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ラグビー部

2016.11.07

関東大学対抗戦 対帝京大 11月6日 秩父宮ラグビー場

王者の背中遠く 帝京大にノートライで完敗

 関東大学対抗戦で4連勝中の早大は、同じく4連勝の帝京大と対戦した。昨年度優勝校・帝京大に引けを取らないスクラムで立ち向かう早大FW。しかし地力の差はブレイクダウンに表れた。開始早々にペナルティゴールで先制するも、その後は防戦一方。前半20分の間だけで立て続けに4トライを失う。鍛え上げたスクラムで応戦する場面も見られたが、37分にもう1トライを追加され前半を終える。何とか巻き返しを図りたい早大だったが、後半も形勢逆転はならず。接点でのプレッシャーを受け、早大が孤立する場面が多くなってしまった。結局、最後まで帝京大のゴールラインを割ることはできず、3-75で試合終了。帝京大打倒とはならなかった。

 先にスコアを動かしたのは早大だった。試合開始から1分足らず、敵陣10メートル付近で帝京大が犯したペナルティー。ここでPGを選択すると、SO岸岡智樹(スポ1=東海大仰星)難なく決め3-0。先制に成功する。幸先良くスタートしたかと思われた早大。しかし、間もなく帝京大の猛攻が始まった。「前半20分までの4トライがすべてでした」と山下大悟監督(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)が振り返ったように、前半2分にFB尾﨑晟也にトライを許すと前半20分までに4トライを献上。早大も反撃に出ようと敵陣深くで得意のラインアウトモールを組む場面もあったが、得点にはつながらない。前半終了間際、敵陣22メートルライン付近でのペナルティーの場面。早大は、モールと同様にこれまでの対抗戦で大きな武器としてきたスクラムを選択する。しかし、FW渾身のスクラムで相手のコラプシングを取ることはできたものの、そのあとが続かなかった。スクラムからボールを出し、アタックを試みるもゲインラインを切ることができない。最後は手詰まりになった早大がハンドリングエラーを犯しターンオーバー。3-35で前半を終えた。

コンタクトの局面で強さを見せた鶴川

 後半は王者・帝京大に圧倒されるばかりだった。後半5分、左サイドのタッチライン際でノックオンしたボールを拾われると、そのまま一気に50メートル走り切られ失トライ。チームディフェンスにも力を注いできた早大だったが、その後も個人スキルの高い帝京大に軽々と突破されてしまった。アタックでも、密集で判断良くファイトしてくる相手に接点で後手に回り、フェーズが途絶えてしまう。さらに終盤になるとスクラムでの攻防が響いたのか、FWの足が止まり状況はさらに悪化。トライを量産され点差は開いていく一方だった。ついに1トライも挙げることなく3-75でノーサイド。今季2回目の帝京大戦は完敗で終えた。

後半は早大の選手が孤立する場面が多くあった

 早慶戦、早明戦が伝統ある対戦であり続ける一方で、選手たちは帝京大戦を見据えて練習を積んできた。しかし結果は75失点を喫しての大敗。ただ、終始劣勢ではありながらも、NO・8宮里侑樹(スポ2=沖縄・名護商工)、CTB中野将伍(スポ1=福岡・東筑)が接点で互角の強さを見せるなど奮闘。プロップ鶴川達彦(文構3=神奈川・桐蔭学園中教校)も的確なパスでアタックの継続に貢献するなど収穫があったことも事実だ。大敗であることに間違いはないが、スクラムや個々のブレイクダウンなど通用した部分もあった。来週はヤマハ発動機との練習試合が控えている。「やるべきことを上井草でしっかりとやり続けるだけ」(ロック桑野詠真主将、スポ4=福岡・筑紫)。もちろん、今季の戦いはこれで終わりではない。来る早慶戦、早明戦、さらには全国大学選手権に向けて。きょうの結果を受け止め、少しずつ強い早大を取り戻していきたい。

(記事 曽祢真衣、写真 稲満美也)

☆PICK UP PLAYER

対抗戦初出場となった宮里。復帰戦でいきなり好プレーを連発した

 春先からこだわってきた部分で自分たちのプレーができず、大敗を喫した帝京大戦。しかし、劣勢の状況下でも確かな存在感を示した選手がいる。NO・8宮里侑樹(スポ2=沖縄・名護商工)だ。FWの主力選手でありながら、対抗戦前に負ったケガで長らく実戦の舞台から遠ざかっていた宮里。復帰戦となったこの帝京大戦で「自分が前に出なければ次が続かない」と、懸ける思いの強さがプレーにも表れた。早大は終始、帝京大の屈強なFW陣から繰り出されるタックルに対して攻撃の糸口が見いだせなかった。しかし宮里は「相手は強いが、ずらせば勝負できる」と、相手のタックルを真正面から受けるのではなく、ヨコに一歩ずらすことで軸をはずし、ゲインを重ねる。ゴールラインを割ることはなかったものの、この宮里のアタックが起点となり敵陣深くまで攻め入る場面も。チームとしては辛酸をなめる結果となったが、「帝京大が相手でも自分が前に進むことができたのは自信になった」と個人として大きな収穫を得た。復帰戦にも関わらず、この試合で早大一と言っても過言ではない活躍を見せた宮里。残すところあと二つとなった対抗戦では、この頼れる男が早大に勝利をもたらすはずだ。

(記事 三佐川唯、写真 橘高安津子)

関東大学対抗戦
早大 スコア 帝京大
前半 後半 得点 前半 後半
35 40
合計 75
【得点】▽ゴール 岸岡(1PG)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
鶴川 達彦 文構3 神奈川・桐蔭学園中教校
貝塚 隼一郎 政経4 埼玉・早大本庄
千葉 太一 教4 東京・早実
山口 和慶 スポ4 福岡
◎桑野 詠真 スポ4 福岡・筑紫
加藤 広人 スポ3 秋田工
佐藤 真吾 スポ2 東京・本郷
宮里 侑樹 スポ2 沖縄・名護商工
齋藤 直人 スポ1 神奈川・桐蔭学園
10 岸岡 智樹 教1 大阪・東海大仰星
11 桑山 聖生 スポ2 鹿児島実
12 中野 将伍 スポ1 福岡・東筑
13 宇野 明彦 スポ1 神奈川・横須賀
  後半21分交代→22高橋吾    
14 本田 宗詩 スポ4 福岡
15 梅津 友喜 スポ1 岩手・黒沢尻北
  後半33分交代→23緒形    
リザーブ
16 佐田 涼祐 社4 東京・早実
17 鷲野 孝成 基理2 神奈川・桐蔭学園
18 小笠原 優 商4 秋田
19 三浦 駿平 スポ1 秋田中央
20 増原 龍之介 教1 広島・崇徳
21 吉岡 航太郎 スポ3 国学院栃木
22 高橋 吾郎 スポ3 福岡・修猷館
23 緒形 岳 スポ2 新潟・新発田
※◎は主将、監督は山下大悟(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)

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関東大学対抗戦Aグループ星取表(11月6日終了時)
  帝京大 明大 筑波大 早大 慶大 青学大 日体大 成蹊大
帝京大 11/20 14:00

秩父宮
12/3 14:00

秩父宮
○75-3 ○42-31 ○111-0 ◯134-3 ◯91-0
明大 11/20 14:00

秩父宮
○48-28 12/4 14:00

秩父宮
◯31-29 ◯60-5 ◯79-0 ◯70-0
筑波大 12/3 14:00

秩父宮
●28-48

●12-46 ●20-28 ◯15-13 ◯46-14 11/19 14:00

江戸川
早大 ●3-75 12/4 14:00

秩父宮
◯46-12 11/23 14:00

秩父宮
◯48-19 ◯45-40 ◯71-0
慶大 ●31-42 ●29-31 ○28-20 11/23 14:00

秩父宮
12/3 14:00

熊谷B
○55-0 ◯85-7
青学大 ●0-111 ●5-60 ●13-15 ●19-48 12/3 14:00

熊谷B
11/19 14:00

三ツ沢
○21-3
日体大 ●3-134 ●0-79 ●14-46 ●40-45 ●0-55 11/19 14:00

三ツ沢
11/26 14:00

江戸川
成蹊大 ●0-91 ●0-70 11/19 14:00

江戸川
●0-71 ●7-85 ●3-21 11/26 14:00

江戸川
※秩父宮は秩父宮ラグビー場、帝京大Gは帝京大学百草園グラウンド、浜川は高崎市浜川陸上競技場、月寒は札幌月寒ラグビー場、上柚木は上柚木公園陸上競技場、熊谷Bは熊谷ラグビー場Bグラウンド、江戸川は江戸川区陸上競技場、海老名は海老名運動公園陸上競技場、慶大日吉Gは慶大日吉グラウンド、三ツ沢はニッパツ三ツ沢球技場。
関東大学対抗戦Aグループ順位表(11月5日現在)
順位 チーム 試合 得点 失点 得失 トライ
帝京大 453 37 416 69
明大 288 62 226 43
早大 213 146 67 33
慶大 228 73 155 33
筑波大 121 149 -28 18
青学大 58 237 -179
日体大 57 359 -302
成蹊大 10 338 -328
勝ち数の多い大学を上位とし、勝ち数が並んだ場合は同順位とする。
コメント

山下大悟監督(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)

――試合を振り返ってみていかがでしたか

前半20分までの4トライがすべてでした。そこで相手を受けてしまって、こちらの強みが出せなかったです。スコアされてしまったことで、選手たちが思った以上に相手の力を大きく受け止めてしまったのかなと思います。試合の入り方、入らせ方を含めて、私のミスです。最初の20分がすべてです。

――帝京大と実際に戦ってみて、想定と違っていた点はありましたか

向こうがやってくることは想定内でした。一番走らせてはいけない選手であるFB尾崎晟也選手に簡単にトライを取られてしまったり、相手のいい選手に対してこちらがミスマッチを生み出してしまったりということが、帝京大にうまくはまってしまったんだと思います。あと、帝京大はルーズボールの局面で4年生を中心に非常にいい反応をしていたと思います。こぼれ球はほとんど相手に拾われてしまった印象がありますね。そういった局面で、帝京大の執念を感じました。まずはしっかりと、やってきたことに対してのレビューをやって、次の慶大戦に向けてやっていきたいです。まだまだ巻き返すチャンスは十分にあると思いますし、やってきたことは全くぶれていませんので。それに対してのレビューをしっかりやることから始めていきたいと思っています。

――前半20分までの4トライはイージーなかたちで許してしまいましたが、要因は何だったのでしょうか

ファーストタックルの大切さを改めて感じました。先週の帝京大対慶大戦を見ると、慶大のファーストタックラーが相手をテークダウンさせていました。そこはワセダが勝負する上でも一番大事なことだとは思っていたんですけど、そこができませんでした。アタックのかたちは想定内だったんですけど、それに対するこちらの認識が甘かったんだと思います。

――想定が甘かったというのは具体的にどのような点で感じていますか

さっき言ったルーズボールの場面も含めて、接点の局面ですね。もう少しできるだろう、というところが多くありました。本気の帝京大というチームの接点はより鋭いなと感じましたね。それでも、そういった鋭さを経験できたということはプラスに変えていきたいと思っています。何度も言いますが、年間を通じて強みにしていこうとしている部分(スクラム・チームディフェンス・ブレイクダウン)ができなかったら負けるんです。この試合では接点の攻防で完敗だったと思います。ただ、一人目、二人目それぞれの役割はロジカルに決まっています。そのための体もつくってきましたし、あとは鋭さを磨いていくだけだと感じています。そこを選手たちに一から植え付けたいと思います。

――接点で負けてしまった部分は具体的にどこだったのでしょうか

帝京大の圧力、執念といった部分がこの試合では今までと違うな、ということは感じました。そこは僕の想定が甘かった部分もあったかもしれないですし、選手たちも甘かったのかもしれません。

――前半終了間際の場面でスクラムにこだわる場面がありました

うちのスクラムはしっかりと後ろの押しを前に伝えるという押し方なので、時間はかけてもいいと思っています。ただ、帝京大の3番が3回、同じ反則(コラプシング)でペナルティーを取られていたので、スクラムに関しては優位に進められたと思います。ただ、チームのゲームマネジメントとしては、あの場面でスクラムを選択したということは良くなかったと思います。ラインアウトモールをやりたかったので。そこは落とし込み不足だったと思います。

――もし今季もう一度帝京大と対戦することになるとしたら、どんな準備をしていきたいですか

やはり今季こだわり続けている部分、スクラム・チームディフェンス・ブレイクダウンに磨きをかけて、しっかりとした強みとしてそれをぶつけていくだけです。

ロック桑野詠真主将(スポ4=福岡・筑紫)

――試合を振り返ってみていかがでしたか

試合の入りの部分で相手を受けてしまって、トライでスコアされてしまったということがすべてだと思います。チームもパニック状態に陥ってしまって、いつも通りのプレーができなかったですね。あそこからチームを立ち直らせるということがすごく難しかったです。自分たちの強みであるスクラムに立ち返って帝京大にプレッシャーをかけようとしたんですけど、スクラムでも思ったようにはいきませんでした。相手のキープレーヤーに走られてしまったこともダメでしたし、一つ一つの接点で相手のプレッシャーを受けていつもと違うプレーをしてしまったということが敗因だと思います。

――帝京大戦に向けてはどのように過ごしていたのでしょうか

この帝京大戦のために、帝京大がどんなプレーをしてくるのか、どんなディフェンス、アタックをしてくるのかを想定して練習してきました。試合でも、相手がやってきたことは想定の範囲内だったんですけど、こちらが相手の勢いを受けてしまったというのは感じています。帝京大がどうというよりも、ワセダが相手の勢いを受けてしまったことに敗因があると思います。

――接点で体を当ててみた印象はいかがですか

ブレイクダウンで、いつもの試合であれば取れていた50センチのスペースをこの試合では取ることができませんでした。そこの差は感じました。

――スクラムの出来はいかがでしたか

こちらがいいかたちでスクラムを組めている場面で相手のスリップで組み直しになったりしてしまったんですけど、スクラムで負けている印象はなかったです。ただ、向こうも何とかして止めようということでしっかりロッキングしてきたので、こちらとしては想定通りに押せなかったです。

――前半終了間際に、敵陣22メートルライン付近でペナルティーを得ながらもタッチに出さずにスクラムを選択する場面がありました。意図は何だったのでしょうか

今考えると、正しい判断はタッチに出してラインアウトモールでトライを狙うということだったと思っています。ただ、スクラムを選んだポイントとしては、スクラムが優位に組めていたことと、相手の3番のペナルティーが重なっていたので、シンビンが出るんじゃないかという思いがありました。

――モールを組む場面は一度しかありませんでした

そうですね。それでも悪い印象はないです。もっとモールを積極的に狙って組んでいけば良かったなという思いはあります。

――ラインアウトに関してはどう評価していますか

そんなに悪い印象はないです。ラインアウトどうこうではなくて、モールを組む機会がなかったです。

――ペナルティーからクイックスタートされて一気にトライされる場面もありました

そうですね。あれは完全にコミュニケーションミスでした。後手に回ってしまって、相手の勢いを受けてしまったということにも原因があると思います。

――12日のヤマハ発動機戦まで、どのような取り組みをしていきたいですか

やってきたことはぶらさずに、やるべきことを上井草でしっかりとやり続けるだけです。この試合で帝京大との差をすごく感じたので、それに対して毎日しっかりと準備し続けるということが重要だと思います。

――帝京大との差はどう感じていますか

点数ほどの差は感じていないです。ただ、その差を埋めるのはすごく大変なことだと思っています。これからの一日一日が、本当に大事になってくると思います。

プロップ鶴川達彦(文構3=神奈川・桐蔭学園中教校)

――今まで帝京大を見据えて練習をやってきたと思いますが、どのような気持ちで臨みましたか

ワセダの強い部分をしっかり帝京大にぶつけて、その部分で勝って、結果を出すという気持ちで臨みました。

――実際に戦ってみていかがでしたか

自分達が想定していたよりも帝京大は強かったです。自分たちの力が出し切れなかったという部分もあると思います。

――ここまでの対抗戦ではスクラムの調子が良かったと思いますが、きょうのスクラムはいかがでしたか

今まで通りにできたと思います。レフェリーとのコミュニケーションの部分はうまくいかなかったので、そこは次回以降に反省点として生かしていきたいと思います。

――ブレイクダウンの目標はどのくらい達成できましたか

50パーセントぐらいですね。

――帝京大は個々のフィジカルが強いように感じましたが、どのようなことを意識して戦いましたか

しっかりチームでディフェンスをして、ギャップをつくらずに、ダブルタックルに入るということをワセダの強みの一つとしてやっていました。自分たちのコミュニケーションミスからギャップができて、一対一の局面をつくられてしまったので、そこが個々の強さにやられた原因だと思います。

――実際に一対一で当たってみていかがでしたか

去年よりもかなりストリングスの部分で取り組んでいたので、以前よりは強いなと感じなくなりました。

――次回への意気込みをお願いします

慶大は帝京大と良い試合をしましたし、ワセダと同じようにスクラムを強みにしているので、その面で圧倒して勝ちたいと思います。

フッカー貝塚隼一郎(政経4=埼玉・早大本庄)

――きょうの試合を振り返ってみていかがですか

自分たちのやろうとしていたことを出せなかった結果、今回の敗北につながったのだと思います。

――帝京大の印象はいかがでしたか

接点の部分での強さやこぼれ球への反応、ターンオーバーしてからのアタックの質の高さを感じました。

――スクラムの感触はいかがでしたか

前半の段階でプレッシャーをかけていきたかったのですが、相手の重さに対してこちらが圧倒できなかった部分があると思います。

――前半のロスタイムで何度もスクラムを組む場面がありました

しっかり帝京大と組み込むことで、相手へプレッシャーをかけることが目的でした。またスクラムを長く組むことで相手の体力が消耗させ、ペナルティーを誘うことも狙いです。スクラムでプレッシャーをかけ自分たちの強みを出そうと思っていました。

――ボールを動かさずにスクラムを組む場面がありました

スクラムは自分たちの強みなので、こだわっていきました。

――ラインアウトはいかがでしたか

自分のボールの質が悪かったのもありますし、帝京大にプレッシャーをかけられたりしました。マイボールラインアウトの面では修正が必要だと思います。相手ボールラインアウトに関しては圧力をかけることができたので、もっと磨いていきたいです。

――早慶戦に向けて意気込みをお願いします

慶大の強みにしているスクラムに対して自分たちのスクラムを全力でぶつけて圧倒して勝ちたいと思います。

プロップ千葉太一(教4=東京・早実)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

このような結果なので、何も言えません。

――スクラムでは相手のペナルティーを数多く取っていましたが、いかがでしたか

ある程度収穫を得られたので、良かったと思います。

――前半、スクラムを選択し続けたのはなぜでしょうか

それしかなかった、という感じです。チームにあった選択肢の中で、それが最善の判断でした。

――今回ラインアウトモールの数が少なかったですが、あえてそうされたのでしょうか

それもありますし、相手が上手かったのでマイボールが少なかったというのもあります。

――次戦への意気込みをお願いします

慶大には春負けているので、そのリベンジしたいです。早慶戦に向けて、もう一度チームを立て直していかなくてはいけないと思います。

ロック山口和慶(スポ4=福岡)

――大敗となりました

やはり相手が強かったというのと、自分たちのやってきた強みが出せていなかったです。

――強みを出すことができなかった原因は

ブレイクダウンの強い相手にいつもより多い人数をかけてしまって、いつものかたちがつくることができなかったことです。

――試合前の意気込みは

スクラムやブレイクダウンで絶対に引かない、負けないという気持ちでした。

――意識していた相手だったと思いますが

帝京大だから、ということで変わったところはそれほどなくて、自分たちの強みをしっかり出しきることが勝利につながると思っていました。そんなに特に意識したことはないです。

――先制したのは早大でした

そこは自分たちのかたちでいいようにできたと思います。

――立ち上がりでの失点が重なりました

こぼれてしまったボールの反応が帝京大さんの方が上で。そこで体の小さい僕らが奪われていたら勝てないと思います。

――実際に体を当ててみていかがでしたか

そんなに思ったほど差はないので、体の使い方や判断を精度高くやっていきたいです。

――スクラムは押せていました

押せてはいたと思うんですけど、そこでもっと圧倒できればスクラムでゲームをつくるだとか、もっと突き詰めていったらそういうことができると思うので、そこはまだ成長していきたいです。

――ラインアウトに関してはいかがでしたか

相手に取らせないという目標を立てていたので、しっかり競り合って相手のプレーを乱すことができたと思います。ただ、マイボールラインアウトを相手に引っかけられたところがあって、そこはもっと修正して確実なボールを供給できるようにしたいです。

――ディフェンスに関してはいかがでしたか

もっと前に出て一枚目二枚目と強くいかなければならないなと思いました。

――ライン際まで詰め寄るも、水際ではね返されてノートライに終わってしまいました

一人目の強さや寄りの速さで勝てていなかったので、一人目がもっと強く足をかいて前に出るという意識を強く持つことが大切だと思います。

――モールはあまり押せませんでした

うまいかたちをつくれませんでした。スクラムでペナルティーを得て、タッチキック、モールで取りきるっていうかたちがあるので。そこでモールで取りきれないと点もとれないと思うので、もっと精度高く、強くやりたいです。

――夏の練習試合では競りましたが、今回とどこが違いましたか

練習試合と公式戦という違いで、やはりそういった意識の差ですかね。

――帝京大と早大の、どこに差があると感じましたか

さっきも言ったんですけど、泥臭さです。こぼれ球を全部取られてトライにつなげられたので、そこはもっと僕らも見習うべきだなと思います。

――早慶戦に向けて修正したいところはありますか

特に変わったことはないので、今まで通りやってきたことを磨いて、鋭く、強くできるようにやっていきたいです。

――早慶戦への意気込みをお願いします

スクラムや接点で絶対に引かないように前に出て、強くプレーしていきたいです。

フランカー佐藤真吾(スポ2=東京・本郷)

――この試合を振り返っていかがでしたか

帝京大のブレイクダウンに完敗してしまって、ブレイクダウンで勝って大外にボールを回してトライを取るというワセダのテーマが達成できず、この結果になってしまったと思います。今まで対戦したどのチームよりもブレイクダウンが強く、僕たちの想定が甘かったと思います。

――ディフェンスについては

今まではブレイクダウンでいつもプレッシャーかけて球出しを遅滞させて、その間にディフェンスセットを整えていたのですが、この試合ではブレイクダウンで完敗してしまい、セットを整える時間が無くなってしまいました。その結果としてチームディフェンスが崩れてしまったと思います。

――アタックではノートライに終わりました。何が原因だと思いますか

一人一人のレッグドライブや、トライを取りきるところでミスが出てしまいました。もっとワセダでの日々の練習の質を高めていかないといけないと思います。

――対抗戦、次の試合は早慶戦になります。意気込みをお願いいたします

僕はディフェンスやブレイクダウンでもっと仕事をしないといけないと思うので、試合に向けてファーストタックラー、セカンドタックラーとしてもっともっと練習から激しくいきたいと思います。

フランカー加藤広人(スポ3=秋田工)

――ラインアウトが安定していましたが、ご自身で振り返っていかがですか

相手ボールでプレッシャーをかけることができるところはしっかりプレッシャーをかけることができたのですが、ターンオーバーにはつながりませんでした。マイボールでは相手に取られたと言うよりは自分たちでミスをしてしまって、ペースをつかめなかったので、そこは修正してしっかり強みにしていきたいと思います。

――スクラムでは互角以上に見えましたが、スクラムに関してはいかがですか

前半の内容では強みになっているとは言えないので、後半くらい、後半よりもっと前に出るスクラムをこれから磨いていきたいなと思います。

――帝京大との差はどのようなところにあると思いますか

ミスボールの反応に関して、僕らがミスしてこぼれてしまったボールが全部帝京大にセービングされて取られてしまいました。そういうところの執念だったりハングリーさだったり、そういう小さいところからどんどん差が出ているなと思いました。

――次は早慶戦ですが、意気込みを聞かせてください

これからどんどん負けられない戦いが続いていくので、僕らの強みをぶれずに強くしていって、結果を残せるように頑張っていきたいと思います。

NO・8宮里侑樹(スポ2=沖縄・名護商工)

――ヤマ場である帝京大戦でした。チームとしてはどういった意気込みで臨まれましたか

ずっと取り組んできた、チームディフェンス、ブレイクダウン、スクラムを出し切ろうという話はしていました。しかし、そういった部分が機能せず自分たちのミスからトライを取られてしまいました。そこが敗因だったと思います。

――個人としては復帰戦でした。意気込みは

自分はボールをもらう回数が多いので、復帰戦ではありましたが前へ前へ、少しでも進めるように意識していました。

――実際にボールを運んでいて、帝京大の印象を教えてください

最初はやっぱりすごくびっくりしました。自分が復帰戦で久しぶりの試合だったこともありますが、当たってみて強いなということを実感しました。しかし前半20分くらいからいけるなという思いも感じていて、強いけどずらせば勝負できるというポジティブな感想も抱いていました。やっぱり自分が前に出なければ次が続かないですし、練習もそういった意識を持ってやってきたからですかね。

――パスを供給する場面も目立ちました。味方にはどういった動きをしてほしかったですか

ビデオなどの研究で帝京大のディフェンスが前に詰めてくるのは分かっていたので、山口さんや加藤さんに角度をつけて入ってもらいました。できたときには、少しはゲインできましたが、難しい部分もありました。

――復帰してからの期間、どういった練習をされていましたか

チームに慣れるということと、アタックもアップデートしたのでそれを覚えること、あとはやはりケガを二度目はないようにしっかりとケアをすることですね。

――本日は当たる場面も多くありました。体の調子はいかがですか

そうですね、すごく痛みます。それでもしっかりとケアしてきていますし、ケガではないので。帝京大さんがすごく体が強いので疲労がたまってはいますね。

――帝京大戦で得た課題と収穫は

やっぱり絶対王者の帝京大ですし、体の大きさや強さにもびっくりしました。それでも、帝京大が相手でも自分が少しでも前に進むことができたのは個人的に自信になりました。一方でディフェンスで受ける部分があったり、ブレイクダウンで頭入れるところで頭を入れられてなかったのでそういったところを修正していきたいです。

――次に控える早慶戦の意気込みをお願いします

自分はバックローとしてしっかりと頭を入れること、オフェンスは前に進めるように。それをするにはディフェンスを見直すこととゴール前の判断で色々とミスをしたのでそういった部分を練習して臨みたいです。

SH齋藤直人(スポ1=神奈川・桐蔭学園)

――試合を振り返っていかがですか

多くのチャンスがあったのにそれを生かしきれなかったので残念です。

――相手のブレイクダウンの強さについてはいかがでしたか

少しでも隙を見せると強力なブレイクダウンで仕掛けてくるので、そこが強さの違いかなと思います。

――試合の中でのご自身の役割はどのようにお考えでしたか

きょうの試合ではあまりできなかったのですが、キックオフから自分のところでハイパントとか、ボールさばきの部分が自分の役割だと思っています。

――BKの連携についてはどのような印象でしたか

ミスの原因とかはよく分からないのですが、もしBKに原因があるとすればそこはしっかり修正していきたいと思います。

――次の早慶戦に向けて意気込みをお願いします

きょうは個人的にも全然ダメだったので、早慶戦に向けてしっかりと準備をしていきたいと思います。

WTB桑山聖生(スポ2=鹿児島実)

――きょうの試合はいかがでしたか

接点の部分で完全に受けに回ってしまって、そこを起点に自分たちのディフェンスラインを崩してしまったり、やりたいことをできずにずるずるといってしまった感じです。

――実際に当たってみて帝京大の印象はいかがでしたか

夏に1回やったんですけれど、夏とはまた全然違ったチームだなという印象で、7連覇しているチームはやはりちょっと違うなと思いました。

――後半30分にランでトライまでもう少しというシーンもありました。カバーディフェンスが来た時に今後どういったプレーをしていきたいですか

1番はやはりスピードで振り切るというところに持っていきたかったんですけれど、そこまでのスピードがなかったというのが現実だと思うので、抜けたら取り切るという気持ちを持ってプレーしたいです。

――今回見つけた最も大きな課題はどんなところですか

やはりWTBなので外のスペースに仕掛けていくことが多いんですけど、もう少しボールをタッチするようにしていかないと、あまり良いプレーも出ていないので。ボールタッチ数をアタックの分増やしていきたいというのと、ブレイクダウンのところをもっとファイトできたと思うので、大外のブレイクダウンをもっとファイトしていきたいなと思います。

――いよいよ早慶戦です。意気込みを教えてください

次の早慶戦は大学に入って初めての慶大との対戦にもなるので早慶戦に対する憧れもありますし、良いプレーをして、ワセダの勝ちに貢献できるように頑張りたいです。

CTB中野将伍(スポ1=福岡・東筑)

――75―3というスコアで終えた試合を振り返っていかがですか

自分たちがしてきたアタックのかたちでトライを取れなくて残念です。ディフェンスでも、ブレイクダウンやコンタクトの部分で前に出られたことが点差の原因になったと思います。

――ノートライに終わったことについて、BKとしてどのように捉えていますか

早い段階で1本トライが取れていれば流れが変わったかもしれないので、最後までトライできなかったのは悔しいです。

――外から走り込まれてトライまで持ち込まれる場面が何度かありました

ブレイクダウンやコンタクトの部分で、相手のボールキャリアーに対して自分たちの人数が多くかかってしまったことで、最終的に外の人数が足りなくなってしまったのかなと思います。

――チームのハンドリングを振り返っていかがですか

ハンドリングのミスからトライにつなげられることも多かったので、反省点の一つです。

――中野選手自身は、体を当ててみていかがでしたか

チームを勢いづけるために、もっと前に出ないといけなかったと思います。

――帝京大に通用する部分もありましたか

チームとしては後半からスクラムで優位に立てていたと思いますし、外に良いかたちで振れた時はゲインできていたのですが、外に振ってゲインしてミスをすることも多かったです。それを継続して、前に出る時間を増やしていけば得点につながっていくと思います。

――次戦はいよいよ早慶戦です。意気込みをお願いします

次の相手も絶対に倒さなきゃいけない相手なので、きょうの課題と結果を忘れずに、することは変わらないので、次に向けて強みをもっと強くしていきたいと思います。

CTB宇野明彦(スポ1=神奈川・横須賀)

――きょうはどのようなことを目標に試合に臨みましたか

自分の中では、ボールキャリアーの戦いで早くヘッドスペースをとることだったり、ディフェンスに関してはタックルの回数を増やすことですね。よく走ってチームに貢献するというのを意識していました。

――その中でできた部分はありましたか

全部できなかったです。ディフェンスの部分が悪くて最初のトライで相手に流れに乗せてしまったので、しっかり自分のスキルをもっと上げていきたいです。

――夏の帝京大戦ではリザーブとして出場されていましたが、比較していかがでしたか

帝京大の隙がないラグビー、フィジカルを全面に出して一人一人が強く当たってきてブレイクダウンが厳しかったです。一人一人が本当に強いと感じました。

――チームディフェンスについて課題を感じましたか

ダブルタックルが決まらないとそこでゲインされてしまって、まずタックルしてブレイクダウンで戦うというのをもっと意識してやっていきたいです。

――きょうはノートライで試合終了となってしまいました

ディフェンスの対応力と、抜けてもすぐ囲まれてしまってアタック側が何もできないということが多かったので、もっとサポートの人数を増やしていきたいです。

――早慶戦、早明戦が残っています

今ケガしている先輩がそろそろ戻ってくるので、自分がその中でも出られるようにしたいです。もし出たときには自分の求められているディフェンスのプレーをもっとしっかりやっていきたいと思います。

CTB高橋吾郎(スポ3=福岡・修猷館)

――きょうの試合を振り返って

自分たちが思っていたよりも帝京大がさらに強かったというか。相手が強かった、の一言に尽きますね。

――前半を外から見ていてどのような印象を受けましたか

こぼれ球も相手に全部持っていかれたり、自分たちのスクラムも前半は押せなかったり。BKもミスがあって自分たちがイメージしていたゲームプラン通りには全然いかなかったなという印象でした。

――イメージされていた試合とはどういったものでしょうか

ことしテーマにしているスクラム、ブレイクダウン、チームディフェンスで一つ一つの局面で勝っていこうというイメージを持っていました。それを積み上げた先に勝ちがあるということで、この三つをしっかりやっていこうとしていました。

――交代時に意識したことは

点数も離れていて、難しい時間だったのですが、今までやってきたディフェンスとブレイクダウンのところでしっかりアピールできればなと思ってやっていました。

――帝京大のディフェンスが堅く、なかなか攻め切れない時間が続きましたがフィジカル面などを踏まえてどう感じましたか

フィジカル面ではあまり差は感じませんでしたが、今までやってきた他の大学と比べたら帝京大は一段階も二段階も重かったので、それが後半にはダメージになってきたのかなと思います。

――次戦へ向けての修正点や生かしていきたい部分はありますか

きょうの失点からディフェンスをもっと頑張らなければならないと思います。ですが、ことし目指していることは変わらずにスクラム、ディフェンス、ブレイクダウンをしっかりやって、早慶戦や早明戦でスタメン狙えるように頑張りたいです。

WTB緒形岳(スポ2=新潟・新発田)

――帝京大戦でしたが、チームとしてどのような意識で臨みましたか

ことし一年強みにしてきているスクラム、チームディフェンス、ブレイクダウンという身体をぶつけるところで、絶対に負けないということを意識していました。そこの勝負で相手を圧倒することをテーマにしてやりました。

――大きく点差がついた場面での出場でした。どのような思いでしたか

出るからには自分のプレーをするという思いでした。点差はありましたが、それを気にしてチームが崩れては意味がないので、あまり気にしないようにしました。強みや軸にしている部分を相手にぶつけていくということを、個人としてもチームとしても意識しました。

――ボールを持って突破を試みる場面が見られました

外側のブレイクダウンを課題にしてバックスはやっていたのですが、帝京大の集散が早くて、自分たちの思うようなボールが出せませんでした。それは自分が出て肌で感じたので、課題だと思います。

――赤黒を着ての出場は初めてでしたがいかがでしたか

成蹊大戦で出させていただいたときはセカンドジャージーだったので、赤黒を着て出たのは初めてでした。場所が秩父宮ということもあって、緊張もしていました。ケガ人もいる中で自分が選ばれて出たということは、代表して出る自覚と責任はしっかり果たさなければならないと思います。緊張していても、やれることは徹底してしっかりやろうという気持ちは強かったです。

――この試合で修正すべき点は見つかりましたか

修正というよりも、自分たちがこの一年間やろうとしている部分で負けてしまったので、そこで次は絶対に勝ちたいです。それをしようとしてもきょうは完敗してしまったので、先ほど監督もおっしゃっていたのですが、やることを変えるとか細かい修正をするというのではなく、軸をぶれさせないようにやっていきたいです。

――早慶戦に向けて意気込みをお願いします

観に来てくださる方々も楽しみにしていると思いますし、早大がこの一年どこを強みにしてやってきたかというのをプレーで表現できる選手になって、メンバー入りできるようにしたいです。