合気道部

2016.10.27

第25回早慶定期競技会 10月23日 早大柔道場

敗戦も最後の大会を4年生は笑顔で締めくくる

 流派が異なる早慶が、年に一度威信をかけて戦う今大会。演武競技と審査制乱取稽古の2種目、計12戦が行われ、勝ち数が多いほうが優勝となる。昨年敗れ、リベンジに燃える早大であったが、演武競技で2勝4敗と出遅れてしまう。審査制乱取稽古で巻き返し6勝6敗とするも、総合ポイントで慶大を下回り万事休す。2年連続で優勝を逃した。

 初めに行われたのは、演武競技。流派が異なることから、両校の特徴が目立つ展開となった。しなやかに演武を行う慶大に対し、早大はアクロバティックで派手な演武を披露。三田眞貴子女子主将(法4=東京・早実)「夛田(実代、教2=埼玉・川越女)とは2年間組んできましたが、今までで一番良い演武ができたと思います。」と語る。身長差をものともせず、のびのびとした演武で観客を魅了した。しかし、松村雄太(商4=埼玉・県立浦和)、久木山翔吾(商2=東京・成蹊)組が普段扱うことのない杖を用いた演武に苦戦。他の組も僅差のポイントで敗れ、2勝4敗で演武競技を終了した。

演武競技、審査制乱取稽古に出場した松村

 昨年の借りを返したい早大は、審査制乱取稽古で巻き返しを図りにかかる。2勝2敗で迎えた副将戦。ここで敗れれば慶大の勝利が決まるという場面に谷本彬徳(文構4=大阪・高槻)が出場。慶大主将を相手に一進一退の戦いを繰り広げ、 気概を見せた。「自分の練習してきた技が出せて非常によかったです」(谷本)。とっさに放った技で技ありを獲得。そのリードを守り切り、大将戦へとつなげた。大将として出場した岡本拓夢主将(商4=神奈川・聖光学院)は安定した試合運びを見せ、相手から一本を奪い勝利。通算成績を6勝6敗とした。勝ち星が並び、勝敗はポイント制の判定へ。最後まで粘りを見せた早大であったが、最終総合ポイントで慶大に及ばず、涙をのむ結果となった。

気迫のプレーを見せた谷本

 結果的には敗れた早慶戦。しかし選手たちの表情はどこかすがすがしいものがあった。「何年経ってもこのメンバーが欠けることなく続いてほしい」と後輩への想いを述べた谷本。競技合気道発祥としての伝統、誇りを胸に躍動してきた4年生がこの日をもって引退する。引き継がれた「和の精神」を胸に、早大合気道部はこらからも高みを目指し精進していく。

(記事 大槻竜平、写真 大浦帆乃佳、大槻竜平)

4年生は今大会をもって引退となる

結果

●早大 6勝6敗(1203ポイント)

▽演武競技



○下級生演武 白石尚之(法2=東京・巣鴨)、小池雄登(先理2=東京・巣鴨)組

●立技 熊澤亮(創理3=東京・城北)、桂康洋(基理2=米国・Walter Johnson High School)組

○坐技 夛田実代、白石組

●武器技(短刀)岡本、小川希生(先理2=米国・Riverside High School)組

●武器技(杖)松村、久木山組

●自由技 三田、夛田組

▽審査制乱取稽古

○女子 三田

○先鋒 小池

●次鋒 熊澤

●中堅 松村

○副将 谷本

○大将 岡本

コメント

岡本拓夢主将(商4=神奈川・聖光学院)

――大会全体を振り返って

負けてしまった、特に勝ち星が同じで点数勝負で負けてしまった。自分が演武で勝てていれば結果は変わっていたのかなと考えるととても悔しいですし、申し訳ないなという気持ちが強いです。

――自身のプレーを振り返ってみて

個人的にはベストは尽くせたと思っています。練習でやった通りの成果が出せたかなと思います。

――インカレに続き、また選手宣誓がありましたが緊張されましたか

そうですね(笑)前回よりもとても厳かな雰囲気でしたので、今までで1番緊張しました。

――主将としての1年間を振り返ってみていかがですか

大変なことや辛いことも多くありましたが、いま振り返ってみると楽しかったなという思いが強いです。後輩にもたくさん助けてもらいましたし、すごく充実した1年間を送れたと思っています。

――最高学年を共に過ごした同期はどのような存在ですか

みんな各々の役割を果たしてくれて、すごく信頼のできる大切な同期だなと思っています。

――ではそんな同期にどんな言葉をかけたいですか

まずは4年間お疲れ様と言いたいです。ただ部員として卒業しただけで、関係が終わったわけではないので、これからも一緒に合気道も含めて過ごしていこうと言いたいです。

――今後合気道は続ける予定ですか

とりあえず大学にいる内は、部に頻繁に顔を出したいなと思っています。社会人になってからも時間を見つけて、ふらっと道場に現れることができたらいいなと思っています。

――最後に後輩へのメッセージをお願いします

自分はこれで引退するので、これからは後輩のみんなが主役です。すごく頑張っているのはわかっているので、こまで通り、欲を言えばこれまで以上に頑張って、満足のいく結果を出し、合気道を楽しんでもらいたいと思います。

三田眞貴子女子主将(法4=東京・早実)

――試合全体を振り返って

4年生最後の試合でした。演武では負けてしまったんですけど、点数としては自分が目標にしていた点数を取れました。乱取も、理想の形で勝てたということは満足しています。ただ、全体としては負けてしまったので、あと少しだったなという後悔もあります。

――演武を振り返っていかがでしたか

今までも何回か(演武を)見せる機会があって、点数もつけてもらったりしたんですけど、いろいろ言われたりとか、受けでケガをしちゃったりとか、なかなかうまく練習できないことがあったりしました。あとは合わせるのが難しかったり。特に身長差があるので、なかなか技がかかっているように見えないと言われていたので、(今大会では)それが克服できたのかなっていうのが一番達成感がありました。身長差があるなかで、演武をどう見せていくかっていうことをコーチに聞きながらやっていき、今回はそれがしっかりできた演武だったと思います。

――夛田実代選手(教2=埼玉・川越女子)とペアを組んでみていかがでしたか

夛田とは2年間組んできましたが、今までで一番良い演武ができたと思います。2人ともそう思っているので、2年間の集大成を出せたかなと思います。

――乱取はいかがでしたか

本当はもう少し技を出したかったんですけど、何回か当たったことのある選手だったので、技がうまくかかるかどうか。一本を取ってどんどん攻めたかった中で、取りたかった技をしっかり取ってもらえたことは満足しています。ただもうちょっと投げたかったなとは思います(笑)。でも今までは投げれなかったので、今回はきれいに(技が)かかってよかったです。

――試合後のミーティングではどんなことを話していたのでしょうか

私自身は、この試合、総合的に負けたとしても満足しているので、下の代も、自分が何か満足できるかたちで終われるように練習などで精進してください、というような話をしました。下の代は合気道が好きな子が多くて、みんな「勝ちたい」とか、「楽しい」というのがあるので、そういう感情をもっと出していって、最後に「楽しかった」って言えるようにしてほしいです。

――後輩の活躍を見て、どんなことを感じましたか

やっぱり、いいですね(笑)。将来有望だなっていう。3年生は1人しかいないので、特に2年生が頑張ってほしいです。4年生になったときが楽しみです。

谷本彬徳(文構4=大阪・高槻)

――今大会全体を振り返って

慶大に負けてしまったということがどうしても残念ですね。後輩たちが頑張ってくれたので、自分たちの代が勝てていたら優勝できたのかな、と悔いが残ります。自分としては乱取だけの出場でしたが、練習していた技が試合でも出せたのでそれは満足しています。

――乱取について詳しくお聞きしたいのですが

相手が慶大の主将で、4年間やってきて実は初めて当たったんです。かなり体格もよくて、いつか当たりたいと思っていた選手でした。そして、まさかの早慶戦という一番当たりたくないところで当たってしまいました(笑)。当たると知った後は彼の動画とかを見て、試合に勝つだけではなく技が出せるように意識しながらやってきました。今回、技ありなんですけど自分の練習してきた技が出せて非常によかったです。

――最後のミーティングではどんなことを話されたのでしょうか

一言で言うと、何年経ってもこのメンバーが欠けることなく続いてほしい、ということです。自分がこの引退の場にいられて本当によかったと感じました。部活では楽しいことも、正直つらいこともあって。なかなか練習に出られずに後輩に迷惑をかけたりしたんですけど、そんなときに支えてくれている人がいるんだと感じることができました。先輩も優しく声をかけてくださって、こんな部活にいることができて幸せでした。

――大学4年間を振り返って

合気道の思い出がほとんどですね。楽しかったりつらかったり、本当にいろいろありましたけど、また大学生活やり直せるとしても合気道部に入ると思います。とても充実した日々でした。この部に入ってよかったと心から思います。

――つらかった思い出というのは

就職活動がうまくいかず、部活と両立できなくて悩んでいた時期があって。それで体調を崩してしまって練習に行けない時期とかあったんですけど、そんなときに同期が何も言わずに映画に誘ってくれたり、先輩方がご飯に誘ってくれたり。優しさに触れましたね。なので、合気道ばっかりしているんじゃないんだと。人とのつながりの大事さをこの部で学びました。正直、これは恥ずかしい話なんですけどね(笑)。合気道って、相手と気を合わせて行うスポーツなので、1人ではできないんですよね。練習でも。

――合気道をやってきてよかったと思うことはありますか

昔からいろんなスポーツをやってきましたが、合気道で苦労したのは相手のことを考えることです。同期の中でも一番成長が遅かったですし。それでも、合気道部の部員に出会えたことが本当によかったです。この4年間をともにした仲間たちは一生忘れられないと思います。

――今後も合気道は続けますか

違うスポーツはすると思うんですけど、たまに道場に行って後輩たちと戯れたりはすると思います(笑)。本格的に続けるかは分かりませんが、今までやってきたスポーツの中で一番思い出深いスポーツだと思います。ワセダの合気道部でよかったです。

――後輩たちの活躍ぶりについてどうお思いですか

後輩たちは、想像以上にたくましくなってくれたなと思います。自分たちが教えるよりも何倍も多くのことを吸収してくれたな、と。これから1年2年と練習していったら自分たちなんかすぐ超えられちゃうなと(笑)。すごく誇りに思います。これからも後輩たちの成長を見に行きたいと思います。精神的にも強くなってるんじゃないかと思います。

――そんな後輩たちに伝えたいことはありますか

なにはともあれ続けてほしいです。つらくても、辞めないでほしいです。4年間やり切れば、辞めるよりも絶対に良い未来が待っていると思います。

松村雄太副将(商4=埼玉・県立浦和)

――大会全体を振り返って

今回の早慶戦が自分たちの引退ということもあって、うまく終われたらいいなという思いと、後輩たちに何か残せたらいいなという気持ちでプレーしました。

――自身のプレーを振り返って

演武は杖ということで普段やらないことだったので、0からスターという形で大変だったのですが、始めてから後輩の助けや先輩からの助言を受けていくうちに杖というものがわかってきて楽しい気持ちはありました。しかし、結果としては相手がうまかったこともあり、負けてしまったのでそこは残念でした。

――演武でペアを組んだ久木山選手(翔吾、商2=東京・成蹊)の活躍はいかがでしたか

彼はけっこう明るい後輩で、いろいろ大変なこともあったと思うんでけど、いつも前向きにポジティブにやってくれていたので、ペアでやってきてよかったなという思いです。

――今大会で引退となりますが4年間を振り返ってみていかがですか

ぼくの場合は途中入部ということもあって、他の部員とは少し違うかもしれないんですけど、主務と副将という役を4年で担ったので、けっこう責任感もあり仕事面でも競技面でもプレッシャーを感じる場面もありましたが、今振り返るとよかったなと思っています。

――最高学年を共に過ごした同期はどういった存在ですか

いろいろ言いたいことも言え、いい同期だったと思います。彼らが同期でよかったです。

――そんな同期にはどんな声をかけたいですか

今後もたまに集まって、仲良くしゃべりたいなと思います。

――今後合気道は続けていきますか

いまは休みたいという気持ちが正直なところですが、長年続けられる武道なので、今後も趣味の1つとして続けられたらいいなと思います。

――最後に後輩へのメッセージをお願いします

後輩たちは才能もあるし努力家ですので、とても期待しているということ。そしてやはり悔いが無いように最後まで走り抜けてほしいと思います。