フェンシング部

2015.12.29

全日本選手権(個人) 12月24日 東京・駒沢体育館

才藤と伊藤が表彰台へ!個人戦でも強さを見せた女子エペ

 クリスマスが近づくこの時期、駒沢体育館では全国から実力者が集い、日本一を争う熱い戦いが繰り広げられた。女子エペでは、才藤歩夢(スポ1=埼玉栄)が2位、伊藤由佳(スポ3=栃木・宇都宮中央女)が3位という快挙が成し遂げられた。男子サーブルでは、茂木雄大(スポ1=神奈川・法政二)が相手に圧倒されてしまい2回戦敗退となった。

 女子エペでは、五冠の原動力となった2人が快進撃をみせる。昨年、1回戦敗退だった伊藤は「気持ちを途中で切らさないように意識をした」という。今大会は焦ることなく、丁寧な試合展開で1点1点を積み重ね、ベスト4進出を決めた。才藤は2回戦で山村彩和子(教3=岡山・玉野光南)と対戦。「何をやるかを決めて試合に臨んだ」(才藤)。これが功を奏し、点差を突き放し勝利。その後も落ち着いたプレーでこちらもベスト4進出。そして、メインステージで行われる準決勝。暗くなった場内に照らされるのは、中央のピストのみ。会場はより一層静まり返り高まる緊張感のなか、ワセダ対決が始まった。均衡が保たれた状況に動が訪れたのは第2セット。才藤は、狙いを定めた攻撃で一気に点差を広げ、流れを引き寄せる。第3セット序盤、伊藤が慎重な攻めで3点差までも追い詰めるも、才藤は焦ることなく決勝進出を決めた。

準決勝・伊藤と才藤(左)の同校対決

 決勝の相手となったのは昨年の王者、佐藤希美(大垣共立銀行)。互いに一歩も譲らない白熱した展開となった。第1セット、相手が一歩踏み出し狙ってくる隙をついたカウンターで得点を重ね1点リードで終わる。続く第2セットでは、自ら相手に攻め込んでいき、同時突きを含む4連続得点で、試合の流れは渡さず1点リードを死守した。そして最終第3セット。優勝が現実となってきた12―10の場面で、相手が反撃を開始。残り約30秒での同点に追いつかれてしまう。最終的に勝負の行方は一本勝負に託された。「一本勝負の時も向こうがすごく冷静だった」(才藤)と振り返る。才藤は攻めにかかるも、昨年王者は強かった。14―15で悔しい敗戦。日本一の夢は来季に託されることになった。

男子サーブルでは、前日の予選と1回戦を勝ち残った茂木が2回戦に出場。序盤は均衡した試合展開になるが中盤4点連続失点を喫しマスクを外す場面も。反撃を試みたものの相手の手強さに圧倒され、ベスト32で姿を消した。

試合に敗れ苦い表情をする茂木

 多くの選手にとって今季のラストを飾るこの大会は、一人一人の集大成の場である。それを終えたいま、いろいろな思いを抱えているだろう。だからこそ来季は、また進化した姿をピストの上で見せてくれるはずだ。

(記事 加藤佑紀乃、写真 熊木玲佳、山田周史)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽男子サーブル

茂木雄大(スポ1=神奈川・法政二)2回戦敗退

1回戦:○15-10 山本 隼太(早大)

2回戦:●9-15 吉田 健人(警視庁)



甘粕貴大(社5=神奈川・サレジオ学院)1回戦敗退

1回戦:●6-15 フィッツジェラルド 邦彦(騎士の会)



安部凌(スポ4=島根・安来)1回戦敗退

1回戦:●13-15 菊池 崇志(警視庁)



山本隼大(スポ3=香川・三本松)1回戦敗退

1回戦:●10-15 茂木 雄大(早大)



▽女子エペ

才藤歩夢(スポ1=埼玉栄)2位

1回戦:○15-7 上山 芽依子(東女体大)

2回戦:○15-7 山村 彩和子(早大)

3回戦:○15-11 大橋 里衣((株)なとり)

準々決勝:○15-7 富永 恵美(法大)

準決勝:○15-8 伊藤 由佳(早大)

決勝:●14-15 佐藤 希望(大垣共立銀行)



伊藤由佳(スポ3=栃木・宇都宮中央女) 3位

1回戦:○15-10 黒木 夢(日大)

2回戦:○11-7 森岡 美帆(城北信用金庫)

3回戦:○15-2 馬場 晴菜(大垣南校)

準々決勝:○15-12 和田 花子(三田フェンシングクラブ)

準決勝:●8-15 才藤 歩夢(早大)



山村彩和子(教3=岡山・玉野光南) 2回戦敗退

1回戦:○15-5 河瀬 珠恵(鶯谷高)

2回戦:●7-15 才藤 歩夢(早大)

コメント

才藤歩夢(スポ1=埼玉栄)

――今大会、準決勝まで振り返っていかがですか

きょうの1試合目は同じ大学の先輩ということで、関カレ(関東学生選手権)のときには特に何も考えずに試合に臨んで負けてしまったのですが、今回は少し対策を考えて、何をやるかを決めて試合に臨んだので、それが良かったかなと思います。2試合目の相手はナショナルチームですごく強い相手だったので、自分が挑戦しようという気持ちで臨みました。私がリードして相手が焦って出てきてくれたので、それが勝ちにつながったかなと思っています。3試合目の選手は近代五種の選手で、私も近代五種に出ているので一本勝負しかやったことがなくて、15本は初めてでした。どうなるかなとは思ったのですが、リードできてそこを広げられたのがよかったのかなと感じます。

――準決勝は伊藤由佳選手(スポ3=栃木・宇都宮中央女)との同士討ちでした

きょうの1試合目もワセダで、またワセダかという気持ちも正直ありました(笑)。向こうも私がしたいことがわかっているので、あまり考えすぎずに、点が取りたいところで決まったのが良かったかなと思います。同じ大学同士ということで応援もなくて会場がシーンとしていて、最初はその空気にのまれて緊張してしまったというのはあったのですが、それにだんだん慣れてきて落ちついてできたので良かったです。

――同士討ちや決勝ピストでの準決勝・決勝など、独特の雰囲気の試合が続きましたね

山村選手(彩和子、教3=岡山・玉野光南)とのときも誰も応援しないという空気で、この決勝ピストで伊藤選手とやったときも割とシーンとしてしまいました。その空気を気にせずにいられたら楽に試合できたのかなと思います。普段日本の試合では今大会の準決勝からのように真っ暗にしてという空気の試合はないので、雰囲気に慣れるまでに自分が緊張してしまって体が硬くなって、というのはありました。こういう舞台を楽しめるようになりたいなと思います。

――決勝の相手は昨年度優勝者でしたが、緊張などはありましたか

昨年佐藤さん(希望、大垣共立銀行)に負けたので、勝とうという気持ちもありましたが、それよりはきょねんより成長したところをどれだけここで発揮できるかという楽しみがありました。序盤リードしていたのですが、やはり相手が自分よりレベルが上ということもあり、普通の選手だったら焦って出てきてくれところを向こうが焦らずに冷静に戦ってきて。逆にこっちが焦ってしまって追いつかれて、最終的に一本勝負になってしまいました。一本勝負の時も向こうがすごく冷静だったなと振り返ってみて感じます。私が欲しがっていってしまって、相手はそれを待っていたのかなと。

――相手が一枚上手だったという感じですか

もう、(一枚どころか)もっとです(笑)。

――今季の振り返りをお聞かせください

学生の試合では団体全部優勝して全日本(全日本選手権)団体でも優勝したので今大会でも優勝したかったのですが、そう簡単にはいきませんでした。でも準優勝という結果は今後の自信にもつながりますし、自分でも正直驚いている結果ではあります。今季は大学の試合やジュニア、シニアの試合もあり、試合がすごく多かったので、試合でしか学べない経験を今後に生かせたらいいかなと思います。

伊藤由佳(スポ3=栃木・宇都宮中央女)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

1試合1試合を我慢しながら丁寧に試合運びができたかなと思います。

――昨年は1回戦敗退でしたが、ことしは3位入賞になりました

準決勝までの試合は気持ちを途中で切らさないように意識していました。きょねんとか途中で気持ちが切れてしまってずるずるって流れてしまったので、一本取られたらマスクを取ったりして気分を変えたりとか、後ろに入ってくれたベンチの先輩方とか、いろんな人のアドバイスを頭に入れながら取り組めたのがよかったのかなと思います。

――4回戦などは接戦になる場面もあったと思いますが、そのあたりも集中力を切らさないことを心掛けていましたか

自分ができることが多いという選手ではなくて、しっかり守ってその中でどれだけチャンスをものにできるか、勝負できるのはそこだと思っていました。接戦になりながらも一点一点大事に、点数はほしいけど我慢しながらという感じでできたかなと思います。

――準決勝からはメインステージということで、かなり雰囲気が変わりましたが、緊張されたりしましたか

本当にいやでしたね(笑)。ひっそりとやっていたかったので(笑)。でもピストにいざ立ってみると、ありがたい経験をさせてもらえて、いろんな人の支えがあってだなと思いました。

――準決勝ではチームメイトである才藤歩夢選手とでしたが、いかがでしたか

自分より歩夢は強いと思っているので、そのなかで自分のできることを精いっぱいやろうと思っていました。ちょっと取りこぼしが多かったところもあったかなと思いましたが、力は出し切れました。

――今季を振り返っていかがですか

今回は、きょうの自分の気持ちの入りでたまたま上がってこられた気がするので、次にも他の大会でも一戦一戦集中して、勝ち残れるような選手になりたいと思います。

茂木雄大(スポ1=神奈川・法政二)

――昨日の予選と1回戦を振り返って

予選リーグは自分より強い選手が多くてどうなるかと思いました。予選敗退もあるかもしれないと思っていたのですが全日本選手権なので思い切っていこうかなとおもいっきり戦いました。自分と同い年の選手に負けてしまったのですが、上の先輩にしっかり勝てたので良かったです。1回戦は山本隼大先輩(スポ3=香川・三本松)相手に自分の持ち味であるスピードを生かしたフェンシングが出来て勝つことができました。

――次にきょう行われた2回戦を振り返って

2回戦の相手はたしか昨年のインカレ(全日本学生選手権)チャンピオンであり、ナショナルチームの人で強いことは前から知っていたのでチャレンジャーとして臨みました。フィジカルと技術面で劣っていたかなと思います。

――序盤は均衡していましたが後半に突き放される展開になりました

2本目の時にアイデアとか技術の面でどうにかすれば良かったなと思います。やっぱり足が止まってしまった部分があって本来のプレーができたかというと疑問が残ります。

――ルーキーイヤーを振り返って

2015年は自分にとってあまり良い年ではなかったです。大学に入ってあまり結果が出せませんでした。大学は高校のレベルとは違うのでもっと上のレベルで戦えるような体作りや技術を学ばなくてはと思いました。

――来年の目標は

最初にリーグ戦が控えていて、今年は4位だったので来年は優勝できるメンバーだと思うので優勝を目指したいです。