ア式蹴球部

2016.09.11

第90回関東大学リーグ戦 9月11日 千葉・岩名運動公園陸上競技場

エース山内が決勝弾!劇的逆転勝利で後期白星スタート

 後半アディショナルタイム4分。左CKから放たれたボールに一人の選手が勢いよく飛び込む。完璧なタイミングで合わせたヘディングシュートがネットに突き刺さり、ピッチには歓喜の渦が巻き起こる。その中心にいるのは背番号10、FW山内寛史副将(商4=東京・国学院久我山)。頼れるエースが雨中の熱戦に終止符を打ち、早大が劇的な逆転勝利で開幕白星スタートを飾ってみせた。

エースが試合を決めた

 激戦の夏を越え、迎えた関東大学リーグ戦(リーグ戦)後期。前期を9位で折り返し、目標の連覇へ後がない早大は順大との後期開幕戦に臨んだ。前半は立ち上がりから順大がボールを保持する展開に。12分、順大は左からのクロスをボックス内でFWが合わせるが、ここはGK後藤雅明(スポ4=東京・国学院久我山)がしっかりと防ぐ。対する早大は36分、クロスを受けたMF相馬勇紀(スポ2=三菱養和SCユース)が落とすとMF鈴木裕也(スポ3=埼玉・武南)が右足で狙う。しかし、シュートは力なく枠外へと消え、相手ゴールを脅かすことができない。両チームともに雨で濡れたピッチに苦しみ、内容の乏しいまま試合はハーフタイムへと突入する。

 後半最初のチャンスが訪れたのは早大。51分、DF木下諒(社3=JFAアカデミー福島)のクロスをFW中山雄希(スポ4=大宮アルディージャユース)が頭で合わせるがシュートは惜しくも枠の外へ。72分には相馬が絶妙なグラウンダーのクロスを入れるが滑り込んだFW飯泉涼矢(スポ3=三菱養和SCユース)にはわずかに届かない。早大は押し込みながらゴールを奪えずにいると、84分、順大に一瞬の隙を突かれ痛恨の先制点を許してしまう。残された時間はあとわずか、重い空気がピッチを包み込む。だが、早大は誰一人として下を向くことはなかった。89分、左サイドに展開すると木下がPA内にフィードを送り込む。するとオフサイドラインをかいくぐり抜け出した鈴木裕がGKの位置を冷静に見極めながら流し込み、土壇場で同点に。そして、ついに待望の瞬間が訪れる。終了間際、早大は最後の攻め上がりからCKを獲得すると、相馬のボールを山内副将が完璧なタイミングで捉え弾丸ヘッド。ピッチには歓喜の渦が巻き起こる。そして、間もなく試合は終了のホイッスル。勝利の女神は最後まで諦めなかった早大に微笑んだ。

貴重な同点ゴールを挙げた鈴木裕

 劇的な結末となったこの試合。終盤の逆転劇に早大の成長の証を見ることができた。前期では先制を許すと、そこから盛り返すだけの力はなく、多くの勝ち点を落としてきた。しかしこの夏、チームは総理大臣杯全日本大学トーナメントや天皇杯全日本選手権大会を経験。ハイレベルな戦いの中で、数々の厳しい試合をものにしてきた。「ビハインドから逆転できたのは自分たちがこの夏積み上げてきた精神的な部分、諦めない気持ちがあったから」(DF新井純平主将、スポ4=浦和レッズユース)。勝利を手繰り寄せたカギはまさにこの夏手にした不屈のメンタリティだった。連覇に向け、もう後がない中で手にしたこの勝ち点3は非常に大きい。次節に相見えるのは難敵の法大。きょうの試合を無駄にしないためにも、必ず勝ち点3をつかみ取りたいところだ。

(記事、写真 桝田大暉)

スターティングイレブン

関東大学リーグ戦第12節
早大 0-0
2-1
順大
【得点者】(早)89鈴木裕,90+4山内(順)84佐野
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 後藤雅明 スポ4 東京・国学院久我山
DF ◎新井純平 スポ4 浦和レッズユース
DF 熊本雄太 スポ3 東福岡
DF 鈴木準弥 スポ3 清水エスパルスユース
DF 12 木下諒 社3 JFAアカデミー福島
MF 13 今来俊介 商3 神奈川・桐光学園
MF →86分 蓮川雄大 スポ2 FC東京U-18
MF 14 鈴木裕也 スポ3 埼玉・武南
MF 相馬勇紀 スポ2 三菱養和SCユース
MF 秋山陽介 スポ3 千葉・流通経大柏
FW 中山雄希 スポ4 大宮アルディージャユース
FW 飯泉涼矢 スポ3 三菱養和SCユース
FW →76分 山内寛史 商4 東京・国学院久我山
◎はゲームキャプテン
監督 古賀聡(平4教卒=東京・早実)
関東大学リーグ戦1部リーグ順位表
順位 校名 勝点 試合数 得点 失点 得失差
明大 27 12 28 12 +16
法大 21 12 15 10 +5
筑波大 20 12 19 10 +9
順大 17 12 23 20 +3
慶大 17 12 21 23 -2
日体大 17 12 14 19 -5
早大 16 12 14 14
桐蔭横浜大 16 12 16 17 -1
流通経大 15 12 15 19 -4
10 専大 13 12 17 19 -2
11 駒大 12 12 16 18 -2
12 国士舘大 12 13 30 -17
※第12節終了時点※下位2チームは2部自動降格
コメント

DF新井純平主将(スポ4=浦和レッズユース)

――劇的な逆転勝利となりました。今のお気持ちをお聞かせください

厳しい戦いになるのはみんなわかっていました。その中で後半、ビハインドから逆転できたのは自分たちがこの夏積み上げてきた精神的な部分、諦めない気持ちがあったからだと思います。それが結果につながったのは成長できている部分なのかなと感じています。

――ビハインドからの逆転勝利ということで、前期にはなかった勝ち方ができました

そうですね。前期は失点してしまった時にメンタルの弱さが出てしまって、そこから逆転することはできませんでした。この夏、走力の部分と精神的な部分に磨きを掛けてきてことが結果につながってよかったです。

――試合全体を振り返っていかがでしょうか

自分たちが押し込んでいるのにまだ決め切れない、先制点のチャンスを逃して、一瞬の隙で失点してしまいました。勝ったからOKではないです。集中を保った守備ができていましたが、一瞬の隙が命取りになってビハインドという厳しい状況になることを一人一人がもっと認識しないといけないです。よく守れたとしても、負ければ意味はないので、これからもっと練習で高めていきたいです。

――後期では1試合も落とせない中でこの勝利は大きいですね

後期11連勝を自分たちで掲げている中で、仮にきょう負けていたら自分たちの優勝はついえていました。その中でこの勝利は大きいですが、次に負けたら意味がないので、少しも気を抜かずに自分たちを見つめ直して、次までに高めていきたいです。

――次の法大戦も厳しい試合が予想されます。意気込みをお聞かせください

自分たちは勝ち続けるしかないですし、らしさを出し続けるのみです。法政に勝つための時間の過ごし方を今からしていって、必ず勝てるようにしたいです。

FW山内寛史副将(商4=東京・国学院久我山)

――順大戦へ向けてどのような対策をしてこられましたか

天皇杯でああいうかたちで負けて(1回戦グルージャ盛岡戦、●0-4)、失点を抑えるという部分に対しての課題は明確でした。サイドを変えられて早い段階で上げられたり、ファーストディフェンスを明確にできず、全員が関われずにやられるというかたちが多かったので、その部分は共有しました。あとは点を取るという部分に関してはカウンターとセットプレー、それからクロスという部分が自分たちの中で共有できたので、そういう部分の認識はみんな持って入れたと思います。

―後期リーグがきょうから開幕しました

目標は変えてないですし、連覇というものに対して勝ち点を現実的に考えると11連勝か10勝1分くらいしか許されない中で、難しいと思われるかもしれないですけど、自分たちの中ではそれを目指してまずは一戦一戦勝っていくしかないです。9月中にある4戦を勝ち切らないと降格争いに入るので、初戦を大切に全員で共有してやってきました。

――ディフェンスラインが高く裏への飛び出しがなかなかできない時間帯がありましたが、やりづらい部分はありましたか

自分が入った時間はもうオープンな展開になっていたのでスペースもありましたし、逆に裏をケアして足元に入った部分で自分で収めて起点になれればよかったんですけど、その部分ではミスもありました。もっともっと起点になる部分と裏に抜け出す部分をはっきりできていればよかったと思います。

――きょうは途中出場でしたが、試合に入る時意識した部分はありますか

自分が入る時は自分たちの流れだったので、1点とって勝つという部分は意識してました。その部分に関しても自分たちはぶれずにできたと思うのでシーズンでの積み重ねが出せたのかなと思います。

――先制された後逆転までもっていけた要因は何でしょうか

まずはメンタリティ的にみんながぶれなかったというのは一番大きかったと思います。みんなが想定できてた部分、あとは運の部分もあったと思うので、この戦いに持っていけたのが自分たちの力という捉え方もできると思います。自分自身はきょうは運があったから勝てたと思うだけなので、次は手堅い試合をして勝ちたいと思います。

――次戦へ向けて意気込みをお願いします

まず先制点をとるという部分が重要だと思いますし、法大は天皇杯予選で勝ってますけど自分たちに向けて強いエネルギーで来ると思うので、それに迎え撃つ、ただあくまで自分たちは一戦一戦勝っていかなきゃいけないチャレンジャーなのでその部分をうまく整理して臨みたいと思います。

MF鈴木裕也(スポ3=埼玉・武南)

――前期苦しんだ中で迎えた後期の初戦でした

前期は結果がなかなか出なくて、9位という現状の中で、自分たちが優勝するためには、11試合で全勝か10勝1分けという結果を残さなければならないとミーティングで監督(古賀聡、平4教卒=東京・早実)の口から言われていました。そんな中で失点した後も勝たなければならないという危機感を持って臨むことができたので、それが結果につながったのかなと思います。

――この試合に向けて準備してきたことを教えてください

リーグ戦の中断期間で、自分たちは、相手よりも走り勝つということに重点を置いてやってきて、後半のラストに相手が疲れてきたところで自分たちの力を出すことができたので、よかったと思います。

――かなり積極的に攻撃参加されていました

自分が主に攻撃に関わるんですけど、積極的に前に関わっているときはもう一人のボランチの今来(MF今来俊介、商3=神奈川・桐光学園)が自分が空けたスペースを埋めるように、意識して話し合ってやっていました。

――同点ゴールを奪ったシーンを振り返ってください

相手のセンターバックの選手が出血して外に出ていて、そこのスペースが空いていたので、自分が後ろから走っていって、うまくボールを木下くん(DF木下諒、社3=JFAアカデミー福島)からもらうことができたので、よかったと思います。

――水曜日にすぐ次の試合があります

ひとつの負けも許されない状況というのはなにも変わっていないと思うので、絶対に勝てるように頑張りたいと思います。