レスリング部

2016.12.12

東日本学生選手権 12月7日 東京・駒沢体育館

伊藤奨、課題を残すも一安心の優勝

 今季から新たに行われることとなった東日本学生選手権。早大からは新体制を引っ張る2人、伊藤奨(スポ3=長崎・島原)と矢野富三家(スポ3=島根・隠岐島前)が出場した。天皇杯全日本選手権(天皇杯)を2週間後に控えるため多くの強豪選手が出場を見送る中、伊藤奨は下馬評通りの優勝を決める。一方、矢野は力を出し切れず、3回戦敗退という結果に終わった。

 57キロ級に出場した伊藤奨は初戦となる2回戦では、相手の背後を取りそこからローリングに持ち込もうとしたところでフォールを決め、幸先の良いスタートを切った。続く準決勝ではアクティブタイムにより先制点を獲得する。その後技を決め切ることはできず相手と組み合う時間が長くなったが、2-0での勝利となった。迎えた決勝では、相手選手を倒しバックポイント、続けて得意のカウンターで追加点を奪い4-0で第1ピリオド(P)を終える。「自分の中でスイッチが攻めから守りに入ってしまった」(伊藤奨)というように、第2Pでは試合終了11秒前に追加点を許してしまう。4-3と何とか逃げ切っての優勝となった。『組んでからの展開』をテーマに臨んだ今大会。決勝では狙い通りに1度攻撃を決められたが、練習でやってきたことが思うように出せない試合となった。

バックポイントを取る伊藤奨

矢野は初戦となる2回戦をテクニカルフォール勝ちで勝ち進む。しかし3回戦では相手の攻撃を見切る場面も多く見られたが、第2Pでバックポイント、ローリングポイントを何度も相手に与えてしまいテクニカルフォール負けを喫した。「練習ではできていることが、試合になると相手にびびってしまってできていない」(太田拓弥コーチ)。らいねんに向けて課題が見つかる試合となった。

矢野は無念の3回戦敗退

 多くの課題が見つかった今大会。目標を達成するためにも、冬の間にどれだけ克服できるかがカギとなる。「らいねんはチーム一丸となって東日本学生リーグ戦で優勝したい」(伊藤奨)。悲願の団体戦優勝に向けて、戦いはもう始まっている。

(記事・写真 杉野利恵)

優勝を決めた伊藤奨

※掲載が遅くなり大変申し訳ございませんでした

結果

男子フリースタイル

57キロ級 伊藤奨 優勝

61キロ級 矢野 3回戦敗退

コメント

太田拓弥コーチ

――伊藤奨選手(スポ3=長崎・島原)が優勝されましたが、いかがでしたか

準決勝も決勝も練習でやってきたことをあまり出せなかったのかなと思いますね。組んでからの展開というのをテーマにやっていたんですけど、決勝は1本タックルを取れてました。そこは良かったんですけど、決勝なんかは1ピリオド(P)の戦い方を見て、ほぼ相手の攻撃を見切れていたので、もうあと2点、4点と取ってできればテクニカルフォールで終わらせてほしかったなと思います。それぐらい実力の差はあったと思うので、無難に勝とうというか1点差の勝負になってしまったので、練習でやってきたことを出してほしかったですね。後半守りに入ってしまったのが悪かった点で、取りに行こうと思えば取れた内容だったので。

――矢野富三家選手(スポ3=島根・隠岐島前)についてはいかがでしょうか

この動作をやったら勝てないというのが明らかなのですが、フェイントに対して両足で膝をついてしまっているんですよね。両足で膝をついてしまうと、立ち上がるのが遅くなってしまって、分かっている選手だと残った片足に飛びつかれてしまうんですよね。完全にビビッてしまっている。良いときと悪い時とではっきりと分かるのが、構えているときに足のかかとに重心がかかってしまっている。かかとから入ってしまって、動きが遅くなってる。良いときは両足均等に力がかかっているんで、ばっといけるんだけど。明らかにびびっている証拠で、そこが課題ですね。練習では重心が相手に向かっていっているんだけど、両足バックステップするし重心が前にかかってないなと。そこがメンタルの面で、自分がどう攻めるかというより相手の攻撃をどう防ぐかを考えていますね。

――天皇杯全日本選手権(天皇杯)に向けての展望をお願いします

今回、隼佑(齋藤、スポ2=群馬・館林)が優勝して天皇杯に出れる人数が1人増えました。実力的にも多胡島(伸佳、スポ4=秋田・明桜)、伊藤駿(スポ2=京都・網野)、圭(米澤、スポ2=秋田商
)、弥十朗(山﨑、スポ1=埼玉栄)らが優勝を狙える力を持っているので、ことし最後の試合ですし良い結果で終わらせられるように、残り2週間ですけど頑張らせていきたいなと思います。

伊藤奨(スポ3=長崎・島原)

――きょうの試合の位置づけと目標を教えてください

位置づけとしては、去年はこのあとの天皇杯全日本選手権(天皇杯)に出れたのですが、ことしは天皇杯に出る資格が取れなくて、この大会が資格を取れなかった人のためにできたという意味を持つような大会ということもあるので、優勝しても何もないという点ではモチベーションの作り方は難しかったんですけど、やっぱり出るからには優勝しなくてはいけないという目標を持って臨みました。

――優勝という結果と試合の内容についてはいかがでしたか

優勝ということでうれしいというよりはほっとしています。組み合わせを見た時点で自分が第1シードにいてメンバーを見ても実績だけを見ると僕が1番実績があったので、優勝しなきゃなというプレッシャーがあってその中で優勝できたことは良かったなと思います。けど、内容を振り返ると準決勝、決勝共に第1ピリオド(P)でリードして第2Pで自分の中でスイッチが攻めから守りに変わっちゃった感があって、審判からしてもあまり印象が良くない試合だったので、そこは反省点です。勝っているときにどうやって相手をコントロールして自分が攻めているように見せるかというのも技術だと思うので、そこはまたらいねんに向けて冬で直したいと思います。

――レスリングスタイルを変えなくてはならないというお話を以前されていましたが、何か新たに取り組まれていることはありますか

この試合では全然出せなかったんですけど最近の練習では緩急、スピードの落差をつけることを意識してやっていて、多胡島さん(伸佳、スポ4=秋田・明桜)とかそれがすごくうまいので、いろいろアドバイスをもらいながらやっています。分かってきたかなと思うのですが、まだ試合で出せるようなレベルではないなと思いました。

――課題点と収穫点は何か見つかりましたか

課題は山積みですけど、この大会では勝っているときにどうやってしのぐのか、時間を使うのかということですね。あと自分よりも上のレベルの選手に対してどうやって点数を取るかということですね。先に点数を取れれば、カウンターが得意なので入らせて取るというのが自分の流れになると思うので、先制点を取るということですね。今大会は先制点は全部取れたので、内容は良くなかったですけど勝ちにつながったのが、最初の1点目を自分が取ったことがつながっていると思うのでそこが収穫点ですね。

――新体制が始まって最上級生となられますが、らいねんへの意気込みと目標をお願いします

ことしの4年生が7人と多くて、多胡島さんが全日本チャンピオンであったり、吉川さん(航平主将、社4=秋田商)も天皇杯や国体で入賞するようなレベルの選手であるんですけど、僕ら2はそのレベルじゃないので、やはり下級生の引っ張り方は今までよりも難しいと思います。下の意見もどんどんくみ上げて、僕らが引っ張っるのはもちろんなんですけど、3年生(今の2年生)の力も借りながら努力して、チーム一丸となってらいねんこそは東日本学生リーグ戦で優勝できるように頑張りたいと思います。個人的な目標としては、やはり全日本に出たいというのが目標なので、ことし1年間JOCジュニアオリンピックカップも負けて、全日本学生選手権もベスト8であと一歩で取れず、内閣総理大臣杯全日本大学選手権に至っては部内戦で負けてしまったので、まずは全日本に出れる資格を取るというのと、おそらくらいねんがレスリング人生最後の年ではないですけどそうなると思うので、悔いの残らない1年にしたいと思います。