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ヨット部

2016.09.22

全日本学生女子選手権 9月17~19日 神奈川・葉山沖

まさかまさかの大逆転…女王の座を逃す

 秋シーズン最初の山場となる関東学生選手権(関東インカレ)を1週間後に控え、追い込みの時期に入った早大ヨット部は、この全日本学生女子選手権に470級、スナイプ級それぞれ1艇ずつを送り出した。この大会では、チーム最高位の選手の通算得点が、チームの総合得点として計算される。今季未だにチームとしては未勝利。ここで弾みをつけたい早大は、初日から首位に立った。最終レースを控えて2位に16点差と、一時は女王の座を射止めたように見えたが、そこからまさかの逆転を喫する。優勝の二文字はその手をすり抜けていった。

 470級から出場の市川夏未(社4=埼玉・早大本庄)・永松瀬羅(スポ4=大分・別府青山)組は、クラス別優勝の本命と目されていた。初日の1レース目こそ7位と平凡なスコアに終わるものの、2レース目ではトップフィニッシュ。1レースのみが行われた2日目も1位で通過し、前評判に違わぬ実力を見せる。この時点で僅差ながら470級の首位に立った。一方のスナイプ級では、本来470級の選手である元津志緒(スポ2=長崎工)をスキッパーに立てた、元津・松岡嶺実(先理2=東京・国学院久我山)組が健闘。急造ペアとは思えないセンスとコンビネーションで、こちらもスナイプ級5位と、上々の出来で2日目を終える。市川・永松瀬組のクラス別優勝と、早大の総合優勝。2冠達成は現実味を帯び始めていた。

3度のトップフィニッシュを飾った市川(左)・永松瀬組

 迎えた最終3日目、完全に波に乗った市川・永松瀬組がまたも1位でゴールすると、安定感をキープする元津・松岡組も、うまくスタートを決め8位でフィニッシュした。総合は2位に16点差、470級は2位に4点差。最終5レース目を手堅くまとめて、優勝。関係者の誰もがそう感じていた。しかし、470級は思うようなスタートが切れず、1マークを超えて16位と出遅れる。必死に他艇を追い上げ順位を上げていくも、焦りからか判断が狂い、風に乗れず艇が伸びなかった。8位でゴールし、日本経済大の艇に逆転優勝を喫する。対するスナイプ級も、ここまでうまく決まっていたスタートで出遅れると、ランニングでも順位を落とし、18位でフィニッシュ。両クラスが順位を大きく落とした影響で、総合でも日大、明海大にかわされ、3位に終わった。

元津(左)・松岡組は安定感が光ったが…

 まさかの結果に、選手はショックを隠し切れなかった。しかし、関東インカレは目前に迫り、下を向いている時間はない。クラス別優勝を逃した市川は、「今後の練習でも起こり得る風だと思うので、次は絶対間違いのないような内容で、もっと早くゴールできるように頑張りたい」と、落ち着いた口調で、早くも次の舞台を志した。良いレースと悪いレースがはっきりとした今大会。味わった悔しさは、練習へと身体を突き動かし、勝利への道を切り拓くことになるはずだ。

(記事、写真 喜田村廉人)

結果

▽470級

早大 2位

市川夏未(社4=埼玉・早大本庄)・永松瀬羅(スポ4=大分・別府 青山)組 2位 18点

▽スナイプ級

早大 8位

元津志緒(スポ2=長崎工)・松岡嶺実(先理2=東京・国学院久我山 )組 8位 37点

▽総合

早大 3位 55点

コメント

470級スキッパー市川夏未(社4=埼玉・早大本庄)

――いまの率直な感想をお願いします

悔しいのはそうなんですけど、これからの秋インカレは同じ海面で行われるので、同じ傾向のレースもあるかもしれません。そこで同じ失敗をしないようにするとか、きょうは風を見る力によって最終レースは順位が決まったと思うので、練習で同じ状況になったらどうするのかっていうのを整理したいと思います。

――今大会を振り返って

1レース目は、慎重に入ることができなくて、まずまずの出来って感じで終えてしまったのですが、その後、自分達のベストのレースをしていこうということで、1位を何回かとって、点数を抑えることができました。最終日は、1レース目は良かったんですけど、最終レースでは、今大会で学んだことを最後までできなかったと思います。

――3日間にわたって3度の1位フィニッシュと好調をキープした要因は

意識する他大学もあったんですけど、まずは自分達のベストレースをしようという気持ちで、レースに臨めていたことと、リスク管理をしたコース取りができたことが要因です。

――最終レースを振り返って

自分の頭の中で、風の傾向などの情報が少ない中、自分で確信はないけど分かっているようなことを実行できなかったのが悪い要因だったと思っています。クルーとスキッパーの2人で乗っているので、2人の意思を喧嘩させるというか、コース取りや走り方などのレースに対する意思を明確にして、2人で明確な意思を持った行動をしないと、最終レースのように、ちょっとしたミスで順位を落としてしまうので、どっちつかずのままレース展開をしてしまったことが悪い要因です。2人でしっかりとした意思を持って実行することが大事だと思いました。

――秋季インカレへの意気込みをひとことお願いします。

いつもとは違うペアで女子インカレを走って、得たものもありますし、逆にクルーを見て感じたことで、自分を客観視できるようになったというか、今回違うペアで乗ったことで、自分を客観視した意見を聞けたと思います。あと、今回の大会の風は練習中でも多くあって、今後の練習でも起こり得る風だと思うので、次は絶対間違いのないような内容で、もっと早くゴールできるように頑張りたいと思います。

470級スキッパー元津志緒(スポ2=長崎工)※今回はスナイプ級スキッパーとして出場

――今大会を振り返っていかがですか

今大会は、スナイプということで、470にいつも乗っているのですが、基本的な考え方は同じヨットなので変わらないということもあって、いつも通りレースをすることを意識していました。最近はコース取りを意識して練習するようにしていて、それをレースの前半部分では大きく生かせたかなということもあって、前半部分は大きくまとめられたんですけど、やっぱりまだ自分の甘いところがあって、最終レースではそれが出てしまって大きく順位を落としてしまい、悔しい思いをしました。振り返ると自分が思っていた以上に順位をまとめられたと思うんですけど、まだまだ練習が必要だなと感じました。

――スナイプ級の準備はどのくらいされましたか

実際にスナイプに乗ったのはこの合宿が始まって2日間乗ったくらいで、そんなに長くは練習してないんですけど、スピードや動作はクルーの松岡と陸でも会話を増やしたり、どのようにすれば失速しないかというようなことをスナイプチームにも共有してもらって、できる限り動作やコンビネーションで失敗しないようにしてきました。

――良かったレースの要因は

1レース目が特に良かったんですけど、スタートから落ち着いて、失敗せずに出ることができて、次のコースで自分が行きたいところにしっかり行けて、スピードも良かったので、それは今後の470でも生かせると思います。スタートが良くて、コースも良い風に乗ることができて、スピードも良かったというその3つがあるときは順位を安定させられるので、それを今後も生かしていきたいと思います。

――スナイプ級で乗って得たものは

基本的に、タクティクスやコース取りという部分が自分の苦手な部分だと思っていて、今回最終レースでも、それと風を読む力という苦手な部分が出てしまったので、それを今後に生かせるようにしたいです。スナイプでレースに出ていい経験をさせてもらったので、それを470に生かして、今後は今回の最終レースのような失敗をしないようにしたいと思います。

――クルーの松岡選手と組んだ感想は

同期ということもあって乗りやすくて、1年以上いろんな生活もしているので、彼女のいろんな思いというのも知っています。スナイプチームに女子ひとりで、一緒にレースに出ることも、関東女子インカレ(関東女子学生選手権)から今回までで、一緒に組んでいて、嶺実(松岡)と必ず前を走ろうという思いも持ちました。頼りになるクルーなので、自分の気持ちの面でも、同期と乗るということもあって、少し余裕ができ、会話も多くできたので、それはすごく良かったなと思っています。自分がこういう経験をできたのも、松岡がいたからだなと感じ、ありがたいと思っています。

――今後への意気込みをひとことお願いします

来週から秋インカレが始まって、全日本インカレ(全日本学生選手権)まであっという間だと思うので、自分ができることとして、470に乗ったときに、今回の経験を生かして、前を走れるようにして、チーム全体も今回の負けを生かして、同じ負けを繰り返さないように、チームにも反省を共有して、全日本インカレでも優勝したいなと思います。