漕艇部

2015.09.16

第93回全日本選手権 9月10~13日 埼玉・戸田ボートコース

ラストレースでエンジの漕手たちが大健闘!

 全国の強豪が集う全日本選手権(全日本)が終わりを迎えた。4年生にとっては学生生活最後のレースとなった。女子部は、舵手なしクォドルプルで悲願の優勝を達成。男子部は舵手付きペアが全日本大学選手権(インカレ)に引き続き2連覇。エイトは20年ぶりの決勝進出を果たしたが惜しくも表彰台を逃す結果に。全員が頂に立つことはなかったが、それぞれの集大成を示した。

勝利を確信し、笑みを浮かべた女子舵手なしクォドルプル

 ワセダの先陣を切ったのは順位決定戦に臨んだ女子舵手なしペア。序盤2位につけるが、徐々に他艇に離され4着でゴール。全国のカベの厚さを痛感する結果となった。続いて登場した男子舵手なしペアは勢いよく飛び出すも、中盤以降の蛇行によりタイムロス。最後までその差を埋めることはできず、8位で今大会を終えた。ここで土屋愛女子主将(スポ4=新潟・阿賀黎明)率いる女子舵手なしクォドルプルが女王の威信を懸け決勝の時を迎えた。昨年、自身のミスにより決戦の舞台に立つことができなかったエース艇。過去の悔しさを追い払うかのように一漕ぎ一漕ぎに力を込め、漕ぎ進める。最後は他の追随を許さず歓喜のトップフィニッシュ。「怖さもあったが、今回のレースですごく良い思い出に変えられた」(土屋)と笑顔で学生最後のレースを締めくくった。続くは圧倒的差をつけ予選を突破した男子舵手付きペア。集中的に練習を積んできたというコンスタントの伸びを生かし、トップに躍り出た。しかし1750メートル地点から日大が猛攻を仕掛ける。勢いのある漕ぎに逆転が危ぶまれたが、コックスの佐藤修平(文2=秋田)の冷静な指示の下、ルーキー2人が底力を発揮し逃げ切りに成功。手に汗握るコンマ以下の戦いを制し、歓喜の雄たけびを上げた。

インカレに引き続き優勝を果たした男子舵手付きペア

 男子舵手なしフォアはスタートで中部電力と日体大に遅れをとるが粘りの漕ぎで追漕する。ラストスパートで中部電力を差すも、一歩及ばず全体6位でフィニッシュとなった。続く女子エイトも、強豪相手にリードを許す。表彰台に上がることはかなわなかったが、「勝てはしなかったが後悔はなく、むしろ良かった」と佐藤紫生乃(スポ3=宮城・塩釜)は実りあるレースを振り返った。エンジの大取を務めるのは花形種目・男子エイト。「最高の準備ができていた」(長田敦主将、スポ4=石川・小松明峰)。9人のクルーは『勝利』ただその二文字を見据えてレースに臨んだ。全日本の決勝という最高峰の舞台。その重圧が少しずつクルーメンバーの肩にのしかかる。「硬さが出て本来の伸びやかさが出せなかった」とコックスの中村拓(法4=東京・早大学院)が語るよう、スタートで他艇から離され、中盤以降もその差を詰めることができなかった。徐々に差は広がり、最後はトップの日大に約2.5艇身差をつけられる。「何が起きたのか分からなかった」(角南友基、スポ3=岡山・関西)と、茫然自失の状態で決戦のレースは幕を閉じた。

 男子エイトは頂点に立つことがかなわなかったものの、決勝進出自体が20年ぶりの大快挙。「この経験を絶対に生かしてほしい」(長田)。今後チームをけん引する次期主将の是澤祐輔(スポ3=愛媛・宇和島東)も緊張感の張り詰める時間を共有した一人。最高峰の舞台で繰り広げた熱戦は必ずやチームの糧となるはずだ。女子部も今大会でチームをけん引してきた土屋女子主将、絶対的エース榊原春奈女子副将(スポ4=愛知・旭丘)が引退。「4年生がつくりあげてきた『One WASEDA』を上積みしてさらに良いワセダにしていきたい」(佐藤紫)。ゼロからのスタートではなく、いまを土台に更なるステージへ。上級生の思いを胸に、選手たちはこれからも強くオールを握り続ける。

(記事 三佐川唯、写真 寒竹咲月)

女子舵手なしクォドルプル

男子舵手付きペア

結果

▽男子部(決勝)

【舵手付きペア】

C:佐藤修平(文2=秋田)

S:鈴木大雅(スポ1=埼玉・浦和)

B:伊藤大生(スポ1=埼玉・南陵)

7分51秒60【1位】


【エイト】

C:中村拓(法4=東京・早大学院)

S:長田敦(スポ4=石川・小松明峰)

7:角南友基(スポ4=岡山・関西)

6:石田良知(スポ2=滋賀・彦根東)

5:是澤祐輔(スポ3=愛媛・宇和島東)

4:藤井英貴(スポ4=東京・本郷)

3:内田達大(スポ2=山梨・吉田)

2:竹内友哉(スポ3=愛媛・今治西)

B:和田優希(教4=滋賀・膳所)

5分56秒18【4位】


▽男子部(順位決定戦)

【舵手なしペア】

S:有田雄太郎(法2=東京・早大学院)

B:得居亮太(法2=東京・早大学院)

7分18秒52【4位、全体8位】


【舵手なしフォア】

S:東駿佑(政経2=東京・早大学院)

3:石橋広陸(スポ2=愛知・豊田北)

2:木金孝仁(社3=東京・早実)

B:石阪友貴(政経3=東京・早実)

6分30秒73【2位、全体6位】


▽女子部(決勝)

【舵手なしクォドルプル】

S:土屋愛(スポ4=新潟・阿賀黎明)

3:榊原春奈(スポ4=愛知・旭丘)

2:米川志保(スポ1=愛知・旭丘)

B:木野田沙帆子(スポ2=青森)

6分48秒36【1位】


【エイト】

C:亀本咲季子(人3=埼玉・浦和一女)

S:佐藤紫生乃(スポ3=宮城・塩釜)

7:石上璃奈(スポ2=長野・下諏訪向陽)

6:木下美奈(スポ2=山梨・富士河口湖)

5:波多野響子(教3=福岡・東筑)

4:土井鈴奈(教3=埼玉・浦和一女)

3:青木華弥(教1=東京・本所)

2:田口えり花(商2=埼玉・浦和一女)

B:北村綾香(スポ1=滋賀・膳所)

6分52秒36【4位】


▽女子部(順位決定戦)

【舵手なしペア】

S:渡邊楓(文1=新潟南)

B:工藤かれん(スポ1=愛媛・松山東)

8分17秒09【4位、全体8位】


コメント

S:長田敦主将(スポ4=石川・小松明峰)

――最後のレースを終え、率直なお気持ちをお聞かせください

やっぱり僕のボート人生を懸けたレースだったので、結果が残せなかったのは正直悔しいです。

――きょうのレース展開についてはいかがですか

スタートからいくというところで若干は(他艇に)出られると思っていたのですが、それが思いのほか大きくて、焦ってしましました。中盤以降、気持ちの余裕がなかったのが、きょうの敗因だったと思います。

――具体的に何か欠けていたと思う点はありますか

おそらく失敗は特にはしていないと思うのですが、相手の方がスタートから全力で頭を取りにいく気持ちが強かったのかなというのは感じました。

――きょうのレース前やアップの時の皆さんの様子はいかがでしたか

すごく集中していて、アップに関してはインカレ(全日本大学選手権)の決勝の時に近い最高の準備ができていたと思います。

――きょうの決勝でのレースプランはどのようなものを考えていましたか

この舞台(決勝)に立つのが初めてだったので、思うようにいかないことがあることはクルー全員であらかじめ確認していました。その中でも、インカレのような漕ぎができれば勝てるということは9人で共有していたので、この日のためにと考えていたものはありませんでした。

――きょうの日大や社会人クルーの様子はどのようにご覧になっていましたか

決勝の舞台に慣れているというか。慣れているかは分からないですけど、この一本にいままでの全部を出せるように積み重ねているなと。そういった面で、やっぱり一枚上手だったなと。見た目では僕らもしっかりいつも通り漕ごうということはあって、いつも通りアップもできていましたし、いつも通りスタート位置に着けることはできていたのですが、いざ始まってみると周りの方が、見た目では分からない気持ちの落ち着きがあったと思います。やっぱり全部上手でしたね、相手チームの方が。

――きょうのレース中の皆さんの様子は

緊張で硬くなり過ぎることもなく、また、浮かれてもいなくて。しっかりとこのレースで最高の漕ぎをしようと、クルー全員からそういう気持ちが伝わってきました。

――何かレース中に声を掛けたりとかはされましたか

あまりレースのことを覚えていないので(笑)。何か声を掛けたかは分からないですけど…ちょっとあまり覚えていないですね(笑)。

――レース後は皆さんとどのような話をされましたか

ことしインカレでは勝って、全日本ではこういう結果になったという、その差を次に生かしてほしいということと、これからこの経験を絶対に生かしてほしいと。ことしは対校エイトに5人も4年が乗ったのですが、その中でもちゃんと下級生が乗っているので、その選手を中心にこれからの漕艇部を引っ張っていってほしいという言葉は掛けました。

――長田主将にとってラストレースとなりましたが、どのようなお気持ちで臨まれましたか

このクルーで最後レースできて良かったなと思います。個人としても、最後は勝って終わりたかったのですが、そういう絶対勝つという気持ちでレースには臨みました。

――ここまで共に戦ってきた仲間に対する思いとは

あまりクルーのメンバーに対して「ああしてくれ、こうしてくれ」というふうに言わなかったのですが、ことしに限ってはすごく強い気持ちがあって、メンバーに厳しい言葉を掛けたりもしたんですけど、それでも僕についてきてくれて、本当に感謝しています。

――この四年間を振り返ってみていかがでしたか

引退するころになると、4年生は結構口そろえて「短かった」と言うのですが、僕にとってはすごく長かったですね(笑)、この競技生活は。

――長いと感じた理由とは

中学、高校とボートをやってきたんですけど、その時と比べたら、一日一日考えることが多くて。自分としてワセダに入って、成長できたなという実感がすごくある分、濃過ぎる競技生活だったなと思います。高校の時とかあまり考えずにボート漕いでいたので(笑)。この大学に入って、本気で何年も達していなかった日本一を目指したり、主将も務めて部をまとめるという立場についていろいろ考えることもありましたし。やっぱりいままでの競技生活を振り返ってもいろんなことがあったなと思うので、すごく長かったですね(笑)。

――主将としての一年間はどのようなものになりましたか

自分はことしに関しては好き勝手にやらせてもらって、途中で日本代表選考で抜けたり、ことしに限っては日本代表にもなれましたし、日本代表になれたからにはそっちに集中したいという思いも強くて、何カ月も部を抜けたり。そういうキャプテンだったんですけど、帰ってきたら温かく迎えてくれて、インカレまで僕のせいで日にち少ない中で練習しなければいけなかったんですけど、それでも愚痴一つ言わずついてきてくれて、本当に部員に恵まれたキャプテンだったなと思います。

――主将をやってきた中で良かったと思うことや苦労したことは何でしたか

主将になってからか4年生になってからかは分からないですけど、OBの方とお話することが多くなって。やっぱり組織としてはすごい団体だと思うので、そのOBの熱い気持ちを間近で感じて、それを部により還元することもできました。また、主将という立場なので、ことしだったら早慶戦(早慶レガッタ)とかで負けた時にやはりきついことも言われるので、その辺は良かった点でもあり、大変だったなという思いがあります。

――長田主将は入学以前から実績がある選手でしたが、主将としてではなく、エースとして一人の部員としてのプレッシャーはありましたか

プレッシャーというものはあまり感じなかったんですけど、自然とここでの生活がたつにつれて僕が競技実績で部を引っ張っていかなければいけないということは思っていたので、それができなくてもどかしい時期もあったのですが、プレッシャーというプレッシャーは感じず、入部してからは伸び伸びとやらせていただく機会が多かったかなと思います。

――長田主将はきょうのレースで完全に引退するのでしょうか

1週間後か2週間後に国体(国民体育大会)があるので、そちらで引退にします(笑)。

――漕歴10年の経験は今後の人生にどのように生きてくると思いますか

やっぱりボートを漕いで、負けん気とか根性面とかを学ぶことが多かったんですけど、中学から始めてすごくいろんな方に出会って、それこそボートをやっていなかったら感じることも手に入れることもできなかったことだと思うので、やっぱりボートをやっていて、多くの方に出会えたことが一番良い経験だったかなと思います。

――ワセダでの漕艇部での四年間は長田主将にとってどのようなものになりましたか

競技者として本当の意味でトップを目指して戦ってこられて、そういう意味でも成長できましたし、最後の年は主将も経験して、それ以外の年は頼れる先輩の姿を見てきて「こういう人になりたいな」とかそういう理想の方にも出会えましたし、本当のこの四年間は自分を成長させてくれる組織に所属できたと思います。

S:土屋愛女子主将(スポ4=新潟・阿賀黎明)

――率直ないまのお気持ちは

良い同期と後輩に恵まれて、良い結果で送り出してもらって私自身すがすがしく、うれしい気持ちでいっぱいです。

――レースを振り返っていかがでしたか

きょうのレースは、私たちは予選の頃から競るレースをしてこなくて最後のレースは競るレースになるだろうなと思っていたんですが、500メートルの時点で1艇身弱出ていてそこで勝てるなと確信したので、その後は安心して漕ぐことができました。

――レースプランとしては、最初に出てというかたちだったのでしょうか

そうですね、頭を取ってそのまま逃げ切りというかたちでした。

――4年生最後のレースとなりましたが、どのような意気込みで臨まれましたか

私自身、自分にプレッシャーをかけすぎると怖がってしまうタイプなので、あまり最後のレースだということは気にかけず、自分たちらしく伸び伸びと楽しんでいこうというように意識していきました。

――一緒に漕いだ2人の下級生の方との相性は

最初に組んだときは、私は結構喋るタイプなのですが、2人はあまり喋らないのでそこで食い違いだったり気持ちのズレがあったりなどあったのですが、私が厳しくしてもちゃんとついてきてくれたので、申し訳ない気持ちと最後安心して漕ぐことができて、「ありがとう」ということを伝えたいです。

――大学時代について伺います。ワセダでの漕艇部としての四年間を振り返っていかがでしょうか

年々楽しくなっていきました。私は、1年生の頃はあまりワセダの力になれていないと思っていたのですが、2、3年生になって引っ張っていくという自覚が芽生えてきて、その頃からワセダの力になれるということが、うれしかったし楽しかったです。

――ラストイヤー、主将として引っ張られていく中で苦労した点はありますか

このチームは、本当にいろんな人がいるなと思っていて、その中で自分と合わない人は絶対いると思うんですよ。その人と逃げずに向かい合うということはすごく難しかったですが、それが大切かなと思いました。気持ちからちゃんとまとまれると全体もまとまることができると思います。なので、そういう点を常に意識してやってきました。

――副将の榊原選手(春奈、スポ4=愛知・旭丘)は、どのような存在でしょうか

本当に馬が合うというか、私が緊張しているときにしてなくてちょっと緩ませてくれたりだとかそういうところのバランスがすごく取れていたかなと思います。あと、相談しやすいというところがあって相談したら良い答えを見つけてくれるので、すごいそこは心強かったです。

――これまでで特に印象に残っているレースなどありましたか

忘れられないレースは自分がミスしたときかなと思っていて、きよねんの全日本選手権の準決勝はでミスをしてしまって駒を進めることができませんでした。そのトラウマというか、怖さみたいなものは今回の大会でもあったのですが、しっかりそれを克服できて、今回のレースですごく良い思い出に変えられたので、今シーズンのレースが今までで一番楽しんでできたかなと思います。

――最後に、後輩の方々に向けて期待することはありますか

今シーズン、高い目標を掲げてそれが達成できて、満足している人も多いとは思うんですが、やっぱりここで守りの姿勢には当たらずにもっと攻めの姿勢を続けていってほしいと思いますね。また、私自身、来年また社会人として漕ぎ続けるのでまた全日本選手権で隣に並んでレースができるようなレベルになっていければ先輩としてはうれしいなと感じます。

4:藤井英貴副将(スポ4=東京・本郷)

――決勝4位という結果を受けて、いまのお気持ちは

個人的には後悔は何もないです。

――大学ラストのレース、どのような思いで臨まれましたか

目標は日本一とコースレコードを出すことでしたが、特に意気込みはなかったですね。

――レース前のクルーの皆さんの雰囲気はいかがでしたか

すごくリラックスしていて良かったと思います。

――クルーの皆さんとお話はされましたか

「長田についていこう」という話をずっとしていました。

――スタートでやや遅れをとってしまいました

リラックスし過ぎちゃって、気付いたら出遅れていた感じです。(レース前に)良くも悪くもゆっくりしちゃったかなと思います。

――コンスタントはいかがでしたか

そのままずるずるいってしまったかなと思います。

――レース全体としてはどのように評価されていますか

個人としては後悔はないです。たぶんクルーとしても結果がすべてなので評価を付ける必要はないかなと思っていて。これが実力だったのかなと。僕たちは100パーセントの準備をしようと思って100パーセントのことをやろうとして、それが結果に出ただけですね。

――全日本を振り返って

難しいなと思います。何事も経験してみないと分からないなと。ワセダが社会人や日大と戦って勝てる実力を持ってこういう大会に臨んだことってほとんどなかった中で、モチベーションのコントロールの仕方であったり、レース運びの仕方であったり、その辺が難しかったです。

――男子エイトで決勝進出すること自体が20年ぶりという快挙でした

光栄なことだなと思います。でもそれ以上に19年ぶりにインカレで(優勝を)とっていたので、日本一取らないとしょうがないなという感じです。

――強豪・日大や社会人チームを相手に戦ってみていかがでしたか

強がりではなく社会人とか日大とか、大会が始まる前は本当に意識していなかったので、僕らより速かったということは(他クルーが)はまってかつ強かったということなんだと思います。

――今後競技を続けるご予定は

全くないです。

――四年間を振り返って

まずこの四年間に一切の後悔はないです。ただきょうのレースを終えて悔しいとは思わなかったんですよね。正直、四年間通して30パーセントぐらいしか本気でボートに向き合えていなかったかなというのが僕の感想です。遊ぶ時間もボートに使えたし、就活ももっとうまくやればボートに集中できたし、そう考えるとボートに向き合えていなかったかなというところがあって。それがあって悔しさというところではこんなものだったかなと。後悔はないですけど、もっとやれたんじゃないかなと正直思います。

――副将としての一年間はいかがでしたか

充実した一年間を過ごさせてもらったと思うと同時に、さっきのどれだけボートに注げたかという話になってしまうんですけど、もっとできたかなということが副将活動としても本当にあって。やりたいことの10パーセントぐらいしかできていなかったので、副将活動に関しては後悔はあって、部に対してもっと何かできたはずだと思っていて。社会人になっても70名近い組織をナンバー2としてまとめ上げる機会はなかなかないと思っていて、そういう経験を学生ながら高い意識レベルを持った人々をまとめられて良い経験をさせていただいたなと思います。

――同期の皆さんへ伝えたいことは

まずは「お疲れさまでした」と、「いままで四年間一緒に楽しくやらせてもらってありがとうございました」と言いたいですね。正直、現役の時に同期愛とかあまり僕は持たないんです。やっぱりライバル意識だったり、本気で日本一を目指しているからこそ摩擦もあって、そこに仲良しクラブ的な要素は全くなかったので。ここからは別々の目標を持って別々のフィールドで戦うので、別に仲が悪かったわけじゃないんですけど、これからも仲良くしていきたいですね。

――早大漕艇部はどのような部ですか

素晴らしい組織で、素晴らしい環境だと、早大の中でもトップクラスの体育会だと思っています。その一方で、四年間で10パーセントくらいでしかボートに向き合えていない僕が対校エイトに乗ってしまって副将になってしまったところで、プロフェッショナルかと言われたらまだ甘いところがあるかなと。今後はその辺を改善していけばもっと良い組織、もっと良い部活になっていけるのかなと思います。

――後輩の皆さんへ伝えたいことは

頑張ってほしいです。あとは前々から言っていることが2つあって、まずはもっと悔しいと思ってほしいということ。僕みたいに最後悔しいと思わなかった人間がいるので、情けない話なんですけど。僕は負けるたびに悔しくて悔しくてしょうがなくて、それを行動に移してきたつもりではいるんですけど、そういうところが見受けられない部分があって。もう一方で、これは僕自身の反省でもあって、(大学で)未経験から始めたという視点でボートに対して評価する基準をとってきたんですけどそうではなくて、外に出れば社会人や日大みたいなスポーツ推薦ばかりのチームもいて未経験とか関係なくて。未経験だからスポーツ推薦じゃないからとか、体が小さいとかそういう細かい話じゃなくて単純にボートを漕ぐ者として船を速く進めるというところにフォーカスを当てて競技活動をしてほしいなと思います。

3:榊原春奈女子副将(スポ4=愛知・旭丘)

――優勝おめでとうございます。いまの率直のお気持ちはいかがですか

よくやったなと思っています、みんな。クルーも自分も。

――きょうのクルー全体の調子はいかがでしたか

きょうはこの大会期間で一番レース全体を通して良いポイントにつけたと思います。

――きょうのレースプランはどのようなものですか

きょうのレースプランは、いつもと同じなんですけど、まずスタートを出て、300、400メートルくらいで一旦落ち着いて、漕ぎの乱れを調節して、750から1250で出て、ラストスパートです。イメージ通りスタートから出て、200メートルくらいできょうはもらったなと思いました。

――本番前にクルーに声を掛け合うなどしましたか

意外とそうでもないですけど、「みんな楽しんでいこう」ぐらいで。土屋愛が主に声を出していました。

――榊原選手自身はこれがラストレースになりましたが、いつもより意気込んだり、緊張したりすることはありましたか

それはあまりなかったです。ちょっとアップしながらこれが最後かと思いましたが、そんなに意識せず、いつもと同じようにアップしていて、不思議と緊張はあまりなかったような気がします。たぶんそれは、引退どうこうより、クルーとして勝てるなという自信があったからだと思います。ちょびっと引退したら寂しいなと思うくらいで、レース中は考えなかったです。

――インカレ後メンバーの構成を変え、短い練習期間の中で、どのようなことを重点的にやってきましたか

後ろのバウペアが、シングルスカルとダブルスカルでインカレに出たので、クォドルプルのスピードに順応できるかなという不安はありました。なので、組み始めは、低いレートで自分たちの漕ぎの合わせをしっかりとやって、その後スピードを持っていく時に、より集中していくようにしていきました。

――優勝した実感は湧きましたか

インカレの時もそうだったんですが、実感はあまり湧かないです。実感って何なんだと(笑)。ああ、優勝した、うん、ぐらいで。あまりこうスペシャルな感じはしなかったです。うれしいんですけど、特別感極まる感じではないです。

――いつも通りやれることを全部やり切ったというかんじですか

はい。

――引退の実感は湧きましたか

それは結構ちょくちょく感じますね。みんなレースの時はあまり感じなかったんですけど、(ボートから)上がって、レースが終わると、「ああ終わりかあ」という感じです。後輩の米川志保(スポ1=愛知・旭丘)が涙ちょちょぎれているのを見て、君が泣くかという(笑)。私はこの場を去るんだなという気持ちです。さっき荷物をロッカーに置いたときも、ああもう艇庫が当たり前のように来る場所ではなくなるんだなと。

――漕艇部での四年間で一番心に残っていることはありますか

あれが一番というものはないですけど、やはりインカレ、みんなで勝てたというのが一番うれしかったです。男子も女子も。一生忘れない気がします。

――この四年間共に練習してきた同期はいまどのような存在ですか

とても大切なんです。よく思うんですけど、私たちは仲が特別良いわけではなくて、同期で集まって何かするということもあまりしないです。それがお互いにとって良い距離感でした。ただボートに関することはみんな本気なので、みんなの考えていることが理解したいし、みんなの感じていることを感じたいと思っています。君とは考え方が違うなあと思ったとしても、だからこの人とはうまくやれないのではなく、違いを理解して、できるだけ共感しようとして、好きではないけど、一緒にやる仲間として、信頼しています。人生の中でそのように思える人は少なくて、普通この人違うなと思う人は、それで終わりなんですけど、この同期に関しては、それでも近く、お互いの中に入ろうとして行けたかなと思います。やっぱり私もボート通じてじゃないと、こうはならなかったと思います。

――副将として大変だったことはありますか

土屋が本当に頼もしい主将だったので、私はほとんど何もしていなくて、逆にそれがいいのかと思ったくらい。本当に土屋のおかげで伸び伸びと漕ぐことができました。

――最後に後輩に一番伝えたい言葉は

いっぱいあり過ぎですね。私たちみたいな特別仲が良いわけでもない同期でも、近年見ない結果を残すことができたので、「私たちにできたことはやれるから信じてやりなよ」ということです。

7:角南友基(スポ4=岡山・関西)

――本日のレースを振り返っていかがでしょうか

あんまり覚えてないです。なぜ負けたのか、なぜこのような結果になったのかも分からないですし、普段の自分たちの実力を発揮できれば勝てたレースだとも思っているので、そこが勝てなかったというのは何かしらの原因があったんでしょうけど、いまの状況ではそれがまだ分からないです。悔しい、ただそれだけです。

――スタートの時点で少し出られた印象を受けましたが、その点に関してはいかがでしょうか

僕だけ帽子を被っているんですけど、普段から横とかを見て他の艇が見えてしまうと焦ってしまうので意識的に深く被って見ないようにしているんです。だから、きょうもあまり分からないのですが、ちょっとくらいは出られたかなという感じはありましたが、そんなに焦ることもなく冷静にいられました。

――中盤、終盤に関してはいかがですか

僕は長田のリズムを後ろに伝えないとそこでつながらなくなってしまうし、僕としてもリズムが切れてしまうのでとにかく僕は長田ストロークを後ろに冷静につなげるイメージでやっていました。

――漕いでいて実際のクルーの一体感というのは

分からないですね。でもやはり上がらなかったっていうのは僕が後ろにつなげることができなかったんじゃないかと反省しています。やっぱり、つながる時って全員で漕いでいるという感じがすごくしたり、上がる時に一気に上げられたりもするんですけど、きょうは上げるところになっても、いまいち上がり切らず、みんなで声を掛け合っていてもすごくきつかったですね。

――レース後、クルーキャップであり主将の長田選手に掛けられた言葉は

泣いていてあまり覚えていないんですけど、長田がこのクルーで漕ぐことができて良かったと言っていました。他はミーティングの時もずっと悔しくて泣いていたので覚えていないです。

――学生生活最後のレースが終了しました。いまの率直なお気持ちは

実感が湧かないかなあ。「引退だね」って言われても、「ああ早かったなあ」という感じで。高校からボートをやってきて7年たつんですけど、もう少しうまく時間の使い方を考えてやってきたらもっと強い選手になれただろうし、この四年間やってきて改めて思うことは時間の使い方さえうまくできていればなということ。悲しいとかはあんまないかな、超ポジティブ人間だから(笑)。ポジティブ人間だけど悔しい時は悔しいし、でも、いまは、やりきったという感じが少ないけどあるからポジティブにいられるかな。でも、一つ願いがかなうならスタートの瞬間に戻りたい。いますぐにでも発艇台に戻ってやり直したい。けどそこが戻れないというのが現実ですよね。

――エイトに選ばれた最終学年というのを振り返っていかがですか

うれしかったです。乗れないとまずは示しがつかなかったし、まずボートに乗れなかったら意味がないから。まずは乗ることが自分の長年の目標で、それが達成できてすごくうれしかったし、それがうれしかったから強くなろうって思えて、また優勝を目指して頑張ってこられたと思う。

――念願のエイトのクルーメンバーとはどのような掛け合いをされましたか

個性が強いので、ボートの話をするときはすごく緻密に計画を練るんですが、それ以外はみんなでわいわいという感じ。みんなで練習後にラーメン食べにに行ったり、そういった一つ一つの生活の中の出来事がすごく楽しかったですね。でも、いざボートに乗るとなったらスイッチが切り替わるように集中する、それが僕らの強みだなって。

――クルーメンバーに伝えたいことは

「ありがとう」しかないかな。伝えたいことはたくさんあるけど、それは全部言葉で言い表せないことだから、一人一人に「ありがとう」って言いたい。ここまで来られたのも1人でも欠けたらできなかったことだし、みんなそれぞれつらいこともあったと思うけど「一緒にやってきてくれてありがとう」って。

――四年間を共に過ごしてきた同期の皆さんに何か言葉はありますか

それはもう感謝しっぱなしです。僕は結構問題児だったんですけど、そこで見捨てずに言う時はしっかり言ってくれて。僕にとって同期というのはすごい、誇りですね。今後の生活の中でもボートに対して一番誇れる同期だし、一番自慢できる同期だし。「四年間一緒に頑張ってきてくれてありがとう」って言いたい。

――ワセダの漕艇部で今後の人生に生きるものは

早寝早起きかな。4時に起きて4時半に練習開始とかね。今後のことはあんまり考えてないし、未来のために頑張るんだけどやっぱりボート部で何を学んだかというと、一番は、いま何をするべきかということ。例えばインカレ優勝するにはインカレ優勝を目標にするけどそれを、目標に置いただけでは駄目で。それに向かっていま練習に励むことが大事だと学びました。いま、まあ現代っぽく言えば「なう」ですけど、その「なう」を大切にして今後も謙虚に頑張っていけたらなと思います。

――それでは最後に後輩へ何か思いがありましたら、お願いします

やっぱり優勝してほしい。全日本優勝。インカレも優勝してほしいけど、全日本優勝して僕らの悔しさを晴らしてほしいです。

C:中村拓(法4=東京・早大学院)

――決勝4位という結果を受けて、いまのお気持ちは

悔しいですね、やっぱり。自分たちのパフォーマンス、自分たちの漕ぎができなかったのが敗因かなという気はします。

――中村選手にとって大学ラストレースでしたが、レース前はどのような心境でいらっしゃったのでしょうか

ラストレースだなと考える余裕はそんなになかったんですけど、なかなか全日本の決勝で戦えるチャンスはないので、1位で終わりたい、優勝したいとそれだけ考えていました。

――アップの時やレース前のクルーの皆さんの雰囲気はいかがでしたか

ちょっと硬かったんですけど、スピードもいつも通り出ていましたし、自信を持ってスタート台まで行けました。

――レースプランは

スタートはそんなに苦手じゃないというか、準決勝までの結果を見ていても他よりそこまで劣っていないしむしろスタートで(他艇より)出られるぐらいの力を持っていたので、スタートで出るか並ぶかして、コンスタントでは1本1本漕ぐ、自分たちがインカレ(全日本大学選手権)でやったようなレースをイメージしていました。

――スタートでは日大と中部電力に出られてしまいました

ちょっと硬かったですね。ちゃんとパワーは出ていたと思うんですけど、船の動きが重かったかなと、もうちょっと軽くスムーズに伸ばしていければ良かったんじゃないかなと思います。硬さが出て本来の伸びやかさが出せていなかったのかなと思います。

――中盤以降巻き返しを図る上でどのようなコールをされましたか

自分たちが決めているポイントがあったのでそこをしっかり決めて軌道に乗せていくことができれば良かったんですけど、勝負どころで個人個人にばらけちゃったのかなという気はします。

――きのうのレースでも漕ぎにばらつきがあったとおっしゃっていましたが

きのうとは少し違って、きょうは根本的な漕ぎの時点で他艇に先行されている焦りもあってばらついちゃったのかなと感じています。きのうのばらつきよりは大きかったというか、全員で一つになっていなかった感じがあります。

――終盤のスパートはいかがでしたか

あんまり覚えていないんですけど、いつもより勢いがなかったかなと。1位を狙っていたので、(他艇に先行されて)多少気持ちが落ちちゃっていたのかもしれないんですけど、いつもみたいなキレはなかったですね。やっぱりバラバラな感じでした。

――きょうのレースをどのように評価されていますか

スタートから自分たちの漕ぎができなかったのがタイムとして出たのかなと思います。ちゃんと漕げていればもう少し勝負できたのかなと感じていて。本番、ここで(力を)出さなきゃいけないというところで自分たちのパフォーマンスを出し切れなかったっていうメンタル、技術不足が大きく響いたのかなと思います。

――実力を出し切れなかったのはやはりレース前の緊張や硬さが影響していたのでしょうか

あったと思いますね。自分自身も普段よりプレッシャーがかかって、(他艇に)出られている中で、あの舞台で相手を出させてしまってそこから立て直す能力が自分自身もなかったですし。本来の漕ぎができなかったことによって、副作用というか、自分たちのパターンに持っていけなかったというのが個人としてもあります。

――全日本の決勝のレースはいかがでしたか

その1本にどれだけ出せるか。本質的に持っているスピードや力で見たら予選や準決勝を見ていても日大と早大が抜きんでていましたし、絶対負けてはいないと思っていたので、いまもそう思っているんですけど。やっぱり本番でいかに出すかってなるとまた別のもので、それが本当に難しい舞台なんだなと思いました。

――全日本を振り返って

インカレ勝ってから自分自身もクルーもそこで終わらずに成長を続けてきていて、大会期間中もすごく伸びていて。本当にみんなを信じていたし優勝できるって思っていたので、そう感じながらレースができた、みんなと一緒にやってこられたというのはすごく楽しかったです。

――決勝の後にクルーの皆さんとはどのようなお話をされましたか

終わった後すぐは自分のことに精いっぱいで頭真っ白で何も言えなかったんですけど、さっき一人一人と話して、「この悔しさを忘れずに次につなげてほしい」という思いは伝えました。あとは早慶戦から一緒にやってきているメンバーが(エイトクルーの)大半だったので、自分の早慶戦でのミスをみんながフォローしてくれて、ここまで頑張ってきてくれたので、ミーティングでは感謝の気持ちを伝えました。

――今後競技を続けるご予定は

いや、ないです。

――この4年間を振り返っていかがですか

一言では表せないですけど、いろいろな仲間がいてその仲間に影響を受けながら自分も頑張れました。またクルーとして一緒に戦って、うれしさもあれば悔しさもあって。仲間と一緒になって何かに向かっていくことが、その中には反発とか食い違いとか難しい部分もあるんですけど、それを乗り越えた時って本当に良い仲間を得られるし、自分の自信にもなるし。一言で言うのは本当に難しいんですけど、すごく成長できましたね。

――コックスというポジションを通して得られたものとは

自分の中のこれだというものが明確につかめないポジションなので、本当に手探りでいろいろ試して、ちょっとでもいいなと思ったらそれを拾って、ちょっとでも駄目だなと思ったらそれを捨てて、その繰り返しで。自分で考えてやるしかなかったので、自分にしか分からないですし、自分の引いている感覚とか。そういう意味では本当に難しかったしきつかったんですけど、その中でももがいて自分自身を成長させる力強さが得られたなと思います。それと同時に、視点は全然違うんですけど、漕手に育てられ助けられた部分も本当に多くあって。どんなポジションにいてもたとえ立場は違っても、一つのことに向かっていく大きな仲間なんだなということを感じました。

――同期の皆さんに伝えたいことは

本当にみんな良く頑張っていたなと。自分自身も同期に負けないように頑張っていたつもりなんですけど、本当にみんな頑張っているなとずっと見ていて思ったので、まずは「お疲れ」と。そして「これからも仲良くやっていきましょう」というところですね。

――早大漕艇部はどのような場所ですか

いろいろな人がいるんですよね。スポーツエリートがいれば未経験から入ってきた人、僕みたいに内部推薦で入学して(漕艇を)やっていたけどそんなに有名じゃないし良い選手でもなかった人、いろんな選手がいるのでその化学反応が大きなパワーになっているのかなと。未経験の人はスポーツエリートに負けないように頑張るし、スポーツ推薦の人は未経験者に負けないように頑張るし。そういう化学反応が一番の強さかなと。そうやって一つのことに向かって全員でやっていった時に、いま『One WASEDA』っていうスローガンがありますけど、チームを感じられるというか、みんなで頑張っているというのを感じられるチームですね。

――後輩の皆さんに伝えたいことは

苦しくても逃げないこと、そこが大事かなと。やっぱり仲間がいるので、みんなで支え合って苦しくても逃げずに頑張り続けること、そこですね。

B:和田優希(教4=滋賀・膳所)

――きょうのレースを振り返っていかがですか

特に、漕いでいて何がはまらなかったのかとか、そういうことを考えてはいなかったんですけど、単純に展開として、どんどんスルスルといかれてしまうなというのは漕いでいて感じて、気が付いたら大きな差になっていたという感じですかね。

――レースプランを教えていただけますか

インカレと変わらなかったので、本当にスタートから良いものを決めて500メートル手前までに伸ばして、ラスト500メートル付近でまた上げるという単純で、プランというよりは伸ばす際の(漕ぎの)長さを意識するとか、前で止まらずに良いリズムを刻むとかそういうところを全員でケアしながらやっていましたね。序盤から中盤にかけて足蹴りを入れたところもあったんですけど、そこで差が縮んだかというと、ちょっと分からなかったというか、そこまで見られていなかったんですけど、とりあえずインカレとあまり変わらないレースプランで勝負しました。

――全日本選手権の決勝という舞台はいかがでしたか

いまの部員の中に全日本選手権の決勝を経験した人がいないので、インカレの決勝とは全然違う独特の雰囲気というか、普段感じられないようなプレッシャーもあってちょっと選手自身重たい空気に飲まれかけていたんじゃないかなと思います。

――きょうのレースの点数を教えて下さい

いつも厳しめにつけるんですけど、最後なので、80点かなと。やっぱり優勝できる実力はあったはずなので、優勝できず、まして4位ということで結構悲観しちゃいそうなんですけど、いままでやってきたことはぶらさずに試合でもやったと思うので、ちょっと乱れたところはあったんですけど、そんなに酷評するほどではないのかなと思います。

――ワセダの選手として最後のレースを終えたいまの気持ちはいかがですか

寂しいですね。何やかんや言って、ここできついなと思いながら漕いでたのも楽しかったといまは思えるので、負け戦で終わってしまったというのは結構心に穴が開いたような気持ちです。

――同期が全員乗ったクルーでのレースはいかがでしたか

やっぱりそこは、同期の中で結束して、引っ張っていくことができたんじゃないかなと思っていて、そういう意味では本当に同期の漕手、コックス全員対校に乗れたということが、クルーにとってはかなり良かったんじゃないかなと思います。

――良いレースが多かったことし一年間はどのような気持ちで過ごされていましたか

きょねんは対校エイトに乗っていなかったので、まずはそこに戻らないといけないなというところから始まって、やっぱりインカレは取りにいきたいと長田ともミーティングをする度に言っていましたし、全日本選手権も、まずは決勝まで持っていこうということも言っていたので、そこまでは思っていた通り来られて、最後インカレ取れたので、全日本選手権に向けての気持ちの持っていき方も、油断はみんなしていなかったと思うんですけど、もっと細かいところに意識を向けられたら結果はもしかしたら変わっていたのかなと思います。

――後輩に言いたいことや残したいものはありますか

細かいことを言い出したらきりがないですし、後輩の方が僕より長けている部分いくつもあると思うので、一つ言えるとすれば、「もっとワイルドにいけ」ということで、これは自分も2年前に主将の新藤(耕平、平26スポ卒)さんからずっと言われていたことなんですけど、勝負事においてワイルドにいくということは間違いのないことだと思うので、そこは常に挑戦者の気持ちを忘れずにワイルドに、ワイルドにやっていってほしいなと思いますね。

――四年間で印象に残ったことや、重要になった出来事はありますか

印象に残ったこととしては、まずは2年生の時の早慶戦ですね。セカンドエイトに乗って最後逆転した展開があって、その時に結構すごいなというのがまず印象に残っていて、インカレを取った時のレース中の映像はいまでも鮮明に覚えているのと、あとは全日本新人選手権の2連覇も、自分はボートやってきて良かったなと思えたので、印象に残っているのはその辺ですね。自分の刺激になったとか、そういう意味ではことし竹内(友哉、スポ3=愛媛・今治西)とU-23の世界選手権に出させてもらっていたんですけど、結構自分自身うまくいかなくて、竹内にも面倒かけてしまって申し訳ないなと思っていたんですけど、いざそこに行ってみたことで、すごい人達と戦ってみてあまり日本では感じられないような、艇の進め方であったりとかレース展開とか、あるいは体つきであったりとか、いろいろと刺激があったので、そこは自分にとってもプラスになって良い経験ができたんじゃないかなと思います。

――ワセダの漕艇部はどういう存在ですか

構造上というか、いままでの寮生活という部分がどうしても多いので、それで多分「家」っぽいなと思うんですけど…「家庭」ですかね、はい。

6:是澤祐輔(スポ3=愛媛・宇和島東)

――きょうのレースを終えて、率直なお気持ちをお願いします

純粋にすごく悔しいというのと、やっぱり優勝するにはもう一つ何か足りなかったのかなという、後悔ではないんですけど、もっと詰め切れたかなと思うことはありますね。

――きょうのレースを振り返っていかがですか

自分たちが強みだったスタートでわりと他の3艇に置いていかれてしまって、そこからいつものようにリズムをつなげていくことができなくて、最後も上がらずということで、一番悪い部分が本番で一番大事なところで出てしまったかなという感想ですね。

――具体的にスタートで失敗してしまったという部分は何かありますか

あまり覚えていないですけど、いつもよりオールが深過ぎたというか、狙ったところよりオールが深くなってしまって、深くなった分、水を押す時間が短くなって、出られてしまったのかなと思います。

――今回のレース展開は皆さんの想定したものではなかったということでしょうか

そうですね。

――レース中のクルーの皆さんの様子は

自分が感じたのは、出られた瞬間にちょっと不安がよぎったというか、いつも感じるリラックス感とか水中でドライブが強く利いている感じがあんまりなくて。一つになっていない感じはありました。

――その中でレース中に声を掛け合ったりとかはしましたか

そうですね。自分は何回か声掛けていつものリズムに戻そうとしたんですけど、それが続いても5本6本くらいでまたばらけてしまうということの繰り返しだったかなと思います。

――きょうのアップの時点での皆さんの様子はいかがでしたか

アップはいつもと変わらず集中できて、一つ一つ丁寧にできたかなとは思いますね。

――終わってから皆さんとどのような話をされましたか

終わってからは、4年生の方が一言ずついままで早慶戦から全日本まで戦ってきたことを振り返っていました。一番多く言われたのは、「自分たちはもう漕げないから、来年この取れなかった全日本を必ずリベンジしてくれ」ということを言われました。

――今大会で4年生最後のレースでしたが、どんな思いで臨まれましたか

スタートする前まではそういうことを僕は考えないようにしていたのと、実際もそんなに気にならなかったのですが、ラスト500メートルくらいになったところで負けていてすごく苦しいんですけど、「このままずっと漕いでいたいな」というか。4年生と一緒に漕ぐのが最後だと思うとすごく名残惜しい気持ちになりましたね。

――共に漕いできた4年生の印象や対する思いはどのようなものがありますか

一人一人個性がすごく強くて、自分の言いたいこととかを相手にぶつけてくるというか、たまにけんかとかしていたのですが、やっぱりまとまる時はすごくまとまって力を発揮していて、そういうところはすごいなと思いました。あとは、特別なことは4年生の方は特にしていないと思うのですが、小さいことを徹底的に積み上げていって、インカレ優勝まで持っていったというのはすごく見習うべきところだなと思いました。

――その中でも是澤選手にとって長田主将はどのような方でしたか

何というか『侍』という感じですかね。絶対に諦めたり、「苦しい」とか言ったりするところを聞いたことがなかったのと、すごく覚悟を決めていて。いつもレースとかすごい勢いで漕ぐじゃないですか。その辺に選手としてとか、キャプテンとしての覚悟があったのではないかなと思います。

――是澤選手は次期主将に決まったとお聞きしましたが、理想の主将像や目標などはありますか

自分が一番かなえたいのは、早慶戦の『完全優勝』というのがまずあります。絶対にことしの分も取り返して、徹底的にケイオーをつぶして優勝したいということ。あと優勝した先には、インカレと全日本とことしみたいに良い結果が待っていると思うので、そこにまず集中してやっていきたいと思います。

――最後に今後共に戦っていく同期やワセダの方にメッセージをお願いします

僕はあまり特別ボートがうまいわけでも器用なわけでもないですけど、不器用だからこそ一つのことに徹底できるというか、人にはできないようなことを毎日積み重ねることができると思うので、そういうところを徹底的に詰めて、みんなでことし果たせなかった目標を来年は一緒に果たしたいなと思います。

S:佐藤紫生乃(スポ3=宮城・塩釜)

――きょうのレースを振り返っていかがでしたか

スタートして相手に出られてしまったのですが、そこから全員で声を出してアタックをどんどんしていき、そのたびに詰めていってすごく盛り上がることができましたが詰め切れずに終わってしまったという感じでした。出艇前に2週間でやれることはやってきたから9人を信じて長く強くということを意識して漕いでいって、あと盛り上がっていこうということでそこはしっかりブレずにできたのはこの9人だったからかなと。そこは良かったんじゃないかと思います。

――本日のレースプランは

まずスタートは頭を取りにいくつもりでした。取れなくともしっかり焦らず淡々と漕いでいこうと決めていました。また600メートルと1100メートルで大きな切り替えがあるのですが、そこでしっかり決めることにプラスして、漕手から挙がった声とコールを随時聞いて、反応してアタックし続けるというものでした。

――ストロークの役割は果たせましたか

スイープの種目を初めて漕いだので自信がなく、ついてきてくれるのかという不安はありました。しかし、後ろの7人が水中のバックアップであったり声で盛り上げてくれたりと、不安を消してくれるような漕ぎをしてくれたのですごく自信につながり、できるんだと思えたので良かったです。私の仕事はリズムをつくることなので水中とフォワードのメリハリをつけるように努力しました。

――予選を通過できなかった時の気持ちはどうでしたか

(予選では)500メートル手前で頭取っていたにもかかわらず、立命大と立大のデッドヒートの様子が見えなくて自分たちがいまどういう状況であるのかがつかめずに、焦りとか不安が出てしまいました。そこからリズムもどんどんフォワードでつくってしまう感じになって短くなってしまい、どんどん悪い循環になってしまったのでもっと冷静になって自分たちに集中しつつもレースの状況を縦ごとに言ってもらうような確認をスタート前に念入りに、繊細にしていければよかったなと思いました。しかし言い方は悪いですが、敗者復活戦で一本多く漕げたというのは私たち経験が大切なクルーにとっては収穫になったと思います。きょうに向けて良い流れをつくることができ、負けたのですが良かったのではと個人的に思います。

――そこから敗者復活戦、そしてきょうまでどのようにモチベーションを上げていきましたか

敗者復活戦は本当に落とせないレースだったので、(決勝には一着しかいけないので)負けるというのは本当に誰一人思いませんでした。絶対勝てるから大丈夫だと9人で信じ切ったことで、初戦と比べても、タイムや漕手の感覚コックスの感覚もすごく良いものを出せていけました。敗者復活戦の一本があったからスタートのつかみとかもすごく変わったと思いますし、レース感とかもその一本で大きく前進することができたのできょうの決勝に敗者復活戦のレースが良い意味で生かせていたと思います。

――その感覚を決勝で出し切れたと思いますか

できることはやりきったと思います。常に頭を取られてしまったのですが攻め続けて、攻めるたびにぐいぐい差が縮まっていっているというのがコールから聞き取ることができたので、全員で盛り上がって勇気にもなりましたし、自分たちならできるんだというふうに思えました。

――立大との3位争いをするかたちになりましたが、立大または他の大学の印象は

正直他大学さんのことを考えるというよりは漕ぎ切ろうと自分たちの船に集中していました。他大学さんとはそんなに差はないと思っていたのであとは気持ちの問題というところです。みんなでまとまることを意識したのですが負けてしまったということは他の大学に比べて何かはまだわからないですけど足りなかったんだろうなと思います。

――中盤で差を縮められそうな場面がありましたが、その時に焦りや逆にいけるぞといった気持ちの変化はありましたか

出ても出られても攻め続けるというのは9人で監督たちコーチ陣も含めて確認していったので差が縮まったときにいけると思いましたし、みんなも多分思ったから声も出てきてすごく盛り上がったレースでした。多分みんなつらかったと思うのですが、そのつらさをスピードにつなげようという姿勢が9人で表現できたのではないかなと思います。

――全日本を振り返っていかがでしたか

私は3年で3回目の全日本でしたが決勝にいったのは初めてで、やっぱり(決勝は)憧れの舞台でした。緊張よりは、そこでどれだけ自分たちの漕ぎを表現できるか、自分たちがどこまでやれるかということにすごくわくわくする気持ちがあり、しっかり集中して漕ぐことができました。全日本を振り返ってみてやはりスイープも初めてだったし9人で人数が多いのでまとまっていくのが難しい部分も多かったのですが、最後9人が一人一人を信じて漕ぎ切ることができました。あと(今回のクルーは)1、2年生が主体のクルーでパワーがあって若さがありました。来年主将にもなる立場を踏まえて4年生がいない中で8人をどう引っ張るかとかを考えながらやっていくことができたので、勝てはしなかったのですが、私はこのクルーに乗って後悔はなく、むしろ良かったと思える2週間と全日本でした。

――見つかった課題や今後伸ばしていきたい点はありますか

個々がもっと強くなっていかなければいけないというのが一番あります。私が引っ張る立場なので自分から後輩とか同期とかにアクションをとりつつも自分の背中を見せることもやっていきたいと思います。個々での実力アップを目指してそこからワセ女の底上げをした段階でクルーを組んでどこまで走れるかというのがすごく楽しみなチームだと思うのでまずは冬全員で一人一人が強くなるんだという強い覚悟をもって練習していければいいと思います。

――次期主将としてチームをどのように引っ張っていきたいですか

やりたいことは結構あるのですが、信用してもらえるような主将としての自覚と覚悟と行動を伴えるようにしっかり考えて周りを見ながらやっていきたいです。私が引っ張ることができたら一番良いのですが、私はずば抜けて強いというわけではないので、私自身すごく強くなりたいと思いますし、冬明けからワセ女のトップを目指していきたいなと思います。しかし、一人で引っ張るというよりはワセ女全体でまとまってワセダを表現できるようにしたいです。私は後輩たちにボートのことで話すというよりは他愛ない話をすることが多いのですが、先輩だから話しづらいと気負わせず、普通の何気ない話からでもいいですし、漕いでいる中での悩みとかも引き出して、この主将になら何でも話せるという雰囲気づくりを心掛けていきたいと思います。絶対に強い組織にしたいので…勝ちのためなら何でもします、本当に。

――それは去年と変わってということで

そうですね。私は先輩に甘えてばっかりいました。レースも勝てている時もありましたがそこには必ず先輩方が乗っていて絶対的な先輩の存在があったのですが、きょうで引退されて頼る人はいないのでしっかり自分で考えていき、今度は後輩たちに私がいまの4年生に持っているような思いを持ってもらえるようにしていきたいなと思います。

――引退する4年生にどのような思いを持っていますか

女子だけでなく男子の先輩方にも感謝の気持ちしかないです。この代の4年生は部を引っ張ってくれる絶対的存在であり、この人たちについていけば大丈夫、勝てると思える圧倒的な強さがありました。そんな大きな存在がいなくなってしまうのは本当に悲しいというか結構チームの中の大きなものがなくなってしまうなというのがあるのですが、そこでどうやってチームをより上に持っていけるかは私たちにかかっていると思います。新体制になってゼロからスタートするのではなく、いまの4年生がつくり上げてきたワセダの基盤、『OneWASEDA』の上積みをしていってもっと良いワセダにしていきたいなというのがあります。

C:佐藤修平(文2=秋田)

――率直ないまのお気持ちは

自分の気持ちを振り返ると意外とあっさりしているというか、実感があまりないです。

――レース前、緊張などされましたか

レース前というより、僕はレースの前日まで夜全く眠れなくなって、逆に直前になると冷静になるので、冷静に臨めたと思います。

――レースを振り返っていかがでしたか

レースは、スタートが少し失敗というかあまり良くなくて、ただインカレ後、全日本へ向けてコンスタントのところをすごく上達させてきたので、それで何とか早い勝負をかけていけました。

――レースプランはどのようなものでしたか

最初、頭を取って攻めて攻めてという感じだったんですけど、嫌な位置に日大や明大につけられていたので、ヒヤヒヤしながらでした。

――僅差でのゴールとなりましたが、日大の猛追にどのように対応しましたか

あそこは、もう2人のすごさと底力と。あとよくコールを聞いてくれたな、本当に勝負根性あるなという感じで2人の漕ぎに尽きますね。

――インカレ、全日本と共に制覇となりましたが、改めていかがですか

あまり勝ち負けは意識していなくて、とにかくやれることを謙虚に最後までやろうという意識で3人できたので、それが結果になったかなと思います。

――何か今後に向けて得られたものはありましたか

たくさん得られた、そういう楽しい夏でした。組み始めに3人で謙虚にやることやろうと、それをモットーにやってきたのでそれを通せたかなと思います。これは、ボート関係なくいろいろ生きてくることだと思うので、謙虚さを学んだ夏でした。

――中村拓選手(政経4=東京・早大学院)が引退されますが、何か思うことは

同じ部屋なんですけど、この日が近づくにつれて本当に僕も悲しくて、コックスを引っ張ってくれた先輩なので憧れでもあり、いずれ越えたいです。大好きで尊敬していますし、最後の最後であるあした退寮するまで、いろんなことを盗みたいと思います。

――今後の目標を教えてください

また1カ月後に新人戦があるので、きょねんの借りを返すつもりで僕のモットーでもある、やることやり切って謙虚に結果につなげられたらなと思います。