競走部

2016.11.05

第48回全日本大学駅伝対校選手権 11月6日 愛知・熱田神宮西門前~三重・伊勢神宮内宮宇治橋前

全日本駅伝展望

 学生三大駅伝初戦・出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)はまさかの8位に沈んだ早大。出雲路でも『鬼門の1区』にひそむ魔物に足を引かれ、その後も反撃体制を築くことができなかった。「想定外の事態があった時に力を出し切れないというのはチーム全体の甘さ、力不足な点」と相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)はこの結果を真摯(しんし)に受け止め、第二戦である全日本大学駅伝対校選手権(全日本)での雪辱を誓っている。全日本では3位以内を目標としている早大。だが今季は『六強』と呼ばれる青学大、駒大、東洋大、東海大、山梨学院大ら、早大を含めた六校が優勝戦線にひしめき合い、一筋縄ではいかない。また、先日の出雲で好走した中央学院大も侮ることはできず、さらには東京箱根間往復大学駅伝(箱根)の予選会を好成績で戦い抜いてきた大東大や明大も『六強』崩しを狙ってくるだろう。混戦が予想される中で、早大はいかなる布陣で挑むのだろうか。各区間ごとに他大の状況も整理しながら見ていきたい。

 1区を任されたのは武田凜太郎(スポ4=東京・早実)だ。エントリーを見てみると、優勝候補筆頭の青学大は3年生ながら主力の下田裕太を配置し、覇権奪還を目指す駒大はエース・工藤有生を用意している。二連覇を目指す東洋大も5000メートル現役学生最速の服部弾馬を起用するなど、そうそうたる顔ぶれだ。レベルの高い戦いが予想される中で、武田が力のある選手たちにどこまで追いすがれるかがポイントとなる。『競り合いに弱いワセダをなくそう』というのが最近の早大のテーマであり、先日の出雲でも武田のラストスパートは光っていた。4年生としてラストの競り合いで負けるわけにはいかない。だからこそ、いかにして終盤まで先頭集団でレースを進められるかがカギとなる。持ち前の安定感とレース勘を武器に、最後の伊勢路で意地の走りに期待したい。続く2区には平和真駅伝主将(スポ4=愛知・豊川工)が2年連続のエントリー。今季名実ともに早大をけん引してきた平が他大の主力選手と真っ向勝負に挑む。例年順位変動が激しい2区だが、まずはここで流れをつかみたいところだ。最短区間の3区には山梨学院大の秦将吾や東海大の館澤亨次らスピードのある選手が名を連ねた。早大から出走するのは、同じくスピードに自信を持つ鈴木洋平(スポ4=愛媛・新居浜西)だ。ことしの出雲では4区区間新記録を打ち立て、勢いに乗っている鈴木洋。7月の男鹿駅伝でほぼ同じ距離の区間を走り区間賞を獲得しており、距離適性は十分と言えるだろう。好調の鈴木洋で上位を確保できるかどうかが大きな分水嶺(ぶんすいれい)になる。前半区間で勢いに乗るというのが駅伝の鉄則だ。1区から3区には4年生の主力たちが惜しみなく投入された。

前半区間の3人の4年生がカギを握る。スターターの武田がまず良い流れを作れるか

 準エース区間4区には永山博基(スポ2=鹿児島実)が抜てきされた。昨年度の全日本では7区区間2位、箱根でも4区区間4位と1年生らしからぬ活躍を見せてきた永山。来季以降は早大の中核を担うべき選手なだけに、重要区間で存在感を示したい。5、6、7区はいわゆる『つなぎ区間』だ。しかしそれぞれ10キロ以上の距離があり、これらの区間に穴を作らないことができるかで、勝負の行方は大きく左右される。早大はそれぞれ新迫志希(スポ1=広島・世羅)、藤原滋記(スポ3=兵庫・西脇工)、太田智樹(スポ1=静岡・浜松日体)という主力級の選手を一挙に並べた。『つなぎ区間』にこれだけ走力のある選手をそろえられる――。この選手層の厚みこそが今季の早大の強みだ。特に新迫、太田の2人は1年生ながらすでにチームの中心選手。待ち構える箱根、そして来年以降のシーズンを占う上でも、ルーキーたちの走りは大きな意味を持つだろう。最終8区に名乗りを上げたのは安井雄一(スポ3=千葉・市船橋)。最終区にして最長区間であり、各校のエースがしのぎを削る区間だ。虎視眈々(こしたんたん)と優勝を狙う山梨学院大は強力な留学生ランナー・ドミニクニャイロをここに置き、日本人でも一色恭志(青学大)、林竜之介(東海大)、大塚祥平(駒大)と言った各大学の『顔』とも言うべき選手が出場する。来季は駅伝主将を務め、まさに早大の『顔』とならねばならない安井。伊勢路は初出場となるが、自身の持ち味である攻めの走りで、他大のエースたちと互角以上に張り合う姿を見せられるか。

 気象予報を見てみると、風向きは1区などで多少向かう可能性があるが、おおよそ横風か追い風だ。出雲では前半区間で向かい風が吹き追撃体制を整えることが難しかったが、この条件なら各選手の強みが発揮できるだろう。懸念事項は暑さ。後半区間では若干気温が上がることが予想されている。特に距離の長い8区では給水の機会を大事にしたいところだ。出雲に引き続き、各区間に抜かりなく主力を擁することができた早大。各校の力は拮抗(きっこう)しておりけして楽観視はできないが、前半区間の流れ次第では十分に3位以内、あるいは優勝が見えてくるだろう。レースはあす、午前8時05分にスタートだ。

(記事 平野紘揮、写真 鎌田理沙)

第48回全日本大学駅伝対校選手権
区間 距離 名前 学部・学年 出身校
1区 14.6キロ 武田凜太郎 スポ4 早実
2区 13.2キロ 平和真 スポ4 豊川工
3区 9.5キロ 鈴木洋平 スポ4 新居浜西
4区 14.0キロ 永山博基 スポ2 鹿児島実
5区 11.6キロ 新迫志希 スポ1 世羅
6区 12.3キロ 藤原滋記 スポ3 西脇工
7区 11.9キロ 太田智樹 スポ1 浜松日体
8区 19.7キロ 安井雄一 スポ3 市船橋
補欠    井戸浩貴 商4 竜野
      今井開智 スポ4 桐光学園
      石田康幸 商3 浜松日体
   光延誠 スポ3 鳥栖工
      清水歓太 スポ2 中央中教校

1区 14.6キロ:武田凜太郎(スポ4=東京・早実)

1994年(平6)4月5日生まれ。174センチ、54キロ。

5000メートル 13分58秒83

1万メートル 29分04秒20

ハーフマラソン 1時間3分12秒

昨年の出雲以来の1区への出走となった。安定感を武器としており、スターターとしての素質は十分だ。まずはここで良い流れを後続に引き継ぎたい。

2区 13.2キロ:平和真(スポ4=愛知・豊川工)

1994年(平6)11月5日生まれ。177センチ、57キロ

5000メートル 13分38秒64

1万メートル 28分46秒04

ハーフマラソン 1時間3分12秒

2年連続2区を任された。各校のエースクラスがずらりとそろうこの区間でも、5000メートル・1万メートルともに持ちタイムはトップレベルだ。1区で失速してしまった出雲の借りはここで返す。

3区 9.5キロ:鈴木洋平(スポ4=愛媛・新居浜西)

1994年(平6)5月23日生まれ。168センチ、55キロ。

5000メートル 13分53秒58

1万メートル 29分19秒76

ハーフマラソン 1時間6分24秒

出雲で4区区間新をマークするなど今季の躍動ぶりは著しい。スピード型のランナーらしく、最短区間に起用された。1、2区の流れを継ぎ、4年生たちの力で好位置を奪取したい。

4区 14.0キロ:永山博基(スポ2=鹿児島実)

1996(平8)7月20日。168センチ、51キロ。

5000メートル 13分58秒81

1万メートル 29分19秒68

ハーフマラソン 1時間2分55秒

昨年は同大会の7区で区間2位の好走を見せた。ことしの出雲ではエントリーメンバーの座を逃したが、これからの早大の核になるべき選手だ。準エース区間でも攻めの走りに期待したい。

5区 11.6キロ:新迫志希(スポ1=広島・世羅)

1997年(平9)4月28日生まれ。163センチ、49キロ。

5000メートル 13分47秒97

1万メートル 29分07秒06

ハーフマラソン ――

出雲では2区区間12位に沈んだ新迫であったが、期待を背負うルーキーとしてこのままでは終われない。7区の太田とともに、1年生としてチームを活気づける走りを今回こそしてみせる。

6区 12.3キロ:藤原滋記(スポ3=兵庫・西脇工)

1995(平7)10月16日生まれ。176センチ、57キロ。

5000メートル 14分08秒36

1万メートル 29分03秒96

ハーフマラソン 1時間3分23秒

前日の区間エントリー変更で、エース格の井戸に代わり指名された。大学駅伝初出場となった昨年の同大会では3区6位とまずまずの走りを見せている。先輩の思いも胸に伊勢路を駆け抜ける。

7区 11.9キロ:太田智樹(スポ1=静岡・浜松日体)

1997(平9)10月17日。175センチ、60キロ。

5000メートル 14分05秒92

1万メートル 29分27秒92

ハーフマラソン ――

中学時から世代トップの選手と渡り合ってきたゴールデンルーキーが満を持して登場。出雲で出走がかなわなかった悔しさを晴らすべく、最終区に良い流れでタスキをつないでみせる。

8区 19.7キロ:安井雄一(スポ3=千葉・市船橋)

1995年(平7)5月19日生まれ。170センチ、56キロ。

5000メートル 14分09秒39

1万メートル 29分07秒01

ハーフマラソン 1時間2分55秒

ことしの箱根で5区を経験し、さらには初マラソンでも好走するなど距離に対する適応力は抜群だ。来季駅伝主将を務める上で、『W』を背負った試合で負けるわけにはいかない。他大のエースたちに臆することなく勝負を挑む。

補欠:井戸浩貴(商4=兵庫・竜野)

1994(平6)7月10日生まれ。171センチ、59キロ。

5000メートル 14分00秒55

1万メートル 28分54秒84

ハーフマラソン 1時間2分33秒

補欠:今井開智(スポ4=神奈川・桐光学園)

1994年(平6)12月2日生まれ。175センチ、54キロ。

5000メートル 14分21秒16

1万メートル 29分48秒83

ハーフマラソン 1時間4分27秒

補欠:石田康幸(商3=静岡・浜松日体)

1995年(平7)12月21日生まれ。175センチ、56キロ。

5000メートル 14分16秒29

1万メートル 29分42秒09

ハーフマラソン 1時間4分13秒

補欠:光延誠(スポ3=佐賀・鳥栖工)

1995年(平7)7月18日生まれ。167センチ、49キロ。

5000メートル 13分53秒08

1万メートル 29分03秒47

ハーフマラソン 1時間3分53秒

補欠:清水歓太(スポ2=群馬・中央中教校)

1996年(平8)5月3日生まれ。168センチ、52キロ。

5000メートル 14分08秒96

1万メートル 29分49秒47

ハーフマラソン 1時間6分20秒