メニュー

ヨット部

2016.07.07

470級ジュニア世界選手権 6月20〜26日 ドイツ・キール

偉業達成!岡田奎が日本人初のジュニアワールド制覇!

 岡田奎樹(スポ3=佐賀・唐津西)が世界の舞台でタイトルを獲得した。ドイツのキールで行われた470級ジュニア世界選手権(470級ジュニアワールド)。早大からは、岡田奎が木村直矢(日大)とペアを組んで出場したのに加え、田中美紗樹(スポ1=大阪・関大第一)・永松瀬羅(スポ4=大分・別府青山)組が日本代表として派遣された。結果は岡田奎・木村組が男子部門で優勝、田中・永松瀬組が女子部門で17位となった。

早大からの参戦メンバー。左から田中、永松瀬、岡田奎。右は前早大主将・小泉颯作。

★世界を制す!岡田奎が金メダルを獲得

 岡田奎が、歴史の立役者となった。過去、470級ジュニアワールドが開催されて以来、金メダルを日本に持ち帰った選手はいない。日本人初の快挙だ。この結果に、早大が、日本ヨット界が歓声を上げた。

 絶好調でスタートを切った初日を終えた時点で、優勝を意識し始めた。3レースを消化した時点で、点数はわずか5点。世界の並みいる強豪を押しのけて、いきなり首位に立った。それでも2日目には、一時その座を明け渡すことになる。安定したレースを展開した岡田奎艇だったが、開催国・ドイツの艇が圧巻の走りを見せ逆転。しかし岡田奎は動じない。「逆転されたというよりは、元からあまり差はなかったんだなという思いで気楽にやってました」(岡田奎)。その言葉の通り、3日目にすぐさま再逆転して首位に返り咲くと、その後はみるみるうちにリードを広げる。他国のライバル達が調子を落としていく中、岡田奎艇はほぼ全てのレースでシングル(※1)を取り続けた。今大会、岡田奎の、カットレース(※2)により除かれた点数はわずか11。終始、抜群の安定感で優勝へ前進し続けた。そして迎えたメダルレース。このときばかりは、「すごく緊張していて、普段できることができない、という感じ」(岡田奎)。最後の壁に相対することとなる。しかし、安定したレース運びが崩れることはなかった。大きく振れる風にも対応し、6位でフィニッシュ。優勝を決めた瞬間だった。

 今回の結果で、岡田奎は、ジュニアの大会ながら世界の頂点に立った。「やはり自分がそれなりに世界に通用する走りができたということで、自分がやってきたことは間違ってなかったと思えるようになりました」と、謙虚ながらも自信をのぞかせている。現在はチームに戻り、その経験を部に還元中だ。今季ここまで調子の上がらない早大ヨット部だが、岡田奎の存在が、復活への足掛かりとなるか。また岡田奎は今後、国内や世界で、どんな活躍を見せるのか。早大にとって、日本にとって、楽しみの多い時間が始まった。

★メダルは遠く…悔しい思いと経験を糧に

 女子部門では、田中美紗樹(スポ1=大阪・関大第一)と永松瀬羅(スポ4=大分・別府青山)の二人が早大ペアを組んで出場した。目標をメダル獲得に設定して挑んだ今大会だったが、力及ばず17位。悔しい結果と引き換えに、確かな経験を持ち帰った。痛感した課題は、フィジカル。同世代のトップ選手を見て、「日本の男子並みにフィジカルが強い」と評した永松瀬に代表されるように、両名がフィジカルアップという具体的な言葉で成長を志した。一方で、尻上がりに調子を上げるなかで、9レース目にはシングルを獲得。少しずつ手応えをつかんだ。スタートで苦しむことが多かった今大会だが、「ランニングでのスピードは良く、チャンスがあれば大きく順位を上げる事ができると感じることが出来た」(田中)と、自身の強みも実感。世界の壁を実感したこの試合、新たな経験が、二人を一気に成長させるのか――。大きな期待がかかる。

(記事 喜田村廉人、写真 ヨット部提供)

(※1)10位以内の順位を取ること。

(※2)大会の規定レース数を消化すると、最も悪いレースの点数を除くことができるというルール。

結果

▽男子

岡田奎樹(スポ3=佐賀・唐津西)・木村直矢(日大)組 52点 1位

▽女子

田中美紗樹(スポ1=大阪・関大第一)・永松瀬羅(スポ4=大分・別府青山)組 150点 17位

コメント

470級クルー永松瀬羅(スポ4=大分・別府青山)

――今回の結果についていかがですか

今回は目標であるメダルに全く到達できず、自分達の課題であるスタートを克服できないまま、最初から苦しい展開で戦うレースが多くて、ふがいない結果というか、思うようにレースができないので悔しいです。

――海外の選手と対戦してご自身と違うなと思われたことは

一番に感じたのは体格とフィジカルの違いですね。海外の選手はみんな身長が170センチ以上あって、それにプラスして日本の男子並みにフィジカルが強いので、ずっと船を揺らす継続性や、インパクトの大きさに、私達との違いを感じて、世界にはまだまだ私は到達していないなと痛感させられました。

――田中美紗樹(スポ1=大阪・関大第一)選手とペアを組んでの国際大会でしたが

美紗樹は、すごくタフな子で、失敗をしてもすぐ次につなげられる子なので、ひとつひとつのレースを積み重ねていくうちに得るものも多かったですし、成長していけたという実感もあるので、今後生かせていけたらなと思います。

――ご自身のレベルアップにつながったと感じることは

まず、これからフィジカルを強化して、日本では男女混合で全日本インカレ(全日本学生選手権)もあるので、男子に負けないようしっかりトレーニングをしてレースに挑めたらなと思います。今回ジュニアワールドは個人の競技だったんですけど、全日本インカレは団体競技なので、全員でレベルアップできるように、ジュニアワールドで得た経験を、しっかりミーティングや練習で生かせるようにしていきたいなと思います。

470級スキッパー岡田奎樹(スポ3=佐賀・唐津西)

――優勝おめでとうございます。優勝という結果についてひとことお願いします

ありがとうございます。最高にうれしいです。

――優勝を現実的に意識しはじめたのはどの段階でしたか

初日終わってからくらいですかね。

――2日目に一時逆転を許しましたがどのように立て直しましたか

初日からカップレースに出場していて、気づいたら2位だったので、逆転されたというよりは、元からあまり差はなかったんだなという思いで気楽にやってました。

――メダルレースに臨んだときの心境は

すごく緊張していて、普段できることができない、という感じでした。

――今後世界に通用すると感じたご自身の強みは

風を見る能力かな、と思います。海とか雲とかいうものを見て判断するまでの速さが長けているのかなと思いました。

――クルーの木村選手とは公私共に以前から親交はあったのですか

大学生になってからがベースです。彼自身もとても上手で、オリンピック等を目指してやっていきたいと言っていたので、じゃあ一緒に乗ろうよという話になりました。

――優勝の経験から早大ヨット部に還元できることは何かありますか

やはり自分がそれなりに世界に通用する走りができたということで、自分がやってきたことは間違ってなかったと思えるようになりました。自分の技術を同じ部員たちに対して、もっと自信をもって伝えることができるようになったと思います。

470級スキッパー田中美紗樹(スポ1=大阪・関大第一)

――今大会を振り返ってひとことお願いします

目標を達成出来ずにとても悔しいです。

――高校のときに出場された世界大会との違いは

同じ選手もいたのですが、年上で先に470級の大会に出ているためか、その時よりも上手になっていました。体格も良くなっていて、まだまだ今の自分では追いつけないと感じました。

――今回のジャパンチームの雰囲気は

まとまりがあり、協力しあえるチームでした。違う大会に出ていたNTのチームとも交流があり、お互いに仲良く過ごす事が出来ました。

――手応えのあったレースは何レース目ですか

やっとシングルが取れた9レース目です。それまでスタートから上手くいかずに苦しいレースが続いていたので、ミスは目立ちましたが、手応えはありました。

――今後の国際大会の糧になると感じたことは

スタートの成功率とフィジカルをもっと努力しないといけないと感じました。また、ランニングでのスピードは良く、チャンスがあれば大きく順位を上げる事ができると感じることが出来たことは良かったです。