フェンシング部

2015.11.12

全日本学生選手権 11月10日 東京・駒沢体育館

甘粕、劇的な逆転勝利!

 全日本学生選手権(インカレ)2日目。この日は男子サーブル個人、女子エペ個人の2種目で熱戦が繰り広げられた。男子はミラクルな大逆転勝ちをした甘粕貴大(社5=神奈川・サレジオ学院)のベスト16が最高。女子は山村彩和子(教3=岡山・玉野光南)と才藤歩夢(スポ1=埼玉栄)がベスト8に入った。

 甘粕が大舞台で大逆転勝利を収めた。「悔いなく出し切ろう」(甘粕)と臨んだ最後の全日本学生選手権(インカレ)。迎えた初戦、序盤で流れをつかみたい甘粕だったが「訳の分からない状態だった」という言葉通りまさかの8連続失点。致命的ともいえる0-8というスコアで前半を折り返す。そんな中、焦る甘粕とは対照にベンチにいた仙葉恭輔は平静を保っていた。その落ち着きを見て「冷静さを取り戻せた」(甘粕)と仕切り直し。このままでは終われないと言わんばかりに息を吹き返した。驚異的な粘りで諦めることなく攻め続け、ついに14-14になり一本勝負で雌雄を決することに。どちらの選手が勝つのか、会場も息をのんで見守る。その緊張した空気を狂気にも満ちた甘粕の剣が切り裂き相手を突き切った。まさに奇跡といえる勝利。ガッツポーズを見せる甘粕を仲間たちも総立ちで祝福した。目標としていたベスト8には届かなく悔しさは残る。しかし、2回戦でも一本勝負を制するなど最後まで諦めないその勇姿は後輩の目に焼き付いたはずだ。

勝利を決め渾身のガッツポーズをする甘粕

 女子エペ個人は上位進出が期待された山根司(スポ4=香川・三本松)がまさかの2回戦敗退。そんな中、山村と才藤がベスト8と奮闘。山村は「ボロボロだった」と予選を振り返ったが2回戦では苦手とする相手を倒すなど関東学生選手権(関カレ)でこの種目2位に入った地力をみせた。才藤は目標にしていたというベスト8に入るも「まだ上には上がいる」と満足はしていない。準々決勝では左利きの相手に苦手意識を持ってしまったことを反省。高みを目指すルーキーは更なるレベルアップを誓った。

ベスト8に入った山村

 それぞれに収穫と課題を手にした個人戦。しかしまだ団体戦が残っている。史上最強との呼び声高い男子サーブル陣と関東学生リーグ戦(リーグ戦)、学生王座決定戦(王座)、関カレに続き4冠目を目指す女子エペ陣の奮闘に注目したい。仕切り直して前進あるのみだ。

(記事 山田周史、写真 松本理沙、加藤佑紀乃)

結果

▽男子サーブル

甘粕貴大(社5=神奈川・サレジオ学院) ベスト16

2回戦:○15ー14 水上竜斗(専大)

3回戦:○15ー14 吉井想(法大)

4回戦:●6-15町田拓哉(慶大)

佐々木勇歩(スポ5=静岡・沼津東) 2回戦敗退

1回戦:○15-6 青路恒幸(日大)

2回戦:●13ー15 柳嘉亮(法大)

安部凌(スポ4=島根・安来)2回戦敗退

1回戦:○15ー8 片岩準(同大)

2回戦:●13-15片岩和紀(中大)

山本隼大(スポ3=香川・三本松) 2回戦敗退

1回戦:○15ー9 猪野泰輝(関大)

2回戦:●12-15 白井寛夢(中大)

奥村祥大(教4=京都教育大付属) 1回戦敗退

1回戦:● 11-15 上田祐樹(中京大)

▽女子フルーレ
山村佐和子(教3=岡山・玉野光南) ベスト8

1回戦:○ 15―9 西川有紀(関大)

2回戦:○10ー8 中野紗希(朝日大)

3回戦:○15-9 上山芽依子(東女体大)
準々決勝:●14-15 横井七恵(日大)

才藤歩夢(スポ1=埼玉栄)ベスト8

2回戦:○15ー7 鈴木穂波(日大)

3回戦:○15-10 三角理恵(関大)
準々決勝:●10-15 黒木夢(日大)

山根司(スポ4=香川・三本松) 2回戦敗退

1回戦:○15ー8 高木まりな(朝日大)

2回戦:●13-15 渡辺優香(関大)

伊藤由貴(スポ3=東京・東亜学園)2回戦敗退

2回戦:●12-15 能勢葉月(専大)

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コメント

以下コメントコピペ

甘粕貴大(社5=神奈川・サレジオ学院)

――学生生活最後のインカレ、どのような気持ちで臨みましたか

全日本に繋がっている大会ではあるのですが、練習を積み重ねてやった上での試合というのは今回が最後だなと思って親への感謝の気持ちも持ち、悔いなく出し切ろうと思って試合に臨みました。

――劇的な勝利を収めた1回戦について

最初0-8と大量リードされて前半を折り返して、緊張していたのかは分からないのですが、訳の分からない状態でした。勝利に繋がった一番の要因はベンチに入っていた仙葉恭輔(スポ4=秋田南)の存在だと感じています。自分が焦っている中で恭輔は落ち着いていてそれで冷静さを取り戻せたことが良かったと思います。あと、これで負けたら全日本選手権にも出れなくて、出れるなら出たいと思っていましたし、最後の試合こんなんで負けてたら嫌でした。結果がついてきて何よりなのですが勝ててよかったです。

――1回戦どのあたりからもしかしたら勝てるかも、と思いましたか

実際0-8から次入った時に最初の1点は取れたのですがそのあとまた取られて1-9になって、その後立て続けに点を取れて10-13になった時にまだチャンスはあるな、と思いました。しかしその後に1点取られて10-14になって正直負けたと思いました。

――気迫で相手を圧倒した、という印象を持ちました

自分は大学から始めたので気合で負けたら技術面で勝てない部分があると思うので、気合を前面に出しました。

――1回戦に続き2回戦でもミラクルを起こしました

今思うと2回戦も10-14から勝てました。1回戦で自分としては死んだつもりだったので開き直って冷静に出来たのかなと思います。上から味方が応援してくれて、こういったら何ですけど審判も動かされったていうか、今のは負けたかなと思った時もなしになるなど良い流れだったと思います。

――次のベスト8を懸けた試合では負けてしまいました

昨年のインカレはベスト16で敗れてベスト8に入れませんでした。ベスト8からは選手紹介があるのでベスト8には入りたいと思っていたのですが、完全に相手が一枚上だったなと感じます。でも自分のやることは全部やって負けたので、これが結果なのかなと。

――インカレでの個人戦を総括して

個人としては最後まで何が起こるか分からないなと思いました。後輩にそのことをみせられてうれしいと感じています。自分も人生であんなに追い込まれたことはなかったのでいい経験になりました。

山村彩和子(教3=岡山・玉野光南)

――今回はどのような意気込みで挑みましたか

けがから復帰して関カレが(個人で)2位と思った以上に良くて、インカレもその調子で行けるかといったらそんなに甘いものではないので、まずは自分をしっかり出して悔いの残らない試合をしようと思い臨みました。

――きょうのベスト8の成績は

予選が本当に悪くて、予選落ちするかもしれないと不安になるくらいボロボロでした。しかしなんとか通過して、ベスト8への試合でいつも負けたりしている選手に勝って(ベスト)8に入ることができたのは良かったです。

――予選が不調だった要因は

予選は私は攻めるということは焦って怖がっているということなので攻めると良くないのですが、今回は我慢できずに攻め続けてしまって良くなかったところが出てしまいました。

――その中でベスト4決めまでの試合は安定した試合運びでした

最初はどっちも同点くらいで上がっていたのですが、予選は前に攻め過ぎて失敗してしまって、攻めて後悔するよりも自分のできなかった守りを徹底的にしようと考えていてそれが出せたので良かったです。

――先ほど2回戦は負けることも多い苦手の相手とおっしゃっていましたが

相手はリーチも長いし、スピードもあるので攻めに徹しては負けてしまうので、1セット目はノンコンバッティビティと言って流して、2セット目から攻めようと考えていました。2セット目で3-3で、最終セットに懸けようという気持ちで最後挑みました。最終セットは戦略が功を奏して、取るんじゃなくて取られるところを狙っていた結果勝利することができました。

――準々決勝はどういった意気込みで挑みましたか

よく当たっていた選手でしたが、絶対に無理だというような選手じゃなかったのですが…。ここまできたら楽しくやろうと思って試合していたのですが、それが裏目に出てしまいました。せっかく14-12とリードしていたにもかかわらず、後手に回ってしまって考えが甘かったなと反省しています。

――14-13と1点取られてしまった状況で機材トラブルで時間が空きましたが

時間が進まなくて私も言えれば良かったのですが、私も焦っていましたし目の前の一本に集中していたので言えませんでした。そこで一回切り替えられれば良かったのですが、きちんとできなかったのが反省としてあります。

――その中で一本勝負となりましたが、どのような考えでしたか

相手に優先権が出ていたので、自分が前に出たら、相手が出てくると思っていてその出際を狙っていたのですが、相手の技術が上回っていました。

――最後に今回の反省と次回への抱負をお願いします

今回は全体的に5本勝負では予選では良い成績を残すことができませんでしたし、トーナメントでも最初は結構拮抗(きっこう)していたので、それでは団体戦ではこの5本で差をつけないとチームに貢献できる選手にはなれないと思います。なので、その点は気を引き締めて、自分のプレーをしながらチームのみんなにもアドバイスしつつチーム全員で勝って行けたらいいなと思います。

才藤歩夢(スポ1=埼玉栄)

――今大会にはどのような目標で挑まれましたか

関カレ(関東学生選手権)のときにインカレ(全日本学生選手権)の目標はベスト8と言ったので、結果的にベスト8に入れたのはうれしいですが、もっと上を目指したかったです。1試合目からキツかったのですが、ベスト8に入れるように気を引きしめて挑みました

――予選の結果に関してはいかがですか

予選は全勝したのですが、目標としては1位上がりを目指していました。ですが、1点差で2位あがりだったので、少し悔しいですね。

――1位と2位ではトーナメントの当たりが大きく変わるのでしょうか

そこまで変わらないのですが、最終結果の順位に影響します。なので1位上がりしたかったのですができませんでした。

――トーナメントの初戦は大差での決着となりましたね

相手はすごく強い選手で本当は1試合目から当たるような選手ではなかったのですが、その方のプールは強い人たちが集まっていたので、「いきなりこの人と当たるのか」という感じでした。何年か前に15本勝負をしたときは今回と逆のような点差で負けていたので、それ以来初めて対戦しました。最初から気持ち的に落ちていたのですが、気持ちを切り替えてやってやろうという思いで臨んだので、それが大きかったかなと思います。

――試合を見ていたのですが、そういった不安な気持ちを感じさせない内容でした

まず最初にやられてしまっていたらどうなっていたか分からないのですが、実際最初にリードできたのは大きかったです。

――序盤のリードという点では、準々決勝は逆に大きくリードされてしまう展開でしたが、そこで気持ち的に落ちてしまった部分はあったのでしょうか

ありましたね。5点開いてしまうと結構差を縮めるのが大変なので、そこでメンタル的にうわ〜となってしまいました。取り返すしかなかったのですが、結果的にはやっぱり難しかったですね。

――点を取り返すための具体的なプランはあったのでしょうか

あのときは最初の失点の分で試合が相手のペースになってしまっていました。相手が来たところに何かすると遅れてしまうので、自分から仕掛けるということをやろうとしたのですが、なかなかうまくできなかったです。頭ではこれをやろうと考えていても、それをきちんと実行できなかったというのが敗因かなと思います。

――負けてしまった一番の要因は何だったのでしょうか

まず、自分が左利きの選手との対戦に苦手意識があったのと、左との戦い方ができていないという点が挙げられます。

――左利きの選手はあまり多くないのでしょうか

そうですね。そんなに多くないですし、練習でも対戦する機会が多くないです。

――今後は左利きの選手との対戦ということが課題として挙げられるのでしょうか

右利きとの戦いでもまだまだしなければいけないことはあるのですが、まず左利きはその時点まで行っていないので。左利きと当たるってなると「あー、左か」というような気持ちになるので、苦手意識をまずつくらないことが課題です。

――今回、関カレに続いてのベスト8入りとなりましたが、結果に関してはいかがですか

ベスト8に1年生で入ったのが一人だけだったので、それは良かったかなと思うのですが、上には上がいるので満足はしていないです。

――きょうで女子エペの個人戦が終わりましたが、次は団体戦が控えています。そこへの意気込みをお願いします

関カレのように最初の対戦相手が楽ではないので、1戦目から厳しい試合になると思うのですが、自分のできることをまずやって、点は取って、あとは盛り上げていきたいです。