ア式蹴球部

2016.09.21

第38回関東女子選手権兼皇后杯全日本選手権関東予選 9月19日 茨城・ひたちなか市総合運動公園スポーツ広場A

GK木付が好セーブ!神奈川大に辛勝し初戦を突破する

 ことしもまた、“皇后杯”へ――。関東女子選手権兼皇后杯全日本女子選手権関東予選の1回戦に臨んだア式蹴球部女子。前半、FW熊谷汐華(スポ2=東京・十文字)のゴールで先制するが、後半にセットプレーからの失点を許し同点に。その後のPK戦では一時は劣勢に立たされるが、GK木付優衣(スポ2=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)が好セーブを見せる。流れをつかんだ早大がPK戦を4-3で制し、準々決勝進出を決めた

 積極的な攻めが見られた前半。しかしラストパスがつながらず、なかなかシュートにまで持ち込めない。それでも28分、熊谷がドリブルで相手DF陣を切り裂き、シュート。放たれたシュートは相手DFに当たり方向が若干変わると、そのまま相手ゴールに吸い込まれた。その後は相手の攻撃を守備陣が防ぎ切り、1-0で前半を終える。

熊谷の一撃で先制し、リードで前半を折り返した

 後半は一転して、攻め込まれる時間が続いた。54分、CKをクリアしたボールを拾われると、ゴール右隅へ押し込まれ同点に追いつかれてしまう。しかし、そこからは「試合が経過するにつれてロングボールを多用していけた」とFW平國瑞希(スポ3=宮城・常盤木学園)が振り返ったように、中村からワントップのFW河野朱里(スポ2=静岡・藤枝順心)へとつなぐ攻撃パターンが多く見られた。また平國自身も57分、79分に遠くからゴールを狙う。それでもゴールネットは揺らせず、そのまま攻めあぐね終了のホイッスル。80分のゲームを終え、勝負の行方はPK戦へと委ねられた。

ドリブルで駆け上がる熊谷

 先頭の河野は無難に決めたが、続くMF中村みづき(スポ3=浦和レッズレディース)が外してしまう。会場は神奈川大ムードに包まれたが、諦めてはいなかった。相手の4人目が枠を外しタイになると、ここでGK木付が躍動。5人目のシュートを左手一本でセーブ。「頼もしくて本当に助かっています」と中村も言うように、強心臓の木付が早大の窮地を救い、勝利に大きく近づく展開へと持ち込んだ。そして最後はDF松原有紗(スポ3=大阪・大商学園)が冷静に右奥に押し込み、勝負あり。センターライン上に並んでいた選手たちが松原のもとへ集まり、ピッチには満開の笑顔が咲いていた。

守護神・木付のセーブが窮地を救いPK戦を制した

 「もう少し展開できたら早大の試合ができたと思います」と、福島廣樹監督(昭45教卒)。前半から自分たちのサッカーができないまま試合は進んでいった。「納得のいかない試合」、「内容としては相手に負けていた」(河野)と、選手からすれば決して良い試合内容ではなかったことがうかがえる。それでも最終的に勝てたのは、持ち前の守備とPK戦で見せたここ一番の勝負強さからであろう。「修正すべきところは修正して、どんな相手であろうとしっかり戦えるように準備していきたい」(木付)。エンジイレブンは22日、オルカ鴨川FCと対する準々決勝に臨む。

(記事 菖蒲貴司、写真 桝田大暉、進藤翔太)

スターティングメンバー

皇后杯関東予選1回戦
早大 1-0
0-1
(PK4-3)
神奈川大
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 16 木付優衣 スポ2 ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
DF 渡部那月 社2 兵庫・日ノ本学園
DF 奥川千沙 スポ3 静岡・藤枝順心
DF 三浦紗津紀 スポ2 浦和レッズレディースユース
DF →HT 松原有紗 スポ3 大阪・大商学園
DF 32 中田有紀 スポ1 兵庫・日ノ本学園
MF 中井仁美 スポ3 兵庫・日ノ本学園
MF ◎10 中村みづき スポ3 浦和レッズレディース
FW 平國瑞希 スポ3 宮城・常盤木学園
FW 26 大井美波 社2 大阪・大商学園
MF →67分 高瀬はな スポ1 ジェフ千葉レディースユース
FW 22 熊谷汐華 スポ2 東京・十文字
MF →72分 八神友梨弥 スポ2 宮城・常盤木学園
FW 河野朱里 スポ2 静岡・藤枝順心
◎はゲームキャプテン
監督:福島廣樹(昭45教卒)
コメント

福島廣樹(昭45教卒)

――辛勝となった初戦を振り返っていかがでしょうか

神奈川大は非常に個人技が高くて、中盤でキープやポゼッションをされて、ア女の立ち上がりは風があったりして中途半端なプレーで入ってしまったために、流れが神奈川大に向いてしまいました。その中で先制できたので、何とかいけるかなと思ったのですが、CKからこぼれ球を詰められてしまいました。ことしの神大は強いということは分かっていたのですが、どううまく対応するかというところで、もう少し展開できたら早大の試合ができたと思います。木付もしっかりしているし、何とかPKで勝てるかなと思ったのですが、勝てて良かったです。

――PK戦を何とか制することができました

向こうが1本外しましたので、木付が止めてくれて何とかいけるかなと思っていました。最後の松原が決めるまでは不安でしたね。

――第2戦に向けて意気込みをお願いします

きょねんの4年生の河邊花観(平28スポ卒)が出るそうなので、これから試合を観て対策を練りたいと思います。

MF中村みづき(スポ3=浦和レッズレディース)

――試合を振り返っていかがでしょうか

風やピッチの状況もあって、裏へのボールがなかなかつながらなかったり、相手が強いプレッシャーをかけてくる中で焦ってしまった部分がありました。バスを回したい場面でも回せずに、自分たちのリズムをつかめないまま時間が過ぎてしまいました。後半はある程度風下になってつなげられる部分もあったのですが、そういう中でも点を取ることができませんでした。自分たちで自分たちを苦しめてしまったかなといった感じです。

――前半に先制できたことは大きかったのではないでしょうか

そうですね。ああいう苦しい中でも1点を取れたことは収穫だと思いますし、前半は無失点で折り返せたので、後半もしっかり保てれば良かったのですが、CKのセカンドを拾われてしまったところで隙があったのかなと思ったので、そこを詰められたら良かったと思います。

――PK戦を振り返っていかがですか

自分の蹴りたいように蹴ったのですが、それが甘かったです。ですが、木付が頑張ってくれたり、他のみんなが決めてくれたので、本当に勝てて良かったです。木付はあんまりプレッシャーを感じないと思います。頼もしくて本当に助かってます。

――第2戦に向けて意気込みをお願いします

きょうは個人的にもチーム的にもあまり自分たちのやりたいことができなかったので、しっかりどんな相手にでも自分たちのプレーをやっていかなければいけません。もっとパスなど細かいところにこだわって、自分たちのやりたいプレーを表現できたらいいと思います。

FW平國瑞希(スポ3=宮城・常盤木学園)

――初戦は辛勝となりました。今のお気持ちをお聞かせください

最初から神奈川大にペースをつかまれて、自分たちは苦しい状況でした。試合が経過するにつれて自分たちでロングボールを多用して戦い方に慣れていけたのは良かったと思います。

――初戦ということで、チームとして硬さもあったのでしょうか

自分たちのサッカーをしようと思ったのですが、相手にペースを握られたので自分たちでどう立て直していいかわかりませんでした。体が硬かったのかなと思います。

――試合前のゲームプランニングとしてはどのようなことを意識しましたか

相手は狭いエリアでうまく崩してくるので、自分たちは中でちゃんと守備をしようと話をしました。その中で自分が守備の意識が薄くてやられてしまった部分もあったので、次の試合はもっと意識して中に絞って、しっかり守備したいと思います。

――後半は攻めあぐねた印象がありますが

左サイドからの攻撃が多くて、右サイドでの関わり方が難しかったです。中に、外にと自分の動きに変化を加えて、味方を生かしていけたらいいなと思います。

――次戦に向けて意気込みをお聞かせください

次戦は硬くならず、最初から自分たちのサッカーができるようにみんなでしっかり話し合って試合に臨んでいきたいと思います。

DF松原有紗(スポ3=大阪・大商学園)

――大事な初戦は辛勝となりました。今のお気持ちをお聞かせください

うれしいの一言ですね。

――PK戦では最後のキッカーとなりましたが、思い切り決めることができましたね

木付(GK木付優衣、スポ2=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)が止めてくれて、自分が決めたら勝ちという状況でした。伏見に残っている人たちの分も勝って帰らなきゃなという気持ちで、緊張したんですけど、決められて良かったです。

――PKの順番はどのように決まったのでしょうか

監督(福島廣樹、昭45教卒)が決めました。

――いきなりだったのですね

そうですね(笑)。順番に言われていって、5番って言われましたね。

――後半開始からの出場となりましたが、どのような指示だったのでしょうか

ダイアゴナルのパスを出せということでしたが、相手が前からきて自分も焦った部分があったので、もうちょっと良いボールを出せれば良かったです。でも、足下へのパスを結構狙えたのでそこは良かったと思います。

――持ち味のフィードを含め、後方からの組み立てで色を出せていましたね

まあでも、復帰したてというのもあって感覚がつかめていないというか、焦ってしまう部分があります。前からくる相手にもポゼッションできればいいかなと思うので、そこは改善していきたいです。

――前の試合で復帰となりましたが、ケガをした場所のコンディションはいかがでしょうか

もう大丈夫ですね。

――接触プレーもありましたが、怖さはありますか

怖さとかはほとんどなくて、思い切ってプレーできてます。後はもう少し感覚を戻したいですね。

――これから出場時間を延ばしていくといったところでしょうか

そのへんは監督が決めることなので自分はわからないのですが、いつ最初から出てもいいような準備をしていきたいです。

――大きなチャンスを許していなかっただけに、セットプレーでの失点は防ぎたかったですね

そうですね。あそこでチェックにいけていませんでした。そこはセットプレーで集中し直さなければいけない部分ですね。何回もCKをとられてしまったので、そこは改善しなければなと思います。

――次戦に向けての課題といったところでしょうか

サイドから崩されて突破されることがあったので、カバーの意識をしつつ、相手にチャンスを与えないようなディフェンスができればいいなと思います。

――次戦に向けて意気込みをお聞かせください

どこが相手でも勝つだけです。メンバーに入れていない人の分まで自分たちがやるしかないので、ことしも優勝できるようにまたチームで課題を見つけて、連戦でも頑張っていきたいと思います。

FW河野朱里(スポ2=静岡・藤枝順心)

――PK戦での勝利でした。今の気持ちを教えてください

納得のいかない試合でした。後半は自分たちの陣地でやっていましたし、内容としては相手に負けていたと思います。

――具体的にはどういった点で納得がいっていないのでしょうか

まず、攻撃が単調すぎて相手に読まれてしまっていました。それなのに、同じ攻撃を続けてしまって。ディフェンスでも人数はかけているのに、ボールに働きかける人がいなかったです。ボールを取れない場面が多かったですね。そういうところの厳しさがまだまだ足りないなと思います。

――チームで試合中やハーフタイムに修正はかけたのでしょうか

前半はグラウンドがスリッピーかつ風上での試合だったんですけど、それなのにタテにボールをつなごうとしていたのが、ちょっと自分としてはよく分からなかったです。監督としてはその戦い方を推していたのですが、自分としてはもっとヨコの幅をつかった攻撃をしたかったです。そういう話はしていたんですけど、後半もあまりできませんでした。これでは前半の反省を後半に生かすことができていないので、自分からもっと積極的にチームに言っていかなければいけないなと思います。あと、シュートも少なかったですね。相手の陣地でサッカーをできるようにしていきたいです。

――敵陣でプレーできなかった原因としては攻撃の単調さがあるのでしょうか

そうですね。最近の試合の攻撃はずっと単調で。この試合では、いい意味で無駄なパスをいれていこう、と中盤の選手と話していました。でも、その無駄なパスすらズレてしまったり浮いてしまったりして。それではできるものもできないなと。基本的なパスやトラップの技術を磨かないといけないと思いました。

――無駄なパスとは、中盤でためをつくる目的だったのでしょうか

そうですね。相手がついてこれないように、ダイレクトで一本多くパスをしようとしていました。そういったことを意識していたんですけど、できなかったですね。

――PKではファーストキッカーでしたね

自分はいつも一番ではないんですけどね。PKは蹴るだけだと思っているので、特に緊張はなかったです。相手のGKもそんなに上手な選手ではなかったので。蹴れば入ると思っていたので、PKは楽です。

――次の試合まで期間が短いですが、それまでに練習したい点はありますか

あまり時間がないんですけど、とりあえず明日と明後日の練習で、攻撃面は中盤をしっかりつくって幅をつかうことと、タテへのパスの質を上げていきたいです。浮いたボールはなくしていきたいですね。守備面では早めに高い位置でボールを取れるようにしていきたいなと思います。

GK木付優衣(スポ2=ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)

――ナイスセーブでした。PK戦を振り返ってみていかがでしたか

ありがとうございます。相手のキッカーが緊張していないような感じだったので、プレッシャーを与えるというよりも思い切ってやろうと思ってやりました。飛ぶ方向も合っていましたし、手もしっかり出たので良かったです。

――緊張はありましたか

基本的に私は緊張しないタイプなので。緊張というよりも、楽しんでやっていました。

――80分の試合についてはいかがでしたか

風が強かったですね。前半は風上でやっていたので、ボールが戻ってしまってDF陣はヘディングが難しかったんじゃないかと思います。しかもピッチが浮いていたので裏への対応がしにくかったです。ピッチが浅かったので、フィードも蹴りづらかったですね。なんとか前半は1-0で折り返すことができたんですけど、後半に失点してしまって。CKの場面で、もう少し私が積極的に前に出られれば良かったかなと思いました。DF陣は頑張って競ってくれていたんですけど。

――後半は風下でしたし、キックが戻されてしまっていた印象です

そうですね。私はフィードの部分をストロングポイントにしているので、そこで思うようにできませんでした。風やピッチの芝の浅さも理由としてはあったのですが、それも含めてどんな状況でもいいプレーができる選手になっいかないといかないと思います。

――ピッチが浅かったということでしたが、振り返ってみていかがですか

そうですね。アップの時からボールが伸びるなと感じていました。裏への対応も試合前から話していたので、そういった場面でも対応できて良かったと思います。

――危ない試合展開でしたが、勝てたということは大きいのではないでしょうか

そうですね。とりあえず次につながりましたね。今回の試合には部員全員で来られていないので、東伏見で待ってくれている仲間にいい報告ができて良かったです。

――次戦に向けてはいかがですか

次の相手は大東大かオルカ鶴川FCなのですが、チームとして修正すべきところは修正して、どんな相手であろうとしっかり戦えるように準備していきたいです。

FW熊谷汐華(スポ2=東京・十文字)

――今の率直なお気持ちをお聞かせください

この試合に勝ったら皇后杯に行けるということで気合が入っていたのですが、本当に勝ててよかったです。素直にうれしいです。

――1点目については

シュートまでの場面は瑞希ちゃん(平國、スポ3=宮城・常盤木学園)とスイッチしながら相手を惑わせてというふうに考えていました。シュートは相手に当たって良い感じに収まってくれてよかったです。

――前半のうちに得点が取れたということは

1点リードして後半に入ったのですが、0-0の気持ちで気を引き締めていこうとは話していました。

――相手の守備陣はいかがでしたか

相手がディフェンスに自信を持っているというチームではなかったので、私たちは自分たちの良さを出していけたらなと思っていたのと、個人的には縦に切り込んでいけたらいいなと思ってやっていました。

――攻撃陣としては縦パスがあまり通っていなかったように思えますが

相手のポゼッション率が高かったこともあってなかなか上手くいかなかったですね。自分たちは前でプレーしたかったのですが、前半は風もありましたしつながりませんでした。

――味方の守備陣が固いことは攻撃陣にとっても良いことだと思いますが

後ろがしっかりしていてすごく信頼ができるということもありますが、きょうはサイドハーフも守備の時はしっかり守れていて全員で守備意識を持てていて、そこは自分もできていたので、きょうの試合は良かったと思います。

――PK戦にまでもつれたゲームとなりました

ハラハラして長かったですが、気持ちの部分が大きかったと思いますし、全員で来ているわけではなくて東伏見に残っているメンバーのためにもきょうは勝たないといけなかった試合だったので、そこは諦めずに最後まで挑めたのはよかったです。失点してしまったことが反省点です。

――次戦に向けては

目指すところはまだまだ上なので、しっかりとやっていきたいです。

――個人的な目標はありますか

点を取りたいですね。あとは、縦の突破など自分の良さを出していきたいです。