メニュー

体操部

2016.11.12

第71回全日本個人総合選手権トライアル 11月11日 東京・代々木第一体育館

全日本へのカベ厚く…本選出場ならず

 上位18名が来春行われる本選へ出場できる全日本個人総合選手権トライアル(トライアル)。早大からは浅野佑樹(スポ4=東京・明星)と南亜蘭(スポ1=大阪・太成学院大高)がこの大会に挑んだ。両者共に得意種目で点を伸ばし上位に食らいつくが、ボーダーラインまであと一歩及ばず。予選通過はかなわなかった。

 南は試合日の直前に腰を痛め、万全ではないコンディションで臨んだ。鉄棒で高難度の離れ技を次々と決め勢いに乗るが、降り技で手を着いてしまう痛恨のミス。しかしこれによって緊張がほぐれ、鉄棒以降の種目で本来の調子を取り戻していった。最終種目の跳馬では「狙いにいった」(南)と着地ピタリ。渾身(こんしん)のガッツポーズで声援に応えた。惜しくも本選出場とはならなかったが、痛めた腰とうまく折り合いをつけながら全種目通し切った南。これまでの練習で培われてきた精神力の強さがうかがえた。

鉄棒の次の種目ゆかでは安定した実施を見せた南

 4年生である浅野にとって、これが学生最後の試合。「試合内容も覚えていないほどに緊張した」(浅野)と振り返るが、そんな中でもこだわりの着地はさえわたり、はつらつとした演技は見る人の目を引きつけた。得意のゆかと跳馬では、ひときわ高い跳躍を披露し、浅野らしい『元気』な体操の本領発揮。しかし細かい減点が響き結果は21位と、ボーダーの18位にはわずか及ばなかった。

浅野は最終種目の跳馬で力強い跳躍を披露

 18位の選手との差はたったの0.3。本選出場に届かない位置では決してなかった。「(予選通過を)有言実行できなかったのが悔しい」と話す浅野の目にはうっすらと涙が浮かんでいた。その涙は部内の誰よりも体操に真摯(しんし)に取り組み、誰よりも難しく、美しい体操を追求し続けた男の努力の結晶だった。今後も競技を続けるかは未定だという。しかし、この試合で体操への思いはさらに強く、深まったに違いない。たとえ活躍の場が体育館から離れたとしても、何らかのかたちで競技に携わり、「体操の発展に関わりたい」と力を込めて語った。

試合終了後、チームメートとハイタッチを交わす浅野

 13日には全日本団体選手権が控えている。4年生不在の新メンバーでチームを組んだ早大にとって、来年度の戦力を占う大事な初戦だ。「点数を取ることよりも演技をつなげて、ノーミスで回るのが目標」(南)。今シーズンの最終戦を笑顔で締めくくり、来シーズンへ弾みをつけたい。

(記事 大浦帆乃佳、写真 井口裕太、中村ちひろ)

結果

        

          

          

          

          

          

          

          

          

男子個人総合
選手名 ゆか あん馬 つり輪 跳馬 平行棒 鉄棒 合計点 総合順位
浅野佑樹(スポ4) 14.750 12.050 13.850 14.600 14.350 14.600 84.200 21位
南亜蘭(スポ1) 14.550 12.900 13.650 14.800 14.250 13.800 83.950 23位
コメント

浅野佑樹(スポ4=東京・明星)

――きょうはどのような目標を持って試合に臨みましたか

高望みしないで、予選を通過することだけを考えていました。結果は予選落ちというかたちになってしまったんですけど、自分なりに粘れた試合ができたので良かったです。ただ、詰め切れていなかった部分とかあって。インカレ(全日本学生選手権)でうまく(調子が)はまっちゃった分、もっといい演技ができたかなと思うところもあるし、インカレ後の練習で苦しい思いもしてきたので、なんとかノーミスで(試合を)回れて、やれることはやったと思います。

――詰め切れなかったというのは、具体的にどんなところでしたか

鉄棒でバタバタしてしまったところとか、あん馬で不安になって力入ってしまって崩れかけたりとか、ゆかのラストもそうですけど着地を収め切れなかったり、ですね。

――学生最後の試合となりました

そうですね。うまく言葉にはできないんですけど、代々木第一体育館は思い入れのある会場で。(学生)最後の試合がここでできて良かったなと素直に思います。また、(学生最後の試合だと)考えないようにしていました。終わりが見えちゃうと集中が切れるのが怖くて。

――試合を振り返って

1週間前くらいから緊張していました。だいたい試合の前日とか直前になって急に落ち着いたりするんですけど、今回はそういうのがなくて。終始ずっと緊張しっぱなしでした。なので試合の内容とか細かいところは思い出せないです。

――きょうの得点と順位について

いまいち、ですね。試合によって得点はばらついてしまうのですが、84.5〜85.5を目安に取りたいなと思っていて。それで、僕が取りたいと思っていたこの点数が予選通過のギリギリのラインで…。有言実行できなかったのが悔しいです。

――学生としての試合は終わりましたが、今後も競技を続ける予定はありますか

そこはすごく悩んでいます。大学院に行くことは決まっています。個人総合で上を目指してやっていくには実力不足だけど、体操を続けたいという気持ちがないわけでもないし。なので、種目を絞って続けるか、個人総合…どうですかね。もうちょっとじっくり考えて、やりたいことをちゃんと見定めていきたいです。もうがっつり研究に専念するかもしれないし、時間があったら研究しながらコーチやったり選手やったりしたいんですけど…。6種目っていうのが難しいところですね。あん馬とかもありますし、これまで成長してこれなかったので。あとちょっと粘ったところでっていうか。自分でちゃんとビジョンが見えてないっていうのが、正直なところです。いずれにしても、体操の発展に関わりたいです。

――最上級生として部を引っ張ってきたこの1年はどんなものでしたか

いろいろやりたいことがあって、チームをまとめてきたりだとか、部を活発にしたいとか思ってきたんですけど、自分では力不足だったのかなっていう感じはあります。1年間やってみて、「もっとできたな」とか、「自分にもっと力があれば」ってすごく感じました。でも同期といっぱい話をして、「こういう方向でいこう」って1年前に決めたことが少しでもできたのかなって。上級生と下級生の垣根を厳しくするんじゃなくて、技術を教えあっていけたらいいなと話していて、それ1つだけでもできたのが良かったと思います。良い面、悪い面あるんですけど、後輩たちに期待というか。頑張ってほしいです。

――そんな後輩たちが全日本団体に出場しますが、エールをお願いします

やれることをやって、高望みせずというか、でも縮こまらずに。思い切ってやってほしいと思います。

南亜蘭(スポ1=大阪・太成学院大高)

――全体的に試合を振り返っていかがですか

始めの平行棒はガチガチで(笑)。安定していたので自信はあったのですが、やっぱりポディウムということもあってちょっとガチガチでした。鉄棒はカッシーナは絶対持とうと思っていて。カッシーナで落ちちゃうと、体力的に次コールマンやるの大変なので。(カッシーナとコールマンは)持って、最後の着地で手を着いてしまったんですけど、点数は残っていたのでまだチャンスがあるかなと思って頑張れました。そこからうまくまとめられたかなという感じです。

――その後の種目についてはいかがでしょうか

そこからは緊張はなくて、いつも通りできました。練習はしてなかったですけど、その前の練習とかは良かったので、いつも通りやれば通るだろという感じで。着地をまとめていこうという感じでした。

――新人戦(関東学生新人選手権)の調子は維持できましたか

やっぱりそのまま維持するのは難しくて、1回(調子が)落ちちゃったんですけど、馬場さん(馬場亮輔監督、平18人卒=埼玉栄)に気を引き締めろと言われて。そこで喝を入れてもらってから上がりました。

――鉄棒でのミスの後は切り替えられましたか

吹っ切れましたね。点数も残していたので、まだいけると思いました。

――あん馬は新人戦から難度を下げての実施でした

練習していなかったし、今回は予選なので攻めるところじゃないなと思って。落ちたら元も子もないので、抜いてる代わりにびびらず大きくやろうと思いました。

――跳馬の着地はピタリと決まりましたね

狙いにいったんですよね。点数残してはいたんですけど、馬場さんに「トータルで見たらあんまりよくないので狙いにいくしかない」って言われて。その通りになって、最後めっちゃ気持ち良かったです。

――試合の中盤以降、顔をしかめている様子が見てとれました

4日、5日前くらいから腰を痛めて、それでずっと練習してなくていきなりきょう通したので、練習も全然してなくてきのうもちょっと(器具を)触ったくらいで終わって。できるだけ腰を休めるようにしてやっていました。練習していない割にはまとめられたかなと思っています。トレーナーさんにずっとケアしてもらっていました。

――特に良かった種目は

跳馬ですね。

――課題が残ったものは

やっぱり鉄棒ですかね。団体でも三番手を務めることになっているので、そこでばっちり決めて点数残していかないとチームにつながらないと思うので。

――団体戦での目標は

ノーミスでやることです。ノーミスでやれば自然と点数も残ってくるので、点数よりも一個一個しっかりやっていって皆につなげることが目標です。

――団体戦への意気込みをお願いします

僕が一番手なところはしっかりみんなにつないでいって、三番手のところではばっちり決めて。みんなが気持ちよく試合できるようにしていきたいです。