ボクシング部

2016.12.04

第60回早慶定期戦 12月3日 神奈川・慶大日吉記念館

誇りを懸けた激闘!勝利には惜しくも届かず

 60回の節目を迎えた早慶定期戦(早慶戦)は、両校の意地と意地がぶつかり合う激戦となった。ライトフライ級・岩田翔吉(スポ3=東京・日出)の勝利から早大は流れをつかみ3連勝を挙げ、優勝へ一気に王手をかける。しかし、そこから慶大も意地を見せ、早大は3連敗を喫する。勝敗の行方はミドル級・垂水裕嵩(法4=愛媛・今治西)へと託された。仲間の声援に応え奮闘する垂水。しかし惜しくも判定で屈し、3−4で早大は敗れた。

 昨年に続く早慶戦連覇を目指した早大。先陣を切ったのはエース岩田だ。決着は一瞬でついた。強烈なパンチで相手を追い詰めダウン奪うと、セコンドからタオルが投げ込まれ1ラウンド(R)TKO勝ち。この圧巻の勝利が早大を勢い付けた。続いて登場したフライ級・馬場友成(スポ2=神奈川・湘南学園)は接近戦を仕掛けてくる相手に対し、冷静な試合運びを見せポイント勝ち。バンタム級・井上稜介(スポ3=東京。八王子東)は敢闘賞を獲得する活躍を見せる。「相手の右が思ったより見えた」(井上)と振り返るように相手のパンチを見切り、足を使いながら的確にパンチを当て、試合を優位に進める。「淡海さんに花を持たせたくて、最後まで手を出した」(井上)。勝利のため、この早慶戦が引退試合となる4年生のため。井上は最後まで攻めの姿勢を貫いて勝利。早大は優勝まで目前に迫った

喜びを爆発させる井上

 早慶戦勝利に王手をかけて迎えた4戦目。ライト級・淡海昇太主将(教4=神奈川・浅野)の相手は、高校時代からしのぎを削ってきた慶大の絶対的エース田中和樹(4年)。「昨年も負け、同じ神奈川の国体メンバーとして戦ってきた仲間でもある特別な相手」(淡海)。試合は劣勢を強いられる。田中の卓越したテクニックとスピードに苦戦。思うようなボクシングができない。だが、「最後の力を振り絞った」(淡海)と振り返るように、3Rでは主将としての意地を見せ、力強いパンチを繰り出して行く。しかし、勝利には届かず、悔しい敗戦を喫した。ここから、慶大は息を吹き返す。早大は続く2試合で連敗。慶大に逆王手をかけられた。慶大応援席からは大歓声が起こり、場内は異様な雰囲気に包まれる。そんな中迎えた、勝敗が決まる運命の最終戦。この大事な場面で、自身にとって最初で最後の早慶戦となる垂水がリングに上がった。垂水は序盤から多彩なパンチを見せ有効打を浴びせていく。好機と見るやコンビネーションで畳み掛け、3Rにはワンツーで相手の顔面を捉えた。だが、逆に垂水が攻勢を受けることもあり、両者一歩も譲らぬ熱戦の末、勝負は判定へ。観客が固唾(かたず)を呑んで見守る中、レフェリーが挙げたのは青コーナー、慶大の選手の腕だった。

4年生の意地を見せ、健闘した垂水

 「悔しさが半分、やり切った感が半分」(垂水)。早大はあと一歩のところで逆転を許し、優勝を逃した。しかし、選手たちは懸命に戦い、持てる力を遺憾なく発揮した。関東大学リーグ戦2部4位の慶大に対し、3部に属する早大が互角に渡り合ったことは来季に向けて大きな収穫となったはずだ。この早慶戦をもって4年生は引退となるが、雪辱は必ずや後輩たちが果たしてくれることだろう。「来年の早慶戦は勝つ姿を見せて欲しい」(淡海)。「先輩たちの借りを返せるように頑張っていきたい」(井上)。来年こそは歓喜の『紺碧の空』を響かせてみせる。

(記事 新津利征、写真 成瀬允、元田蒼)

 

第60回早慶定期戦
階 級 早 大 スコア 慶大
LF 岩田 翔吉 ○TKO(1R)●  熊谷 拓磨
馬場 友成 ○3(30-26  30-26  30-26)0● 宮内 龍ノ介
井上 稜介 ○2(30-27  28-29  30-27)1● 折敷出 陸
淡海 昇太 ●0(27-30  27-30  27-30)3○ 田中 和樹
LW 藤田 裕崇 ●0(27-30  27-30  28-29)3○ 杉山 知義
土田 大輔 ●1(29-28  28-29  28-29)2○ 古山 貫太郎
垂水 裕嵩 ●0(28-29  28-29  28-29)3○ 徳山 雄太
コメント

淡海昇太(教4=神奈川・浅野)

――早慶戦を終えての今の気持ちを聞かせてください

早大が勝てなかったのも、自分が負けたのも、非常に悔しいのですが、この早慶戦に向けて、1年間というか4年間悔いの残らない努力をしてこられました。負けたのは悔しいですが、やり切った気持ちです。

――きょうの早慶戦に向けてはどのような心境で臨みましたか

きょうが引退試合となるのですが、完璧と言えるくらいの準備をしてきました。あとは楽しんでやるだけだという気持ちで臨みました。

――試合前には選手たちにどのような言葉をかけましたか

「絶対に勝つ」ではなく、「勝たなきゃおかしい」というくらいに練習してきたので、そういう気持ちでいこうと話しました。

――初戦から3連勝と後輩たちがいい試合を見せてくれましたが

本当に嬉しいというか、誇らしいと思える戦いをしてくれました。特に敢闘賞を貰った井上の試合はすごくいい試合で、4人目の自分で勝利を決めたいという思いで見ていました。

――その4試合目の相手は田中選手ということでしたが、どのような思いでリングリ上がりましたか

高校時代から知っている相手で、昨年も負けていますし、リーグ戦でも1度負けているので、引退試合で倒して、気持ちよく引退しようと。相手に不足はないという思いでした。

――やはり特別な思いはありましたか

ありました。昨年負けているのもありますし、同じ神奈川の国体メンバーとして戦ってきた仲間でもありますので、特別な対戦相手でした。

――試合内容を振り返って

イメージしていた戦いは最初のラウンドからできなかったのですが気持ちはとにかくぶつけようと思って。特に3ラウンド目は自分の気持ちが出た戦い方ができたのではないかと思います。

――田中選手のテクニックやスピードに苦戦している印象を受けましたが

そのテクニックもスピードも高校時代から知っているのでそこに対して練習してきました。リングの上では相手のテクニックスピードがすごかったですが、気持ちの面では自分も負けていなかったと思います。

――3ラウンド目は淡海選手らしいボクシングができたのではないかと思いますが

監督にも鼓舞して頂いて、「これでお前のボクシングは最後なんだぞ」という言葉を頂いたので最後の力を振り絞って戦い抜きました。

――その後勝敗の行方は最終戦の垂水選手に託されましたが、どのように見ていましたか

垂水は同期で、4年間ずっと一緒に頑張ってきたメンバーで、練習を頑張っている姿をそばで見てきました。なので、最後は垂水に決めて欲しい、垂水なら決めてくれるという思いで見ていました。

――何か声をかけましたか

リングに上がる時に、楽しんでいこうと。絶対勝てるからと声をかけました。

――白熱した試合の末、惜しくも判定で敗れてしまいましたが

敗れはしましたが、垂水の強さは出ていました。躍動する同期の姿を見ることは嬉しかったですし、同期として一緒に頑張ってきて良かったなと思いました。

――改めてこの早慶戦の総括をお願いします

悔しさもありましたが、後輩の力も見られましたし4年生の意地も試合で見せることができたのでこの借りは後輩たちに返して欲しいなと思います。

――最後に後輩たちに向けて一言お願いします

早大ボクシング部は人数が少なく大変だとは思うのですが、一致団結してやってくれると思うので来年の早慶戦は勝つ姿を見せて欲しいと言いたいです。

垂水裕嵩(法4=愛媛・今治西)

――試合を終えて、今の気持ちはいかがですか

最初で最後の早慶戦だったので、最後は勝ちたかったです。3-3で回ってきたので、自分で決めようという気持ちはあったのですが、負けてしまったので、悔しさ半分、やりきった感が半分という感じです。

――早慶戦にかける意気込みはどのようなものでしたか

時期も12月ですし、モチベーションを保つのが難しかったのですが、自分としては最初で最後の早慶戦ということで、それをモチベーションにして頑張ってきました。

――3勝3敗で回ってきた時、お気持ちはいかがでしたか

もしかしたらあるかもしれないと監督から言われていたので、よし来たな、という感じでした。勝ち切れなかったのは自分の実力不足です。

――試合の内容については、有効打も多かったように見られたのですが

効いたパンチもあったと思うのですが、そこを倒し切れなかったのは自分の実力なので、そこは仕方ないなという感じです。

――勝利を収めることはできませんでしたが、結果についてはどのようなお気持ちですか

悔しいという気持ちと、監督やコーチ、お世話になった方々への感謝の気持ちです。

――4年生はこの試合を持って引退となりますが、今後後輩に期待したいことはありますか

真面目で、実力のある後輩がたくさんいるので、来年はぜひこの雪辱を果たしてもらいたいと思います。

井上稜介(スポ3=東京・八王子東)

――勝利を手にした率直な感想はいかがですか

格上の相手だったので、とにかく自分は全力を出し切っていこうと、頑張りました。

――敢闘賞に選ばれましたがいかがですか

まさか自分が受賞するとは思っていなかったです。今まで団体戦でも何度か出してもらったのですが、一回も勝ったことがなくて、チームにずっと迷惑をかけていたので。きょうは本当に勝てて良かったです。

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

思ったより相手の右がすごく見えていて、ビデオで研究した通りの動きだったので、自分の作戦が上手くはまったのかなと思います。

――足を使って相手を翻弄(ほんろう)していましたが、スピードは意識されましたか

直線的な動きが相手は多かったので、横に横に動くように意識していたつもりです。ただ、リングに上がるとどうしても、頭が真っ白になってしまうので、練習通りにやったことが自然に出てくれたと思います。

――最後は激しい打ち合いになりましたが、振り返ってみていかがですか

自分がバンダム級で、次のライト級が4年の淡海先輩でした。最後の試合で淡海さんに花を持たせてあげたいと思って、淡海さんのことを考えて最後まで手を出して頑張りました。

――早慶戦にかける思いは強いですか

そうですね。自分は本当に先輩が大好きだったので、チームとして負けたことは悔しいのですが、淡海さんに上手くつなげられて、淡海さんにすごく熱い試合を見せてもらったので本当に良かったと思います。

――引退してしまう4年生に向けて一言お願いします

本当に4年生がいなくなってしまうのが寂しくて、寂しくて本当にたまらないのですが、来年は先輩たちの借りを返せるように、しっかり早慶戦も勝って2部にも上がって頑張っていきたいと思います。

――来年への意気込みをお願いします

来年は就職活動等で忙しくなるとは思うのですが、それは言い訳にしないでチーム全体を見わたせて、後輩から尊敬されるような4年生になれるように頑張ります。