弓道部

2016.10.26

平成29年度東京都学生連盟リーグ戦1部2部入れ替え戦 10月23日 神奈川・明大弓道場

待ちに待ったこの瞬間!『140』のカベ越え、8年ぶりの1部昇格!

 その瞬間、部員たちは、歓喜の輪を作るでもなく笑顔でハイタッチを交わすでもなく、泣き崩れた。もがき苦しみ続けた7年間。血のにじむような努力が、ようやく報われた。3年連続のマッチアップとなった慶大との天王山。早大は毎年のように2部を制しながら、ここで勝てずに1部昇格を逃してきていた。この日は大接戦の末、最終的中140-139で勝利。春の早慶定期戦では25本差で敗れていた相手を倒し、歴史を塗り替えた。

 快晴の空の下スタートした一戦。弓道場はいつものごとく静けさに包まれていたが、試合は荒れ模様だった。序盤、早大が主導権を握る。初立では、平成29年度東京都学生連盟リーグ戦で第6位の的中率を残した黄金ルーキー牧山千莉(スポ1=千葉)、今季急成長を遂げた鈴木智貴(法3=東京・早実)がけん引。弐ノ立では、幸明千尋(スポ2=東京・城北)、大貫真央(教2=東京・帝京大高)、志岐伊織(スポ2=群馬・前橋西)の2年生トリオが抜群の安定感を見せ、的中を伸ばした。2立目を終えた時点で、5本のリード。しかし、一方の慶大も1部校のプライドを胸に猛追し、4立目を終えて111-110と1本差まで詰め寄られる。手に汗握る死闘の結末は、最終立の結果に委ねられることとなった。

4年生への感謝を的中で見せる幸明

 まずは初立、牧山が留矢を抜き20射皆中を逃す中、途中出場の清水雄貴副将(人4=東京・早稲田)が皆中をたたき出す。これが引退試合となった副将が意地を見せ、14中をマークした。だが相手はそれを上回る15中を残し、125-125で並ぶ。慶大の弐ノ立は14中。早大の弐ノ立が15中以上を出せば勝利、そしてそれはくしくも、追い求め続けてきた『140中』への到達を意味していた。緊迫した空気の中、全員が3射目までを詰める。あと、3本。後ろで見守る部員たちは、震える両手を押さえつけるように重ね合わせ、祈った。大前の幸明が留矢を詰めると、大貫も自身初の20射皆中を決める。しかし続く志岐は外し、全ては中村浩太郎主将(創理4=東京・芝浦工大高)に託された。1年次から試合に出続けてきた大黒柱の、大学生活最後の1射。この7年、早大弓道部に関わってきた全員の思いを乗せ放たれた矢が、的に突き刺さった。声にならぬ声と、割れんばかりの拍手が、主将の皆中をたたえる。それと同時にあふれだした大粒の涙を、誰も止めることはできなかった。

最後の1射を放つ中村主将

 思えば、今季は試練の連続だった。本番で練習通りの射ができず、主要3大会はいずれも予選敗退。目標の140台が初めて出たのも、入れ替え戦前日の練習でのことだった。「4年生を1部に上げたい、立役者にしたい」(幸明)。下級生のその思いが、大一番でのメークドラマを実現させた。それを誰よりも強く感じていたのは中村主将。「これだったら来年も後輩たちに任せられるなと、後ろ姿を見てそう感じました」と語り、胸をなでおろした。だがここはゴールではない。1部昇格は、日本一への通過点だ。一つになった早大弓道部は、再び『覇者』の座を目指し歩みだす。

(記事 川浪康太郎、写真 村田華乃 )

※平成29年度リーグ戦は平成28年度に行われます。

弾ける笑顔を見せる部員たち


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結果

初立

大前 牧山千莉(スポ1=千葉)       20射19中

弐的 溝渕雅(先理1=東京・早大学院)   12射9中

   清水雄貴(人4=東京・早稲田)     8射6中

落前 鈴木智貴(法3=東京・早実)     20射18中

大落 倉持洵(スポ3=東京・国学院久我山) 20射16中

弐ノ立

大前 幸明千尋(スポ2=東京・城北)    20射19中

弐的 大貫真央(教2=東京・帝京大高)   20射皆中

落前 志岐伊織(スポ2=群馬・前橋西)   20射16中

大落 中村浩太郎(創理4=東京・芝浦工大高)20射17中


○早大140―139慶大


コメント

中村浩太郎主将(創理4=東京・芝浦工大高)

――1部昇格おめでとうございます!今の率直な感想を聞かせてください

ありがとうございます。最高の気持ちです。1年間日本一と1部昇格を目標にしてやってきて、しっかりと後輩がついてきてくれて、ワセダの雰囲気も出せた勝ちだったと思うので、本当にうれしいです。

――毎年経験してきた入れ替え戦ですが、独特な雰囲気は感じましたか

毎年入れ替え戦になってしまうと、緊張したり硬くなったりして、リーグ戦に比べて的中が落ちてしまうことがあったので、きょうも不安はありました。ですが、きのうの立も良くて、緊張して嫌な雰囲気もあったのですが、下級生から雰囲気を作ってくれたのでそこまで感じませんでした。

――大接戦となりましたが、どんな気持ちで戦っていましたか

絶対に僕がワセダを勝たせるという気持ちで、最初から最後まで射ちました。

――スタメンでは唯一の4年生でしたが

僕がワセダの大黒柱としてこのチームを支えられればと思って引いていました。1立目から3立目までは振るわないなという感じだったのですが、その後は切り替えて臨みました。

――勝利を決めた最後の1射を振り返っていかがですか

練習でずっと僕が言い続けていたことなのですが、最後はしっかりと伸びて強い矢を出すということを思い出して、それに徹したことが中たった要因だと思います。自分の言ってきたことが最後できたのでよかったです。

――最後の1射の時点では、両校の的中数は把握されていたのですか

いえ、把握はしていませんでした。把握すると本当に緊張してどうしようもなくなってしまうと思ったので。ただ接戦なのは分かっていたので、ここで抜くと結果を左右してしまうなと思いながら引きました。

――チームとしては目標であった140中に到達しました

今季を通して、140中が初めて出たのがきのうの練習で、きょう試合でも初めて出せたので、素直にうれしいです。

――後輩たちの活躍についてはどのように感じていますか

シーズンの初めは少し頼りないなという感じもあったのですが、徐々に頭角を現す後輩も増えてきて、これだったら来年も後輩たちに任せられるなと、後ろ姿を見てそう感じました。

――主将として戦った今季を振り返っていかがですか

今季は最初からインカレまではだいぶ苦労して、僕自身もそうなのですがチームとしても緊張に弱かったりというところが多くて、練習だと予選を通る的中を出しているのに本番では予選落ちをするということもありました。緊張に強くなったという部分が部全体での一番の収穫だと思います。

――最後に、大学での4年間の振り返りをお願いします

これまで入れ替え戦で負けてしまうということが続いていて、きょうは絶対に負けたくないという気持ちで臨みました。その結果勝つことができて、先輩たちから託された思いも晴らすことができたので、最高の気持ちです。

清水雄貴副将(人4=東京・早稲田)

――1部リーグ昇格おめでとうございます。今、どのようなお気持ちですか

1年生の頃から入れ替え戦で負け続けてきたので、きょうは絶対に勝ちたいという気持ちがありました。1部リーグに昇格できたことが素直に嬉しいです。

――きょうが最後の公式戦ですが、振り返っていかがですか

いつもなら落で引いているところを、きょうは後輩に務めてもらうことになり、弐的に、交代という形で出ました。交代でしたが、1人の選手としてしっかりと引いていくんだという気持ちを強く持っていました。

――4立目という接戦の場面からの出場でしたが、緊張はありましたか

もちろん緊張はしました。ですが、自分のやるべきことは決まっていたので、それをやっていくだけでした。

――4立目から5立目をしっかり切り替えていたなという印象がありますがご自身ではいかがですか

最後の立は迷わずに、自分のやるべきことを甘くならずにやっていくんだということを考えていました。それをしっかりと出し切れました。

――チームの目標だった140台に見事乗りましたが

目標にしていた数字をしっかりと試合に出すことができ、結果的に勝利に結び付けることがてきました。今までやってきたことが間違っていなかったんだなと思います。

――今季を振り返るといかがですか

ここまで長い道のりでしたが、それが最後に1部リーグ昇格という結果に結び付いたということが本当に嬉しいです。これまでやってきて良かったです。

――今季は後輩たちの活躍も多く見られましたが

本当に頼もしい後輩ばかりで、来年1部リーグに上がってからもしっかり活躍していってくれると信じています。

――最後になりますが、4年間を振り返っていかがですか

4年になってからは、今までの成果を自分で披露し、それを後輩に見せ、しっかりと部を引っ張っていきました。それが自分の目標であり、使命であると思っていました。4年間を通して最後にこのような形で結び付けることができたので、大学弓道をやってきて良かったなと本当に思います。

倉持洵(スポ3=東京・国学院久我山)

――1部リーグに昇格しましたが今のお気持ちを教えてください

1年生の頃はなかなか勝ち切れず、きょねんもボロボロに負けてしまいました。きょう勝てたのはすごく嬉しいです。

――目標としていた140台にのりましたが

僕自身は平均的、言ってしまえばあまり的中は良くなかったんですけど、それぞれみんなが一本一本中てたおかげで、一本でも多く中てようと思ったおかげで、手にした的中だと思います

――昨年の入れ替え戦も出場されていましたが、昨年とは何か違いましたか

きょねんはリーグ戦でワセダを引っ張ることができましたが、今年は1年を通してなかなかチームに貢献できませんでした。きょうもあまり良い的中ではなかったのですが、140台を出すために少しでも多く中てようと思えてよかったです。

――3年生が少ない中でずっとやってこられたと思いますが

きょねんは、試合に出ている同学年が自分1人で、辛いなという思いはあったんですけど、ことしは、鈴木ともたかがすごく引っ張っていってくれるようになりました。同期と一緒に戦って1部でも勝っていきたいなと思います。

――リーグ戦全体を振り返っていかがですか

自分自身なかなか活躍できなかったんですけど、選手だけではなく、手伝いや応援をしてくれた部員全員のおかげで、ここまで一回も負けずにどんな強敵にも勝てました。部員全員ができることをやり、がんばってこれたので、来年につながるシーズンだったと思います

――来年は最上級生になりますが意気込みをお願いします

いま3年生のトップをやっていて、来年どうなるかわかりませんが、引っ張っていく存在にならざるを得なくなってしまいます。正直不安もありますが、ことし手にした経験をもとに来年はもっともっと活躍したいです。全員が力を伸ばして王座に出場し、王座で優勝をして覇者になれればいいかなと思います

大貫真央(教2=東京・帝京大高)

――1部昇格を決めた今の率直な感想はいかがでしょうか

本当にうれしいのですが、ただ目標は日本一なので、ここからがスタートなのかなと思っています。

――ご自身は20射皆中という素晴らしい結果でしたが、振り返って

この1年、中村さん(浩太郎主将、創理4=東京・芝浦工大高)には大変お世話になったので、なんとかして恩返しができたらと思って引いていました。

――特に最終立は緊迫した雰囲気の中行われましたが、心境はいかがでしたか

相手校の的中は見ていなかったので、一本一本やるべきことをやって一本でも多く詰めることだけを意識してやっていました。

――勝利の瞬間は涙も見られましたが、その瞬間はどんな気持ちでしたか

その時は本当にうれしかったです。最初は勝ったかどうかも分からなかったので(笑)。

――リーグ戦全体を振り返ってみていかがですか

毎試合毎試合、甘い矢が出てきてしまっていたのですが、そういうのをなくすようにという気持ちで引いていたので、それが結果として現れてよかったです。

――リーグ戦では同じ2年生の活躍も目立ちましたが、どのように感じていましたか

特に弐ノ立では、前に幸明(千尋、スポ2=東京・城北)がいて、うしろに志岐(伊織、スポ2=群馬・前橋西)がいて本当に心強かったですし、日頃から切磋琢磨(せっさたくま)して刺激し合っていました。

――最後に、来季に向けた意気込みを聞かせてください

1部でどう日本一を目指していくかということが、早稲田大学弓道部としての目標なので、ここから気を引き締め直して、来季の初めから良いスタートを切れるように頑張っていきたいです。

幸明千尋(スポ2=東京・城北)

――1部リーグ昇格おめでとうございます。今、どのようなお気持ちですか

言葉に表せないです。本当にうれしいという思いしかないです。

――的中も目標だった140台に乗りましたが

この1年間ずっと、140に乗せようという気持ちでみんなで頑張っていました。きのうの練習でようやく141という的中を出すことができて、それもきょうの自信につながったのかなと思います。試合で140を出せたというのも自信になりますし、うれしいことばかりです。

――リーグ戦の中で、調子が上がっているなという印象がありましたがいかがですか

16中から始まり、中大戦で崩れもありましたが、中村さんの指導のおかげです。ことしはずっとつきっきりで中村さんに指導を受けていました。きょうの最後も、手先だけで走らないで、言われた通り、練習通りやろうと自分に言い聞かせていました。最後に2回、皆中を出せて良かったです。

――慶大戦ということもあり、緊張はありましたか

入れ替え戦、しかも相手は慶大ということで、本当に緊張しました。1本目を詰めればなんとかなると思っていました。その1本目をしっかりとやることができ詰まったので、1本は抜いてしまったのですが、やり切った結果の1本だったので気にすることなくできました。

――大接戦の試合でしたがどのようなお気持ちでしたか

接戦というのは分かっていて3、4回目ぐらいに早大の調子が上がらずに、追い付かれたかなと思いました。最後の立はいつもの試合なら見ているんですが、見たら緊張で絶対にやられるなと思い、見ませんでした。自分が皆中を出したら、みんなが流れに乗ってくれると信じて、的中を見ずに頑張りました。

――全体を振り返るといかがですか

最初から崩れることがなくて、主導権も接戦だったので油断の隙も全くなかったです。それでも5回立があり1回1回が同点でも、1立でも勝てれば最終的には勝つことができるので、140は目標であり、結果的ににそうなればいいと思い1立1立を大切にしました。手伝いの人を含めて、全体的にもみんな良くて、応援もすごく大きかったです。慶大よりも大きかったので、ホームみたいな雰囲気の中、引けたと思います。

――4年生とは最後の試合でしたが特別な思いはありましたか

すごくありました。今季は中村さんにずっと指導していただいていて、そのおかげで中っていたと言っても過言ではないです。中村さんはもちろん、4年生を1部に上げたい、立役者にしたいという思いがあったので絶対に負けられないなと、最後頑張りました。

――リーグ戦全体を振り返るといかがですか

格下相手でも、早大が先に崩れてしまったりなど、苦しい場面もありました。特に中大は強かったです。ですが中大にもしっかりと勝ち、今回は入れ替え戦で慶大にも勝てました。この1年でワセダはかなり成長したのかなと思います。リーグ戦で得た自信を来季に活かしていきたいです。

――最後になりますが、来シーズンに向けての意気込みをお願いします

今の集合で監督もおっしゃっていたのですが、1部では本当に厳しい戦いになります。140では勝てない相手がたくさんいるので、このオフでさらに磨いていきたいです。そして最初のシーズンも1部に勝てるようにし、リーグ戦でも王座を目指して頑張っていきたいです。

牧山千利(スポ1=千葉)

――1部リーグに昇格しましたが今のお気持ちを教えてください

大学に入って1部昇格がまず1つの目標だったので、達成できて本当に良かったです。

――今日のご自身ふり返っていかがですか

前半の的中はそんなに悪くはないんですが、最後に留め矢を抜いてしまったということで、チームに大きく迷惑をかけてしまいました。本当にきょう勝てたのは先輩方のおかげなので、感謝したい気持ちでいっぱいです。

――目標の140台にのりましたが

やっと140台を試合で出せたのはとてもうれしいことで、これから継続的に出していければいいなと思います。

――リーグ戦全体をふり返っていかがですか

決して1試合も楽な試合はなかったのですが、しっかりとワセダの力を出し続けることができました。結果的にきょう1部昇格ということで、しっかり慶大にも勝てたので、いいシーズンだったのかなと思います。

――最後に来季への意気込みをお願いします

全関、インカレと決していい結果ではなかったので、まずはそこで優勝目指していきたいです。リーグ戦では、出た試合全部で皆中を出すという意識で、1部でも優勝をしっかりと狙っていけたらいいなと思います。