ハンドボール部

2016.10.30

第9回早関定期戦 10月29日 兵庫・関学大総合体育館

個性で圧倒ならず…無敗記録途絶える

 ことしで第9回を迎えた早関定期戦(早関戦)。今回は関学大のホーム兵庫・西宮で開催された。試合前から早関両校のスポーツ新聞会によるポスターが話題となり、注目を集めていた伝統の一戦。選手たちは大いに気合いを入れて臨んだが、序盤からミスを連発し終始相手を追いかけるまさかの展開に。それでも粘り強く攻め続け、ようやく1点差にまでたどり着いたのは後半8分。そのまま逆転に成功するかと思われたが、決定機を決め切れない。しぼんだ勢いは取り戻せず、関学大がシーソーゲームを制した。早大は早関戦初黒星を喫するという悔しい結果に終わった。

 この日は立ち上がりでつまずいた。開始早々、パスミスなど自分たちのミスから相手に速攻を許し、いきなり点差を広げられる。セットディフェンスは機能していたが、速いパス回しで1-2-3DFの裏を突かれる場面も見受けられた。20分時点で3ー10と早大は厳しい局面を迎えたが、ここでエース芳村優花(教3=愛知・星城)が重い空気を一変させる。9メートル地点から放った目が覚めるようなロングシュート。関学大の関係者で埋め尽くされた観客席からも感嘆の声が上がった。そこから芳村に続けと、GK北村早紀(スポ1=群馬・富岡東)が好セーブを、富永穂香(スポ2=東京・佼成学園女)が見事なパスフェイクからのカットインを見せチームを勢いづけた。早大が一気に攻め立て、4点差にまで詰め寄ったところで前半の30分が終了した。

キレのあるプレーを見せた富永

 後半に入っても早大の勢いは止まらない。相手DFの間を割る思い切りのいい攻撃で点差を縮めた。そして、その重要な局面でチームを引っ張ったのは、やはり佐藤未来主将(スポ4=東京・文化学園大杉並)だ。ポストの佐藤は芳村の動きに合わせて相手DFの裏に走り込んでシュートを決めると、速攻では強い1対1を仕掛けてペナルティスローを獲得した。そのまま一気に点差をひっくり返すかと思われたが、あと1点が遠い展開に。「日頃の練習の悪い部分が出てしまった」と正木優唯副将(スポ4=京都・洛北)が振り返ったように、勝負どころでミスが出てなかなか追いつくことができなかった。DFメインで出場していた島崎愛(社2=熊本国府)がパスカットからワンマン速攻を決めるなど最後まで食らいついたが、GKの好セーブ連発でラスト5分の主導権を握った相手に17ー19と僅差で敗れた。

インカレでの活躍も期待される安藤万衣子(教3=東京・文化学園大杉並)

 試合終了後、「これがインカレじゃなくて良かった」(正木)、「きょうの立ち上がりだとインカレではもっと点差を離されてしまう」(富永)と選手たちは危機感をつのらせた。確かに苦しい試合内容ではあったが、一方で収穫も多く得られた。富永のスピードに乗ったカットインや島崎の速攻など下級生の思い切りのいいプレー。そして、セットディフェンスの連携やオフェンスのコンビネーションも精度は秋から確実に上がっている。全日本学生選手権(インカレ)に向け、順調に調整を進め、万全の状態で決戦に挑みたい。

(記事 田中一光、写真 栗村智弘)

★4年目の想い

 試合終了の笛が鳴り、早関定期戦(早関戦)の歴史に新たな1ページが刻まれた。9回目にして初白星。関学大の選手たちが満面の笑みを浮かべる中、1人大粒の涙を流す選手がいた。関学大の主将・伊藤真弓だ。早大の副将・正木優唯(スポ4=京都・洛北)の高校時代のチームメートでもある。大学入学後はお互いケガに苦しみ、二人がこの早関戦の舞台にそろったのはことしが最初で最後。伊藤主将はコートに立つ場面こそなかっが、正木副将は「私たちは関学大に負けました。そして、このチームをつくってきたのはキャプテンの真弓。今まで頑張ってきたことがこの舞台で出てすごいなと思います」と歴史的勝利の立役者をたたえた。3週間後に控えるインカレでは早大は大体大、関学大は東女体大と対戦する。どちらも優勝候補筆頭の強豪だが、あっさりと引き下がるわけにはいかない。4年生にとっては全日本学生選手権(インカレ)が大学最後の大一番。皆がそれぞれの思いを持って戦いに挑む最高の舞台。ことしはどんなドラマが待っているのだろうか。4年間歩み続けてきた自信と覚悟を胸に、いざ、決戦の地・徳島へと向かう。

(記事 田中一光)

次回予告

学生ハンドボール界最高峰の戦いがいよいよ開幕!インカレ直前特集

特別対談、コラム、展望を11月12日から順次公開予定

第9回早関定期戦
早大 17 7−11
10−8

19 関学大
GK 大沢アビ直美(スポ1=東京・佼成学園女)
LW 内海菜保(スポ3=香川・高松商)
LB 芳村優花(教3=愛知・星城)
CB 正木優唯(スポ4=京都・洛北)
PV 佐藤未来(スポ4=東京・文化学園大杉並)
RB 安藤万衣子(教3=東京・文化学園大杉並)
RW 富永穂香(スポ2=東京・佼成学園女)
コメント

CB正木優唯(スポ4=京都・洛北)

――きょうの試合を振り返っての感想をお願いします

あんまり自分たちの流れでプレーできなくて、それがはじめから後半までずっと続いたっていうのがあったので、ちょっとインカレ(全日本学生選手権)ってのを見過ぎて目の前の試合を勝つというのがチームの中であまり意思統一できてなかったからこういう結果になったのかなと思います。

――序盤、相手のディフェンスを攻め切れない部分があったと思いますがいかがでしたか

はじめに相手の間合いとか特徴をとらえて分析をするっていうのが課題なんですけど、それが全然できてなくてそのままズルズル改善できなかったから前半あれだけ点差が付いたんだと思います。

――後半1点差にまで迫りましたが、逆転できなかった要因はどういった部分にあったのでしょうか

大事なところで1本ミスをしちゃって、それは日頃の練習の悪い部分がそこで出てしまったかなと思っていて、相手の方がそこは上だったかなと思います。これがインカレじゃなくて良かったです。

――地元・関西でプレーした感想を教えてください

インカレと早慶戦はありますけど、最後にここでできたのは良かったです。親戚とか友達とか見に来てくれて。コンディションも良くなくていいところは見せられなかったですけど、せめて勝ち切りたかったっていうのは思いますね。

――相手の主将(伊藤真弓選手)は高校時代のチームメイトと伺いました

4年前にここで戦えたらいいなって言ってたけど、今までお互いケガとかしててコートに立てなかったんですね。真弓はきょう出てはないですけど、私たちは関学大に負けて、そのチームをつくってきたのはキャプテンの真弓なので、今まで頑張ってきたことがこの舞台で出てすごいなと思います。私も負けないようにあとちょっと頑張りたいです。インカレでもお互い楽しく悔いなくやり切れればいいかなと思います。

RB富永穂香(スポ2=東京・佼成学園女)

――きょうの試合はいかがでしたか

流れを変えるチャンスがあったところで、決め切ることができなかったのが敗因かなと思います。

――早関定期戦では初の敗戦と、インカレを前に厳しい結果となってしまいました

きょうは序盤にミスを重ねてしまったり、チャンスを逃してしまったりで、インカレでは前年度王者が相手ということで、同じことをすればきょうよりも点差を離されてしまうと思いますし、これから(オフェンスの)合わせの部分をしっかりやっていけたらと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

まあまあでした。いらないミスを多くしてしまったなと思います。

――インカレに向けて、ここからどういったことに重点を置いて練習していきたいですか

このメンバーでオフェンスを合わせていくのもそうですし、シュートを決め切るっていうことも、インカレまでに修正していかなければいけないと思っています。