応援部

2015.12.17

第52回定期演奏会  12月14日  東京・新宿文化センター

メロディーに乗せて、いざ「冒険」の世界へ

 ことしで第52回を迎える応援部吹奏楽団定期演奏会。シンフォニックステージ、ポップスステージ、ステージマーチングショーの3部からなり、盛りだくさんで華やかな演奏会は大成功に終わった。その中でもワセダのドリルステージ(※1)の歴史は50年にも及ぶ。節目のステージともいえる今回のテーマは「ADVENTURE」だ。「勝ちたいという思いを音に乗せ選手に届けることが使命」(野島洋一朗、創理4=東京・学習院)と普段は体育会各部の応援を中心に支える立場としての活動にいそしんできた吹奏楽団がこの日は主役として客席を大いに魅了した。

 第1部のシンフォニックステージ、一曲目を飾ったのは『カーテン・アップ!』。明るい冒頭はステージの幕開けにふさわしい。指揮を務めたのは串田明日香(教4=東京・立川)。異なる曲調を織り交ぜ様々な場面を表現。第2部のポップスステージは『ファンタジー・アドベンチャー・アット・ザ・ムービーズ』で始まる。様々な映画より厳選された楽曲が取り入れられ、テーマである冒険の世界観を見事に表現。続く『魔女の宅急便コレクション』、聴き慣れたメロディーの数々に観客の心の中では映画の一部が再現された。「全員に楽しんで頂ける選曲を」(添田瑠璃演奏会企画責任者、文4=静岡・韮山)とその言葉通り、多くの人に満足してもらえるステージとなった。

客席と一体となるステージ

 第3部のステージマーチングショーも『銀河鉄道999』、ディズニー映画アラジン挿入歌『A WHOLE NEW WORLD』など耳馴染みの曲を演奏。カラーガード(※2)による演出、チアリーダーズとの共演は目と耳で観客を楽しませた。そしていま話題の「STAR WARS」をドリル演奏で表現。迫力のある隊形移動と演奏で会場を宇宙内乱の世界へと導いた。また、セットリストには存在しない『早稲田大学校歌』、『早稲田の栄光』、『応援曲メドレー』、『紺碧の空』の演奏に客席からは大きな手拍子が寄せられる。最後の最後までワセダ、そして応援部吹奏楽団らしさを感じさせる舞台となった。

ドリルステージ初演から続く「W」の隊形

 4年生にとって定期演奏会は集大成の場だ。「ドリルステージで見たお客様の入りは今までで一番良かった、それが一番嬉しい」と佐藤成美演奏会広報責任者(社4=新潟)。4年間に渡る応援生活の締めくくりとしては最高のステージだったといえる。幹部の勇姿は見る人、そしてステージ上の後輩たちの心に響いたのではないだろうか。伝統ある吹奏楽団のメロディーは途絶えることなく引き継がれる。

※1 楽器を吹きながらパフォーマンスをしたり、隊形を作って視覚的に楽しませるステージ。

※2 マーチングにおいて旗などを使用して舞い、視覚的表現を行うパートのこと。

(記事 難波亮誠、写真 橋本望)

コメント

野島洋一朗吹奏楽団責任者(創理4=東京・学習院)

――責任者挨拶より

お忙しい中、私たち早稲田大学応援部吹奏楽団第52回定期演奏会にお越しいただき、ありがとうございます。私、ただいまご紹介に預かりました早稲田大学応援部吹奏楽団責任者を務めております、野島洋一郎と申します。どうぞよろしくお願いします。
突然ですが皆さまは、普段神宮やその他の場所で選手を応援する際に演奏している応援曲メドレーを、どのような印象でお聴きになっていらっしゃいますでしょうか。皆さまは早稲田大学の応援席にいらした際、多くの方は目の前の白熱した試合であったり、あるいは前で楽団を率いて必死に応援しているリーダー、チアリーダーズに目を奪われ、私たちの演奏は、正直あまり覚えていらっしゃらないという方も多いのではないでしょうか。しかし私は、そちらで良いと思っております。なぜならそれは皆さまが「試合に勝ちたい」という強い思いを、ハリセンでたたいて、あるいは声に出したりして、私たちの応援曲に乗せてくださっているからです。私たちは選手に、「勝ちたい」という思いを音に乗せて届け、選手を後押しするのが使命のバンドです。その私たちにとって、皆さまが手をたたき、声を出し、私たちと一緒に盛り上がって応援してくださることは、これ以上ない喜びであり、また私たちにとってかけがえのない誇りであると思っております。普段は皆さまの思いを背に応援させていただいている私たちでございますが、本日は皆さまに日ごろの感謝を込め、演奏させていただきます。私たちが披露する「冒険」の舞台を、ドキドキやワクワクを感じていただければ幸いです。最後になりますが、この演奏会を開催するにあたりご指示を賜りましたすべての方々、そして何より一年間誰よりも支えてくださったご家族の方々に、厚く御礼申し上げ、私からの挨拶に代えさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。

並木早穂演奏会運営責任者(文4=京都成章)

――きょうの演奏会を振り返っていかがですか

部員、新人みんなが生き生きした顔をしていて、お客さんの入りもあったのでやり甲斐があったなというのが印象です。

――運営責任者としてどのような準備をしてきましたか

運営責任者は前準備が多いのですが、色んな業者の方と連絡をしたり懇親会のタイムスケジュールを決めたりですとか、たくさんの方々と関わっているので皆さまへの感謝を部員に還元できるように、伝えられるようにやってきました。

――印象に残っている場面はありますか

応援曲メドレーのアンコールの時がお客さんの顔がとても明るくて、部員も一番の笑顔が出せたのかなと思います。

――普段の応援と違う部分はありましたか

場所も違うのですが、部員全員の気持ちを込められる曲ということで、お客さんに楽しんでほしいという思いが一番表れたのではないかと思います。

――点数をつけるとしたら何点でしょうか

120点を(笑)。

――後輩の方に向けてメッセージをお願いします

私たちは引退するのですが、この早稲田大学応援部吹奏楽団という団体は本当に色んな方々からたくさん応援していただいて活動できている部活なので、その人たちに対して感謝の思いを忘れずにこれからも吹奏楽団としてやれることをやってほしいなと思います。

添田瑠璃演奏会企画責任者(文4=静岡・韮山)

――きょうの演奏会を振り返っていかがでしたか

あっという間でした。今まで大変なこともたくさんあったのですが、演奏会をこのメンバーでここまで作ることができて良かったなと思いますし、このメンバーの中で4年間続けてきて良かったと思います。

――今回の定期演奏会は『ADVENTURE』というテーマでしたが、このテーマはどのようにして決まったのですか

年によってはそこまで一貫したテーマがない年もあるのですが、ことしは一つ何か世界観を表せるようなキーワードを考えたいということで、スタッフや演奏会の運営の責任者たちと一緒に考えました。皆でやりたい曲を挙げていきながら、この曲の中にはどういう共通点があるのかなということを考えて決めました。『ADVENTURE』というテーマにはお客さんにワクワク、ドキドキしてほしいという気持ちや、自分たち自身も冒険家のようにどんどん挑戦していく気持ちを忘れないでいたいという思いも込められています。

――企画するにあたり特に工夫された点を教えてください

全部を通して意識していたのは、自己満足ではなく、お客様に楽しんでもらうということ、お客様に何を伝えたいかということです。キッチン用品を使った企画なども取り入れたのですが、正確さどうこうというよりも自分たちが楽しい様子をいかにして見せるかを大事にしてほしいということを伝えてきたつもりですし、そこは皆意識してくれたのではないかなと思います。

――魔女の宅急便やディズニー映画「アラジン」の挿入歌など、馴染み深い曲が多かったように感じましたが、それもお客さんに楽しんでもらうためでしょうか

そうですね、吹奏楽の定番や「STAR WARS」など耳馴染みがある曲が多かったです。やはり来てくださるお客様は吹奏楽に詳しい方ばかりではないので、全員に楽しんでいただける選曲を意識してスタッフたちも考えてくれました。

――先日行われた一週間に及ぶ合宿ではどのような点に重点をおいて取り組まれましたか

形にしていく、演奏会としてしっかり見せられるものにしていくというところが一番の課題だったので、そこまで一曲一曲作り上げてきたものをどのようにして一つの演奏会という形にまとめていくかということをやっていけた一週間だったかなという風に思います。

――応援部での4年間を振り返っていかがでしたか

何度もやめようと思ったのですが、このメンバーに囲まれて4年間やってきて、本当に辞めなくて良かったなと思います。

――後輩たちに向けてひとことお願いします

ここまで一緒に活動してくれて、演奏会を作ってくれてありがとうという感謝の気持ちと、これからは君たちの時代だ!と伝えたいです。

佐藤成美演奏会広報責任者(社4=新潟)

――きょうの感想をお願いします

本日は自分の出来というよりも、周りの人の成功だったりとか、後輩の成功がすごく嬉しかったです。

――きょうのステージで一番記憶に残ったところは

ドリルステージの最後にカンパニーといって全員で前に出るところがあるのですが、あそこはすごく、やはりいままでの練習とは違って感無量さがありました。

――今回、演奏会の広報責任者ということですが、仕事として主に何をなさっていたのですか

二つありまして、演奏会の来場者数を増やすということと、演奏会を開くためにお金が必要なので、地域の方々や早稲田大学応援部にゆかりのある方々、興味を持って下さる方々に広告を出していただくというお仕事をしていました。

――その仕事をしている中で一番苦労したことは

いままで私が在籍していた中で、来場者数が千人を超えたことが記録上ではありませんでした。ことしは絶対に4桁に到達しようという目標を掲げて、色々な企画を行ったのですが、色んな方に本当に届いているかどうか、例えばフェイスブックの企画で去年とは違うものをたくさんやったり、早慶陣中見舞いといって、野球の早慶戦に絡めて定期演奏会でケイオーとの絡みを作ったりですとか、色々な方に興味を持っていただけるような企画をやったんですけれども、反応はやはり当日まで分からないというのがやっていて不安でした。

――一番この仕事をやっていてよかったなと思った瞬間を教えて下さい

ずばり、先ほどドリルステージで幕が開けた時のお客様の入りですね。いままで見た中で一番良かったと思いました。それが一番、嬉しいです。