ハンドボール部
2016.09.04
関東学生秋季リーグ 9月3日 東京・日女体大体育館
猛追見せるも及ばず。秋季リーグは黒星発進
関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)は、いよいよ女子も開幕のときを迎えた。初戦の相手は全チーム中最多、49回のリーグ優勝を誇る日体大だ。試合は立ち上がりからシュートが決まらず、苦しい展開を強いられる。相手にペースをつかまれ、前半は7点ビハインドで折り返した。しかし、後半は粘り強い守りと速攻で自分たちのリズムを取り戻し、一時は3点差まで詰め寄る。その後も押し込む時間帯が続いたが、必死の追い上げも及ばず。秋季リーグは黒星スタートとなった。
前半は相手のエースプレイヤーに手を焼いた。ミドルレンジから立て続けにシュートを決められ、失点を重ねてしまう。反撃したい早大は、富永穂香(スポ2=東京・佼成学園女)らを中心に攻撃を組み立て、フィニッシュまで持ち込む。しかし、芳村優花(教3=愛知・星城)や川上智菜美(スポ3=東京・佼成学園女)が放った強烈なシュートはクロスバーに弾かれるなど、なかなか得点までつなげることができない。徐々に引き離され、7点ビハインドでハーフタイムを迎えた。
エースとしての活躍に期待がかかる芳村
逆転を狙う後半は立ち上がりから仕掛ける。ラインを押し上げ相手のミスを誘い、速攻へつなげる展開に持ち込んだ。佐藤未来主将(スポ4=東京・文化学園大杉並)や正木優唯副将(スポ4=京都・洛北)のゴールなどで着実に加点。GK大沢アビ直美(スポ1=東京・佼成学園女)もファインセーブを見せ、じりじりと詰め寄っていく。諦めない姿勢を前面に押し出し、15分、22分、28分と、三たびその差を3点まで縮めた早大。しかし、「3点差までなったときに、退場やミスをして勝切れなかった」(佐藤主将)という言葉通り、あと一押しが足りなかった。24−27で敗れ、スタートダッシュ成功とはならなかった。
リーグ戦初出場となった富永。きょうは攻撃面での好プレーが光った
やはり簡単な相手ではなかった。リーグ随一の速さを誇る日体大の攻めに対し、「対策はしてきたが、相手との間を詰め切ることができなかった」と佐藤主将は振り返る。春季リーグでも苦杯を喫しただけに、その借りを返したいという思いもあっただろう。チーム全員にとって、いきなり悔しい敗戦となってしまった。
だが選手たちは切り替えなくてはならない。次の東海大戦は1日も経たないうちに始まる。加えてリーグ戦はまだ開幕したばかりであり、「負けを次に生かしていかなければならない」(佐藤主将)という前向きな姿勢こそが何よりも重要だ。そして、早大がチームとしてそうした前向きな気持ちを常に持っているということは、きょうの後半に見せたあの追い上げ、あの諦めない姿勢を見ても明らかだ。選手たちの目線は間違いなく、もう次戦で勝つことだけに向けられている。
あす相対する東海大は、バックス陣の攻撃力が売りのチームだ。しかし、「相手の嫌がるプレーをして相手に流れをつくらせないこと」(芳村)といった具体的な課題を一つでも多く修正できれば、十分勝つチャンスはあるといえる。修正力とリカバリーの早さ、そして気持ちの強さを見せることができるのか。今季2戦目は、様々な部分での実力が問われることになるだろう。
(記事 栗村智弘、写真 秦絵里香、篠原希沙)
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関東学生秋季リーグ | ||||
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早大 | 24 | 10−17 14−10 |
27 | 日体大 |
GK 大沢アビ直美(スポ1=東京・佼成学園女) LW 内海菜保(スポ3=香川・高松商) LB 芳村優花(教3=愛知・星城) CB 正木優唯(スポ4=京都・洛北) PV 佐藤未来(スポ4=東京・文化学園大杉並) RB 富永穂香(スポ2=東京・佼成学園女) RW 川上智菜美(スポ3=東京・佼成学園女) |
コメント
PV佐藤未来主将(スポ4=東京・文化学園大杉並)
――きょうの試合はいかがでしたか
勝つチャンスはあったなと思います。
――具体的にどういったところからそう感じますか
試合への入り方が悪くて、相手のスピードに合わせるかたちになってしまったので、自分たちから仕掛けることができなくて。それが結果的に敗戦につながってしまったのかなと思います。
――試合前にはどういった話し合いがあったのでしょうか
前の対戦(8月13日に行われた全日本選手権東京都予選)で勝てたということにはこだわっていなくて、むしろ春は負けていたので、相手の得意な攻め方をさせないようにしようと話し合っていました。あのスピードも対策はしていたんですけど、戻ることだけでいっぱいいっぱいになってしまって、相手との間を詰め切ることができませんでした。
――ハーフタイムには主将としてどういう言葉をかけられましたか
やられていたのが逆速攻ばかりだったので、それを防げばというか、攻められない相手ではないですし、前に勝ったときもリードされていたところから逆転できていたので、まずは1点ずつ返していこうというふうに言いました。
――そのハーフタイムを挟んで迎えた後半でしたが、振り返っていかがですか
前半は受け身になってしまっていたので、後半はとにかく自分たちから仕掛けることで先手を打っていこうと意識していました。速攻で点を取れるという自信はあったので、そこにつなげようという気持ちは、前半より見せられたと思います。
――後半は必死の追い上げを見せ、逆転のチャンスもあったように思います
そうですね。3点差までなったときに退場してしまったり簡単なミスをしてしまったりして、それで勝ち切れなかったなと。でもこれで落ち込んでいるだけでは次に生かせないと思うので、きょうわかったことを次につなげていけるようにしたいです
――試合後のミーティングではどういったことを話しましたか
追い上げる前にやることがあったと思うということは話しました。練習してきたことが最初から出せていなかったというのがあって、きょう負けたことから学んでいかなければいけないと思っています。
――あすの東海大戦に向けて意気込みをお願いします
あしたは前半から自分たちのペースに持ち込んで、絶対に勝ちたいと思います。
LB芳村優花(教3=愛知・星城)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
前半の動きが硬かったり、逆に余裕を持ち過ぎたりして、後半焦ってミスが多くなったので不器用さが目立ったと思います。
――きょう対戦した日体大は8月の試合では勝利していますが、そのときと比べていかがでしたか
前回は相手のメンバーが違っていて、きょうのメンバーは春リーグのときとほぼ同じメンバーでした。相手のことを知らなかったわけではないのですが、前半にセンターの選手にランニングシュートを何本も決めさせてしまったことで勢いづかせてしまったと思います。
――前半7点差でハーフタイムを迎えましたが、どんなことを話し合われましたか
点差は気にせず、シュートを決めにいくことなどを話しました。
――後半追い上げが見られましたが、展開に関してはどうですか
遅いと思いました。ずっと負けていてラスト10分あたりで3、4点差まで追い詰めたのですが、もう一度勢いづかなければならないところを盛り上げることができなかったです。5人でプレーしている時の終盤でスカイプレーをしたのですが、5人のときに始めから1点取りにいければ良かったと思います。
――何か課題などはみつかりましたか
相手の嫌がるプレーをして相手に流れをつくらせないことが課題だと思います。きょうの対戦相手の日体大はスピードが持ち味のチームで、注視はしていましたが速攻を打たせてしまうなど守り切れなかった部分があったので良くなかったと思います。
――あすの東海大戦に向けての意気込みをお願いします
あしたの方が個人の力で、抜きに来たり強引に来るチームだと思うので、きょうの前半のように余裕を持ち過ぎて間を抜かれたり流れをつくられたりしないように、初めからファールを取りにいって、リズムをつくっていきたいです。
RB富永穂香(スポ2=東京・佼成学園女)
――きょうの試合を振り返ってみていかがですか
前半の7点差が後半にも響いてきたのかなと思います。
――きょうの相手は8月13日にも対戦していました
前回は私は復帰したばかりだったので緊張とかあったんですけど、きょうの試合は緊張とかなにもなくて逆にそれが不安に感じるくらいで。楽な気持ちで試合には臨めたかなと思います。
――リーグ戦初出場となりましたね
このリーグだと4年生は最後ですし、私にはまだ時間は残されているんですけど4年生にはないので、できることはちゃんとやろうという気持ちで臨んでいます。
――前半、かなり苦しい展開となりました。ハーフタイムにはどのようなことを話し合いましたか
後半は0−0からのスタートという気持ちでやっていこうっていうようには話していて、前半続いてしまっていたミスを切り替えようと言っていました。
――ディフェンスが後半変わっていましたが
2つあるディフェンスのシステムを状況に応じて変えるようにしていて、切り替えたことによって上から打たれることは減ったので良かったんじゃないかなと思います。
――後半、追い上げているときのチームの雰囲気はいかがでしたか
みんなでかなり盛り上がっていました。
――次戦への意気込みをお願いします
きょうよりもスピードはないかもしれませんが、個々の力は強いチームなので、チーム一丸となって戦いたいなと思います。