野球部

2016.09.13

東京六大学秋季リーグ戦 9月12日 神宮球場

投打が機能し、勝ち点奪取!/法大3回戦

法大3回戦
早 大
法 大
(早)○小島、柳澤-小藤
◇(本塁打)木田1号ソロ(二塁打)小島、小藤、中澤

 投打が共に機能した。1勝1敗で迎えた対法大3回戦。負けられない早大が試合序盤からリズムに乗った。3回に幸先よく先制すると、その後6回まで毎回得点を記録。8回にも積極的な走塁で広げた好機で追加点を取り、計5得点を挙げた。また、先発・小島和哉(スポ2=埼玉・浦和学院)も7回途中2失点とまとめあげ、試合をつくった。攻守にわたり終始主導権を握った早大が5-2で勝利。大事な勝ち点1をもぎ取った。

 これまでの2試合、ともに先発投手が崩れた早大。打線の援護でなんとか戦績を五分としていたが、不安の残る内容となっていた。しかし、3回戦の先発を任された小島がその懸念を払拭(ふっしょく)する投球を見せる。立ち上がりこそ制球が乱れてピンチを招いたが、その後は尻上がりに調子を上げ6回まで無失点。130キロ台後半の力強い直球を中心に試合をまとめ上げた。小島は7回途中で1点を失い、さらにピンチの場面を迎えたところで交代となったが、好投を見せた左腕に早大応援席からは大きな拍手が沸き上がった。また、小島の後を受けた柳澤一輝(スポ3=広島・広陵)も7回のピンチを切り抜けると、危なげない内容で相手打線を封じ込める。大量失点が続いた投手陣であったが、3回戦で本来の実力を発揮し勝利に貢献した。

救援・柳澤は相手を無安打に抑える好投を見せた

 一方、安定さを欠いた投手陣を大量得点でカバーしてきた早大打線。この日も勝負強さは健在だった。3回、2死から小島が浅い守備位置を取っていた相手中堅手の頭を越える二塁打を放つ。この日初めての好機に盛り上がる応援席からの歓声を受け、続く打者は好調の八木健太郎(スポ3=東京・早実)。「ピッチャーがつくったチャンスだったので、絶対に返さないといけない」(八木)。カウント2-2と追い込まれながらも、集中力が勝った。振り抜いた打球は投手の体をかすめながらも、中前に到達。その間に小島が生還を果たし、先制点を獲得した。その後も1番から9番まで抜け目のない攻撃を展開し、6回まで毎回得点。点差をじわりじわりと広げていった。また、2点を失った直後の8回には中澤彰太副将(スポ4=静岡)が右中間手前に落ちる打球を放つと、素早い判断で果敢に次の塁を落とし二塁打を記録。すると、すかさず小藤翼(スポ1=東京・日大三)が右前に適時打を放ち、追加点を奪った。打線は2日連続で2桁安打をたたき出す好調ぶりが続いており、今後の活躍にも大きな期待が掛かる内容となった。

2安打2得点とバットでも活躍した小島

 「法大より『勝とう』という意欲が上回っているようなムードで試合に入った」(髙橋広監督、昭52教卒=愛媛・西条)。ここまでの3試合では、昨季見ることができなかった粘り強さが随所に現れていた。対法大1回戦こそ落としたが、負けが許されない中でチームはしっかりと切り替え連勝。特にこの夏徹底的に鍛え上げた打線が機能しており、チームにとっては大きな自信になったに違いない。次に対するのは、好投手を擁する立大。早大にとっては投手陣がいかに失点を防げるかが勝利へのカギとなる。この連勝で生まれた勢いそのままに、立大戦でも勝ち点を奪いにいく。雪辱の秋は始まったばかりだ。

(記事 杉田陵也、写真 廣田妃蘭、中丸卓己)

☆八木、主将と二人三脚の猛特訓でついに才能開花か

好調が続くトップバッター八木(左)

 期待され続けた逸材がついにブレークか――。八木健太郎(スポ3=東京・早実)はここまでの3戦全てでトップバッターに座り、この日は先制の適時打を放った。自慢の快足は守備にも生かされ、攻守にわたり強い存在感を与えている。

 早実高時代には1年夏に甲子園のマウンドを経験。若くして注目を浴びだが、「野手一本で」と決めた大学入学後は伸び悩む。代打での起用にも凡打に終わる日々が長く続いた。しかし、そんな八木を救ったのは現主将の石井一成(スポ4=栃木・作新学院)である。全体練習が終わると一緒に素振りを行うようになり、いつしか毎日を共にするようになった。「石井さんがかなりストイックなので」と、トレーニングは想像を超える過酷なものだったようだが、そのトレーニングを耐え抜くためにジムに行き体力をつけるなど、石井の課す猛練習に八木はしっかりとついていった。そして、この活躍である。

 「同期が活躍しているのを見ると自分も燃えますね」。六大学のライバルではなく、かつて同じ東京都の球児として顔を合わせた鈴木誠也(広島東洋カープ、東京・二松学舎大付高出身)について聞かれ、八木はこう答えた。高校時代は共に東京の名門で主軸を張り、互いに意識し合う仲だったという。「ただただすごい」と、チームをセ・リーグ優勝に導いたその活躍には圧倒されていたが、そんな八木もここまでの3試合で13打数7安打3打点と大暴れ。まさに“神ってる”八木が、昨季は5位と低迷したワセダの新たな核弾頭となる。

(記事 菖蒲貴司)

黄字は打点付き

早大打者成績
打順 守備 名前
(左) 八木健太郎 .538 遊ゴ    中安    中安 中安    遊ゴ
(二) 宇都口滉 .300 右安    三ゴ    投ギ    中飛    一邪
(遊) 石井一成 .500 右飛       右飛 中安    一ゴ    中安
(三) 木田大貴 .286    見振    左本 遊飛    空振    遊飛
(一) 立花玲央 .091    一ゴ    中飛 空振       一ゴ   
(右) 三倉進 .300    空振    四球    二安    二ゴ   
(中) 中澤彰太 .167       二ゴ 三ゴ    捕飛    中2   
(捕) 小藤翼 .444       空振    左飛 右2    右安   
(投) 小島和哉 .667       中2    遊安 空振         
  柳澤一輝 .000                      遊ゴ   
早大投手成績
名前
小島和哉 6 1/3 0.00
柳澤一輝 2 2/3 0.00

東京六大学秋季リーグ戦星取表
順位 明 大 早 大 法 大 東 大 立 大 慶 大 勝ち点 勝率
明 大 10/15
10/16
10/1
10/2
○9-2
○7-4
10/22
10/23
9/24
9/25
1.00
早 大 10/15
10/16
●5-6
○8-7
○5-2
10/1
10/2
9/24
9/25
10/29
10/30
.667
法 大 10/1
10/2
○6-5
●7-8
●2-5
10/22
10/23
9/17
9/18
10/8
10/9
.333
東 大 ●2-9
●4-7
10/1
10/2
10/22
10/23
10/8
10/9
9/17
9/18
.000
立 大 10/22
10/23
9/24
9/25
9/17
9/18
10/8
10/9
10/15
10/16
――
慶 大 9/24
9/25
10/29
10/30
10/8
10/9
9/17
9/18
10/15
10/16
――
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コメント

髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)

――勝ち点奪取に成功しました。今のお気持ちは

初戦を接戦で落として、きのうも接戦で取れて。今もベンチの中で言ってきたのですが、法大より「勝とう」という意欲が上回っているようなムードで試合に入ったので、それがこの戦績につながったと思いますね。

――きょうも打線が頑張ってくれましたね

そうですね。この3連戦とも良く打っているんですよね(笑)。だから問題は投手なんですよ。第1戦だって5点取っているわけだし、投手が2、3点に抑えてくれれば勝てているんですよね。きのうも8点取っていて、あんなにハラハラしながら試合する必要もないわけですから。ベストメンバーというよりはまだケガ、故障している者もいますけど、(出場機会を)与えられた選手たちが活躍してくれているのでね。チームとしては非常に良い状態だと思います。

――監督からご覧になって、打線の好調の要因などはどういったところにあるのでしょうか

やはりみんなが「大振りせずにつなごう」という意識を持ってくれていると思いますね。

――真鍋健太選手(スポ4=東京・早実)が故障の中、宇都口滉選手(人3=兵庫・滝川)が良い働きをしてくれていますね

そうですよね、穴を埋めてくれて。捕手の小藤(翼、スポ1=東京・日大三)も、私は吉見(健太郎、教3=東京・早実)を外したいわけではないんですけど、ミスがあって小藤が出たらいい打撃をしてくれていますしね。向こうもデータがないから攻めにくいという部分もあるんですけど、1年生ながらしっかりやってくれていますよね。チームとしてはいい状態で勝ち点1を取れたと思いますね。

――先発の小島和哉投手(スポ2=埼玉・浦和学院)は粘りの投球で大崩れしませんでした

そうですね。丁寧に投げていましたよね。点差が開いて、エラーもあったし守りに入った部分もあったので、「攻めていけ」とは言ったんですけどね。

――継投の柳澤一輝投手(スポ3=広島・広陵)はあのタイミングでいくと決められていたのでしょうか

もう少し小島が投げるかなと思ったんですけど、遊撃のエラーと暴投で気持ちも腐ると思ったので代えました。

――柳澤投手は昨年はなかなかベンチ入りを果たせませんでしたが、きょうはいい投球をしてくれましたね

そうですね、良かったですよね。元々ボールは速いですけど、制球がなかったのでね。ある程度制球ができてきて、自分のボールに自信を持てているんじゃないですかね。

――次は立大戦ということで、澤田圭佑主将(4年)や田村伊知郎投手(4年)といった好投手がそろいます。どういった点で気を付けたいでしょうか

立大は投手がいいですし、打線が必ず打てるとは限らないのでね。やはりワセダの投手陣がしっかりして、ロースコアの戦いをできるようにしないと勝てないですよね。

――最後に立大戦に向けて意気込みをお願いします

ぜひ競り勝って、立大戦でも勝ち点を取りたいと思います。

石井一成主将(スポ4=栃木・作新学院)

――3回戦に持ち込んで勝利を収めました

1戦目(1回戦)が終わった時は3戦目に持ち込むつもりでやっていましたが、1戦目(が始まる前)は2戦で決めてやるという気持ちで入りました。そこは気持ち的にも切り替えられたと思います。

――1回戦は敗れましたが、その試合に関してはどう捉えていますか

悪い課題が多かったので、そこを薄くしていかないと次も勝てないと監督さん(髙橋広、昭52教卒=愛媛・西条)からも言われましたし、いいかたちで切り替えられたとは思います。

――きょうは満塁の好機で適時打が出ました

ラッキーでしたね(笑)。フォークに合わせた感じでしたが、いい所に落ちてくれました。2本目(の安打)もかたちはかなり悪かったですが、いい所に転がってくれました。

――内容としては第1打席の右フライの方が良かった面もあったと思います

あれは力が入って打球の回転が良くなかったです。あそこはもう少し粘って右中間からセンターのイメージで打ちたかったです。

――この3試合で2本塁打と調子が上がってきていると思います

上がってきていると思います。ホームランが全てではないですが、飛ばせるということは少しずつ(調子は)上がってきていると思います。

――打撃フォームは今も改造中ですか

改造中です。今日も監督さんからベンチで(アドバイスを)言われていました。甘い球が来た時に力が入って(バットが)外回りしてしまうので、そこを我慢して打てよと。ショートの頭(に強い打球を打つ)ことだよと。

――東京六大学秋季リーグ戦に入って、春とは考え方などで変わったところはありますか

春はどちらかと言うと気負うというか、どうしようという感じが多かったですが、秋は自分のこともありますが、チームのことを最優先に、チームのために何ができるかを考えてやっていこうと思っています。最後なので楽しんでやろうと思っています。

――連勝で勝ち点を取りました。チームにとっていいスタートを切れたと思います

そうですね、この連勝を良いかたちでつなげていけたらなと思います。

――チームに関しては、ベンチでの会話が増えたように感じましたが、どのようなことを話していますか

ピッチャーの情報とか、いろんなことを話しています。

――攻撃回以外のイニング交代時などでも活発に話合っているなと思いました

ベンチの雰囲気はかなりいいので、そういうところから勢いや流れは来ると思います。そういうことを大事にしていきたいです。

八木健太郎(スポ3=東京・早実)

――2打席目の適時打はお見事でした

勝負強いバッターになりたくて、春までは打点が1しかなくて勝負強いバッターではなかったので、今季からは勝負強くなりたいと思っていました。それを目標にやってきて、またあの場面はピッチャーがつくったチャンスだったので、絶対に返さないといけないなと思って、気持ちで打ちました。

――今春から試合に出始めましたが、打撃で意識していることは

逆方向への意識ですね。引きつけてセンターから右側に打つことをやっていて、あとは練習で振る量を増やしていて、それだけのトレーニングに耐えるための体力づくりとしてジムに行って鍛えています。

――振る量はどのくらいですか

それは分からないですね。石井さん(一成主将、スポ4=栃木・作新学院)と一緒にやっていて、石井さんがかなりストイックなのでそれについていきました。

――ついていけましたか

すごくきつくて、手も痛くなって暑かったですし、それでも『これを乗り越えれば』と思って。『振る』ってこんなにきついんだなって野球を始めて以来感じました。体がボロボロになりました。

――開幕戦から結果が出ていて、トレーニングの成果が出ていますね

いやあ、もう怖いですね(笑)、ここから。これを維持していくために振る量は落とさずに、リーグ戦期間は油断せず、やるべきことをやっていくだけです。

――ここまで13打数7安打ですが、そのほとんどが中堅への当たりです

そうですね。基本的にセンターから逆方向への意識をしていて、試合ではあまり考えずに打つだけですね。

――きょうも大活躍だったと思いますが

いや、活躍してないです(笑)。

――ここまで好成績を残されていますが、1番打者の役割は果たせていると思いますか

そうですね、1打者の役割と言われると正直分からないです。分からないので、これからも油断せずにやっていくだけですね。

――東京六大学オールスター戦では「勉強になった」とおっしゃられていましたが、その経験はリーグ戦にも生きていますか

そうですね。メンタルの面でかなり生きています。技術がどうこうではなくて、この選手はこんな考え方をしているんだなとか、(その考え方は)自分にもあてはまるかなという感じで、考え方をいろいろ学びました。

小島和哉(スポ2=埼玉・浦和学院)

――きょうの投球内容について

きのう、おとといで1イニングしか投げていなかったので疲れとかはあまりなくて。向こうは土曜日も先発した菅野(秀哉、法大2年)だったので、そういった面でも絶対に負けられないなという気持ちが前面に出ました。

――小藤翼選手(スポ1=東京・日大三)とのバッテリーはいかがですか

1年生なのにうまく自分を引っ張ってくれているところもあり、すごく信頼できる捕手だと思います。

――きのうまで絶好調だった法大の中山翔太選手(法大2年)を無安打で抑えられました

できるだけ走者をためた状態で回さないようにすることだけを一番に考えました。きょうも走者のいない場面で回せたので、うまくいったかなと。あとは、自分の一番得意な球で打たれたらもう仕方ないという気持ちで気軽にいけたのが良かったと思います。

――2回に併殺で中山選手を打ち取れたことに関して

インコースの真っすぐです。ほとんどインコースの真っすぐでした。

――配球はストレート主体だったのですか

いえ、とりあえず変化球を投げて打たれるのがあまり(良くないなと)。デッドボールでも良いからぐらいの気持ちでインコース真っすぐを投げられたのが良かったかなと。

――春は救援が中心でしたが、この秋に向けてはどのように取り組まれていましたか

オープン戦でも自分自身の中で少し変えようとしていた部分もあって、それでオープン戦自体はあまり調子が良くなくて。先発は大丈夫かなという気持ちもあったのですが、やはり投げ方どうこうではなく、気持ちの部分が一番大事なのかなと思いました。

――変えようとしたのは投球フォームでしょうか

そうですね、ちょっと。

――そのフォームはもう固まったのでしょうか

あまりつかんでいる感じはしないのですが…。試合ではフォームどうこう、という感じではないので。オープン戦の時期も打たれることが多かったので、自分の練習をやり込んで、勝負の場面になったらやってきたものを出そうという気持ちで。

――試合の1、2日目は救援で、3日目になると先発という役割は調整が難しいと思われますが

1イニング投げても、6、7イニング投げても疲れというのはあまり変わらないので、体力的にはきついところもあります。夏は結構走ったりしていたのですが、きょうも後半バテてしまったりして…。

――きょうの試合の後半もきつかったと

詰まらせていた真っすぐが、だんだんファールで粘られてしまって、そういうところかなと。

――きょうは打撃面でも2安打と得点に絡みました

とりあえず真っすぐに(ヤマを)張っていました(笑)。