軟式庭球部

2016.10.23

天皇賜杯全日本選手権 10月22日 山口・宇部マテ“フレッセラ”テニスコート

船水・星野が8強入り、頂点を目指す

学生と社会人の垣根を越えて、真のダブルス日本一を決める天皇賜杯全日本選手権がことしも開幕。冷たい風が吹き、時折強めの雨が体を打つなか試合が進められた。昨年ベスト8の安藤優作(社2=岐阜・中京)・安藤圭祐(スポ4=岐阜・中京)組が1日目の初戦で姿を消すという大波乱の幕開けとなった天皇杯も2日目を迎えた。早大から2日目に残ったのは3組。しかし土砂降りの雨の中、本来のプレーができない選手が続出。その中で、昨年3位入賞の船水颯人(スポ2=宮城・東北)・星野慎平(スポ2=奈良・高田商)組が地力を見せつけ2日目の壁を突破した。
 

★3回戦敗退も、やり切った幼馴染ともダブルス

苦手というダブルスを楽しんでやり切った名取

 大学生活で最後の天皇杯に臨んだのは名取敬恩(スポ4=秋田・大館鳳鳴)。小学校、中学校の6年間でペアを組んでいたという工藤浩輔(日体大)との出場となった。そんな名取の2日目の相手は先輩である小栗元貴を後衛に置く、小栗・今井快幸(東邦ガス)組。ロブを使い陣形を崩すことを図るも、それを物ともせずシュートを打ち込む小栗に押されゲームカウント1-4。最初からリードを許す展開に。しかしここで、「小栗さんの打球が速いのでなんとかしなければ」(名取)と敷いたダブルフォワードの陣形がはまった。小栗の威力のある打球を前で抑え、ポイントに変える。レシーブゲームでは名取のツイストレシーブが光り、ゲームカウント3-4まで追いついた。しかし怒涛の反撃もここまで。普段組んでいないペアということもあり、第8ゲームではミスが目立ち失ゲーム。3-5でゲームセットとなった。大学卒業後も競技生活を続けるという名取。負けは喫したものの、「大学で苦手となってしまったダブルスを楽しんですることができた」と今後に向けての大きな収穫を得た。。

★ダブル前衛相手に苦戦し、ベスト16で消える

勢いのあるプレーを見せた内本

 昨年、高校生として3位入賞という偉業を成し遂げた内本隆文(スポ1=大阪・上宮)・丸山海斗(明大)組は、今回は奇しくもベスト16で姿を消す結果となった。ベスト16決めとなる第4試合。序盤から内本が相手前衛に力で押され、安定しない。「雨でボールがふいてしまうので、思い切って打てなかった」と振り返る。第5ゲーム以降は思い切りの良さを発揮し、内本の調子が戻ってきたと思いきや、今度は丸山のミスが続いた。それでも、「元のペアに戻って、(今季のダブルスで)勝つチャンスは今回しかない」と、小学生時代からペアを組んできた丸山への信頼は厚く、決して力むことはなかった。接戦となったファイナルゲームを制し、ゲームカウント5-4で第5回戦へと進む。ベスト8決めとなった第5回戦は、昨年、第1シードではあるもののベスト16に終わった水澤悠太(NTT西日本広島)・長江光一(NTT西日本広島)組と対戦。レシーブミスが続き、終始流れは相手サイドへ。一時はダブル前衛の両サイドを突く攻撃で得点するも、「どこに打てばいいか悩んだ」と、険しい表情で臨んでいた。最後はダブルフォルトで試合終了。天皇杯優勝経験のあるペアから突破口が見つからなかった。

★ことしも船水・星野が2日目の壁を突破!

圧倒的大差をつけベスト8に進んだ船水

 昨年、ルーキーながら3位となった船水・星野組。ことしも組み合わせの優位さもありながらも、順当にベスト8に進出した。3回戦をストレートで勝ち切り、波に乗って迎えた2日目の最終戦である4回戦。相手は清水慶・藤田大祐(共にワタキューセイモア)組。序盤は船水の速球を軸にカウントを稼ぐが、次第にタイミングが合ってきた藤田のストロークに星野が抜かれ第3ゲーム目を献上。しかし、ここで流れを明け渡すことなくリードを守り切った。船水がロブとショートコースを使い分け陣形を崩すと、星野も打球を捉え始める。マッチポイントは星野がローボレーで相手の死角に落とし、5-2でゲームセット。ついに3日目の切符を勝ち取った。あすの準決勝は稲積京之介・井口雄一(ミズノ・スマッシュイグチ)組。船水・星野組が不得手と語るダブルフォワードであることから、あすの初戦からヤマ場となることは違いない。「去年は3位だったので、ことしは優勝してその雪辱を果たしたい」。ついに念願の優勝に手が届く位置まで来た。この一年で成長した姿を披露し、日本の頂点の座を勝ち取ってほしい。

降りしきる雨の中で、混戦となった2日目。その中で、自分たちのプレーを出し切った船水・星野組はどのペアよりも日本の頂点に近づいていると言えるだろう。8強には、昨年の優勝者であり、船水・星野組が苦渋を喫した篠原秀典・小林幸司(日体桜友会・ミズノ)の姿も。「1年間、篠原・小林に負けたことを糧にしてやってきた」(船水)。もう、悔しい思いは充分に味わった。まさにいま、雪辱を果たす時だ。

(記事 三佐川唯、吉岡篤史、 写真 三佐川唯)

コメント

名取敬恩(スポ4=秋田・大館鳳鳴)

――天皇杯にはどういった意気込みで臨んでいますか

僕は大学に入ってからダブルスが苦手になってしまって、正直天皇杯も初日で負けてしまうのではないかと不安でした。しかし、ペアが小学校中学校でペアを組んでいた幼なじみということもあって楽しめればいいという気持ちで挑戦できました。

――実際にペアの工藤浩輔選手(日体大)とのコンビネーションはいかがでしたか

高校、大学と6年間離れてはいたのですが、普通に仲はいいですし楽しくテニスをすることができました。プレー面でもしっかり支えてくれてありがたかったです。

――本日の試合内容を振り返って

やっぱり2日目になると相手も強いですし、OBである小栗さん(小栗元貴、平27スポ卒=現東邦ガス)ということもあってその実力は充分に分かっている相手でした。僕の後衛の能力が及ばなかったんですけど、最後までやり切ろうと思っていたので泥くさく、作戦を変えながら、だんだんと追い上げることができました。だけどそれも遅くて力及ばずという感じです。

――ダブルフォワードの陣形をしく場面も見られました

雁行陣で何をしていても、小栗さんの技術が高くて工藤がなかなか取れないのと、僕もミスが多くなっていました。前衛をやることは嫌いというよりもむしろ好きな方ですし、1-4になった時から、「よし、これは前に行くぞ」と割り切りで使いました。

――先ほど大学でダブルスは苦手になったと言っていましたが、天皇杯でのダブルスを振り返って

もっとやりたいし、やれるんだろうという期待もあります。シングルスばかりやっていてインカレぶりにダブルスをやって、ダブルスも楽しいなとまた思えたのでこれからも頑張っていきたいなと思います。

――卒業後も競技生活を続けられるということですが、今後の意気込みをお願いします

僕の最大目標は、日本代表には入って、世界に出ることです。いまはまだその目標に近づけていませんが、ワセダでの大学生活で得たものは大きいので、それを生かして社会人になっても仕事と両立して頑張っていきたいです!

船水颯人(スポ2=宮城・東北)

――天皇杯、どういった意気込みで臨まれていますか

1ヶ月後にアジア選手権ということで、天皇杯はダブルスなのですが、それを見据えて同じようなスパンで調整して来ました。これでうまくいけばアジア選手権への良い組み方となりますし、もちろん結果としては優勝を狙っています。

――3日目に駒を進めました

そうですね、来月が本番だと思いますし、今回は特に勝ち急ぐこともなく確認をしながら一戦一戦真摯に戦うことができました。来月まで大きい試合がこれしかないのでゲーム感覚とか確認しながら、自分でも状態をつくっているので順当に進められたかなという感じです。

――星野選手とインカレに出場できなかった分、今大会にかける思いも強いですか

そうですね、星野もそうだと思うんですけど、去年準決勝でリードしていたのに負けて、この1年間二人でそれを糧にして頑張ってやって来ました。二人の気持ちが優勝に向いているのを感じていますし、良い状態でできていると思います。

――やりにくい天候の中で意識されたことは何でしょうか

星野(星野慎平、スポ2=奈良・高田商)もそうだと思うんですけど、雨だからといってそんなに影響はなかったです。他の選手は結構気にしてロブ展開になる傾向がありましたが、特に僕らはしっかり打ちきれていたのであまり変わりはないですね。

――試合内容を振り返って

9ゲームということで他の大会よりも長いので先手先手で行くように意識していました。他の試合を見ていると、シードの選手や安藤(優作、社2=岐阜・中京)・安藤(圭祐、スポ4=岐阜・中京)組などもリードを許して後から挽回するが及ばずという展開が多いように思います。僕のテニスの持ち味もスピーディーな展開に持って行くことだと思いますし、リードができればそのまま突き放すことができるなと思って意識的にやっています。きょうの試合では特にそういった部分を発揮できました。

――あすは、厳しい戦いになると思いますがキーポイントはどこですか

あすの初戦がダブル前衛で、昨年もダブル前衛相手に負けていますし、入りから自分たちのしっかりやることを決めなければと思います。迷ったら負けだと思うので、サーブから攻める気持ちを前面に出してやっていきたいです。

――あすの意気込みをお願いします

結果を意識することなく一戦一戦、集中して、あすの朝一の試合で全てが決まると思うのでしっかり気合い入れて頑張りたいです。

星野慎平(スポ2=奈良・高田商)

――天皇杯、どういった意気込みで臨まれていますか

昨年、3位と悔しい思いをしているのでことしこそはと思っています。

――3日目に駒を進めました

そうですね、でも組み合わせも組み合わせで良いところに入ってはいるので。順当に勝ち上がれたかなと思っています。あしたからがやっぱり厳しい戦いになると思いますし、本番だと思うので、勝負かなと思います。

――本日の試合内容を振り返って

雨ということもあってやりづらい部分がありました。しかしそういった中でも自分のプレーができたかなと思います。

――やりにくい天候の中で意識されたことは何でしょうか

雨だと後衛が打ち込むと球がふいちゃうので、ロブが多い展開になるかなと考えていましたし、ポジション取りとかも意識していました。けど、颯人(船水颯人、スポ2=宮城・東北)がそういった中でもしっかり打ち込んでくれたので、結果的にはいつも通りでしたね。

――あすは、厳しい戦いになると思いますがキーポイントはどこですか

やっぱり1試合目の入りだと思います。やることを自分の中でしっかり決めて、それを迷うことなくやりきりたいです。

――あすの初戦はダブルフォワードですね

ペアが船水なので、僕が中衛のようなポジションをして上がって基本船水が打つという形は決めています。後ろで船水がしっかり打ってくれるので、僕はチャンスボールが上がったときにしっかりと逃さず打てるようにしなければと思います。

――あすの意気込みをお願いします

去年悔しい思いをしているので、あすは優勝を狙って頑張ります!

内本隆文(スポ1=大阪・上宮)

――今日の試合はどのような気持ちで臨みましたか

今季はまだ成績を残していなかったので、元のペアに戻り、勝つチャンスは今回しかないなと思って臨みました。負けてしまったので悔しかったです。

――丸山海斗選手(明大)とはどんな打ち合わせをして臨みましたか

とにかく、相手の特徴や弱点と自分がどこに打つべきかということを話しました。

――雨が降っていてやりにくかった部分もありましたか

ボールがふくので、思いきって打てなかったことが難しかったです。

――どのように対応しましたか

レシーブでも振りすぎず、面を立たせました

――試合全体を振り返っていかがですか

やはりダブル前衛への対応がもっとできないといけないと思いました。基本的なことなのですが、サーブレシーブがしっかりできないと展開につながらないと思います。初めから攻めの姿勢が持てるようにサーブレシーブをしっかりしたいです。

――第4回戦の序盤、相手に押されているようにみえましたが、後半で何か変えたことはありましたか

後ろで攻め込まれていたので、2人で前に出ようということは意識しました。

――第5回戦では、試合中盤から厳しい表情が目立ちましたが、どのようなことを考えていましたか

どこに打てばいいかなと思っていました。悩みが多くて(笑)。

――きょうはボレーをする機会も多かったと思いますが、ボレーに関してはいかがですか

ボレーはミスが多かったです。今の時代は、後衛もしっかりボレーできないといけないと思うので、ボレーの精度も上げたいです。

――今後の抱負を教えてください

雁行陣相手でも、ダブル前衛相手でも、しっかり対応できるオールラウンダーなプレーをしたいと思います。