ア式蹴球部

2015.10.06

インディペンデンスリーグ2015 10月4日 神奈川・日体大健志台サッカー場

届かなかったあと一歩。1部残留を果たせず

 インディペンデンスリーグ2015(Iリーグ)で下位に沈む早大は1部残留に向け、もう一つの試合も落とせない。大きな重圧が掛かる今節はアウェイに乗り込み、日体大と合いまみえた。互いに勝ち星を譲れない緊迫の一戦は絶え間なくスコアが動き続ける乱打戦となる。後半アディショナルタイム(AT)、試合を決めるゴールを奪われた早大は3-4でまさかの敗戦。16チーム中14位以下が事実上確定、来季の2部降格を告げる無念の結果となってしまった。

 大逆転での1部残留へ。もう後がないワセダはただ一つ、勝利だけを目指し、日体大との背水の陣に挑んだ。試合前、課題であったセットプレーの守備を念入りに確認。ウィークポイントに対する危機管理意識をメンバー全員で共有した。しかし重要な90分間はそのセットプレーで相手に先制を許す苦しい幕開けに。失点後も押し込まれる時間が続き、苦戦を強いられるエンジイレブン。日体大の攻めを何とか耐え抜くと、迎えた前半39分、試合の流れが大きく変わる。敵陣に侵入しCKを獲得すると、MF小長谷勇太(人4=静岡・清水東)からのボールにDF山本新太郎(スポ2=ジュビロ磐田U-18)が飛び込む。右足から放たれたシュートは値千金の同点弾。これが呼び水となり、その直後には好調のFW臼倉宏(文構2=東京・暁星)が3試合連続となる逆転ゴールを決める。この間、わずか2分。エンジイレブンは最高のかたちで前半を折り返す。

攻守で奮闘した山本

 勢いそのままに追加点を狙うワセダに対し、足下の技術で勝る日体大はテンポ良いパスワークと巧みなドリブル突破で応戦。両チームが決定機をつくり合う後半は壮絶な乱打戦となった。同点で迎えた80分、CKから再び失点。気を付けたかったセットプレーの守備で後手に回り、逆境に立たされるエンジイレブン。それでも選手たちは一縷(いちる)の希望を残す残留に向け、闘志を再点火させていく。85分、途中出場のMF柳沢拓弥(社2=清水エスパルスユース)のクロスをDF恩田雄基(スポ4=埼玉・西武台)がつなぎ、最後はFW石神佑基(スポ1=埼玉・市浦和)が冷静に流し込み同点。残す時間はあとわずか。緊迫の展開に、観る者はただ固唾(かたず)を飲むことしかできない。そして運命の瞬間が訪れる。AT3分、試合に終止符を打ったのは、日体大――。守備陣が懸命に体を投げ出すも、ボールは無情にもネットに吸い込まれていった。試合終了の笛が空虚な秋の夜空に遠く鳴り響く。敗北、そして2部降格を告げる残酷な結末。ピッチに崩れ落ちたエンジイレブンはしばらく立つことができなかった。

2部降格を告げる無情なホイッスルが鳴り響いた

 「4年生としての思いをかたちにすることができなくて・・・。」最上級生として特別な思いをもってこの大一番に臨んだ小長谷は降格という受け入れがたい事実を前に言葉を詰まらせた。ワセダのこれからを担っていく下の世代はこの試合から多くのことを感じ、学んだことだろう。次節はグループステージ最終節。ワセダとして求められるのは勝利のみ。「応援してくれている人や支えてくれている人たちのため」(小長谷)。熱い思いを胸に、エンジイレブンは全力で勝ちにいく。

(記事 桝田大暉 写真 後藤あやめ)

スターティングメンバー

Iリーグ第14節
早大U-22 2-1
1-3
日体大U-22A
【得点者】(早)39山本新 41臼倉 85石神
早大メンバー
ポジション 背番号 名前 学部学年 前所属
GK 斉藤康平 法3 静岡・清水東
DF 渋谷勇太郎 社3 神奈川・桐蔭学園
DF 山本新太郎 スポ2 ジュビロ磐田U-18
DF 高岡大翼 社1 広島皆実
DF 恩田雄基 スポ4 埼玉・西武台
MF 10 須藤駿介 スポ2 静岡学園
MF 14 石川大貴 スポ2 名古屋グランパスU-18
MF 秋葉遼太 文1 東京・駒場
MF →72分 多田八起 商3 神奈川・桐光学園
MF 小長谷勇太 人4 静岡・清水東
MF →81分 柳沢拓弥 社2 清水エスパルスユース
FW 臼倉宏 文構2 東京・暁星
FW →77分 直江健太郎 商1 東京・早実
FW 11 石神佑基 スポ1 埼玉・市浦和
監督は竹谷昂祐(平26スポ卒=ガンバ大阪ユース)
コメント

MF小長谷勇太(人4=静岡・清水東)

――これ以上になく悔しい結果となってしまいました。いまのお気持ちをお聞かせください

こうしてBチームの試合にもAチームやCチームのメンバーが応援に来てくれた中で勝ちにつなげられなかったのが非常に悔しい、その一言です。

――4年生として特別な思いもあったのではないでしょうか

自分(のプレーできる時間)が残り数ヶ月ということで、このチームに何かを残してあげたいという思いがあり、(来季も)Iリーグ1部でプレーできる環境を残してあげたいと思っていました。4年生としての思いをかたちにすることができなくて・・・。4年生としてア式蹴球部に何かを残すことができず、負の遺産を残してしまったのかなと思います。

――この試合は勝てた内容でもありました

こうやって負けるときは決めるときに決め切れず、相手はチャンスをしっかりものにしたというところで、サッカーにおける典型的なパターンでした。あと一歩や、あと数センチのずれを突き詰められなかったからこその敗戦だと思います。練習の中からそういうのを突き詰められなかった、見逃してきた4年生の責任であると共に、一人一人の詰めの甘さが結果に表れたと思います。

――気を付けたかったセットプレーでの失点が重なってしまいました

セットプレーでの失点がBチームではよくあって、みんなの中で意識はありました。最初の時間帯や後半の足が止まってくる時間帯での集中力が相手の方が上回っていて、先手を取られてしまったのかなと思います。

――その中で失点しても追い付き、勝ち越すことができるようになったのはIリーグ全体での成長ではないでしょうか

そうですね、Iリーグの前期のうちはチャンスを決め切れずに大量失点で負けることが多かったです。夏のTRAUMCUP(TRAUM CUP 2015 in SUMMER)での優勝を経て、逆境に立たされても追い付き逆転できる力を、プレッシャーの掛かる試合の中で、チームの力として示すことができたのではと思います。

――次節はグループステージ最終節となります。ワセダとして勝利が求められる中、どのような意識で臨まれますか

ワセダとして試合に勝利しなければならないですし、応援してくれている人や支えてくれている人たちのためにも、結果はどうなるかわからないですが、ベストを尽くして勝利のために全力で走るしかないと思っています。まだIリーグが終わったわけではないので、残り一試合に自分たちの思いを込めて戦いたいと思います。

DF山本新太郎(スポ2=ジュビロ磐田U-18)

――きょうは悔しい敗戦となったと思いますが、いまの気持ちを教えてください

これでIリーグの残留がなくなったということで、自分たちを支えてくれている人や応援してくれている人、スタッフには本当に申し訳ないです。自分たちの力でまた来年1部でやりたかったのですが、その夢はかなわなくなってしまいました。そういう結果が出てしまったことはしょうがないので、自分たちのレベルアップにこういう試合をつなげていけたらいいなと思っています。

――前半はセットプレーからの失点がありましたが、振り返っていかがですか

チームとして昨年からセットプレーからの失点が多く、一人一人マンツーマンで個の強さというのを言われていますが、またこういうことで悩まされているので、ことしのうちに改善したいです。

――ご自身の得点シーンを振り返って

負けられない試合だったので、CKで自分が唯一上がれるチャンスで、身体を投げ出していきました。ゴールできて良かったと思いますが、その後自分のディフェンス的にはちゃんと守り切れなかったという点で悔いが残っています。

――ラスト守り切れなかった要因は

ある程度リスクを負って攻めていたということもありますが、それはディフェンスラインがもっと体を張って力強く守り切れなかったというのが要因だと思います。練習から試合のリアリティーを出して、またやっていきたいと思います。

――後半はオープンな展開になりましたが、守備面で全体的にどのようなところを意識しましたか

1対1で絶対負けないことなど、いままでワセダとして取り組んできたことをやろうというのは試合前から話していました。そういうことが90分間やり通せなかったというのがきょうの敗因だと思います。

――次節はグループリーグ最終戦となりますが、意気込みをお願いします

残留という目標は閉ざされてしまいましたが、支えてくれる仲間だったり、応援してくれる家族だったり、そういうサポーターがまた試合を見にきてくれると思います。めげない自分たちの姿を見てくれると思うので、プレーで示して、感動を与えられるようなサッカーができればと思います。