ウエイトリフティング部

2016.10.12

第60回早慶定期戦 10月9日 神奈川・慶大日吉キャンパス日吉記念館

早慶戦53連覇達成!

 ことしで節目の60回目を迎えた早慶定期戦(早慶戦)が10月9日に慶大日吉キャンパス日吉記念館で行われた。早大は森川芳樹(スポ3=兵庫・明石南)など4人が大会新記録を樹立するなど、総合成績118対92で慶大を下し、見事53連覇を達成した。

 早慶戦は56キロ級から+94キロ級までの7階級。各階級両校から2名ずつが試技をする。スナッチ、クリーンアンドジャーク(ジャーク)、トータルそれぞれの順位に応じ1位に4点、2位に3点、3位に2点、4位に1点と点数が振り分けられる。その合計点数を競う。このようなルールで試合が行われるため、「全階級で勝てる選手を置いた」(武田健主将、スポ4=宮城・石巻)というように、全ての階級まんべんなく点数を稼ぐ必要がある。56キロ級では普段はトレーナーとしてチームを支える春田賢秀(スポ4=神奈川・鶴嶺)が最後の早慶戦に出場。4年連続の対戦となった慶大の大場友貴(4年)に競り負け4位となるも、吉田旭(社1=岐阜・中津)がスナッチ、ジャーク共に1位となり、先輩を助けた。62キロ級に出場した森川はジャークの2本目で133kgを上げ、2年目に自身が打ち立てた大会記録を更新した。そして69キロ級では千葉健介(社3=岩手・水沢)が登場。以前、「良い意味でライバル」(千葉)と語っていた森川に負けじと、スナッチ、トータルで大会新記録を樹立した。

大会新記録を達成した千葉

 午前の部が終了し、昼時には60回大会の記念としてOB戦が行われ、会場を盛り上げた。午後の部では初めに77キロ級があり、生頼永人(スポ3=兵庫・明石北)が出場した。先日の岩手国体で3位に入った生頼は今回、普段の69キロ級から階級を上げてのエントリーとなった。今大会は重量ではなく順位が求められることもあり、軽めの重量からではあったが、それでも大会記録を大きく上回る盤石の試技で今回も他を圧倒した。85キロ級では永迫竜矢(スポ2=宮崎・小林)が2位以下に30kgの大差をつけ優勝。そして今回56キロ級と共に最も会場を沸かせたのが94キロ級だった。神田悠斗(社2=岐阜・海津明誠)と慶大主将の佐々木啓二(4年)が熱戦を繰り広げた。スナッチを2kgビハインドで折り返すとジャークでも3本目までどちらが勝つかわからない戦いに。観客もその試技に固唾をのんだ。最終的にはトータル2kg差で敗れはしたが、神田の今後の躍進に期待のできる試技だった。最重量の+94kg級では武田が主将として試技で見せた。スナッチを3回全て成功させると、勢いに乗ってジャークも2本目で一気に26kgの増量。これも成功させ、大会新記録を塗り替えた。3本目ではさらなる更新を狙い180kgに挑戦。クリーンは成功したが、ジャークで粘れず惜しくも失敗。しかし大台のトータル300kgに乗せ、連覇の重圧を跳ね返した。

武田主将はプレーでチームを引っ張った

 ことしも早大は勝利し、1964年から続く連勝を53に伸ばした。格下の慶大相手とはいえ、「プレッシャーは相当なものがあった」(武田)というようにこの伝統を守っていくことへの重圧は大きかった。しかしそんな重圧を武田は自らの試技で、周りも5階級で優勝するなど吹き飛ばした。さらに、武田を含め4人が大会新記録。記念すべき60回大会に花を添えた。来年以降もどこまで連勝記録を伸ばしていけるか楽しみだ。

(記事 田原遼、写真 冨田千瑛、矢野聖太郎)

★トレーナーが選手に!?春田トレーナーの集大成

春田の試技は会場を沸かせた

 56キロ級に出場した春田の役職は『トレーナー』。普段の練習では選手のサポートに徹している。しかしそんな春田は1年に1度、この早慶戦だけ『選手』として出場してきた。戦う相手は毎年、慶大の大場。これまでの3年では3敗。「かなり意識していて、イメージもバッチリです」(春田)と並々ならぬライバル心を燃やす。そんなライバルに勝利するため、全体練習の前後の時間を利用し、トレーニングに励んできた。迎えた最後の早慶戦。春田は気持ちのこもった試技を披露。スナッチは共に61kg。勝負の行方はジャークへと持ち越された。そのジャークでは1kgを争う緊迫した展開に。互いに重量変更を繰り返し、負けまいとする姿はこの4年間で高め合ってきた2人を象徴していた。3本目、春田は75kgを成功させガッツポーズ。仲間たちもこの日一番の歓声で春田を称えた。一方の大場はここで76kgを選択。初勝利なるか――。春田は惜しくもあと一歩届かなかった。しかし、6本全ての試技を成功したのは初めて。「負けてしまったけれど、充実した4年間を過ごせました」。そう話す春田の表情は達成感で満ち溢れていた。

(記事 田原遼、写真 冨田千瑛)

結果

▽56キロ級

吉田旭 スナッチ81kg C&J106Kg トータル187Kg 1位

春田賢秀 スナッチ61kg C&J75kg トータル136kg 4位

▽62キロ級

知念勇斗(スポ2=沖縄・豊見城) スナッチ98kg C&J120kg トータル218kg 2位

森川芳樹 スナッチ103kg C&J133kg(大会新) トータル236kg(大会新) 1位

▽69キロ級

野本なつみ(スポ4=埼玉・草加) スナッチ67kg C&J83kg トータル150kg 4位

千葉健介 スナッチ116kg(大会新) C&J143kg トータル259kg(大会新) 1位

▽77キロ級

生頼永人 スナッチ132kg(大会新) C&J165kg(大会新) トータル297kg(大会新) 1位

田中裕也(スポ1=宮崎・小林秀峰) スナッチ40kg C&J50kg トータル90kg 4位

▽85キロ級

永迫竜矢 スナッチ110kg C&J140kg トータル250kg 1位

田中季恵(スポ2=香川中央) スナッチ77kg C&J95kg トータル172kg 4位

▽94キロ級

藤本雅大(スポ4=兵庫・明石北) スナッチ109kg C&J125kg トータル234kg 3位

神田悠斗 スナッチ109kg C&J138kg トータル247kg 2位

▽+94キロ級

武田健 スナッチ127kg C&J176kg(大会新) トータル303kg 1位

池田祐介(社2=滋賀・安曇川) スナッチ120kg C&J155kg トータル275kg 2位

コメント

武田健主将(スポ4=宮城・石巻)

――53連勝がかかった早慶戦でしたが、重圧はありましたか

今までの3年間自分が早慶戦に関わってきて、プレッシャーなどは感じたことがなかったのですけれど、勝てるだろうという気持ちで3年間やって来て、主将として臨んだ時に今までの主将たちがかなりプレッシャーのかかっていた印象があったので、その気持ちが今回よく分かりました。

――メンバーの選出はどのような基準で決めましたか

まずは、全階級で勝てる選手を置くことです。慶大に比べて男子の人数が少ないので無理のない範囲で増量や減量を基準にして、例えば藤本(雅大)や神田(悠斗)は普段は85キロ級なのですけど、体重は85kgより少し重いので94キロ級にして、田中(裕也)や生頼(永人)は普段は69キロ級ですが、きょうは77キロ級というように、基本的に皆に負担の無いような選考をしました。

――普段トレーナーとして活動している春田賢秀選手が出場しましたが、どのようなお気持ちですか

1年生の時から56キロ級で出場して、遊び半分ではないですが、56キロ級に4年間出るという思いというか、減量しろと笑って言っていたのですが、本当にそのようになって。その中で今回5キロ減量だったのでこの2週間の減量を見ているとかわいそうという気持ちもあったのですが、本人もスナッチで一点多く取りましたし、そのような意味ではかなり面白い試合に結果的にはなったのかなと思います。また本人も満足行く試合が出来たと思いますし、6本成功したというところでは4年目に開花したというか、よくやったなという思いがあります。

――ご自身もプレーで引っ張る姿が見られましたが、いかがお思いですか

今回ほとんど調整なしで、相手も強くないことは分かっていたので、まずは自分のことをしっかりやろうと決めて来たのですけれど、思ったより良くて成功率もそんなに悪くなく、最後の180kgも久しぶりにクリーンをして抑えられるか抑えられないかくらいのところまで来ていたという意味ではこの半年くらいで力もついて来ているのかと感じました。

――最後は180kgに挑戦して、惜しかったですが、どのようなお気持ちですか

まず、176kgをとって大会新記録を軽く取れたので、それには満足いきましたし、180kgを選択したのは合計でも大会新記録を取れるかと思って狙ったのですけれど、悔しいですね。取りたかったです、惜しかったので。

春田賢秀(スポ4=神奈川・鶴嶺)

――普段はトレーナーとしてチームを支える春田さんですが、きょうは選手としての出場でした

早慶戦だけなんですけど、毎年選手として出させてもらっています

――スナッチの2回目ではかなり重量変更がありましたが

ぼくは3年前から慶大の大場選手を意識して練習に取り組んでいるので、あの場面は絶対に負かしてやろうという気持ちでちょっとずつ駆け引きをしました

――ではかなり大場選手のことは意識しているのでしょうか

バッチリですね( 笑 )。練習中も常に彼のイメージがあって、ことしこそは負けないぞという思いで練習を続けています

――では普段から練習をされているということですか

選手の練習には交じりません。普段の練習中はトレーナーの仕事に専念して、選手が練習に来る前の時間であったり、練習後の時間にトレーニングを続けています

――今回はスナッチ、ジャーク6本すべて成功でしたが、過去の早慶戦ではありましたか

初めて6本取りました

――ジャークの3本目を成功させた後はガッツポーズも見られました

普段試合はよく見ていて、選手のみんながどんな気持ちでやっているのかが本当によくわかったなと。(ガッツポーズは)自然に出たんですけど、選手たちがどんな気持ちで3本取ってくるのかなというのがわかった瞬間でした

――チームメートからの声援もかなりすごかったですが、歓声は届いていましたか

向こう(試技台)にいるときは全然わかりませんでしたが、帰ってきてから、一番盛り上がったよと声を掛けてもらって嬉しかったです

――残された時間の中で今後はどういったかたちで部に貢献していきたいですか

自分はトレーナーなので、トレーナーとして最後まで選手をサポートしていくこと、競技としては今後もトレーニングを積んでいって、きょう負けてしまった重量以上を維持していきたいです