野球部
2016.05.03
東京六大学春季リーグ戦 5月2日 神宮球場
投打ともに振るわず、3連覇へ黄色信号/法大3回戦
法大3回戦 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 | |||||
法 大 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 5 | |||||
早 大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |||||
(早)●小島、北濱、竹内、吉野和-吉見 |
---|
「完敗です」(髙橋広監督、昭52教卒=愛媛・西条)。攻守の両面において、相手に勝ったものは何一つなかった。これまでに3敗を喫し、これ以上負けることが許されない早大。何とか優勝戦線に踏みとどまりたいところであったが、この日も試合は終始相手のペースに。初回に先制点を許し、勢いに乗った法大を抑えることができなかった。打線もつながりに欠け、わずか5安打と攻め切れず完封負け。この敗戦により、9年ぶりの東京六大学リーグ3連覇は難しくなった。
『守り勝つ野球』というチームの根幹が揺らぎ始めている。新チーム発足当初から守備に重点を置き、最も守りの堅い布陣を築いて戦ってきた早大。しかし、その中心となる投手陣が力を発揮できず、また後ろを守る野手にもミスが目立つようになった。この日の先発は小島和哉(スポ2=埼玉・浦和学院)。初回から先制点を許し、流れをつかめ切れない。また、3回には小島からのそれた送球を捕球した一塁・立花玲央(人4=千葉英和)が打者走者と衝突。そのまま交代というアクシデントにも見舞われた。そして、主導権を相手に握られたまま迎えた5回には木田大貴(商4=愛知・成章)の2日連続の暴投で先頭打者を塁に出してしまう。早大は前進守備でこれ以上の失点を防ごうとしたものの、それもかなわず。大きな追加点を与えてしまった。その後も3投手をつぎ込み法大打線を抑えにいくも、三者凡退に切って取ったのは9回のみ。この日は守備からリズムをつくることができなかった。
今季初先発の小島。大学通算初の黒星となった
一方の打線も課題が山積だ。現在のチーム打率は2割1分8厘でリーグ5位。6位・東大とはわずか2厘差まで迫られている。流れに乗れない打線は、法大先発・玉熊将一(4年)を前になかなか得点を奪えない。毎回のように走者を出すものの、それを好機に変えられないもどかしい攻撃が続いた。この日、特に目立ったのは犠打のミス。3回には吉見健太郎(教3=東京・早実)、5回には中澤彰太副将(スポ4=静岡)が相次いで走者を送れず、得点できる機会を自ら手放す結果となった。結局、9回まで得点できず、今季2度目の完封負け。たとえリードしている場面でも、ピンチの時には必ずマウンドに駆け寄り投手を鼓舞する捕手・森川大樹主将(4年)と、玉熊のバッテリーに翻弄(ほんろう)され続けた。
好機でのあと一本が遠かった
昨年3つの大会を制し、日本一にまでなった早大。その前チームに追いつけ、追い越せと掲げた新チームの目標は『四冠』であった。しかし、この日の敗北で勝ち点を落とし、春季リーグ戦優勝はかなり厳しい状況に。そして、振り返れば今季善戦を続ける6位・東大の影が忍び寄る。早大が最下位となれば、1947年(昭22)秋以来のこととなるが、今後の結果次第ではその可能性も否定できないのが現実だ。ここからは意地の戦い。強敵・明大、ライバル慶大を倒し、爪痕を残したい。空き週を挟み第6週に再び登場する早大。そこでしっかりと自分たちの野球を展開し、2つ目の勝ち点を目指す。
(記事 杉田陵也、写真 八木美織、佐藤亜利紗)
早大打者成績 | |||||||||||||||||
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | ||
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1 | (二) | 真鍋健太 | 3 | 1 | 0 | .381 | 一ゴ | 中安 | 空振 | 死球 | |||||||
2 | (捕) | 吉見健太郎 | 4 | 0 | 0 | .080 | 空振 | 捕邪 | 見振 | 遊飛 | |||||||
3 | (右) | 三倉進 | 4 | 0 | 0 | .286 | 空振 | 空振 | 投ゴ | 二ゴ | |||||||
4 | (遊) | 石井一成 | 4 | 0 | 0 | .222 | 左飛 | 右飛 | 一失 | 空振 | |||||||
5 | (一) | 立花玲央 | 1 | 0 | 0 | .227 | 二ゴ | ||||||||||
一 | 加藤雅樹 | 3 | 1 | 0 | .333 | 三ゴ | 左安 | 右飛 | |||||||||
6 | (左) | 八木健太郎 | 4 | 1 | 0 | .231 | 中安 | 中飛 | 空振 | 中飛 | |||||||
7 | (三) | 木田大貴 | 4 | 1 | 0 | .217 | 空振 | 中安 | 中飛 | 二飛 | |||||||
8 | (中) | 中澤彰太 | 3 | 0 | 0 | .038 | 右飛 | 投ゴ | 左飛 | ||||||||
9 | (投) | 小島和哉 | 1 | 1 | 0 | .500 | 三安 | ||||||||||
打 | 長谷川寛 | 1 | 0 | 0 | .000 | 空振 | |||||||||||
投 | 北濱竣介 | 0 | 0 | 0 | .000 | ||||||||||||
投 | 竹内諒 | 0 | 0 | 0 | .400 | ||||||||||||
投 | 吉野和也 | 1 | 0 | 0 | .000 | 空振 |
早大投手成績 | ||||||||||
名前 | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 安 | 振 | 球 | 失 | 責 | 率 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小島和哉 | 5 | 1 | 1 | 5 | 3 | 3 | 3 | 3 | 2 | 1.86 |
北濱竣介 | 3 | 1 | 0 | 2/3 | 3 | 0 | 1 | 2 | 2 | 2.57 |
竹内諒 | 4 | 1 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0.95 |
吉野和也 | 4 | 0 | 0 | 2 1/3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2.79 |
東京六大学春季リーグ戦星取表 | |||||||||||
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順位 | 慶 大 | 明 大 | 法 大 | 立 大 | 早 大 | 東 大 | 勝ち点 | 勝 | 負 | 勝率 | |
1 | 慶 大 | ※ | △1-1 ●0-10 ○1-0 ●0-18 |
○11-1 ○8-2 |
5/14 5/15 |
5/28 5/29 |
○6-1 ○9-4 |
2 | 5 | 2 | .714 |
2 | 明 大 | △1-1 ○10-0 ●0-1 ○18-0 |
※ | 5/7 5/8 |
5/21 5/22 |
5/14 5/15 |
○1-0 ●2-3 ○12-3 |
2 | 4 | 2 | .667 |
3 | 法 大 | ●1-11 ●2-8 |
5/7 5/8 |
※ | ●4-5 ○5-1 ○8-6 |
●4-5 ○7-2 ○5-0 |
5/21 5/22 |
2 | 4 | 4 | .500 |
4 | 立 大 | 5/14 5/15 |
5/21 5/22 |
○5-4 ●1-5 ●6-8 |
※ | ○4―1 ○1-0 |
5/7 5/8 |
1 | 3 | 2 | .600 |
5 | 早 大 | 5/28 5/29 |
5/14 5/15 |
○5-4 ●2-7 ●0-5 |
●1-4 ●0-1 |
※ | ○1-0 ○8-0 |
1 | 3 | 4 | .429 |
6 | 東 大 | ●1-6 ●4-9 |
●0-1 ○3-2 ●3-12 |
5/21 5/22 |
5/7 5/8 |
●0-1 ●0-8 |
※ | 0 | 1 | 6 | .143 |
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コメント
髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)
――きのうはミスで負けましたが、きょうは打てず打たれて負けたという感じでしょうか
先制されて、中押しされて、ダメ押しされてということで、向こうからしたら理想的な展開でしょうね。ワセダもどんどん投手をつぎ込んでこの結果ですからね。3戦目において結果が出なかったというのは非常に残念ですし、その分全てにおいて法大が上だったんでしょうね。完敗ですよね。
――打線も相手先発の玉熊将一選手(4年)を打ちあぐねていた印象です
すごく良かったというわけでもなくて、先制するとやはり気分は乗っていきますよね。それが逆だったらワセダの投手も乗っていくはずなので。こちらも打線が極端に不振というわけでもないんですよね。試合での流れだと思うんですよね。
――きょうは小島和哉選手(スポ2=埼玉・浦和学院)が先発でしたが、それはきのうの時点で決められていたのでしょうか
そうですね。本当ならば1回戦の大竹(耕太郎、スポ3=熊本・済々黌)がそのまま3回戦ということで向こうと同じ状況なんですけども、大竹も状態が悪いですしね。おとといは北濱(竣介、人3=石川・金沢桜丘)も良かったですけどね。本来は投手中心のチームなんですけども、先制点を取られたりすると苦しいですよね。
――大竹選手の状態はそれほど悪いということでしょうか
ものすごく悪いというわけでもないんですけども、打たれますよね。向こうも研究してきていますよね。去年と同じ投球はできないです。去年と比べると球が少し高いですよね。ベストピッチではないと思います。明大戦まで2週間ありますし、急に立ち直るかは分かりませんが、ベストを尽くしてもらいたいです。
――打線はきょうも適時打が出ませんでした
出ないですよね、あと一本がどうしても。点を取るというのは結果的にそこですからね。かと言って、無死や1死で走者が二塁、三塁にいたかと言えばそうでもないですよね。スクイズのチャンスがあったわけでもなく。
――中澤彰太副将(スポ4=静岡)は8番でしたが、前回同様本人からの志願ということでしょうか
いや、もうこちらの判断でね。本来は投手力を軸にした守備のチームということで春からつくってきたんですけども、投手力が崩壊しているのでね。守っても何点取られるか分からない状況ですからね。かと言って、(中澤副将の)次に誰が出るというほどの選手層もワセダにはないんですよね。
――明大戦まで空き週を挟みますが、打線については改善に向けどういった取り組みをされていかれますか
まあ柳投手(裕也主将、明大4年)も良い投手ですからね。投手にも野手にも言いましたけれど、一回初心に立ち返ると。原点に立ち返って戦おうと。例えば本塁打を打つとか、速いゴロを打つとか。投手はコントロールを良くして、野手はバットの芯に当てて反対方向に打つことであるとか。原点回帰といいますかね。キャッチボールのミスも出ていますし、そういうミスが出ないように考えてやっていこうということです。
――投手陣はいかがでしょうか
急にボールが良くなるわけでもないですからね。精神的な要素も大きいです。投手が打たれた、野手が打てなかったというのはやはり大きいですからね。なかなかスパッと切り替えて次、といける人間も少ないですしね。
――勝ち点を2つ落として、優勝も厳しくなってきたと思いますが
厳しいですよね、優勝どころかビリもあるんじゃないですか、いまの東大の状態だと。東大が一つくらい勝ち点を取る可能性もありますしね。ただ、明大、慶大と対校戦という意識もある学校が残っていますしね。そこではやっぱり意地を見せないとね。
――残りの2カードに向けて、監督ご自身の意気込みなどはございますか
やはり明大、慶大に対して意地を見せると。対校戦ですからね。そう言うと言い訳にも聞こえますけどね。そこで簡単な負けにならないようにしたいですね。