ハンドボール部

2015.11.10

全日本学生選手権 11月8日 北海道・函館アリーナ

熱戦を演じ観客を魅了、胸を張って大会を去る

 北の大地・函館で行われている全日本学生選手権(インカレ)。この日は同じ関東学生リーグに所属する日体大と2回戦で激突した。前半を3点ビハインドで折り返した早大だったが、後半は千葉絵里子主将(社4=東京・文大杉並)のサイドシュートや、芳村優花(教2=愛知・星城)のロングシュートなどでリードを縮め、同点のまま60分間を終える。その後の延長戦でも一進一退の攻防が繰り広げられ、異例の第2延長戦へ突入。何度リードされようと必死に食らいつき、チーム一丸となって勝利を目指した早大だったが、最後はあと一歩及ばなかった。最終スコア26−27での惜敗。素晴らしい戦いを披露しながらも、全国の舞台から姿を消すこととなった。

 勝てば創部史上初のインカレ2回戦突破が決まるこの試合。立ち上がりこそいきなり4連続失点を喫したものの、その後は徐々に落ち着きを取り戻した。全員が連動して相手の速攻やセットオフェンスを守り抜き、速攻を軸に得点を重ねていく。3点のリードを許し前半を終えたが、後半の巻き返しを期待させる内容での折り返しとなった。

要所での得点でチームを盛り上げた千葉主将

 迎えた後半、立ち上がりに高田美沙(スポ4=千葉・昭和学院)がファインセーブを連発しチームを勢いに乗せると、後半10分には森本方乃香(スポ4=愛知商業)が獲得したペナルティースローを正木優唯(スポ3=京都・洛北)が冷静に決め、同点に追いつく。さらに24分にはキャプテン千葉が見事なサイドシュートを股下に決め、ついにこの試合初となるリードを奪った。さらに、その2分後には芳村の見事なロングシュートがネットを揺らし、リードを2点に広げる。しかし、勝利まで残り30秒のところで1点差に詰め寄られると、残り7秒の土壇場で追いつかれてしまった。

 「自分たちがやってきたことをしっかりやろう」(小林稚菜、スポ4=東京・小金井北)と意気込み臨んだ延長戦。高田の好守、そして千葉の2得点で同点のまま前半を折り返した早大は、後半兒玉菜夏(スポ4=富山・高岡高陵)が落ち着いて速攻を決め、貴重なリードを奪う。しかしラスト1分、相手にペナルティースローを決められ、またもや終了を目前にして勝利を逃してしまった。延長戦でも決着がつかなかったため、試合はそのまま2度目の延長戦に突入。前半に2点のリードを許した早大だったが、後半開始直後に森本が巧みなステップからロングシュートを決めると、その1分後には内海菜保(スポ2=香川・高松商)からの正確なパスを受けた森本が完璧なスカイプレーを決め会場をどよめかせた。だがその後追加点を奪われると、最後はわずかに逃げ切られて万事休す。攻守において積極的なプレーを展開していただけに、なんとも悔しい結果となってしまった。

『チーム力』を発揮した

 「本当にいい試合だった」(千葉主将)。選手たちはこの日まで積み重ねてきたものをいかんなく発揮し、しのぎを削ってきたライバルに正々堂々立ち向かった。何度リードを奪われても決して諦めず、チーム全員が一つになって戦う姿は、多くの人たちの心に響いたはずだ。試合後、選手たちは「悔しい。でも楽しかった」(森本)、「みんなを信じてプレーできた」(高田)といった前向きな言葉を笑顔で語ってくれた。4年生にとってはこれが事実上の引退試合。「後輩には自分たちの分までリベンジしてほしい」(小林)という思い、そして「本当にありがとう、という気持ちでいっぱい」(千葉主将)という感謝を胸に、それぞれが新たなステージへと旅立って行く。後輩たちは先輩からの熱い思いとともに、きょうからまた新たな一歩を踏み出す。来年は31人全員がより強く、たくましくなった姿を必ずや見せてくれるはずだ。

(記事 栗村智弘、写真 寒竹咲月、藤巻晴帆)

全日本学生選手権
早大 26 8−11
12−9
2-1
1-1
0-2
3-2
27 日体大
GK 高田美沙(スポ4=千葉・昭和学院)
CP 川村いぶき(社4=岩手・花巻北)
CP 森本方乃香(スポ4=愛知商)
CP 内海菜保(スポ2=香川・高松商)
CP 小林稚菜(スポ4=東京・小金井北)
CP 川上智菜美(スポ2=東京・佼成学園女)
CP 芳村優花(スポ2=愛知・星城)
コメント

千葉絵里子主将(社4=東京・文大杉並)

――試合を振り返っていかがですか

すごく悔しいですが、あそこまで粘れたということは、みんなの勝ちたい気持ちがあったからだと思うので、本当にいい試合だったなと思います。

――内容に関してはどう思われますか

後半逆転するところまではすごく流れがよかったと思うのですが、全体的にオフェンスディフェンスも詰めるところを詰めるというか、ペースをつかむことができていたら、もう少し楽に試合を進めて、勝つこともできたのではないかと思います。

――相手に離されては追いつくという展開になりましたが、実際にプレーしていてその展開に関してはどうでしたか

1試合を通して、自分たちが大きくリードをする場面がなかったということは残念なのですが、離されても我慢してついて行けたところは、本当に自分たちの粘りが出せたと思います。

――延長戦に入るときの気持ちはどうでしたか

本当に負ける気はしなくて、私自身はすごく落ち着いていて、他のみんなも冷静さの中にも闘争心が見えたというか、チームとしての雰囲気はすごく良かったと思います。

――大事な場面でサイドシュートを何本も決められていたのが印象的でした

みんなが角度の広いところまでずらしてくれたので、あとは入る気しかしなかったですし、角度が狭い時は相手の顔面付近を狙って打てば入るだろうという気持ちで、思い切って打ちました。

――試合が終わった瞬間の気持ちは

終わった瞬間は本当に悔しくて、他のチームメイトが泣いている姿を見て、勝たせてあげられなかったという気持ちが湧いてきましたし、自分も涙がこみ上げてきました。

――ただ、過去の対戦で苦戦した日体大相手にここまでやれたということは、チームが成長した証とも言えるのではないですか

自分たちではわからないところで少なからず成長してはいたと思うのですが、当然相手も成長してきていたと思いますし、最後に勝ち切れなかったことは素直に日体大の粘りに完敗という感じです。

――これで事実上引退ということになりましたが、ここまで一緒にプレーしてきたみなさんに何という言葉をかけたいですか

この1年間、私が主将として先頭に立つ立場としてやらせてもらったのですが、みんな嫌な顔一つせず、同期は本当に支えてくれましたし、下級生はいつも素直に自分についてきてくれて、本当に周りのみんなにはここまでついてきてくれてありがとう、という気持ちでいっぱいです。

――これまでワセダの一員として戦ってきた4年間を振り返ってみていかがでしたか

色々な試合を通じて、いい思いも悔しい思いもたくさんしてきたなと思います。私はすごく負けず嫌いなのですが、4年間の悔しかった思い出をきょうの試合で晴らすことができたと思いますし、4年間ワセダでハンドボールをすることができて、主将までさせていただいて、すごく貴重な経験ができました。本当に支えてくれた周りの皆さんにありがとうございましたと伝えたいです。

小林稚菜(スポ4=東京・小金井北)

――最後の試合になってしまいましたが、率直な感想は

悔しいのは本当に悔しいのですが、すごく楽しかったですし、みんなとこんなに長い時間一緒にコートにいれることってなかなかないので、本当に良かったなと思いますね。楽しかったです。

――日体大とは見ていて互角な戦いという印象でしたが、プレーしている側としては日体大の印象は

速攻のスピード感や波に乗った時本当に力があるチームなので、そういうところは強かったのですけど、自分たちがいままでやってきたことをしっかりやれば劣る部分は全くないと思っていました。あとはみんなの表情といいますか、気持ちを感じるものがすごくありました。本当に自分たちのプレーをしっかりやろうという感じで、あんまり相手のことは意識しなかったですね。

――本日はディフェンスとしての登場が多かったですが、緊張はありましたか

意外と今日は緊張しませんでしたね。

――何か理由とかは

昨日ガチガチすぎたので(笑)。きょうは初戦を終えて2回目だったからというのもあると思うのですけど、みんな声をかけてくれたので、リラックスして挑めました。

――本日ご自身の調子は

あまりオフェンスで出れることはなかったのですけど、ディフェンスは今までで一番良かったという風に思います。コーチとかにもいままでで一番良かったと言ってもらえたので。最後にしっかり今までやってきたことが発揮できたかなと思います。

――延長戦突入の前は、チームでどのようなことを共有しましたか

自分たちがやってきたことをしっかりやろうというところと、個人個人それぞれ修正したいところはしていたのですけど、やはりメンタル面といいますか。しっかり落ち着いて冷静に、なおかつ気持ち出して盛り上げてやっていこうというところで、みんなで楽しくいい雰囲気で話し合いできたからよかったなと。

――延長戦の間、疲れなどは

全く感じなかったです。全然疲れなかったです(笑)。こんなに全力でずっと動き続けてることっていままでの人生であったかなというくらい動いていたと思います。でも疲れは全く感じなかったです。

――延長ではディフェンスのブロックが多く決まっていましたが。

キーパーの美沙(高田、スポ4=千葉・昭和学院)がいろいろ言ってくれたので、美沙を信じて、自分はしっかり言われた側で当てに行くだけという気持ちでやりました。

――インカレを振り返っていかがでしたか

結果は1勝しかできなかったのですが、いままでやってきたことをしっかり発揮できたかなと思いますチームでいろいろ乗り越えてきたことで、本当のチーム力というのを目に見えて発揮できたのかなと思ってすごく楽しかったですし、最高の大会になりました。

――ワセダでのハンド生活を振り返って、いかがでしたか

すごくつらかったといえばつらかったこともたくさんあったのですけど、振り返ると楽しかったことのほうが多いといいますか。つらかったことも楽しい思い出ですね。みんなと全力で競技に打ち込んできたので、すごく楽しかったし、自分自身大きく成長できたと思います。

――最後に下級生へのメッセージを

本当に後輩たちには支えられてきたので、かわいくてかわいくて仕方がありません。自分たちができなかった分、また来年頑張ってほしいと思います。

高田美沙(スポ4=千葉・昭和学院)

――きょうの結果をどう受け止めていますか

やっぱり1点差で負けたというのは悔しいです。でも今まで10年間ハンドボールをやってて、大学生活4年間で一番楽しい試合だったなと思っています。

――リベンジを誓った相手に延長戦まで持ち込むなかで、長く試合をやれるということは楽しかったですか

そうですね。ある意味で、みんなと2試合分やった感じだったので、暗い雰囲気に一度もならなくてみんなを信じてプレーできた気がします。

――きょうも好セーブが光り、ベンチ・観客席へのガッツポーズも印象的でした

みんなにアピールしなきゃと思って。観客席にもたくさん人がいらっしゃっていたので、その雰囲気もすごく嬉しくて、楽しかったですね

――チームメイトも最高ですか

本当に最高です。後輩もすごく頑張ってくれて。ハーフタイムの時も後輩から声をかけてくれたりしたので、すごく頼りになる後輩たちだなと思いました。

――高田さんの怪我をしながらのパフォーマンスは、それは後輩のみなさんの励みになると思いますが

最後は気持ちだなというところは、後輩たちにアピールできたかなと思います。

――後輩のみなさんへの一言お願いします

1年生2年生3年生、仕事を含めてプレーの面でも4年生を引っ張ってくれて本当に感謝しかないですね。私たちの分も来年頑張ってほしいですね。頑張ってください。

――4年生のみんなには

楽しいことばかりじゃなかったんですけど、インカレ前とかも言い合って、お互い泣いたりしながら話し合って。本当にいいメンバーと試合できたなとあ。大好きな人たちとハンドボールができて楽しかったなと思います。

――この経験は次に活かされそうですか

教員志望なので、一つのことに頑張るということをいろんな人に教えていきたいなと思っています。

森本方乃香(スポ4=愛知商)

――最後の全日本学生選手権(インカレ)を終えて

勝てたらよかったですけど、勝てなかったこと以外の悔いというのはないですね。それに楽しかったです。

――終始接戦でした。関東学生リーグでも因縁の相手だったと思いますが

秋のリベンジということで、負ける気はしませんでしたし絶対に負けたくありませんでした。勝つ気しかなかったのですが、負けてしまい悔しいですね。チームの雰囲気は相手よりも上回っていましたし、相手よりも楽しめた自信があります。悔しいけどよかったという感じです。

――キーパー含め、ディフェンスがとても機能した試合でしたが振り返って

中の枝とキーパーが合っていたので、とても助けられました。約束事をちゃんと守れたといいますか、失点もしたけど何本かは許容範囲ですし、それ以上にGキーパーも止めてくれていたのでとても楽でした。

――惜しくも1点差での敗戦でした。その1点とは

きりがないのですが、「あの時守れたら」や「あの時1点稼いだら」とかを考えてしまいます。でも最後が原因だったとかではなく、もっと楽に勝てるやり方があって優位に立てていたはずだったのに、どこかで気を抜いて失点をしてしまうというようなところですかね。本当にきりがないのですが、結果論になってしまうところがあります。

――今後も続くハンドボール人生に生きる試合でしたが

とてもいい経験でした。第2延長まで行くような長い試合は中学、高校を通しても初めてだったので、今後もこういう機会があるかもしれないのでそれを経験していない人よりは生かしていきたいと思っています。

――きょうはたくさんの方々が応援しに来てくださったと思いますが、そういった方々へ一言お願いします

本当に勝って恩返しをしたかったです。それができなくて申し訳なかったというのはありますが、観客にはたくさんの人がいて感謝しかありません。親を含め、男子部の方とたくさんの方に感謝しています。

――試合後、4年生で何か話されましたか

試合後は4年生で「悔しいね、ただ悔しいね。でも楽しかったね」という話をしました。

安藤万衣子(教2=東京・文大杉並)

――いまの率直なお気持ちをお願いします

すごく悔しいです。

――延長戦までもつれ込む接戦で、どちらに転んでもおかしくない試合だったと思うのですが

最後まで全員が勝てる、って思っていましたし、長い試合をしていたんですけどあっという間にしか思えなかったです。

――きょうは相手ディフェンスの間を割れずに苦しめられた印象ですが

秋季リーグにかなり(相手ディフェンスの間を)割っていってそれを対策されてずれていない状況が多くて、それに切り替えて対応できなかったのが心残りです。

――相手ディフェンスの前で止まってしまい、そこからのミスが少し目立ってしまった印象もありますが

そうですね。(6mラインまで)引かれたら次に両45の優花(芳村、教2=愛知・星城)と方乃香さん(森本、スポ4=愛知商)に打たせるっていう切り替えができなくて、相手のディフェンス体系が変わってもうまくできませんでした。

――2-4ディフェンスになったときに、どう崩すかといったイメージはありましたか

2-4になった時にかなりテンパっていた部分もありました。絵里子さん(千葉主将、社4=東京・文大杉並)のサイドシュートがかなり入っていたので、そっち側で勝負したくて逆サイドを切らせました。そこで私側のほうに寄せて芳村にパスしてアウトにずらしてほしかったんですけど、中に中になっちゃった印象はあります。

――これで4年生は引退となってしまいましたが、4年生へのお気持ちをお願いします

4年生には本当にお世話になって、学ばせてもらいました。この長い試合を勝ち切ることができなくて、いまはまだ切り替えるに切り替えられない状況なんですけど、もっと一緒にハンドボールをやりたかったです。今回は1勝しかできなかったので、次の代は2勝3勝と増やせていけるように頑張ります。