柔道部

2016.11.20

11月19日 早慶対抗戦 東京・講道館

早慶戦3連覇!笑顔で最後の団体戦を終える

 勝利が決まった瞬間、柔道の聖地が歓喜に沸いた――。ことしで68回目の開催となる早慶対抗戦(早慶戦)が、講道館で開催された。早大は序盤からリードを奪い、慶大の戦力を少しずつ削ってゆく。最後は相手の大将を3人がかりで止め、早慶戦3連覇を果たした。

 女子のエキシビションで全勝し、男子の20人制勝ち抜き戦が開始された。「慶大は後ろ重視のチーム。層の厚くない部分でどれだけリードをとれるか」(浅賀慎太郎副将、社4=静岡学園)――相手の大将で、世界大会で優勝するほどの実力者・後藤隆太郎の前に大きく差をつけておくことが、早大勝利の絶対条件だ。しかし、慶大にも意地があった。先鋒戦は早大の一本負け。次鋒が一本勝ちを収めイーブンに戻すが、その後は引き分けが続く。慶大が勢いづく一方、早大は波に乗り切れずにいた。「ここで1回自分が流れを変えなくてはと思った」と試合に臨んだのは佐藤竜(スポ1=東京・修徳)。タイで回ってきたが、序盤から攻め込み大内刈りで一本勝ち。2人目も内股で抜き、3人目で引き分けてリードを2人分に広げる。その後慶大が再び盛り上がりを見せたが、早大は齋藤光星(スポ3=静岡・加藤学園)が2戦連続一本勝ちを収めるなどして依然リードを保ち続けた。

中盤で2人抜きをした齋藤

 慶大のエース後藤の前に、どれだけ人数を温存できるか。終盤に向け、それぞれが少しずつ慶大の戦力を削ってゆく。中上駿(社4=大阪・清風)が「あわよくばもう1人抜きたかった」としながらも1勝1分でつなぎ、井上昴亮(社4=山形工)も積極的な柔道で流れを渡さない。浅賀が相手の副将を背負投で下すと、会場のボルテージは最高潮に達した。早大が4人を残した状況で、ついに相手の大将が登場。強敵を前に、浅賀は昨年副将戦で魅せた出足払を今度は自分が決められて一本負けを喫する。続く熊田耕成副将(社4=神奈川・桐蔭学園)も粘り続けるが、残り1分で技ありを取られてしまった。このまま、大将戦までもつれてしまうのか。しかし、ここで副将・圓山泰雄(社4=岡山・作陽)が待ったをかけた。「とにかく止めようという意気込みでやった」(圓山)。引き分けに持ち込みさえすれば、早大の勝利が決まる。序盤から技を仕掛けつつ、後藤の猛攻をしのぎ続けた圓山。試合終了のブザーが鳴ったその瞬間、早大勢は総立ちになって喜びを爆発させた。

早大の勝利を決めた圓山

 大将・林孝樹主将(スポ4=富山・小杉)を登場させるまでもなく、この試合で引退を迎える4年生が3人がかりでエースを止めた。特に中盤までは思い通りの試合展開とはならなかったが、林主将は「本当にうれしいの一言」と笑顔を見せる。また、吉村拓郎男子部監督(平3卒)の監督業もこの早慶戦で最後。「(4年生の代は)公式戦であまり結果が出なかったので、最後の早慶戦をこういう風に締めくくることができて本当に良かった。一緒に引退できるということは非常に感慨深い」(吉村監督)。現体制ラストの団体戦は、最高のかたちで幕を閉じた。

(記事 熊木玲佳、写真 藤岡小雪、本田理奈)

早慶戦3連覇を達成し笑顔を見せる早大柔道部

結果

優勝(3連覇)

▽女子エキシビション

早大 決まり技 慶大

上領〇 内股 高尾

小野〇 崩上四方固

▽男子20人制勝ち抜き戦

早大   決まり技   慶大

高波   逆背負投   〇堤

伊藤〇   肩車     堤

伊藤   引き分け   白鳥

古川   引き分け   澁沢

佐野   引き分け   内山

田中〇   合技    福島

田中   引き分け  小田島

木浪    合技   〇齋藤

佐藤竜〇  大内刈    齋藤

佐藤竜〇 横四方固   大畠

佐藤竜  引き分け   生田

瀨川   引き分け   井上

矢野    隅返    渡邉

西山   引き分け   渡邉

齋藤〇   合技    廣谷

齋藤〇   内股   小田原

齋藤    小外掛   〇西村

河田    内股透   〇西村

下田〇   合技    西村

下田   上四方固  〇角田

長谷川  引き分け   角田

中上〇   合技    三觜

中上   引き分け   長田

井上〇   大内刈    松本

井上    合技   〇中沢

浅賀〇   背負投    中沢

浅賀    出足払   〇後藤

熊田    払腰   〇後藤

圓山   引き分け   後藤

個人表彰

最優秀選手 佐藤竜

優秀選手  中上、齋藤

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早慶戦直前特集『激突』/(10/15~17)

コメント

吉村拓郎監督(平3卒)

――優勝おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせください

ほっとしたという感じですね。

――早慶対抗戦(早慶戦)に向けてチームの状況はいかがでしたか

公式の試合が全て終わった後の試合だったので、早慶戦に向けて一体感のある雰囲気で臨めたと思います。

――序盤からリードを奪う展開でしたが、きょうの試合をどのようにご覧になっていましたか

きょうの試合は慶大ペースでした。本当なら序盤でもっともっと差をつけなければならないところだったのですが、慶大の選手に仕事をされて思いのほか差をつけられなかったというのが実態ですね。

――最後は3人がかりで慶大の主将を止めるというかたちになりました

3人だと危険だったのですが、4人残すことができたのでなんとか後藤選手(隆太郎、慶大)を食い止めることができたということですね。

――きょうで4年生が引退となりますが、ことしのチームを振り返っていかがでしたか

今の4年生は1年生の時からずっと主力で頑張ってきた選手ですし、そういうチームづくりを僕も最後の年に向けてやってきたので、そういう意味では非常に充実した代だったと思います。ただ公式戦であまり結果が出なくて、最後の早慶戦をこういう風に(勝利で)締めくくることができて本当に良かったと思います。

――4年生に向けてメッセージをお願いします

ほとんどの選手にスカウティングから関わってきて、非常に思い入れのある子たちばかりです。僕も監督がきょうでおしまいなので、彼らと一緒に引退できるということは非常に感慨深いです。本当にお疲れ様でしたと言いたいです。

林孝樹主将(スポ4=富山・小杉)

――優勝おめでとうございます!今のお気持ちはいかがですか

本当にうれしいの一言です。

――皆さんの試合をどうご覧になっていましたか

思い通りにならないことも多かったのですが、結果的に優勝できて良かったです。

――序盤もう少しリードを奪いたかったというところだったのでしょうか

そうですね、本当はもう少しリードできるかなと思っていたのですが。この残り人数で大丈夫かなというところはありました。

――それでも最後は3人がかりで後藤選手を止めましたね

4年生の意地を見せてくれたなと思います。

――出場したかったなという気持ちはありましたか

そうですね、出るからには勝って終わりたいというのがありましたけど(笑)。ただ勝てるというの(ビジョン)が見えなかったので、決めてくれてよかったです。

――柔道部で過ごした4年間をどう振り返りますか

1年生の時は本当に1部残留できるかどうかというところだったのが、全国でベスト8入りを目標にするくらいまでこられて。結局目標は達成できませんでしたが、最後こうして終われて良かったなと思います。

――吉村監督もきょうで最後ということですが

自分はスカウトもしてもらって、今ここにいるのも監督のおかげなので。自分たちみたいな学年を最後まで見てくださって、本当に感謝しています。

中上駿(社4=大阪・清風)

――優勝おめでとうございます。現在の心境をお聞かせください

素直にうれしいです。勝てて良かったなと思います。

――きょうをどのような気持ちで迎えられましたか

引退試合なので、最後悔いの残らないように試合をしようということと、チーム全員で一丸となって勝てればいいなということを思っていました。

――1試合目は一本を取ってチームに勢いがついたと思いますが、それに関してはどう思われましたか

向こうに流れが傾いていて僕の前が引き分けだったので、ここから僕が勝つことで早大に流れが来ればいいなと思っていました。最初の一本は当たり前という気持ちで臨んだので、とりあえず一安心しました。

――2試合目は体格差があった中で引き分けに持ち込みましたが、それについてはいかがでしたか

あわよくばもう1人抜きたかったです。そして次の相手と引き分け、もしくはそれ以上で、チームにさらに流れを持っていきたかったなというのが正直な思いです。

――早慶戦前の対談で「目立ちたい」とおっしゃっていました。今回見事優秀選手賞を獲得されましたが、今はどのようなお気持ちですか

僕としては全然目立ち足りませんでした(笑)。一緒に目立ちたいと対談で言っていた佐藤竜(スポ1=東京・修徳)が活躍したので、うれしい反面先輩としてもっと佐藤竜よりも目立ちたかったなという気持ちが正直あります。

――最後に、4年間の柔道部での生活を振り返っていただけますか

ケガで手術なども経験しましたが、僕にとっての1番の出会いであるトレーナーの方を始めいろいろな方と出会いお世話になりました。そのおかげでここまで来られたので、早大の柔道部での生活は悔いなく終われたかなあと思います。

圓山泰雄(社4=岡山・作陽)

――優勝おめでとうございます!今のお気持ちはいかがですか

下馬評では早大の方が有利じゃないかと言われていたと思うのですが、実際にはそんなに差はなかったと思うので。予想通りの展開だったと思います。

――きょうはどのような気持ちで朝を迎えましたか

普通でした。めちゃくちゃ普通でしたね。

――緊張は特にしなかったのでしょうか

1試合前でここらへん(畳の横)に立っているくらいまでは多少緊張していましたが、そこまでしてはいませんでした。

――きょうは途中まで皆さんの試合をどうご覧になっていましたか

結果論的に言えば勝ったのですが、途中の結果はもう少し・・・。中堅の西山くん(洸大副務、スポ3=北海道・帯広柏葉)までが弐段で、弐段でもう少しリードしてこられるかなと思っていたのですが本当にほぼタイで回ってきたので。あそこまでは3年生以下しかいないので、来年僕たちが抜けてから少し大変だろうなと思いました。

――後藤選手に回ったときには3人リードでしたが、人数としてはもう少し欲しかったところだったということですか

3人と言っても浅賀(慎太郎副将、社4=静岡学園)が抜いて後藤くんで、と。ああなるのは予想はついていたので、本当に実質(残り)3人だったなと思います。熊田(耕成副将、社4=神奈川・桐蔭学園)も結構粘ってくれて、相手の体力も消耗していたので3人リードで十分ですかね。

――ご自分が勝てば決まる状況でしたが、試合直前はどのような気持ちでしたか

後藤選手とは何回もやっていて、勝ったことはないのですがある程度の試合をしたことはあると自分では思っていて。いつも通りというか、その時の試合通りやれば(後藤選手を)止めて、キャプテンの林(孝樹主将、スポ4=富山・小杉)1人残しで勝てるかなと自分で思っていました。

――ご自身の試合を振り返って

僕の試合はあんなもんです(笑)。いつもあまり技がキレるということもないし、めちゃくちゃ力が強いわけでもないので。粘り強くやって止めたらとにかくこちらの勝ちなので、止めようという意気込みでやって止められて良かったかなと思います。

――試合全体を振り返っていかがでしたか

先鋒でくじけてしまったところもありましたし、中盤でリードをつくってほしいという思い通りにならかなったところの方がきょうは多かったなと思います。でも結果的に勝てたので、4年生は良かったんじゃないかと思います。来年に期待したいです。

――引退を迎えますが、柔道部生活を振り返って

入ってきたころは個人的にも団体でもいい成績を残せるんじゃないかなと思っていたのですが、振り返ってみればそんなこともなかったかなと思います。みんなはすごく頑張っていたのですが、僕1人の力がまだ全然及ばなかったなと思います。もう少しチームに貢献できたんじゃないかなと。

――ご卒業、柔道は続けられますか

実業団で続けます。活躍できたらなと思います。

齋藤光星(スポ3=静岡・加藤学園)

――優勝おめでとうございます。現在の心境をお聞かせください

前の方でもうちょっと抜く予定だったので、中盤はヒヤヒヤしていました。結果的には勝てて良かったです。

――きょうをどのような気持ちで迎えられましたか

中盤での登場なので、状況に応じて自分の役割を果たそうと思っていました。

――ご自身の試合を振り返っていかがですか

1人目、2人目と抜けて良かったのですが、3人目で引き分けていたらもっと終盤楽に戦えていたなと思いました。

――結果的にはリードをつくって後ろに回すこととなりましたが、それに関してはどう考えていらっしゃいますか

抜いてリードしたというのは良いのですが、やっぱり最後の相手に負けるというのは相手がアップできている状態で次の人に回ってしまうので、そこは反省すべき点だと思いました。

――ご自身の試合が終わってからはどのような心境で試合をご覧になりましたか

最後の後藤さん(隆太郎、慶大)までにどれだけリードを広げられるかずっとヒヤヒヤして見ていました。

――優秀選手賞を獲得されましたが、今のお気持ちはいかがでしょうか

後藤さんを止めた圓山(泰雄、社4=岡山・作陽)先輩などが貰ったほうがいいのではないか、自分よりも他の人が適しているのではないかなと思っています。

――4年生へのメッセージがあればお聞かせください

ここで代が変わって自分たちの代になるので、先輩たちに追いついて、さらに追い越せるように頑張りたいと思います。

――最後に、今後どのように練習に取り組んでいきますか

レギュラーに4年生が多くて4年生が中心となって試合に出ていたので、抜けた穴をちゃんと自分たちで埋めていけるように、今後団体戦で困らないような練習を意識してやっていきたいと思います。

佐藤竜(スポ1=東京・修徳)

――優勝おめでとうございます。今のお気持ちは

初めての早慶戦で、こういう接戦の末に勝てたというのは、1年間4年生と一緒にやってきたのですごくうれしいです。

――きょうはどのような気持ちで朝を迎えましたか

事前のインタビュー(早慶戦直前特集『激突』)で調子に乗って「何人でも抜く」みたいなことを言っていたのですが(笑)、今までの経験から先を見て試合をしてしまうと勝てないということを知っていたので、試合をするときは一戦に集中して戦うということをしっかり肝に銘じていました。

――きょうのご自分の3試合を振り返っていかがでしたか

使わなくていい体力を使ってしまったという点もあったので、それがなかったらもう1人、2人くらいは抜けたんじゃないかなと。そこが技術と力のなさなので、来年はもう少し抜けるようにしたいと思います。

――それでも、中盤でリードを広げて後ろにつなげることができました

流れがあまり良くなかったので、ここで1回自分が流れを変えなきゃと思って試合に臨みました。変えられたかどうか分からないのですが、それ(リードを広げること)ができたので良かったです。

――その後の試合展開はどうご覧になっていましたか

相手の大将の後藤さんが本当に強いので、正直あの人数差で大丈夫かなと思ったのですが、やはり4年生の強さを見せてくれて。試合中に感動して泣きそうになっていました(笑)。

――最優秀選手賞を受賞しました

自分は(抜いた)人数で選ばれたと思うのですが、自分より活躍した人が他にいるのでいいのかなという感じですが、もらえたものはうれしいのでありがたく。また来年につなげられるように頑張ります。

――直前特集で「団体戦は個人戦の100倍好き」とおっしゃっていましたが、きょうはいかがでしたか

きょうはめちゃくちゃ楽しかったです(笑)!

――4年生がきょうで引退となりますが、メッセージをお聞かせください

本当にお世話になって、かわいがってくれた学年なのですが、特に1年間パートナーをやってくれた中上さんはすごく気にかけてくれて。感謝の気持ちでいっぱいです。

――今後の練習にはどのように取り組みますか

10月くらいから体を大きくする筋トレ期間に入っていて、ウエートを中心にやっているので、頑張って体をでかくして試合で勝てるようにしたいです。