剣道部

2015.10.28

第63回全日本学生優勝大会 10月25日 日本武道館

強豪・中大を追い詰めるも、無念の2回戦敗退

 この4学年で臨む最後の公式試合・全日本学生優勝大会(全日本)が開催された。早大は大経大との1回戦で快勝を収めるも、続く2回戦で待ち受けていたのはきょねん同大会で黒星を喫した中大。次鋒の勇佑多副将(社4=東福岡)が白星を挙げるなど、因縁の相手に選手全員が必死に戦う。しかし、勝負を懸けた代表戦であと一歩及ばず、早大は2回戦敗退となった。

 大経大との1回戦、先鋒の安井奎祐(スポ1=茨城・水戸葵陵)が引き分けると、次鋒の船橋惇冶(社2=茨城・水戸葵陵)が合いメンで先取。ここで攻撃のリズムをつかんだ早大はその後も『攻めの剣道』を実現する。三将戦までに4勝を挙げ、初戦を突破した。続く2回戦で中大と対戦することになった早大は、大将を嘉数卓主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)から勇大地(スポ2=東福岡)にするなど、オーダーを大幅に変更。「中央に勝つためのオーダーということで、チームで話し合って決めた」(嘉数)。気合十分で臨んだ2回戦。次鋒・勇佑が「最初は下がらずに行こう」と初太刀でメンを決め、早大が先行するかたちに。しかし、中堅戦に試合は再び動く。諏訪稜介副将(スポ4=茨城・水戸葵陵)は相手のコテを狙うも、読まれてコテ抜きメンの餌食になってしまう。懸命に挽回しようとするが、時間切れで試合は終了。勝ち数1-1とふりだしに戻された。

開始早々メンを奪い白星を挙げた勇佑

 イーブンの状態で迎えた副将戦。副将の嘉数は、気迫のこもった試合運びを展開。鮮やかなメンを放つ場面も見られたが、決定力を欠き、引き分けで終わってしまう。勝負の行方は大将戦に託された。2年生にして大将に抜てきされた勇大は、実力者・梅ケ谷翔と互角に渡り合う。「地元が福岡で一緒で、手の内も全部ではないですが、お互い知っていました」(勇大)。試合は引き分けとなり、決着は代表戦までもつれ込んだ。大将戦と同じ2名が出場した代表戦は、またもやお互い譲らぬ展開に。しかし、一瞬の隙を突いた梅ケ谷翔の一閃が走り、ドウあり。昨年同様中大に阻まれ、日本一の夢ははかなく散った。

チームの命運を背負って戦う勇大

 「一生忘れられない試合になってしまった」(嘉数)、「内容もまだまだだった」(勇大)。選手はみな一様に唇をかみしめて試合を振り返る。流れはつかんでいただけに、敗北の悔しさもひとしおだ。頂を目指していたチームにとって、2回戦敗退という結果はとても納得のいくものではない。しかし、中大を代表戦にまで追い込んだ早大の地力は本物。この悔しさを意味あるものにするためにも、4年生の引退試合になる早慶対抗試合では、選手が満足できる内容で勝利を果たしたいところだ。早大の戦いはまだ終わらない。

(記事 鎌田理沙、写真 藤川友実子、久野映)

結果

1回戦 ○早大4―1大経大

先鋒 安井    ―

次鋒 船橋   メ―

五将 小林  メメ―

中堅 久田松 メメ―

三将 諏訪   コ―

副将 勇大    ―

大将 嘉数    ―メコ

 

2回戦 ●早大1―1中大(代表戦0-1)

先鋒 安井  ―

次鋒 勇佑 メ―

五将 小林  ―

中堅 諏訪  ―メ

三将 久田松 ―

副将 嘉数  ―

大将 勇大  ―

代表戦 勇大 ―ド

 

早大 2回戦敗退

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コメント

嘉数卓主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)

――2回戦敗退という結果に終わってしまいましたが、今のお気持ちは

悔しい気持ちが一番ですね。

――4年生ということで最後の全日本学生優勝大会(全日本)でした

2回戦で中央と当たることは分かっていたんですけど、そこに照準を当てて、自分たちの試合をしっかりできるように臨みました。自分たちの剣道は90パーセントくらいは出せたのではないかなというふうに思いますが、勝つためには残りの10パーセントが足りてないのかなと感じています。

――出し切れなかった要因は何だとお考えですか

相手も力のあるチームなので、たとえ自分たちの力が出せたとしてもそのときの審判の流れであったりだとか、運を含めての100パーセントなんじゃないかなと。運をこちらの方に持っていけなかったというのもありますし、そういう意味できょうの試合、まとめて言うと、旗が1本だけ上がるシーンっていうのが全体として何回かあったので、どうやったら2本、3本上げられるかっていうところが足りていなかったと思います。

――嘉数選手のメンが、合議を挟んで無効になったシーンがありました

無我夢中でやっていたんですけど、なんとなく、最初は自分の方に旗が上がっていたので「いったかな」と思ったんですけど、合議がかかって、雰囲気からして「これは多分なしになるな」っていう感覚があったのですぐ切り替えるようにしました。

――そのシーンを詳しく振り返って

相手が引きドウを打って、その直後に私がメンを打ったんですけど、結論から言うと、副審の1人はドウを挙げていて、もう1人は私のメンに挙げていて、主審は(どちらの技も)消したっていうのが最終的な判断でしたね。

――中大戦のオーダーはいつものオーダーから大幅に変わっていましたが、意図は

春の中央との練習試合や、負けているんですけどきょねんの全日本(全日本学生優勝大会)や、個人戦での対戦の組み合わせを見て、今回は中央に勝つためのオーダーということで、チームで話し合ってあのようなかたちに決めました。

――警戒する選手はいましたか

中央は大将(梅ケ谷翔)に絶対的な信頼を置いているなというのは感じていて、なおかつ前で先手を取りに来るだろうなっていうのは予想していたので、前でロースコアで、後ろに後ろにもっていけるように、粘って粘ってやっていければチャンスはあるのかなと(考えていました)。

――代表戦に勇大地選手(スポ2=東福岡)を選出しましたが、その経緯を教えてください

勇の弟(勇大)の方は梅ケ谷(翔、中大)と同学年というのもありますし、地元が福岡で一緒ということで、手の内を知り尽くしているという感じだったので、監督が最終的には勇(大)でいくと。その前の大将戦での戦いぶりも観ていて、やっぱり梅ケ谷(翔)選手もやりにくそうにしている感じもあって、流れも良かったっていう部分があると思います。

――代表戦の前に勇大選手に何か言葉を掛けていましたが

「好きなように、自分の納得するかたちでやってこい」ということを言って送り出しました。

――代表戦はどのようなお気持ちでご覧になっていましたか

勝つと信じて安心して観ていました。

――最後に、引退試合である早慶対抗試合(早慶戦)に向けて意気込みをお願いします

きょうは今後一生忘れられない試合になってしまったんですけど、早慶戦はやっぱり4年生が勝たないといけないと思っているので、最後4年生が責任を取るつもりで残りの3週間しっかり頑張っていきたいと思います。

勇佑多副将(社4=東福岡)

――最後の全日本学生優勝大会でしたが、どのような意気込みで臨まれましたか

一戦一戦大事に、強い気持ちでいきました。

――中大戦でのご自身の試合を振り返っていかがでしょうか

初太刀で取ることはなかなかなかったんですけど、最初は下がらずに行こうという気持ちが結果につながって良かったです。関東(関東学生優勝大会)ではあまり(調子が)良くなくて、それで前に出ることを意識したら一本が出たので良かったです。

――早大としてのきょうの試合はいかがでしたか

試合運びも内容もみんな良かったと思うんですけれど、最後の勝負強さであったりツキというものがなかったのかなと思います。

――代表戦をご覧になっていかがでしたか

弟(勇大地、スポ2=東福岡)が出ていて、行けるんじゃないかって思って、勝って欲しいという思いで見ていたんですけれど、結果は負けてしまいました。きょねんも(中大に)負けていたんで、ことしこそと思ったのですが、ダメでしたね。

――早慶対抗試合(早慶戦)を残して、本日が最後の公式戦となってしまいましたが、ここまでを振り返っていかがでしょうか

きょうは負けてしまったので、最後の一戦に向けてもう1か月もないのですが、部員全体でまとまって最後に勝てるように頑張っていきます。

諏訪稜介副将(スポ4=茨城・水戸葵陵)

――試合を終えたいまの率直なお気持ちは

すごく悔しいです。私のせいで負けてしまったので、4年生も後輩もすごく頑張ってくれていたのに、本当に悔しいです。

――4年生として、日本一を目指す最後の大会でしたが、特別な思いはありましたか

中学から全国大会に出られて、でもいつも日本一になれなくて、学生として日本一になる最後の大会だったので、自分で終わらせてしまって悔しいし、申し訳ないなというのが今の率直な思いです。私もだし他の4年生もレギュラーの者も、日本一を目指して頑張ってくれていたので本当に悔しいです。

――第一試合についてうかがいます。最初の試合ということで緊張はありましたか

いつもよりも緊張していて、正直緊張し過ぎているなと思っていて。相手が相手だったのでうまくいったのですが、やはり2回戦は固くなりすぎたと思います。

――中大戦前にチームで話したことはありましたか

監督がいつもとオーダーを中大を倒すと言って変えて組みました。初めはうまくかみ合ったというか、向こうよりもうちのオーダーの方がしっかり入ったと思うのですが。

――中大の第一試合をご覧になっていましたが、中大の印象はどういったものをお持ちでしたか

きょうの1試合目というよりも何度もやっているし、中学高校から知っている者ばかりなので、見てどうというよりはとにかく強い相手だったので、気持ちで負けないようにということと、日頃から言われていることをしっかりやろうと思っていました。

――ご自分の試合を振り返って

なんであそこで弱気になって下に行ってしまったのかと、すごく後悔しています。

――どのような思いで勇大地(スポ2=東福岡)を代表戦に送り出しましたか

私のせいで代表戦になってしまって。勝てる試合だったのに。それでも、大地はすごく信用できる、頼れる後輩だったので、もう私は負けているし、大地で勝負だと、大地なら勝てると思っていました。でも負けてしまって、負けてしまったのは全部私の責任なので仕方ないと思っています。

――この悔しさを晴らせる最後の舞台として早慶対抗試合(早慶戦)が残っています。早慶戦への意気込みをお願いします

正直、今はもう剣道をしたくないというか、試合をしたくないという気持ちです。ですが9人以外の者も早慶戦を目指してやっているので、この大会もすごく応援をしてもらっているし全員の支えがあってこの大会ができたので、早慶戦ではいままで私のことを練習とかで支えてくれた人のためにも、もう二度とこんなことがないように絶対勝ちたいと思います。

勇大地(スポ2=東福岡)

――中大との試合を振り返ってみていかがですか

強い中央大学と当たるということで、気持ちの高ぶりなどチームの流れ全てが良かったのですが、最後は自分が負けてしまって、内容もまだまだだったなと思っています。

――2回戦目で、1回戦からオーダーを大きく変更した意図は

向こうのオーダーも変えて来ると予想して、みんなできるだけ相性の良い、チームの流れもうまく回せるようなオーダーにしました。

――大将戦の対戦相手の梅ケ谷翔選手について

彼とは小学校のころから地元が福岡で一緒で、同じ学年で、敵として戦うこともありました。手の内も全部ではないですが、お互い知っていました。自分がもう少し頑張れば、勝てたのではないかと思います。

――代表戦の選手はどのようにして決まったのでしょうか

梅ケ谷翔選手に勝てる選手を選んだら、という感じです。

――代表戦の前、チームメイトと話す姿が見られましたが

シンプルに、頑張れと声を掛けてもらいました。

――早慶対抗試合(早慶戦)への意気込みを

早慶戦で勝つというのが、今考えられる一番のOBや部への謝罪というか、罪の償いだと思うので、チャラにはならないと思いますが、絶対勝とうと思います。