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スケート部

2016.09.26

2016中四国九州選手権 9月24・25日 岡山・ヘルスピア倉敷

フリーで失速…中塩、西日本選手権出場を決めるも連覇はならず

 「すごく悔しい」。そう絞り出すのがやっとだった。転倒、回転不足、着氷の乱れ。後半のジャンプで相次いだミスが響き、フリープログラム(FS)はまさかの82.91点。全日本選手権(全日本)への第一歩であるブロック大会、3位入賞で来月の西日本選手権出場を決めたものの、中塩美悠(人通2=広島・ノートルダム清心)に笑顔はなかった。

 思うような結果を残せなかった8月のサマーカップ。その後の北海道合宿では、陸上トレーニングを中心とした体力の強化に努めた。ショートプログロム(SP)では、その成果がはっきりと現れる。冒頭の3回転トーループ-3回転トーループ、2つ目の3回転フリップ、サマーカップでは失敗していた2つのジャンプを完璧に着氷。特に鬼門であったフリップは6分間練習で何度も確認していたジャンプで、ここを決めると最後までその勢いは衰えなかった。宮本賢二氏により手直しが施された繊細かつはじけるようなステップが、中塩のスケーティングを引き立てる。3つ目のジャンプも成功させ、59.73点という高得点で首位発進を切った。

SPでは圧巻の演技を見せた中塩

 翌日のFSは最終滑走での登場。本来の実力を出し切れば、優勝は難しくなかった。ブルーとシルバーの新しい衣装に身を包み、静寂の中演技がスタート。まずは、前半の単独ジャンプ3つをなんとか降りる。最大の見せ場であるコレオシークエンスとステップシークエンスでは、その技術と表情で観客を『ラプソディインブルー』の世界にいざなった。悪夢が訪れたのは、その直後だった。後半の冒頭に持ってきたコンビネーションジャンプに挑むが、セカンドの3回転トーループで転倒してしまう。続くアクセルはシングルに。残る2つも決めきれず、失意のままにフィニッシュ。肩を落とした中塩は、映し出された得点をすぐには受け入れることができなかった。

ステップシークエンスでは笑顔がはじけた

 今季から、優勝した竹野比奈(福岡大)、SP2位の西坂美柚(パピオフィギュアクラブ)がシニアに移行。その他の選手も急成長を遂げ、今大会は近年まれに見る混戦となった。そんな中、特にFSの5位は、厳しい現実として重くのしかかる。一方、復活を予感させるSPの演技、スピンのレベルや演技構成点の向上など、明るい材料もあった。一歩ずつだが、確かに前に進んでいる。「やってきたことができるように、それだけです」。ヤマ場を迎える10月、今度こそ、完全復活ののろしを上げたい。

(記事、写真 川浪康太郎)

表彰台の頂点に上ることはできなかった

結果

▽選手権女子

中塩美悠 3位 142.64点(SP 1位 59.73点、FS 5位 82.91点)

コメント

中塩美悠(人通2=広島・ノートルダム清心)

SP

――先月のサマーカップ以降、どのような調整をしてきましたか

サマーカップが終わって北海道合宿に行ってきたのですが、そこでの10日間がすごく辛くて、だいぶ精神面も鍛えられたし、陸トレ中心だったので体も変わりました。また、いつも林(祐輔)先生にしか教えてもらっていないのですが、(長光)歌子先生や本田(武史)先生などほかの先生にもアドバイスをいただけたので、北海道合宿で大きく変わりました。

――やはりサマーカップで苦しんだジャンプの練習を重点的にされましたか

合宿が辛すぎてジャンプを跳べる状態ではないくらい筋肉痛になっていたので、その分スケーティングを頑張ろうと思って、ジャンプももちろんですがスケーティングに力を入れていました。

――最初のコンビネーションジャンプが決まった時はどんな気持ちでしたか

最初のジャンプは調子がよかったので落ち着いてできたのですが、問題は次のジャンプだったので、少し緊張しながらその後は滑っていました。

――そのフリップは6分間練習でも何度も確認していましたが、やはりカギとなるジャンプですか

SPは基本ノーミスでいかないといけないという中で、フリップは必須課題なのでそう思ってやっています。

――きょうはジャンプも全て決まり、それ以外の表現の部分も楽しく踊れているように見えましたが

表現面は2週間前くらいに宮本(賢二)先生に手直ししていただきました。時期的にも、昨季から一度も手直ししていなかったので、表現面も良く見えたのかもしれないです。

――具体的にはどのように変えられたのですか

全体的に顔の位置や手の持って行き方を教えていただいて、ステップを中心に上半身だけを変えたりしました。試合が近かったので構成を変えたりはしていないのですが、細かい動きをやってもらいました。

――59.73点という得点についてはいかがですか

今ジュニアグランプリが開催されていて、ジュニアの子たちに対抗していかなければと感じています。全日本選手権には最低でも6人来るのですが、その子たちの出しているSPの得点にはまだ遠いです。多分スピンやステップで取りこぼしがあったと思うので、ジュニアの子たちに負けないように、その子たちと対等に戦えるくらいの得点を出せるようにしたいです。だから、まだ全然満足はしていないです。

――最後に、あすのFSに向けた意気込みをお願いします

ここのところ良いフリーができていないので、合宿の成果が出せるように、課題のフリーを頑張ります。

FS

――『課題』と言っていたフリーを終えて、率直な感想は

練習はよかった分、すごく悔しいです。

――前半から一転、後半はミスが相次ぎましたが、振り返って

年齢を重ねるにつれて体力の衰えも感じるし、練習でも後半はミスすることが多かったので、それが原因だと思います。

――表現、表情の部分はいかがでしたか

2分くらいまでは元気だったのですが、そこを切ってから、集中力が切れたことを演技中に感じてしまいました。

――西坂美柚選手(パピオフィギュアクラブ)、竹野比奈選手(福岡大)がシニアに移行し、昨季に比べてレベルの高い大会になりましたが、そのあたりでプレッシャーはありましたか

比奈ちゃんたちとは前から一緒に試合に出ていたので、それは感じませんでした。

――来月は東日本学生選手権(東インカレ)、西日本選手権(西日本)と連戦になりますが、意気込みをお願いします

東インカレはフリーということで、良い練習になると思うので、インカレ(日本学生氷上競技選手権)予選だからと気を抜かずにしっかり滑りたいです。西日本はいろいろなものが懸かっているので、やってきたことができるように、それだけです。