水泳部

2016.10.12

第92回日本選手権 10月9日 東京辰巳国際水泳場

学生王者に力及ばず――。日本選手権を4位で終える

TEAM 1P 2P 3P 4P
早大 10
日体大 20
▽得点者
山田4、深川3、池水2、眞板
   

 日本選手権も最終日を迎え、前日までの試合を1勝1敗で終えたワセダは、3位決定戦に臨んだ。最後にワセダと顔を合わせることとなったのは、宿敵・日体大。「4年間やってきて、どんな時も前に立ちはだかっていたのが日体大だった」(岩井雄太郎、文構4=東京・城北)。学生日本一を目指し続けたワセダが最も意識していたチームであり、ことしの日本学生選手権(インカレ)では準決勝で敗れた相手だ。インカレのリベンジを意気込んで臨んだ試合は、序盤から攻撃が噛み合い、順調に第1ピリオドを終える。しかし、続く第2ピリオドで想定以上の失点を喫し、そこから試合は日体大のペースに。後半も素早い攻撃で点差を広げられてしまい、10-20でゲームセット。学生王者の実力を見せつけられ、無念の敗戦となった。

 開始わずか30秒で池水勇太(スポ3=鹿児島南)が先制点を奪うと、2点を先行して試合を進める。日体大も追い上げを見せたが、ワセダは泳力を生かし、ディフェンスから得意のカウンターにつなげて得点を重ねた。1対1で守りながらも相手の強いフローターを抑え、第1ピリオドは4-5と好調なスタートを切る。しかし、第2ピリオドで試合の流れは大きく変わってしまった。相手の強いプレスに苦しめられると、ワセダは応戦一方に。「中から守るのが少し遅かった」と高島丈司(社4=東京・明大中野)が振り返るように、ディフェンスを崩されると相手にシュートチャンスを何度も与えてしまった。素早い攻撃で連続失点を喫し、5-11で試合を折り返す。

豪快なシュートを放つ深川主将

 かわって第3ピリオドではワセダが食い下がった。高島が好セーブを連発すると、失点を抑えて試合を進めていく。ペナルティースローの場面も確実に決め、8-13で最終ピリオドへ向かった。点差を縮めたかった最終ピリオドだが、日体大は攻撃の手を緩めない。ワセダの退水(※)から攻撃の機会をうかがい、さらに点差を広げていった。反撃に転じることができないまま時間は経過し、10-20で試合終了。ワセダは4位となり、3日間に及ぶ熱い戦いに幕を下ろした。

ワセダの守護神として指示を出し続けた高島

 「もう一度、高校生に戻ってもワセダに入るだろうなという気持ちがある」(桜井祐太、人4=東京・城北)。ワセダがどれほど魅力的なチームだったかということがわかる言葉だ。4年生4名はこの試合で引退を迎える。4年生にとって最後となった今季は、決して順風満帆なシーズンではなかった。想定外の敗戦が重なり5位に沈んだ関東学生リーグ戦や、1点差で涙を飲んだインカレ。悔しい思いをした試合は数えきれない。それでも、「過程を重視してきたし、結果は出ていないけれどもここまで来られたということの方が大きい」と深川幹徳主将(スポ4=福岡工)は今季を振り返る。主将として、「チーム的な面白味や、個性、謙虚さや、感謝の気持ち」を大切にしてきた深川。その思いはメンバーを動かし、ワセダの持ち味であるチーム力を生んだ。常にチームを鼓舞し、プレー面と生活面の両方から引っ張っていった4年生の下、下級生は着実に力をつけて、試合でも自ら活躍の場を作った。4年生の功績は計り知れないが、後輩たちはそのバトンを確かに受け継いでいる。「一日一日を全力で」(高島)。かなわなかった悲願を託された新チームは今、船出を迎える。

※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。

   

試合終了後、チームワセダは清々しい笑顔を見せた

(記事 井嶋梨砂子、写真 井口裕太、石田耕大)

コメント

  

深川幹徳主将(スポ4=福岡工)

――最終戦が日体大との対戦になりましたが、どのような意識で臨まれましたか

インカレ(日本学生選手権)のリベンジという意識が強かったですね。

――序盤は競る展開となりましたが、振り返っていかがですか

ゲームプラン的には1ピリ目が一番良かったと思います。最初に行って、流れを読みつつやれました。最後、連続失点してしまいましたが、1点差で2ピリに入ったので良かったです。でも2ピリ目で崩れてああいう点差になって、3ピリで追いつかなければならないのに、あんまり変わらない展開だったので、2ピリと4ピリの影響が大きかったかなと思います。

――第2ピリオドで得点が伸びなかった要因はどこにあると思いますか

僕らがインカレでやっていたことの対策を相手がやってきたという感じですね。フォーメーションの組み方とかを対策されたと思います。とはいえ、チャンスはあったのでそこで決めきれず、つなげられなかったというのは大きいです。

――インターバルにはどのような声掛けをなさいましたか

あと2ピリしか無いので、これで終わりだから気を引き締めてやっていこうということと、点差的にはまだ追いつけるということを言っていました。

――今回の試合をどう評価しますか

点数で表してしまうと、60点から70点ぐらいであんまり良くなかったかなと思います。競っていって最後どうするかというのが僕らのやり方なので、あそこまで離されちゃうときついなと思います。

――これで引退となりますが、今のお気持ちはいかがですか

やはり悔しさはすごく残っていて、年間通してタイトルといったら日本選手権最終予選会の1位ぐらいで本当に良い成果を残したっていうのは無いんですけど、過程を重視してきたし、結果は出ていないけれどもここまで来られたっていうことの方が大きいですね。慶応にも負けて、専修にも負けてっていうチームだったのでそう思います。

――ことしのチーム作りで、深川主将が心がけていたことはありますか

勝ちもそうですが、チーム的な面白味や、個性、謙虚さや、感謝の気持ちというのを重視しました。そういうのはアスリートとして必要だし、人間としても必要だし、僕たちは大学生であってプロではないので、これから社会で生きていく上で必要なものを得られるように、大事な部分を怠らずにやりました。結果的にみんな良い人間性に、元からそうだったのかはわかりませんが、なれたと思いますし、大人にもなって、僕も成長できたのですごく良いチームだったなと思います。

――最後、後輩へ向けてのメッセージをお願いします。

すごく悔しい思いをしましたし、この悔しさは同じだと思うので、その気持ちを晴らしてほしいです。池水くん(勇太、スポ3=鹿児島南)が主将になるので、頑張ってほしいですね。

高島丈司(社4=東京・明大中野)

――第1ピリオドはすごくいい戦いでしたが、その要因は

うまく歯車がかみ合ったのかなと思います。5点取られてしまいましたけど、流れが良かったのは水球ではよくあることなので。

――全体として右サイドから崩された印象がありましたが、その点についてはいかがですか

結局のところ失点はカウンターからアーリーのオフェンスが多くて、そこを防ごうと言っていたのに防ぎきれなかったのが負けた一番の要因かなと思っています。特に2ピリ目がターニングポイントというか、(スコアが)1-6だったので。どこかでもう少し早く軌道修正してディフェンシブにチームを持っていければ、4ピリを通して流れが変わったのかなと思います。

――第2ピリオドに関しては、少しディフェンスの意識が低かったということでしょうか

中から守るということが少し遅かったのかなと思います。

――3日間、最後の戦いを終えて満足のいくプレーはできましたか

最後も結果が結果なので…。満足はできていないですけど、やり切ったのかなとは思います。

――試合後には4年生が後輩に話をされていましたが、どのようなことをお話ししたのですか

一緒にやれて楽しかったねと。僕は人の前に立つのが苦手なので、みんないいこと言ってましたけどね(笑)。

――ワセダでの水球生活を終えて一言お願いします

正直、ワセダの水球といえば僕が高校生の頃から見ていた名門だったので。そこで1番のキーパーをやっていくのは、高校生の時と比べものにならないくらいすごいプレッシャーが大きかったですけど、だからこそ4年間プレッシャーの中で楽しめたかなと思います。

――最後に後輩に向けてメッセージをお願いします

一日一日を全力で。以上です(笑)。

岩井雄太郎(文構4=東京・城北)

――カウンターを防ぐことがきょうのポイントだったと思いますが、戦ってみていかがでしたか

カウンターを食らわないようにと思ってやっていましたけど、結局失点のかたちはほとんどカウンターだったので。最初のほうはインカレと違って3対3ではなく、みんなで攻めていましたが、攻めの姿勢でいった結果、少数のカウンターを食らってしまいましたね。

――大学最後の試合の相手が日体大ということで、何か特別な思いなどはありましたか

4年間やってきて、どんな時も前に立ちはだかっていたのが日体大だったので。その相手と最後にやれるのは意義深いものがありました。

――3日間を終えて、満足のいくプレーはできましたか

自分が4年間かけてやってきたことは強い相手にも結構通用したので、そこは満足しています。ですが、きょうの最後の試合ではあまりチームに貢献できなかったと思います。

――4年間かけてやってきたこととは

大学に入ってからセンターバックというポジションに転向しました。それまではディフェンスを自分の中で全然重視していなかったのですが、自分がチームのためにディフェンスで貢献しようと思ってディフェンスを磨いてきました。

――ことしのチームは改めてどのようなチームだったのでしょうか

去年は偉大な先輩方がいましたが、抜けてしまって。スタープレーヤーがあまりいないという状況でしたけど、みんなが練習を頑張って最後は一つになれたいいチームでした。

――ワセダでの水球生活を終えてみてのいまの思いは

本当につらいことも多々ありましたが、本当に楽しい4年間だったと感じています。

――試合後、プールサイドで後輩に向けてどのようなことをお話しされていたのですか

本当にありがとうございましたということと、きょうの試合でもそうでしたが後輩のみんなが活躍しているところがすごく目立っていたので、来年に向けて期待していますということと応援していますということを伝えました。

桜井祐太(人4=東京・城北)

――きょうの試合を振り返って、いかがですか

きょうの試合の日本体育大学とはインカレ(日本学生選手権)の準決勝であたって、その中では自分たちの作戦が上手くいきました。結果としては勝てませんでしたが、それを意識しながらもう一回やろうということで勝ちにこだわっていたので悔しい結果となりました。

――4位という順位についてはどうお考えですか

メダルが最後に欲しかったという気持ちが正直ありました。自分たちなりに努力したんですが、結果は惜しくも及ばずということで、悔しい気持ちもありますが、いい仲間と共に出来てよかったなと思います。

――この3日間の大会振り返って、いかがですか

私自身試合に出たり出なかったりということで、最高学年なのに情けないプレーが多かったと思いますが、後輩達が頑張ってくれたので良かったと思います。

――後輩たちをどうご覧になりますか

本当に頼りがいのある後輩ばかりで時には先輩を馬鹿にするような態度を取ったりもすることもあるのですが、本当に仲がいいところの表れでもあると思うし、それもワセダらしいと思うので、これからも続けていってもらって来年こそは僕らの結果を上回って欲しいなと思います。

――4年間共に戦ってきた同期の方々は

同期に本当にいろいろな面で助けてもらっていて、お互いに何でも話し合える仲だと思いますし、これからもずっと大切にしていかなきゃいけない仲だと思うので、大事にしていかなきゃなと思います。

――4年間ワセダで水球をやってきて、今どんなお気持ちでしょうか

ワセダで水球をやってきていろいろな人がいるなと思いました。先輩、後輩、同期といい人たちばかりで、もう一度高校生に戻っても、ワセダに入るだろうなという気持ちがあって、今高校生の中で人気がなくなりつつあるんですけど、いいチームなので是非入って欲しいなという気持ちがあります。