柔道部

2015.10.07

全日本学生体重別選手権 10月3・4日 日本武道館

女子では創部史上初、渡邊が全日本女王に輝く

 体重別個人戦の学生日本一を決める全日本学生体重別選手権(全日本)がことしも日本武道館で開催された。1日目は男子軽量級と女子重量級、2日目は男子重量級と女子軽量級と2日間にわたり行われた今大会。早大からは女子2名、男子5名の計7名が出場し、女子63kg級では渡邊聖未(スポ1=山梨・富士学苑)が女子では創部史上初となる優勝、男子81kg級では中上駿(社3=大阪・清風)がベスト4に入り講道館杯への出場権を獲得した。

 東京学生体重別選手権のリベンジに燃え、今大会に挑んだ渡邊は1日目に行われた女子63kg級に出場。準々決勝までは得意の寝技で次々と対戦相手を倒し、圧倒的な強さを見せつけ勝ち進んでいった。しかし、準決勝からは相手のレベルも一段と上がり、苦戦。それでも、優勝への強い気持ちは変わらなかった。準決勝は試合中盤に相手から指導を奪い取り、そのまま指導差で勝利。決勝では試合終了間際に右大外刈で有効を取り、自身初の全国タイトル、そして早大柔道部史上初の栄冠をつかみ取った。試合後観客席に手を振る場面も見られ、1年生ながらの優勝を「とてもうれしいです」と語った渡邊。今後の活躍にも注目だ。

快挙を成し遂げた渡邊(上)

 一方、男子81kg級でも中上が強敵相手に全日本の舞台で存在感を示した。3回戦では強豪・東海大の選手と対戦。序盤から果敢に攻めの姿勢で挑み、指導を奪い取ると、後半にさらに指導を重ね優勢勝ち。準々決勝では日体大の選手を相手に合わせ技で一本勝ちを収めた。準決勝では敗れたものの、目標としていたベスト8を上回るベスト4での入賞。普段より入念に対戦相手の研究や試合のイメージを持って挑んだ大会だけに、試合後は笑顔で「少しは親孝行できたかな」と語った。たが、試合内容に関しては「体づくりも、技術面も全然足りていないと思いましたし、今回のベスト4はたまたま」と冷静に分析した中上。格上の選手と対戦し、より高いレベルでの柔道を体感することができた。

強敵相手に果敢に攻めた中上(右)

 2日目の男子100kg級には熊田耕成(社3=福島・桐蔭学園)が出場。1回戦を優勢勝ち、2回戦を上四方固めで勝利。迎えた3回戦は中盤に指導を奪い、有利な展開となった。その後も何度も技をかけようと積極的な姿勢を見せたが、終盤に指導を奪い返されてしまう。そのまま試合は延長戦に突入。後がない状況で、なかなか技を決めきることが出来ず、最後は技ありで敗退してしまった。試合を振り返り、「精神的にも体力的にも使い果たしてしまった」と延長戦で戦うことの難しさを語った熊田。しかし、夏からの鍛錬で着実に力がついてきている。悔しさをバネに今後の課題を克服していくことを誓った。

技をかける熊田(右)

 男子60kg級の古川凌(社3=愛知産業大三河)、男子73kg級の吉野拓馬(社4=石川県立工業)、男子100kg級の圓山泰雄(社3=島根・作陽)、女子78kg級の小林真実子(社3=埼玉・常盤)は2回戦敗退という結果に終わった。だが、7名の選手が全国大会でワセダの名を背負って戦った経験は大きなものであり、それぞれが今後飛躍するための力となったことは間違いない。次の舞台は長年の宿敵、慶応大との一騎打ち早慶対抗戦(早慶戦)だ。勝利の経験と、敗退の悔しさを糧に総力戦で挑む。

(記事 笹澤桜 写真 松富リサ、栗村智弘)

ベスト4の中上(左)と優勝した渡邊

結果

▽男子60kg級

古川 2回戦敗退

▽男子73kg級

吉野 2回戦敗退

▽男子 81kg級

中上 ベスト4

▽男子 100kg級

熊田 3回戦敗退

圓山 2回戦敗退

▽女子 63kg級

渡邊 優勝

▽女子78kg級

小林 2回戦敗退

コメント

渡邊聖未(スポ1=山梨・富士学苑)

――優勝おめでとうございます。いまのお気持ちは

まだ優勝したという実感が湧かないのですが、1年生で優勝したということはとてもうれしいです。これからはもっと強くならないと落ちていく一方なので、この順位をキープして、上を目指してやっていきたいです。

――中高時代を通して、初の全国タイトル獲得となりましたが、そのことについてはいかがですか

高校の頃は万年ベスト8と言われていて、高3の時のインターハイは2位で、この間の東京学生も2位で。また万年2位と言われるのが嫌で、決勝はできれば優勝したいなと思って試合に臨みました。そのおかげで思いっきりいけたという感じです。

――今大会までに立ち技を練習したいとおっしゃっていましたが、修正はできましたか

実は、東京学生(東京学生体重別優勝大会)の時より立ち技のキレというのがなくて。調子が悪いなと思いながら今回の大会を迎えたのですが、今まで試合を重ねてきた中で世界大会の外国人選手と対戦した時よりは通用するだろうと思って、あまり立ち技については考えないように試合をしました。前回は立ち技を重視したいと言ったのですが、今回は寝技を重視して確実に勝ちにいくという戦略で戦って。最後は立ち技で決めることができたのですが、あれはまぐれというか、必死で思いっきり向かっていったら技がかかって勝てたという感じでした。勢いに乗っていたから勝てたのだろうなと思うので、これからは前に言ったようにしっかり立ち技をつくっていきたいと思います。

――準々決勝までは一本勝ちで勝ち進まれましたが、準決勝から対戦相手のレベルも一段と上がったように感じました

準決勝からはもう本当に強い相手しかいないので、いままで自分がしてきたことを全部出し切ろうと思って戦いました。そうしたらたまたま相手に指導がいって、自分にとっていい流れで勝つことができて。決勝も本当に自分よりレベルが高い選手が相手だったので、がんがん攻めて、負けたら負けたでこれからまた頑張っていこうという気持ちでいたので、それがプラスに働いたのだと思います。

――準決勝は指導差での勝利となりましたが、こちらの試合を振り返っていかがでしたか

準決勝の相手を指導している先生は自分の得意な肩車とかをよく知っていたので相性は悪いかなと思っていたんですけど、思っていたよりいいペースで試合ができました。準決勝と決勝の相手の方は同じくらいのレベルの選手で、本当に高レベルな方たちでした。

――優勝が決まり、応援していた部員のみなさんに手を振る場面もありました。決勝戦を終えた瞬間はどのようなお気持ちでしたか

あの時はほっとしたのとうれしい気持ちが混ざっていました。部員の4年の先輩方は本当はもう引退しているのですが、練習にきて相手をしてくださったりしていて。きょうも試合を見にきて下さったので、試合前に「東京学生は2位だったので今度は優勝します!」と宣言していました(笑)。言った通りに優勝できてよかったなと思って手を振りました。

――きょうの試合に点数をつけるとしたら、何点くらいでしょうか

勢いがあったこともプラスして考えて、70点くらいだったと思います。残りの30点は、元からあった実力を出し切れなかったというよりは、これからしっかり練習して積み重ねていかなければならない部分です。

――今後への意気込みをお願いします

ここから早慶戦もありますし、国際試合も多くなるので、しっかり体のケアをして、他の大会でも活躍できるよう頑張っていきたいなと思います。

中上駿(社3=大阪・清風)

――今大会の目標は

正直、ベスト8に入って講道館杯の出場権を得ることができればいいなと思っていました。

――その目標を上回る結果でしたね

そうですね。大学に入って初めて入賞したのがこの全国大会で嬉しいですし、親とかも泣いて喜んでくれたみたいで、少し親孝行できたかなという気持ちです。

――試合内容を振り返ってみていかがですか

組み合わせ自体は良かったのでうまくいけばベスト8に入れるのではないかと思っていました。(対戦相手が)みんな知っている選手だったので、ある程度研究して、用意しました。どういう形で柔道をするか、試合をするか、練習の中でイメージもできていましたし、思い描いていたように試合もできました。

――事前準備はいつもするのですか

>知っている選手や有名な選手であれば、動画などを見て研究します。ただ、今回は特に入念に研究しました。

――準決勝では東海大の選手との対戦でしたが振り返っていかがですか

めちゃめちゃ強かったです(笑)。まだまだ、上には上がいるなと実感しました。

――格上の選手と対戦したことによってなにか収穫はありましたか

収穫というか、現実を突きつけられたので、これからもっと練習して行きたいと改めて思いました。体づくりも、技術面も全然足りていないと思いましたし、今回のベスト4はたまたまだと思っています。実績的にはまだまだのレベルなので、今後は実力をもっとつけて、勝てるようになりたいです。

――2週間後に控えた、早慶戦への意気込みは

1年生の時は優秀賞を頂いて、2年生では勝てました。ことしもチームの勝利に貢献できるように頑張りたいです。

熊田耕成(社3=福島・桐蔭学園)

――きょうの試合はいかがでしたか

調子はよかったのですが、最後僅差で敗れてしまったところに、大きなカベを感じてしまいました。

――最後は延長戦となりましたが、どういった気持ちで臨まれましたか

相手に追い付かれたことで延長戦に入ってしまいましたし、精神的にも体力的にも使い果たしてしまっていたので、そういった部分を取り戻すことができなかったですね。

――最後に惜しくも敗れてしまった相手というのは、難しい相手でしたか

もちろん強い相手だったのですが、他の組み合わせと比べれば、勝つチャンスがある相手だったと思います。

――試合中に、「ペースを変えるな」という声が周囲から何度も聞こえましたが

そうですね、そう言われるのは本当にいつも通りですし、なかなかそうすることは難しいのですが、それに関しては練習不足を感じました。

――敗れはしましたが、収穫もあったのでは

そうですね、夏から練習してきたことの成果がある程度発揮できているかなと思いました。ただ、強豪とうちでは練習量に差があるので、そこをどうカバーしていくかが今後の課題だと思います。

――次は早慶対抗戦となりますが、それに向けての意気込みをお願いします

これまで特に団体戦でチームに迷惑をかけてきてしまったので、そういった意味でも次はチームの力になれるよう頑張りたいと思います。