか

最後自分と仁さん(武田、慶大)の前で点差をつけられたら勝てるなというのをみんなと話していたので、そこに至るまでのプロセスをどう考えるかと話し合った結果、早慶戦の時と同じ方がいいねとなりました。それがまたうまくはまってくれたので、結果的にも良かったかなと思います。

――準々決勝での慶大と警視庁の試合をご覧になっていましたね

慶大とはやりすぎていて(笑)。正直全日本まで来て早慶戦やりたくないなと思っていて、警視庁のほうが新鮮なので(笑)。警視庁とちょっとやってみたかったんですけど、結果的に慶大と当たって勝てたので良かったです。

――チームとしてはきょうは一番かみ合っていましたか

そうですね。決勝まではかみ合っていたはずなんですけど、決勝でやっぱり大事な場面で全体として力を発揮することがまだできないので、来年からはそこを失くせばもっと強いチームになれると思うので頑張ります。

――このチームでは初めてのメダルとなりましたが

まだ組んで1年目ですし、実際に団体戦をしたのは3回目なので、3回目にしたら結果的には上出来かなと思いますね。

――収穫や課題がありますか

エペの中では引っ張っていかないといけない立場なのに、試合で悪いムードを作ってしまったのが反省です。チームとしてまとまれば試合もスムーズに展開することができるので、それが良かったかなと思います。

――自信にはなりますか

はい。来年は全部取りに行く勢いで。

――取りに行けるチームですか

はい、そうですね。

――加えて来年の個人的な目標をお願いします

来年はユニバーシアードがあるので、選ばれるように個人的には頑張りたいなと思っています。

加納虹輝(スポ1=山口・岩国工)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

個人的なことだけ言うと、そんなに(相手に)やられることはあまりなかったので良かったかなと思います。チームとしても良くて上手くかみ合っていたので、決勝まで行けました。

――全日本選手権(全日本)にはどのような意気込みで臨まれましたか

正直決勝まで行けるとは思ってなかったです。ベスト4まで行ったら決勝、そこまで行ったら優勝…。優勝したかったです。

――準決勝までは順調に試合が進みましたが、振り返っていかがですか

準々決勝で宇都宮フェンシングクラブと当たるときもここどうかなというかんじで、気合入っていったのですが、みんな調子良くかったです。終わった結果普通に勝てたなというかんじでした。

――決勝を振り返っていかがでしたか

個人的なことだけいうと結構良かったほうなのですが、決勝はなかなかチームがかみ合わなかったです。しょうがないですけど、勝てた試合だったので勝ちたかったです。でも団体戦なのでしょうがないです。自分のことだけじゃないんで。

――ことし1年間を振り返っていかがですか

チームとしてはすごい成長できたなと思います。今まであんまりこのチームで勝てなくて、やっと今回の全日本でまとまってきたなというかんじです。来年のリーグ戦(関東学生リーグ戦)や関カレ(関東学生選手権)、インカレ(全日本学生選手権)も勝てそうです。

――来年の目標はありますか

団体戦は国内の学生の試合などは全部優勝できるので、できるように頑張ります。個人戦では、ことしも行っているのですがシニアでの海外の試合が結構あるので、それで来年は結果残していきたいなと思います。

安雅人(スポ1=茨城・水戸一)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

いつもは戦犯じゃないですけど、自分がやらかして試合に負けてしまうことが多かったのですが、今回は結構調子も良くて取られても割と粘れたかなと思います。

――このチームで組んでからは初めてのメダルとなりました

みんなの歯車がかみ合いました。ただ、最後は悔しかったですけどしょうがないので、結構うれしかったです。

――準決勝まではうまく試合運びできていましたが、そこまでを振り返っていかがですか

準決勝では相手のエースの人と自分を最初に当ててしまおうという作戦だったのですが、そこでも自分もちゃんと粘れたので、それで(流れを)持って行けたのかなと思います。

――早慶戦で勝てたことも今回当たる上で大きかったですか

大きいですね。その時は恭助先輩(スポ2=東京・東亜学園)がいて、自分がやらかしていたので何とも言えなかったのですが、早慶戦で勝てているのに全日本で負けちゃったというのはちょっと残念なので頑張って勝とうという気持ちはありました。

――いつもメンタルが弱いというお話をされますが、きょうは気持ちを持てましたか

気持ち持てました。やられてもしょうがないし、後ろもいるしというくらいの気持ちでやれたかなと思います。

――ガッツポーズも多かったです

ちょっと気合い入っちゃいました(笑)。

――きょうが一番ベンチの雰囲気も良いように感じました

そうですね。自分がやられてないからですかね(笑)。

――先ほど決勝は悔しかったとおっしゃっていましたが、決勝を振り返っていかがでしたか

結局自分も2回り目に、相手にマイナス4くらいにしてしまって、その後に出てきてくれた加納(虹輝、スポ1=山口・岩国工)がプラス4にしてチャラにしてくれました。その4点が2点でも、1点でも縮まれば、また試合の展開も変わってきていたのかなと思いました。

――収穫や課題などはありますか

気持ちが強く持てれば、意外とやれるんだということが分かりました。

――来季につながりますか

すごくつながりますね。リーグ戦(関東学生リーグ戦)では法大はあのままのメンバーで、早大もこのままのメンバーなので、次はリベンジしたいなと思います。

――年明けにはJOCジュニア・オリンピック・カップ(JOC)があります

JOCはスーパーシードで加納と当たることは決まっているので、当たるのは早いなとちょっと思っているのですが、しょうがないので。世界ジュニア選手権とかにも行きたいので、加納には言わないですけど勝ちたいです。