フェンシング部

2016.12.14

第69回早慶対抗定期戦 12月11日 早大フェンシング場

白熱の早慶戦で男女総合8連覇を達成!

 69年の伝統を誇る早慶対抗定期戦(早慶戦)。ホーム開催となった今回は、早大フェンシング場に駆けつけたOB、応援部の声援に包まれる中で熱戦が繰り広げられた。ことしは女子エペ、男子サーブルの2種目で慶大に敗れてしまい、最終種目まで総合優勝がどちらになるか分からない展開に。絶対に負けられない一戦で苦しい展開の中、ラストの女子サーブルでは4点差で慶大を制し、見事男女総合8連覇を果たした。

 最初の種目である男子フルーレでは45−22で慶大に快勝し、好調な出だしで戦いは幕を開けた。続く女子フルーレは、春の関東学生リーグ戦(リーグ戦)の入替戦で負けた慶大へのリベンジに燃えた。順調な滑り出しで第5セットを25−12で折り返したものの、第6セットにて慶大のエース宮脇花綸に11連続ポイントを許し、1点差まで詰められてしまう。しかし早大は、そのような追い上げにも決してひるまなかった。第8セットではサーブルが専門種目の佐々木陽菜(社2=東京・大原学園)がここでも活躍を見せ、慶大との差を3点まで広げる。そして最終セットでは宮脇の猛追から逃げ切ることに成功し、45−40で因縁の相手慶大に勝ち星をつかんだ。

勝利を決めほっとした表情を見せた男子エペ

 男子エペでは、今季一度も白星を挙げられていない慶大に再戦を挑んだ。第3セット終了時点では6—12と相手に大きくリードされる展開となったが、その後、躍進中のルーキー加納虹輝(スポ1=山口・岩国工)の同時打ちを含む11連取により、20−18と逆転に成功。早大はここでフルーレのエースである松山恭助(スポ2=東京・東亜学園)を投入。同時突きを含む5連続ポイントで流れを完全に引き寄せ、その後もリードを保ったまま試合を進める。「いつもだったら加納が最後をやっているので、そこを自分と変えて試合の流れを作っていった」(小野真英、スポ2=埼玉栄)。このインカレ時と回りを変える作戦が上手くはまった。ラストは小野が相手に詰め寄られるも粘りを見せ、45−42で待ちに待った勝利を手にした。

 女子エペはフルメンバーで臨めず、33―45で敗北しこの日初黒星を喫する。その後の男子サーブルは第1セットで相手に全く得点を許さず幸先の良いスタートを切るが、第2セットでは慶大の主将・町田拓哉に圧倒され9−10と逆転を許してしまう。その後は両校の激しい競り合いが続き、第8セット終了時点で40−37と最後まで試合の行方が分からない波乱の展開に。安部凌(スポ5=島根・安来)と町田の盟友対決となった最終セットでは、安部が粘りを見せるも町田の勢いを止めることができず、43−45と惜敗することとなった。そして最終種目、女子の優勝が懸かった女子サーブルでは追いつ追われつの展開を制し、念願の今季団体戦初勝利をつかみ取った。

この日がラストゲームとなった山本隼大(スポ4=香川・三本松)は気迫あふれるプレーを見せた

 この早慶戦が引退試合になる選手もいた。そんな4、5年生の熱い思いやピスト上での勇姿に、下級生は刺激を受けたであろう。「技術的なことうんぬんは抜きにして、自分たちから何か得るものを得てもらって、それを後に生かしてもらってこれから勝ってもらえればいい」(山本)。「あとは後輩に託すだけだ」(永瀬夏帆=スポ4・宮城学院)。引退する人の思いを受け継ぎ、早大は今月末、今体制ラストの試合となる全日本選手権の団体戦に挑む。

(記事 藤岡小雪 写真 越智万里子、加藤佑紀乃)



※フェンシングの団体戦は3人、または4人の選手が交代で出場し、1試合当たり3分という持ち時間内で争う。あるいは3分以内にどちらかが先に5得点先取すると、そこで次の選手に交替となる。最終的には9試合戦い、45点を先取、または持ち時間が終了した場合は得点が高い方が勝ちとなる。



※フルーレ:頭・両足・両腕を除いた胴体部への突きのみが得点となる。 両者がほぼ同時に突いた場合は、どちらの攻撃が有効だったかを主審が判定する。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は攻撃を防御してから攻撃しなければならない。



※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。



※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。


結果

総合優勝 早大

▽男子フルーレ 早大〔三好修平主将(社4=愛媛・三島)、北原達也(スポ3=長野・伊那北)、竹田陸人(社2=神奈川・法政二)、松山恭助(スポ2=東京・東亜学園)〕

○45-22慶大



▽女子フルーレ 早大〔永瀬夏帆(スポ4=宮城学院)、狩野愛巳(スポ2=宮城・仙台三)、佐々木陽菜(社2=東京・大原学園)〕

○45-40慶大



▽男子エペ 早大〔小野真英(スポ2=埼玉栄)、松山恭助(スポ2=東京・東亜学園)、加納虹輝(スポ1=山口・岩国工)、安雅人(スポ1=茨城・水戸一)〕

○45-42慶大



▽女子エペ 早大〔伊藤由佳(スポ4=栃木・宇都宮中央女)、山村彩和子(教4=岡山・玉野光南)、狩野愛巳(スポ2=宮城・仙台三)、澤浦美玖(スポ1=静岡・沼田女)〕

●33-45慶大



▽男子サーブル 早大〔安部凌(スポ5=島根・安来)、山本隼大(スポ4=香川・三本松)、竹下昇輝(スポ3=静岡・袋井)、高木良輔(スポ1=埼玉・立教新座)〕

●43-45慶大



▽女子サーブル 早大〔永瀬夏帆(スポ4=宮城学院)、狩野愛巳(スポ2=宮城・仙台三)、佐々木陽菜(社2=東京・大原学園)、齋藤里羅子(スポ1=山形東)〕

○45-41慶大

コメント

永瀬夏帆(スポ4=宮城学院)

――きょうのフルーレとサーブルの試合をそれぞれ振り返っていただいてよろしいですか

今回の早慶戦が引退試合だったのですが、後輩たちもいるし胸を借りて最後は思いっきりやろうと思いました。フルーレは本職ということもあって気負ってしまったりうまくいかなかったりしたところもあったので、あまり内容としては良くなかったなあと思っています。サーブルは本職ではないというのもあるのですが、これで最後だしフルーレは思いっきりできなかったから、その分思いっきりやろうと思いました。内容として良かったとは言えませんが、今年1年シーズン通して女子フルーレも女子サーブルも1度も団体戦で勝ったことがなかったので、結果的にこの早慶戦でどちらの種目も勝てたのはすごく大きかったなと思います。

――フルーレは春の関東学生リーグ戦入替戦で負けた慶大が相手で、リベンジを果たすことができましたが、それについて今のお気持ちはいかがですか

リベンジできたことは素直にうれしいです。ただ私もエースの狩野(愛巳、スポ2=宮城・仙台三)も、試合をやっている中で内容や取られる展開が入替戦を思い出してしまうところがありました。それをマイナスではなくプラスに捉えて、今回は勝とうと思って試合をできたことは良かったと思います。

――今回は最後の早慶戦でしたが、どのようなお気持ちで臨まれましたか

絶対負けたくなかったので、勝つという気持ちだけを持って臨みました。ただ男子を含め遠征に行っている関係上ベストメンバーで戦えなかった種目が多くて、そんな状況の中でも勝たなければいけないというプレッシャーもありました。難しい試合運びにはなると思うけど、それでも絶対勝とうと思っていました。

――今回の試合が引退試合でしたが、4年間を振り返っていかがですか

自分が1〜3年生のときは先輩がいてその先輩についていったり一緒に頑張ったりしてやってきたので、思いっきり吹っ切ってやろうと思えていました。しかし1番上(の学年)になって、どれだけ強い後輩たちがいても自分がやらなければいけないと背負う気持ちが出てきました。その中で今年1年は団体戦で結果が出なくて勝つイメージがなかったので、本当はきょうも勝てるか怖かったです。今年1年間全体として満足はいっていないのですが、最後に勝って終われたことは来年のリーグ戦や関カレ(関東学生選手権)などで後輩がそのままつないでいってくれると思うので、あとは後輩に託すだけだと思います。

――最後に後輩へのメッセージがあればお聞かせください

泣きそうになるな、これ(笑)。どれだけ結果が出なくても、試合に出ていない人などが応援してくれる環境がワセダにはあるので、卒業するときや最後の試合のときにワセダで良かったと言えるくらい自分の試合も頑張って、他の人の試合も全力で応援する気持ちを持ってほしいと思います。

山本隼大(スポ4=香川・三本松)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

久しぶりに今季初めて団体戦に出たのですが、自分自身としては良くもなく悪くもなくという感じでした。

――試合終了後の率直な気持ちは

ただただ悔しかったです。

――全日本学生選手権(インカレ)で負けた慶大との一戦でした

茂木(雄大、スポ2=神奈川・法政二)が今回いなかったのですが、茂木がいなくても勝てるんだというチームなんだよというのを証明したかったので、本当に勝ちたかったです。早慶戦ですし。負けてしまったのは素直に悔しいです。

――ご自身のスコアはそこまで悪くない印象でした

個人的なスコアはそんなに悪くないですけど、どうしてもやっぱり高木(良輔、スポ1=埼玉・立教新座)も竹下(昇輝、スポ3=静岡・袋井)も相手の町田(拓哉、慶大)にずっとやられていたので、そこで何か5点、5点というトントンの勝負ができたら違う勝敗になったのかなと思います。

――早慶戦はやはり思い入れがある試合ですか

やはりOBの先輩方からも「早慶戦だけは負けるな」と毎回言われるので、1年生の頃からそれを言われたら本当にそういう意識は自分たちの中にもできますし、ここ勝たなきゃいけないんだと思いますね。

――これが引退試合とのことですが、4年間を振り返って

苦しかったというのが、一番の率直な感想ですね。本当に苦しかったが最初に出てきますかね。

――後輩に伝えたいことはありますか

もう技術的なことうんぬんは抜きにして、自分たちから何か得るものを得てもらって、それを後に生かしてもらってこれから勝ってもらえればいいかなと思います。

小野真英(スポ2=埼玉栄)

――最近ずっとエペでは負けが続いていた慶大に見事勝ちました。今のお気持ちをお聞かせください

OBや、去年の4年生の津江先輩(津江碧氏、平28スポ卒)と弘貴先輩(小野弘貴氏、平28年社卒)からも早慶戦だけは絶対勝てよという圧をかけられていました。自分たちも本当にずっと負けているのが悔しくて、どうやったら勝てるかなというのを、加納(虹輝、スポ1=山口・岩国工)と雅人(安、スポ1=茨城・水戸一)とで話して、そのプラン通りに試合がどんどん進んでいったので、今はほっとしていますね。

――どのようなプランだったのでしょうか

最初、いつもだったら加納が最後をやっているので、そこを自分と変えて試合の流れを作っていって、途中で恭ちゃん(松山恭助、スポ2、東京・東亜学園)を出して相手に嫌なプレッシャーを与えつつ、最後までリードして逃げ切るという感じのことを話していたのでそれがちゃんと結果として出たので良かったかなと思います。

――他に何か勝因はありますか

気持ちの問題かもしれないです。ホームでやれたというのが勝因としては大きかったかなと思いますね。年内、まだ全日本団体戦はありますが、気持ちとしてはみんなで早慶戦にピークを持っていっていたので、それが勝利に繋がったかなとは思います。

――絶対勝たなくてはいけない早慶戦、プレッシャーも強かったのではないですか

そうですね、始まる前はどうしてらいいのかとふわふわした状態で。いざ始まってみれば結果的には良かったかなと思います。

――最後に全日本選手権に向けて意気込みをお願いします

メンバーは揃っているので、自分たちの力をしっかり発揮できればベスト4は入れると思うので、短い時間ですがそこに向けて調整していければと思います。