ハンドボール部

2015.12.27

第67回日本選手権 12月25日 愛知県体育館

実業団相手に大健闘。確かな自信を得てシーズンを終える

 
 激動の2015年シーズンがついに幕を閉じた。前日に実業団チーム・湧永製薬を破る番狂わせを演じた早大。この日は、現在日本ハンドボールリーグの首位に君臨するトヨタ車体と対戦した。多くの日本代表、そして内海祐輔(平27スポ卒=香川中央)ら、早大ハンドボール部OBも所属する強豪との対戦に、「どれだけやれるか挑戦する」(松本光也、社2=神奈川・法政二)と意気込み臨んだ。序盤から圧倒的なフィジカルを誇る相手にも臆せず体をぶつけ、魂のこもったハンドボールを披露。攻守の要である東江雄斗(スポ4=沖縄・興南)と中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付)がチームを引っ張り、ベンチメンバーを含めた全員で戦う姿勢を最後まで貫いた。白熱した接戦の末、2点差で惜敗したが、数々の好プレーで会場を沸かせ、早大の真の実力を証明した。

 「きょうはミスしてもいいからどんどんいく」(東江)。その言葉通り、全員が序盤から積極的なプレーを展開した。エース東江が変幻自在なゲームメイクでセットオフェンスを組み立てる。今大会絶好調を維持する川島悠太郎(スポ3=福井商)も、果敢なインターセプトや強烈なミドルシュートで相手ゴールを脅かした。守ってはGK中野を中心に全員が体を張ってゴールを死守。逆転も十分可能な3点ビハインドで前半を折り返した。

実業団相手にも堂々のプレーを見せた伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)

 迎えた後半、突き放しに来る相手に対し、早大は川島の3連続ゴールなどで必死に食らいつく。終盤になっても全員で声を掛け合い、集中力を切らさない。ラスト10分間をわずか3失点に抑え、25分には東江のロングシュートで1点差まで詰め寄った。しかし、最後は実業団の意地の前にあと一歩のところで屈した。最終スコアは27−29。2日連続のジャイアントキリングとはならなかったが、強豪相手に大健闘を見せ、2015年シーズンを終えた。

これまで早大を率いてきた東江。次なるステージでも活躍が期待される

 「らいねんにつながるいい試合ができた」(岩本岳、スポ3=東京・早実)。今大会で実業団チームと互角以上に渡り合った戦いぶりは、まさに見事の一言だ。今季の早大のチーム力を見せつけるとともに、来季に向けて「実業団相手にもこれだけやれる」(小畠夕輝、スポ1=岡山・総社)と確かな手応えも得た。そしてこの試合を最後に、チームの支柱として大車輪の活躍を続けてきた東江と中野がチームを去る。「自身の成長をすごく実感できる4年間だった」(東江)、「すごく楽しかった。(後輩には)頑張れよとだけ伝えたい」(中野)と、それぞれが四年間を終えた心境を笑顔で語ってくれた。今季はあと一勝というところで全日本学生選手権(インカレ)のタイトルを逃すなど、悔しさも味わった。来季この悔しさを晴らすことが、4年生に対して最高の恩返しになることは言うまでもない。目指すは2012年以来の『三冠』。今大会で鮮烈なインパクトを残した川島を始め、来季も個性あふれるプレイヤーたちが顔をそろえる。インカレや今大会で確実に取り戻した『自信』。創部以来、脈々と受け継がれてきた『伝統』。来季も早大ハンドボール部の活躍に、期待を抱かずにはいられない。

(記事 栗村智弘、写真 田中一光、後藤あやめ)

日本選手権準々決勝
早大 27 12−15
15−14

29 トヨタ車体
GK 中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付)
CP 東江雄斗(スポ4=沖縄・興南)
CP 川島悠太郎(スポ3=福井商)
CP 齊藤凌(スポ3=岩手・不来方)
CP 松本光也(社2=神奈川・法政二)
CP 伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)
CP 小畠夕輝(スポ1=岡山・総社)
コメント

東江雄斗(スポ4=沖縄・興南)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうは、自分たちがどれだけできるかということをすごく楽しみにして臨んだ試合でした。結果としては最後に負けてしまって悔しいのですが、終盤まで好ゲームを繰り広げることができたと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

きょうはミスしてもいいからどんどんいこうと思っていて、得点も量産できましたし、ゲームコントロールをうまくすることもできたと思います。ただ少ししんどくなった時に、もたついて立て直すことができなかったので、そこが反省点だと思います。

――試合前はどういったことを話し合いましたか

戦術的な面で言えば、相手は体格があって、ポストを使ったプレーをしてくるということが分かっていたので、それをどれだけ守って勝負どころに持っていけるかということを話し合いました。オフェンスは、間を強く割っていこうということと、どんどん速攻につなげようということを話しました。

――これまで対戦したチームと比べて、今回対戦したトヨタ車体はどういった違いがありましたか

何もかも違いましたね。まず体格が他の実業団チームよりも大きくて、いろいろな技術であったり、お手本になるようなプレーも多かったです。

――ただそのトヨタ車体相手にここまでやれたことは、自信にもなったのではないですか

通用するプレーもたくさんあって、それはすごく自信になりましたし、次のステップで成長していくチャンスをもらえたのかなと思います。

――早大ハンドボール部として最後の試合となりました。この4年間を振り返っていかがですか

本当に4年間あっという間で、すごく楽しかったですし、自分自身の成長をすごく実感できる4年間でした。同期を始め、スタッフのみんなにも感謝していますし、今の自分があるのは、みんながいたからこそだと思っています。本当に感謝しています。

――後輩の方々にはどういったことを伝えたいですか

ワセダらしさというか、ワセダがどういうチームなのかということを伝えてきたつもりです。それをわかってくれればうれしいですし、ワセダの強さをこれからも伸ばしていってほしいと思います。

――最後にこれまで応援してくださった方々にメッセージをお願いします

本当にたくさんの方々に応援していただきました。僕らはコートで恩返しするしかないのですが、自分たちは最後に優勝というかたちで恩を返すことができませんでした。ただ、少しは楽しんでもらえるような試合をできたのかなと思いますし、次のステージでも頑張りたいと思います。

中野裕通(スポ4=兵庫・神戸国際大付)

――きょうの試合を終えての感想をお願いします。

日本リーグ1位にあのような良い試合をできるとは思っていなかったので、楽しかったです。

――そのトップクラスチームの印象はいかがでしたか

思ったよりいけたので、あれという感じでした。接戦だったので、もしかしたらいけるかなという印象でした。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

実業団なので、最初からシュートを外してきませんでした。もっと早めに対応していたら、もう少し変わっていたかなと思いますね。

――今大会振り返っていかがですか

正直僕は勝ち負けより楽しめれば良かったですが、とにかく楽しかったです。

――ハンドボール部での四年間いかがでしたか

すごく楽しかったですね。いまから自由になるので、自立という言葉を覚えて、しっかり頑張りたいと思います(笑)。

――後輩たちに向けて一言お願いします

あまりお酒飲みすぎるなよと、頑張れよとだけ伝えておいてください。

岩本岳(スポ3=東京・早実)

――きょうの試合を振り返って

あれだけ体格差がある中でよく好ゲームができたなという印象です。らいねんにつながるいい試合ができました。

――どういった意識で試合に臨みましたか

格上相手のこの試合の雰囲気をみんな楽しんでいました。

――今大会通じて、ワセダのハンドボールが高いレベルでも通用しました

そうですね。やることやってシュートを外さなければ、湧永製薬やトヨタ車体とも互角の試合をしたり勝ったりできると分かったので、非常に自信になりました。今後やるべきことも明確になったのでよかったです。

――実業団と戦って足りないと感じた点は

きょうもトヨタ車体と戦って何人も突き飛ばされてしまっていたように、体格の差はありました。ゲーム運びもとても上手だったので、そういった部分は僕たちも身に付けるべきだと思いました。

――後半のタイムアウトではどういった話をしましたか

あそこで離されたら終わりだったので、1本ずつ1本ずつ、ということを声かけしました。

――らいねんからは主将としてチームを率います

雄斗さん(東江、スポ4=沖縄・興南)ら4年生の主力が抜けるので、間違いなく苦しいシーズンになると思います。その中で僕らがいかにインカレ優勝を目指して頑張れるかが鍵になります。主将としてインカレの優勝旗を東伏見に持ち帰れるように頑張ります。

川島悠太郎(スポ3=福井商)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

トヨタ車体はフィジカルがすごく強くて、よく知っているチームです。試合前から僕たちも筋トレなどを頑張ってきていたので、強く当たって大学生らしいプレーをしようと心がけて試合に臨みました。

――きょうの相手のディフェンスは今までの相手とは違いましたか

間を割るのが怖くて、リスタートシュートに頼ってしまった部分がありました。それが結構入っていたので良かったのではないかと思います。

――対戦してみての相手のディフェンスの印象はいかがでしたか

一人一人がすごく強かったです。一人抜いてもすぐにフォローが来て潰されてた感じがあったので、本当に間を割るのが怖くて。僕ももっと強い体をつくりたいなと思いました。

――きょうはロングシュートがよく決まったような印象を受けましたが

ロングシュートは得意としていて、センターの東江さん(雄斗、スポ4=沖縄・興南)が僕の打ちやすいようにスペースを作ってくれて思い切り打てたので、それがいい結果につながったのではないかと思います。

――今大会はフローターとして出場されましたが、いかがでしたか

練習ではフローターをやっていたのでやりにくさはそんなになくて、シュートもよく入っていたのでよかったと思います。

――得点を量産されましたが

エースポジションなのでどんどん打っていこうと思って、思い切り打っていけたのが得点につながったので良かったかなと思います。

――自信にはなりましたか

ロングシュートだけというところもありましたが、実業団相手でも通用したので自信にはなりました。

――課題は見つかりましたか

きょう特に思ったのですが、間を割りにいったり、もっと周りを生かすプレーなどができるようになれば、もっと得点やチームにとっていい影響を与えられるのではないかと思います。

――今後は中心選手として期待されると思いますが、どのようにチームを引っ張っていきたいですか

いままでは自分勝手にやってきた部分もあって4年生に引っ張ってきてもらいましたが、ことしは最上級生になるので声かけであったり、得点であったり、全体的にチームを引っ張っていけたらいいなと思います。

――いままでは東江さんという存在が大きかったと思いますが、どんな存在でしたか

試合ではオフェンスでもディフェンスでもすごく頼りになりますし、プレー面だけでなく試合の流れとか、チームの雰囲気とかを引っ張ってくれる存在でした。いなくなると厳しい部分もあるとは思いますけど、僕もそのような選手になれるようにらいねんから頑張っていきたいと思います。

――最後に今後の目標をお願いします

ことしは春秋共に(関東学生春季・秋季)リーグ戦では6位、インカレ(全日本学生選手権)では2位だったのですが、この日本選手権でみんなも自信がついたと思います。春リーグまでまだ期間はありますが、冬に練習をもっとして、『3冠』を取れるようにもう一回頑張っていきたいと思います。

松本光也(社2=神奈川・法政二)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

正直 なところ点差的にはあと少しで、勝てるチャンスがあったので勝ちたかったかなというのはあります。

――悔しいという思いが強いですか

悔しさよりは、ここまでできたという達成感もあります。

――きょうはトヨタ車体との対戦でしたが試合前はどんな戦略を持って臨みましたか

トヨタ車体はフィジカルをチームカラーとしてやっているチームです。僕らも筋トレに力を入れて体作りを頑張っているので、そういうところに対して僕らもどれだけやっていけるのか挑戦しようと臨みました。

――実際に戦ってみての相手のフィジカルの印象はいかがでしたか

やっぱり圧倒される部分も多かったですけど、もっと頑張れば戦える部分もあるかなというところはありました。

――きょうのチーム全体のディフェンスはいかがでしたか

やっぱりやられてる部分は多かったと思いますが、粘って粘っていいディフェンスができたところもありました。そういういいディフェンスをした時にGKがうまく止めてくれという感じでした。

――きのうと比較してきょうの試合はいかがでしたか

終始リードされてて追う展開だったので、入りからもっと手こずらずいけていたらまた違った展開になったのかなと思います。

――攻撃面でのご自身のプレーはいかがでしたか

今大会通して、攻撃は上3枚のフローターに頼っている部分があるかなと感じました。今後プレーの幅を広げていくなら、僕やサイドがもっと頑張らないといけないという課題が見つかりました。

――今後の課題としてはプレーの幅を広げるということでしょうか

ポストやサイドが絡んだプレーで上がもっと生きるようにしたりだとか、ポスト、サイドで点が取れるような練習をしたいです。

――今大会の結果は自信にはなりましたか

かなり自信にはなりましたが、4年生の雄斗さん(東江、スポ4=沖縄・興南)と中野さん(裕通、スポ4=兵庫・神戸国際大付)に頼っている部分があると思います。今後はいなくなってしまうので、その穴を早く埋めて次につなげていきたいと思います。

――最後に今後に向けての意気込みをお願いします

春秋の(関東学生春季・秋季)リーグ戦は6位で終わったんですけど、インカレ(全日本学生選手権)で2位までいったのは4年生の力なので、もっとチャレンジャー精神を持って、まずは春季リーグに向けて頑張っていきたいと思います。

伊舎堂博武(社1=沖縄・興南)

――きょうの試合はどのような意気込みで臨まれましたか

相手は昨年(日本リーグ)1位の実業団ということで、チャレンジャーとして臨みました。

――実際に戦ってみて、相手の印象はいかがでしたか

やはり大学生とは違って、体格がしっかりしています。最後の踏ん張り時で得点ができるというところは実業団の強さかなと思います。

――2点差という結果についてはどのように受け止めていますか

結果は負けですが、実業団チームに最後まで粘ってついていけたのではないかと思います。

――実業団チームと戦ってみて、まだ足りないと思う部分はありましたか

足りないのはフィジカルだと思っています。そのフィジカルをつけただけではまだ対抗するのは難しいと思います。考えながらプレーすることも練習して、それと同時にフィジカルの方もトレーニングしていきたいです。

――収穫はありましたか

通じるプレー、通じないプレーも大学と違ってはっきりしてきました。通じなかったプレーを磨いて通じるようにするか、パターンを増やしていくか、練習していきたいと思います。

――今大会ベスト8まで勝ち残れたことに対して

最初は気持ちが入っていなくて、勝てるかなという考えでした。ですが、いざ試合になってみると勝ちたいという気持ちが大きくて、コートの中で一生懸命できたと思います。

――最後に来季に向けて意気込みをお願いします

来年は4年生の東江さん(雄斗、スポ4=沖縄・興南)、中野さん(裕通、スポ4=兵庫・神戸国際大付)のキープレーヤーがいなくなってしまうので、そこを埋める人が出てきてくれたら助かります。僕も先輩に頼ってばかりで、今回も(相手が)対応できるプレーをしていたので、来年は自分がチームを引っ張るという気持ちで頑張っていきたいです。

小畠夕輝(スポ1=岡山・総社)

――きょうは3枚目に抜擢されました

僕が3枚目に入る練習というのはあまりやってこなかったのですが、きょう実業団相手にやってみていくらか手応えを感じた部分とそうでない部分がありました。

――そうでない部分とはどういったことですか

やはり実業団はフィジカルがあるので押し込まれてしまいました。力の差が大きかったです。

――今大会通じて、ワセダのハンドボールが高いレベルで通用しました

実業団相手にこれだけ通用して、中でもトヨタ車体は強い方なのでこれだけいい試合ができてよかったです。

――きょうは小畠選手はオフェンスでも1本上から決めることができました

気持ちよかったです、最高です(笑)。

――らいねんは小畠選手もオフェンスの要となることが期待されると思います

もし出る機会があれば今以上に活躍できるように頑張りたいです。