ソフトボール部

2016.11.03

第47回関東大学選手権 10月30日 神奈川・秦野市カルチャーパーク野球場

インカレから約2カ月。金子主将もついに引退

 関東大学選手権(関カレ)は新チームの実力を測る重要な指標となる大会。今大会の成績により部の方針が定まり、新チームは動き出す。しかし、それと反して、この大会を最後に引退を迎える選手が1人いる。金子祐也(スポ4=長崎・佐世保西)。昨季のチームをその背中でけん引してきた主将だ。通常、4年生は全日本大学選手権(インカレ)を集大成として大会後は代替わりをして引退するのだが、金子はインカレに出場することができなかった。インカレ開幕直前、不慮の交通事故で入院を余儀なくされたからだ。このままではやりきれない。その思いを吉村正総監督(昭44教卒=京都・平安)がくみ取り、インカレに代わる大会として今試合の出場が決定。早大ソフトボール部員として、この試合が最後の試合となった。

最後の打席に立つ金子

 ついに引退を迎える金子だが、本人の頭の中には『引退試合』という意識はなかった。「現役部員たちのサポートをするということを一番に」と金子はいつも通り、勝ちへの執念を見せる全力のプレー。関東学園戦では強烈な中前安打を放ち、約2カ月ものブランクを感じさない。試合となると突如、目つきが変わる金子主将がグラウンドに帰ってきていた。そんな金子でも、2試合目の最終打席は『引退試合』を意識したそう。4回2死、12点ものビハインドの中で迎えた打席。「純粋にソフトボールのいち打者として打席に立っていた」と金子。これまで背負ってきた勝ちへの重圧を自ら解き、久しぶりに投手との真剣勝負を楽しんだ。結果は三振。「いち打者として、対決だけに集中できていました。その分、結果が残せなかったのは残念」と納得のいく最終打席とはいかなかった。こうして金子は早大ソフトボールの引退を迎えた。

 「(早大ソフトボール部は)これまで一生懸命に頑張ってきた経験の中でも一番の多くのことを学ばせてもらった場所であり、いろんな感情を経験してさせてくれた場所」。「人生で一番成長させてもらえた。そして一番成長を感じられた時間でした」。試合後、金子はこの四年間をこう振り返った。金子のコメントには早大ソフトボール部への感謝の言葉で溢れていた。照れ笑いもなく、真剣なまなざしで発せられたその言葉の数々。それは確かに心の底から発せられたものだった。また四年間を全力で駆け抜けたからこそ、発せられた言葉でもあったはずだ。インカレでの引退はかなわぬものとなってしまったが、他の4年生と約2カ月遅れて、ついに引退を迎える。大学卒業後、競技を継続しない金子にとってこれが現役最後の試合でもあった。お疲れ様でした、金子主将。

(記事 本田京太郎 写真 矢野聖太郎)

コメント

金子祐也前主将(スポ4=長崎・佐世保西)

――きょうの試合が早大ソフトボール部での最後の試合になりました。振り返ってみていかがでしたか

この大会に対する思いというのは現役部員たちのサポートをするということ一番にがありました。現役部員たちは1つの指標として関東学生選手権(関カレ)での優勝を目指していて、そのサポートをすることが僕の一番の使命だったと思っています。でも、個人的に結果を残せず、悔しい思いはありますね。全日本大学選手権(インカレ)に代わる試合として、今回、関カレに出場させていただきました。いちソフトボール選手として、このようなかたちで競技を終えることに対しても残念な思いはあります。

――万全な状態でこの試合には臨めたのでしょうか

ケガが治って、現役部員の支障にならない程度には練習はしていました。

――現役最後となった打席を振り返ってみていかがでしたか

久しぶりにいち選手として試合をして、いままでの夏までの主将で4番で出場していた試合違って、純粋にソフトボールのいち打者として打席に立っていたので、懐かしいなと感じました。そして、インカレでの打席はもっと違った感じだっだろうなとも感じました。ただ、あの打席はいち打者として、その対決だけに集中できていましたね。その分、結果が残せなかったのは残念に思いますけど。

――後輩たちのプレーというのはどう見えましたか

インカレの時とほぼメンバーが変わっていないので、秋季リーグ戦が始まったスタート時点での実力としては高いと分かっていたのですが。分かっているからこそ、悔しいというか、もっとできるチームなのに、という気持ちがあります。要所要所では成長している部分が見えたりしたので、その点は良かったです。

――特に誰に期待をされていますか

みんなにそれぞれ期待をしています。特に塩沼のキャプテンとしての手腕には期待しています。またこれからは下級生の頑張りというのも重要になってくると思うので鳥岡(健、スポ2=岡山・高梁)。今大会であまり良い結果を残せていないという意味でも2年製の鳥岡と杖子にも期待しています。

――これで引退となってしまいました。ソフトボール部での4年間を今、振り返ってみて思うことはありますか

早稲田のソフトボール部っていうのは他の部でも大学でも、経験できないようなことがたくさんある環境だと感じています。特にキャプテンというのはその経験の幅を実際に感じられる役所だったなと思うので。いろんな貴重な体験をさせてもらったなと思いますね。当たり前だと思うかもしれませんが、中学や高校など、これまで一生懸命頑張ってきた経験の中でも一番の多くのことを学ばせてもらった場所であり、いろんな感情を経験してさせてくれた場所だと思います。早大ソフトボール部という環境は。人生で一番成長を感じられた場所でした、そして一番成長を感じられた時間でした。