ハンドボール部
2016.05.21
関東学生春季リーグ 5月21日 東京・東女体大体育館
筑波大相手に屈辱の完敗
ついに最終週を迎え、残すところあと2試合となった関東学生春季リーグ(春季リーグ)。この日は、1次リーグで競り勝った(◯27ー26)筑波大との対戦になった。前回の対戦同様、勝利を収めたい早大だったが、この日は何もかもと言っていいほど、歯車がうまくかみ合わない。序盤に立て続けに失点すると、オフェンスのミスも重なり、みるみるうちに点差を広げられてしまう。その後も前回のリベンジに燃える相手の勢いに、完全にのみ込まれてしまった。最終スコアは18ー32。屈辱の完敗に、選手たちも涙を隠せなかった。
立ち上がりから苦しい戦いを強いられた。前半8分過ぎ、2ー5とリードを3点差に広げられた場面。今季の早大はこうした難しい時間帯を粘り強いディフェンスで耐えしのぎ、決して大差をつけられることはなかった。しかし、この日はここで踏ん張れない。続けざまに失点を喫し、開始16分で8点のリードを許してしまう。前半終了間際の川上智菜美(スポ3=東京・佼成学園女)の連続得点で詰め寄りはしたものの、今季最大となる8点のビハインドを背負い、ハーフタイムを迎えた。
うまく相手DF間に潜り込み、シュートを狙う安藤万衣子(教3=東京・佼成学園女)
「今まであったようながむしゃらさをもっと出していこう」。佐藤未来主将(スポ4=東京・文化学園大杉並)の言葉で気合を入れ直した早大は後半、点を奪われてもすぐにリスタートするなど、懸命に追い付こうと試みる。しかし、悪い流れは止められない。これまでにはなかったようなパスミスなど、らしくないプレーも散見された。セットオフェンスでは、頼りの芳村優花(教3=愛知・星城)のミドルシュートが封じられるなど、相手の堅い守りの前になかなか打開策を見出せない。結果は14点差をつけられての完敗。突き付けられた厳しい現実を前に、選手たちは苦い表情で唇をかみしめ、コートをあとにした。
この悔しさをバネに、あすは是が非でも勝利したい
「優勝を目指しているのに、上位リーグにいけたことで気が緩んでいるように見えた」。試合後、脇若正二監督(昭50教卒=岐阜・加納)が選手たちに伝えた言葉だ。「どこかでそういう緩みがあって、それが出てしまったと思う」(佐藤主将)。これほど大差を付けられての敗北は、今季の早大にとっては初の屈辱。それだけに悔しさもひとしおだろう。しかし、「これで落ち込んでいてはあしたも負ける。こういうときに話し合って、切り替えれるようにならなければならない」(佐藤主将)。泣いても笑ってもあすが今季最終戦。勝てば3位、負ければ4位という、非常に重要な一戦だ。さらに、あす対戦する桐蔭横浜大は、開幕戦で苦杯をなめた(●20−24)因縁の相手でもある。全員が気持ちを切り替え、一枚岩になって臨めるか——。あすは文字通り、早大の『真価』が問われる一戦となるはずだ。
(記事、写真 栗村智弘)
関東学生春季リーグ | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 18 | 9−17 9−15 |
32 | 筑波大 |
GK 大沢アビ直美(スポ1=東京・佼成学園女) LW 内海菜保(スポ3=香川・高松商) LB 橋本澪(スポ3=東京・佼成学園女) CB 正木優唯(スポ4=京都・洛北) PB 佐藤未来(スポ4=東京・文化学園大杉並) RB 芳村優花(教3=愛知・星城) RW 川上智菜美(スポ3=東京・佼成学園女) |
コメント
PB佐藤未来主将(スポ4=東京・文化学園大杉並)
――やはり立ち上がりの連続失点が響いたと言えるでしょうか
前回対戦したときも出だしが悪くて、きょうはそこをしっかりやろうと言っていたのですが、こっちがミスをしてしまって、それがきっかけとなって立て続けに失点してしまったという印象ですね。油断せず、気を引きしめて臨んだつもりだったのですが、いざ試合をやってみると、全員がいつものようにがむしゃらにプレーできていなかったですし、それが結局出だしの連続失点につながってしまったと思います。
――いつもなら踏ん張れるところで踏ん張れなかったということもあったと思います
そうですね。前の試合で追い付けたというのが頭の中にあって、「まだ大丈夫、まだ大丈夫」とどこかで思ってしまっていて。相手もあそこで突き放しにきていたと思いますし、そこで気持ちの面で負けてしまったなと。
――ハーフタイムにはどういったことを話し合いましたか
追い付くためには、点を決められたあと歩いているのではなくて、すぐに切り替えてリスタートで攻めるしかないという話をしました。あとはいつものような『がむしゃらさ』がないということですね。ベンチにいるメンバーにそういう印象を与えている以上は、出るメンバーも出場する資格はないと言えると思いますし、今まであったようながむしゃらさをもっと出していこうということは、私からも伝えました。
――相手に研究されているということは感じましたか
シュートが入る優花(芳村、教3=愛知・星城)のところに厚く(相手DFが)きていたなという印象は受けましたし、両サイドも警戒されて、簡単にずらせないようにされていましたね。ただ中央から崩せるということは、こっちも事前のチェックでわかっていましたし、実際ある程度そこを崩すことはできていたと思います。
――最終的な敗因としては何が挙げられると思いますか
創部初の上位リーグが決まって、どこかで気が緩んでしまっていたのかなと、改めて振り返ってみるとそう思いますし、それが試合の中で出てしまったのではないかと思います。
――試合後、監督からはどういった話がありましたか
「優勝を目指してやっているのに、上位リーグにいけたことで気が緩んでしまっているように見えた」ということであったり、「先週東海大と対戦したときは、上位リーグがかかっている中で気持ちを入れてやれていた。そのときの緊張感ときょうの緊張感は、全然違ったのではないか」ということですね。確かにそうだなと思いますし、秋季は春季の順位によって組み合わせが決まってくるということもあるので、そこにつなげるためにも勝たなければならなかったなと思います。
――何人かの選手の方々の目には涙もありましたが、それほど悔しかったということでしょうか
悔しかったです。こんなにうまくいかないのは初めてでしたからね。でも、ここで落ち込んでいてはあしたも負けてしまいますし、こういうときに切り替えれるようにならなければならなくて、そういうことをしっかり話し合って、あすの試合に臨みたいと思います。