競走部

2016.09.11

第92回早慶対抗競技会 9月11日 神奈川・慶大日吉陸上競技場

早慶戦、3年ぶりに悲願の王座奪還

 この2年間、慶大に負け越している早大は3年ぶりの王座奪還を目指し、神奈川・慶大日吉陸上競技場で行われた第92回早慶対抗競技会(早慶戦)に臨んだ。大会序盤のフィールド競技で、早大は慶大に大幅な得点差をつけられるも、トラック競技で着実な追い上げを見せる。両校拮抗(きっこう)した得点のまま迎えた最終種目の対抗4×200メートルリレー(8継)。この種目で日本記録を持つ早大はミスのないバトンパスを見せ、慶大に勝利する。この結果、対校得点で早大は3年ぶりに慶大に勝利。悲願の王座奪還を果たした。

 雨が降ったり止んだりと、安定しない天気と肌寒い気温のなか、トラック競技のスタートを飾った対抗男子1500メートル。先週の日本学生対校選手権(全カレ)で優勝を果たした齋藤雅英(スポ1=東京・早実)が、ラスト100メートルで疲れを感じさせないスパートで先頭に立ち、見事に優勝を決めた。また、対抗男子400メートルでは、早大勢が1〜3位を独占して勢いに乗る。リオ五輪4×400メートルリレーでアンカーを務めた加藤修也(スポ3=静岡・浜名)は持ち味のラストスパートを生かして優勝。この種目3位の愛敬彰太郎主将(スポ4=三重・桑名)は「早慶戦は記録というよりも順位を取る大会。しっかりと1、2、3位を取れて対校得点に貢献できたのは良かった」と振り返り、勝利への思いを見せた。対抗男子100メートルでは、須田隼人(スポ4=神奈川・市橘)が中盤から一気に抜け出し1位に。続く対抗男子110メートル障害では、向かい風が吹く中、古谷拓夢(スポ2=神奈川・相洋)が、去年自身が樹立した大会記録14秒00を更新する13秒95で優勝を決めた。

最後の対抗戦に臨んだ愛敬主将

 フィールド種目の得点で離されるも、トラック種目で巻き返しを図り、慶大の得点に並んだ早大。勝負の行方は、最終種目、8継の結果次第となった。ほとんどの大会は4×100メートルリレーや4×400メートルリレーが主であるためにこの種目は珍しく、その分、ペース配分やバトンパスも非常に難しい。しかし、日本記録を持つ早大は全ての箇所でミスのないバトンパスをし、慶大との差を広げる。アンカーまでその差を保ち、1位でゴール。そしてこの瞬間、早大3年ぶりの王座奪還が決まった。わずか29.5対27.5という2点差であった。

笑顔でゴールする8継アンカー徳山

 今年度最後の対抗戦であったこの早慶戦が、最後のエンジという4年生の選手も多く、試合後には部員に胴上げされるシーンも見られた。その光景からチームの雰囲気の良さが伝わる。来月の日本選手権リレー、そして長距離は本格化する駅伝シーズンに向けて、早大競走部は走り続ける。伝統の一戦での勝利が早大にとってプラスになることは間違いない。

(記事 末満まろか、写真 佐藤詩織、平松史帆、喜柳純平)

集合写真

結果

◇男子対抗の部

▽100メートル

須田隼人(スポ4=神奈川・市橘)    10秒62(ー1.8)(1位)

橋元晃志(スポ4=鹿児島・川薩清修館) 10秒70(ー1.8)(3位)

玉井修平(人4=大分舞鶴)       10秒93(ー1.8)(6位)

▽400メートル

加藤修也(スポ3=静岡・浜名)  47秒40(1位)

中野直哉(スポ4=長野吉田)   47秒46(2位)

愛敬彰太郎(スポ4=三重・桑名) 47秒48(3位)

▽1500メートル

齋藤雅英(スポ1=東京・早実)    3分50秒05(1位)

西久保達也(スポ1=埼玉・聖望学園) 3分55秒26(3位)

廣出和樹(教4=愛知・豊丘)     3分59秒26(5位)

▽110メートル障害

古谷拓夢(スポ2=神奈川・相洋) 13秒95(ー1.9)(1位) 大会新記録

野本周成(スポ3=愛媛・八幡浜) 14秒14(ー1.9)(2位)

竹吉大記(スポ4=千葉・市船橋) 14秒35(ー1.9)(4位)

▽4×200メートルリレー決勝

早大(須田―橋元―愛敬―徳山) 1分23秒04(1位)

▽走高跳

仲野遼(創理4=福岡・京都) 1メートル95(2位)

▽棒高跳

根岸勇太(スポ2=千葉・成田) 3メートル30(4位)

岡本和茂(スポ1=大阪・教育大池田) NM

▽走幅跳

竹吉大記(スポ4=千葉・市船橋) 7メートル19(+0.3)(2位)

根岸勇太             7メートル14(ー0.5)(3位)

前田淳(スポ3=東京・早実)   7メートル12(+0.3)(4位)

▽円盤投

中川雄太(スポ3=和歌山・近畿大和歌山) 33メートル88(2位)

雨宮巧(社1=山梨・巨摩)        29メートル79(5位)

須田隼人                 24メートル32(6位)

▽やり投

須田隼人 50メートル80(3位)

野本周成 39メートル53(5位)

中川雄太 34メートル60(6位)

▽対校得点

1位 早大 29.5点

2位 慶大 27.5点

◇男子オープンの部

▽100メートル

欠畑岳(早大院2=岩手・盛岡一) 10秒93(ー0.7)(1組2着、総合2位)

▽400メートル

宮川智安(スポ1=埼玉・早大本庄)   DNS

▽800メートル

坂本優人(スポ2=早稲田佐賀)  1分59秒62(2組2着)

◇女子オープンの部

▽100メートル

内之倉由美(スポ2=鹿児島・甲南)  12秒81(1組2着)

中澤希緒(政経4=埼玉・早大本庄)  DNS

コメント

愛敬彰太郎主将(スポ4=三重・桑名)

――優勝おめでとうございます。今のお気持ちをお聞かせ下さい

率直に嬉しいです。目標にしてきた早慶戦(早慶対抗競技会)勝利ということがチームとしても達成でき、それに関しては達成感と嬉しさがあります。

――閉会式後には胴上げされる場面もありました

人生で初めての胴上げでしたね(笑)。素直に嬉しかったです。でもまだこれで終わりではないので、日本選手権リレーや個々の試合に出る選手のサポート、そして自分自身を強くしていきたいと思います。日本選手権リレーはけして楽に勝てる試合ではないので、しっかりと頑張っていきたいと思います。

――今回は最後の対抗戦となりましたが

そうですね。関カレ(関東学生対校選手権)、全カレ(日本学生対校選手権)、そしてこの早慶戦と対校戦はありましたが、関カレでは個人の400メートルで失敗してしまい、マイル(4×400メートルリレー)で優勝はできたものの悔いの残る試合でしたし、全カレでは個人では予選落ち、マイルでも7位と辛い思いが続いていましたが、こうやって最後の締めくくりを有終の美というかたちにできたことは、僕にとっても4年生にとっても大きなことだったのではないかと思います。

――今回の400メートルのレースを振り返っていかがですか

前半からいくつもりはなかったのですが、自分が一番楽に入れるペースでいって、気持ち良くいったらどれくらいいけるのかなというのを試したくて、それが結果的に周りの選手に先行することになりました。それが自分の持ち味でもある前半から積極的にいって粘り抜くというレースパターンの、前半の部分はできたのかなと思います。ですがケガの影響で練習が積めていなかったぶん、後半でチームメイト2人に差されてしまったので、日本選手権リレーまではこれを反省点に練習を積んでいけたらと思います。

――400メートルは早大で1〜3位を占めました

この大会は記録というよりも順位が大切な大会なので、順位を取るのは目標の一つでしたし、勝つためにはそうしなくてはなりませんでした。しっかりと1、2、3位を取れて対校得点に貢献できたのは良かったのではないかなと思います。

――4×200メートルリレーにも出場されましたが、振り返っていかがですか

200メートルは今季全然走っていなくて、正直不安はありましたが、自分がどれだけいけるか分からない部分もありましたし、かといって苦手意識があるわけでもなかったので、積極的にしっかりと加速していって、後半速度が落ちないようにしてバトンを渡そうということを考えていました。また、橋元(晃志、スポ4=鹿児島・川薩清修館)が全カレで走れていましたし、今回も調子が良さそうだったので、橋元がしっかりとリードしてきた分を自分が無駄にしなければ良いのかなとも思い、その点だけを考えて走りました。

――今回でエンジを着るラストレースになった選手も多くいます。それらの4年生への思いを教えてください

今回でエンジを着るのが最後になった選手がかなりいますが、共に4年間やってこれたことは自分の財産にもなりましたし、今後に生かせるものがたくさんあります。本当に助けられたことばかりで、チームの主将として見ても周りの皆は本当に優秀でしたし、たくさんの意見を言ってくれる選手が多かったので、僕ができなかった部分をカバーしてくれました。競技に関しても、僕がちょっと停滞していた部分については積極的に引っ張ってくれました。本当に助けられた一年で、助けられてばかりの学年だったかなと思いますので、今後はどういうかたちで恩を返せるか分かりませんが、しっかりとどこかで還元できればと思います。

――次戦の日本選手権リレーへの意気込みを教えてください

日本選手権リレーは優勝ということしか見ていませんが、優勝するということがどれだけ難しいのかということは全カレで思い知らされているので、それに対して一人一人がどういうモチベーションでやっていくのか、どういう努力の方向性を持つのかというのを明確にしたいと思います。また、自分がそのようにすると同時に、メンバーにもその方向性を示してあげれればなと思います。あくまでも優勝、早大記録の更新が目標なので、それを達成するために我々がどうすべきかを1日も無駄にすることなく考えて行動をとっていきたいなと思います。

中川雄太(スポ4=近畿大和歌山)

――きょうはエンジを着る最後の試合でした

もともと専門種目の最後の試合ではなかったので残念な気持ちもありますが、僕がしなければいけない仕事はできたんじゃないかと思います。

――専門ではないやり投げと円盤投げに出場されましたが、結果についてはいかがですか

専門ではないので1週間くらいしか練習もできていなくて、試合の流れというほどは全然ないんですけど、円盤投げは最後に逆転して2位になれたので良かったと思います。

――全カレでのハンマーはいかがでしたか

予選落ちしてしまったので満足いく結果では全くなかったのですが、夏休み中にやってきたことが無駄になった訳ではないので、何かしらにつなげられればと思います。夏休み中の経験やこの4年間の経験を、そういう風に思っています。

――投てきブロック長をどのような気持ちで務めてきましたか

投てきブロックは2人しかいなくてブロックと呼べるかも分からないですが、主だってやるトラック種目ではないので陰ながら流れを作ったり、そういうことができるブロックでありたいと思ってやってきました。

――早慶戦にはどのような思いがありますか

(競技生活として)投てきの一つの区切りではないかと思っています。

仲野遼(創理4=福岡・京都)

――エンジのユニホームがラストだった今回の早慶戦への思いは

今シーズン、ケガが続きあまりコンディションが上がらない状態の試合が多かったです。最後のエンジの機会であった今回は、まずは楽しむこと。その上で結果をどこまで出せるか、という感じでした。それだけを考えて試合に臨みました。

――やはり早慶戦は他の大会とは違った特別なものですか

そうですね。僕は1年生の時から4年連続で早慶戦に出場させてもらいました。その中で、少しでもチームに恩を返したいという気持ちがあったので、1.5点という中途半端な点数ではありましたが、それでも少しはチームに貢献できて良かったと思っています。

――今日は1メートル80からのスタートで、1メートル95まで余裕を持って跳んでいるように見えましたが、調子はどうでしたか。

そうですね、自分の中でも今シーズン1、2を争うくらい調子が良かったと思います。ただ、(高さが)2メートルになってくると足に違和感が出始めて、自分の跳躍ができませんでした。また、今回の出場者は持ち記録が競っていたので、試技数の戦いになることは分かっていました。すべて一回目で跳べるように、と考えていました。

――今回、目標記録などはありましたか

PBが2メートル03なので、2メートル05、またそれに付随する記録を出したいと思っていました。調整不足という結果で1メートル95で終わってしまい、振るわない結果ではありましたが、コンディショニングが上がらない中でしっかり得点を取ることができたという点は良かったと思います。ランキングは3番手であったので、その中でチームに1点でも多く持ち帰るという意識を持っていました。

――今後については

一般企業に就職します。その中で競技の継続については現在は考えていません。ただ、大学入学時も同じような気持ちでしたが、それでもまだ続けたいと思って続けたので、企業に入ってもまだ自分がやりたいと思ったらまたピットに立つと思います。

――閉会式後に、部員に胴上げをされていましたが、いかがでしたか。

まず、素直に嬉しかったです。自分の中で4年間しっかりとやり切ったという思いが生まれた大会でした。良いことばかりではなかったですが、幸せな4年間だったなと最後に思うことができました。今、とても幸せな気分です。

廣出和樹(教4=愛知・豊岡)

――今日のレースを振り返っていかがですか

1年生、齋藤(雅英、スポ1=東京・早実)と西久保(達也、スポ1=埼玉・聖望学園)なんですけど、1年生らしくない積極的なレースをしてくれたので良かったと思います。

――ご自身のレースはいかがですか

僕はふがいないレースをしてしまったんですけど、後輩2人が頑張ってくれたので嬉しいです。

――今回エンジを着ての最後のレースでしたがどのように臨まれましたか

入学当初はエンジなんて着れる身分というか、競技力がなかったんですけど、4年間先輩方であったり礒繁雄先生(昭58教卒=栃木・大田原)であったり高博さん(渡辺氏、平5人卒)や後輩であったり、いろんな方々が支えてくれたのでエンジを着ることができて、また自分なりにもことしを振り返ってみて納得のいくレースができたので良かったと思います。

――レース序盤、先頭がハイペースな試合となりましたがその時の心境を聞かせてください

こちらの方でレースプランを立てていて、そのうちの一つだったので落ち着いて走ることができました。

――最後に胴上げされてましたが、その時の心境はいかがでしたか

初めて胴上げされたので気持ちよかったです(笑)。

――これからの目標を教えてください

陸上競技というフィールドからは変わってしまうんですけど、競走部で培ってきたことをこれからの社会人生活に生かせるように頑張りたいと思います