相撲部

2015.09.08

第64回東日本学生リーグ戦 9月5日・6日 東京・靖国神社相撲場

34年ぶりの優勝!念願の1部昇格達成

 時折雲間から顔を見せる太陽に祝福されるかのように、勇ましい力士たちが土俵に並んだ。東日本学生リーグ戦で早大は団体戦7戦全勝優勝という輝かしい成績を挙げる。この大会の2部での優勝は1981年大会以来、実に34年ぶりの快挙だ。また1部との入れ替え戦では明大を破り、念願の1部昇格を決めた。

 2部リーグ戦は7人制の総当たり戦で行われ、1回戦の相手は慶大。実力はほぼ互角で拮抗した展開となった。黒星白星共に3つで迎えた大将戦、勝利の行方は今季好調の鬼谷智之(スポ2=愛知・愛工大名電)に託される。開始直後の鬼谷の素早い押しに相手はなすすべもなく、そのまま押し倒しで白星を勝ち取った。幸先の良いスタートを切った早大であったが、続く2回戦の法大に苦しめられる。先鋒、二陣と連敗し白星が欲しい三陣戦で榊原祥孝主将(社4=千葉・専大松戸)が意地を見せる。一度は体勢を崩されるもなんとか持ちこたえ、寄り倒しで勝利しチームに歓声があがった。しかし、ここで勢いづくことができずに次の取り組みは惜しくも黒星。後がなくなった早大、プレッシャーのかかる大事な場面で流れを好転させたのは小山雄太(スポ3=神奈川・向の岡工)だ。小山は「無心でした」と自分の相撲をやり切り見事勝利する。ここから巻き返しを始めた早大は連勝し優勝への大きな一歩を踏み出した。

順調に白星を重ねる榊原

 猛進する早大は3、4回戦で埼大、立大を圧倒し無敗のまま5回戦の駒大戦を迎えた。二陣の若林魁(スポ1=岐阜農林)は両者一歩も譲らぬ激しい取り組みの中、相手がバランスを崩した一瞬の隙を見逃さずにすかさず引きに転じ、引き落としで白星を勝ち取る。駒大の選手は若林が高校の時に負けた相手だった。「リベンジできて良かった」(若林)と笑みを浮かべる。新人の実力も確実に上がりチーム全体の完成度が高まってきている。乗りに乗った早大は残りの2試合を順調に勝ち進み7戦全勝で優勝した。

チームに貢献した小山

 大会2日目、1部昇格を目指す早大は明大との1部・2部入れ替え戦に臨んだ。この日は9人制。先鋒の前川晋作(社3=東京・早実)が中盤拮抗するも粘りをみせて下手ひねりで相手を下す。チームに弾みをつけると、二陣、三陣と順調に白星を挙げた。流れをつかんだかに思われた早大だったが、このまま負けるわけにはいかない明大の奮闘により相次いで黒星を喫する。「ここでいくしかないと思って一発勝負をかけました」と語る七陣の本田煕誉志(社2=大分・楊志館)が、立ち合いから前へ前へと積極的に攻めて相手を押し出し、チームの士気が再び高まった。しかし続く取り組みでは惜敗。勝負の行方は大将戦にゆだねられるという劇的な展開となった。緊張感が漂う中、「本気でやろうと思った」と小山が気迫の込もった攻めを繰り広げ、小手投げで勝利する。チーム全員で見事1部昇格を果たした。

優勝し笑顔を見せる選手たち

 「仲が良く、チーム力がある」と選手たちが口をそろえて言うように、今回の1部昇格はまさに早大相撲部全員で勝ち取ったものだ。「1部昇格は嬉しいのですが、1部でも通用するように練習を頑張っていきたい」と小山が語るように、昇格しただけでは満足しない頼もしい声も聞くことができた。持ち前のチーム力でどこまで戦っていけるか。早大相撲部の躍進は始まったばかりだ。

(記事 高橋団、本田理奈、写真 中村ちひろ)


結果

2部リーグ戦

一回戦 対慶大 4勝3敗

先鋒 ●前川参段(引き落とし)薮本参段○

二陣 ○若林弐段(突き落とし)樋口参段●

三陣 ○榊原参段(寄り倒し)佐藤哲郎●

中堅 ●本田参段(勇み足)平野弐段○

五陣 ○小山参段(押し出し)内山正志●

副将 ●谷本参段(上手投げ)嶋田参段○

大将 ○鬼谷参段(押し倒し)時田参段●



二回戦 対法大 4勝3敗

先鋒 ●前川参段(肩透かし)宇野初段○

二陣 ●若林弐段(押し出し)岡田弐段○

三陣 ○榊原参段(寄り倒し)小賀坂弐段●

中堅 ●本田参段(寄り倒し)五十嵐参段○

五陣 ○小山参段(送り出し)高木参段●

副将 ○谷本参段(押し倒し)野上弐段●

大将 ○鬼谷参段(押し出し)川上参段●



三回戦 対埼大 6勝1敗

先鋒 ○前川参段(つり出し)田口裕智●

二陣 ○若林弐段(不戦勝)●

三陣 ○榊原参段(押し出し)金子参段●

中堅 ○本田参段(押し出し)中村圭佑●

五陣 ○小山参段(不戦勝)●

副将 ●谷本参段(とったり)庄司参段○

大将 ○鬼谷参段(不戦勝)●



四回戦 対立大 7勝0敗

先鋒 ○前川参段(寄り切り)野口弐段●

二陣 ○若林弐段(押し出し)細川初段●

三陣 ○榊原参段(押し出し)廣田健人●

中堅 ○本田参段(寄り倒し)金子健太朗●

五陣 ○小山参段(押し出し)繁高主税●

副将 ○谷本参段(押し倒し)宮川賢志●

大将 ○鬼谷参段(押し出し)宇都宮徳太郎●



五回戦 対駒大 4勝3敗

先鋒 ●前川参段(寄り倒し)中嶋弐段○

二陣 ○若林弐段(引き落とし)山口弐段●

三陣 ○榊原参段(寄り切り)小林参段●

中堅 ○本田参段(寄り切り)伊藤参段●

五陣 ●小山参段(突き倒し)石川大治○

副将 ○谷本参段(寄り切り)吉田初段●

大将 ●鬼谷参段(引き落とし)佐藤参段○



六回戦 対大東大 6勝1敗

先鋒 ○前川参段(ずぶねり)丹野匠●

二陣 ○若林弐段(押し出し)平澤初段●

三陣 ○榊原参段(はたき込み)大久保参段●

中堅 ○本田参段(小手投げ)佐藤弐段●

五陣 ●小山参段(引き落とし)佐藤参段○

副将 ○谷本参段(突き落とし)鈴木参段●

大将 ○鬼谷参段(押し出し)谷合参段●



七回戦 対東大 7勝0敗

先鋒 ○前川参段(押し出し)湯浅慶一●

二陣 ○若林弐段(突き出し)田辺達也●

三陣 ○榊原参段(寄り倒し)柳瀬初段●

中堅 ○本田参段(押し出し)中島朋滉●

五陣 ○小山参段(突き出し)黒宮寛之●

副将 ○谷本参段(押し出し)大羽雄一郎●

大将 ○鬼谷参段(押し出し)福士大介●



※2部リーグ優勝

※榊原は敢闘賞を受賞


1部・2部入れ替え戦

対明大 5勝4敗

先鋒 ○前川参段(下手ひねり)森田弐段●

二陣 ○若林弐段(突き出し)前田参段●

三陣 ○堀越弐段(寄り倒し)川村弐段●

四陣 ●市川参段(はたき込み)武政参段○

中堅 ●榊原参段(勇み足)齊藤参段○

六陣 ●鬼谷参段(はたき込み)小川弐段○

七陣 ○本田参段(押し出し)名和弐段●

副将 ●谷本参段(寄り倒し)北川弐段○

大将 ○小山参段(小手投げ)鈴木参段●



※1部昇格決定

コメント

室伏渉監督(平16人卒=東京・明大中野)

――優勝したいまの率直な気持ちは

嬉しいですけど、最初が悪かったので。もっと手放しで喜びたいところもあるんですけどね。最初は内容が悪かったですけど、どんどん良くなってきたのでそこは良しとしないといけないです。

――合宿や日頃の稽古の成果が出てきたのか、積極的に攻めている姿が印象的でした

もともとそういうふうに稽古のつもりで、この大会は自分たちの夏の成果がどこまで通用するかというのをやる場所だといつも思っているので、自分たちが積極的にもっと前に出なきゃいけない、やはり自分から攻めないといけないので。うちのチーム自体、ちょっとエンジンがかかるのが遅いので、そこがだんだん良くなってきたので良かったなと思っています。

――どんなところが課題ですか

チームで敢闘賞が一人しかいなかったんですけど、誰かが勝って誰かが負けてというようにチーム自体で勝ったところが良かったと思います。そこはみんなで一つにならないと勝てなかったと思うんです。調子が良い人もいれば調子が悪い人もいるんですけれど、それがだんだんフォローしながらやっていったところは良かったです。課題はエンジンがかかるのが遅いということ、自分たちの相撲をとりきる前に終わってしまうこと。そこがまだまだです。インカレはトーナメント戦なので一発勝負で失敗が許されないのでそこはやはり大事にしないといけないなと思います。

――7人制でしたが、5人制と比べて難しい点はあるのでしょうか

いえ、体重制限が前の2つは決まっているので、うちはその軽量級でそんなに悪い選手はいないので、もっと前でとれたかなと思ったんですけれど、最初の前川と若林が、若林は6勝しましたが前川はもっと勝てるようになっていかないと、ケガもあったりいろいろあるのでそこは課題ですね。

――いよいよ入れ替え戦ですね。意気込みを教えてください

入れ替え戦は自分たちの力がどこまで通じるか、ほかの1部と戦うのでそこは思い切ってやってほしいです。もう1番しかないのでどうやってピークを持っていくか、向こうはもう(1部リーグ戦を終えた直後の)身体が動いた状態でやってくるので、アップをしっかりやって挑んでいかないといけないと思います。

植田力康ヘッドコーチ(平22スポ卒=茨城・東洋大牛久)

――ついに1部に昇格しましたがいまのお気持ちは

本当に嬉しいですね。東日本のリーグ戦などは1部と何十年もやっていなかったので。9人そろうということもなかなかなかったですし。率直に嬉しいですし、良かったです。

――きょうの試合はいかがでしたか

先鋒は前川からしっかり勝って、若林も良い相撲を取って、堀越もとってというように前で3つとってくれたので全体的にチームが乗っていったかなと思います。榊原の勇み足は仕方なかったですけれども、本田が強い選手に勝ったのでそこでチームの雰囲気が良くなったと思います。

――これからどんなところを伸ばしていきたいですか

もともとチームの実力があることは練習をやっていても見ているんですけれど、1部でも通用する力があると思うのでもっと選手たちが試合慣れして、自分の練習での力を発揮できればさらに活躍できると思います。

――1部で戦っていくために今後どうやって指導していきますか

基本的には気迫で負けないようにというのが前提で、あとは選手それぞれの長所を伸ばしていけるような指導をしたいと思っています。

榊原祥孝主将(社4=千葉・専大松戸)

――34年ぶりの2部優勝ということですがお気持ちを聞かせてください

非常に嬉しいですね。いつの先輩方の試合かは分からないのですが、それに匹敵する成績を修められたということは非常に評価できるのではないかなと思います。

――この試合までのチームの雰囲気はいかがでしたか

この試合は一つのゴールという訳ではないので、通過点として気楽にいこうという感じでした。チームの雰囲気としては良かったと思います。

――ご自身の目標は

1年生の時にも7勝で敢闘賞をもらっていたのでことしももらえたらなと思ってやっていました。

――夏合宿で強化したことは

体力的には下半身中心でトレーニングをして、あとは精神的にタフになることを意識してやったので、その結果が出たのかなと思います。

――きょうの全体的な振り返りをお願いします

もうちょっと楽に勝てたら良いのですが、勝つべきところでは勝ってチームで支えあって4点取るという早大らしい戦いができたのではないかと思います。

――法大戦では危ない場面もありましたが粘りを見せました。振り返ってみていかがですか

法大戦は立ち上がりは良かったのですがその後少しミスしてしまって追い込まれましたけど、自分自身は落ち着いていたので勝てました。その後小山が日頃の稽古場であまり勝っていなかったのですが、法大の選手に勝てて流れを持ってきてくれたので勝てたのかなと思います。

――全勝して敢闘賞を取られたお気持ちを聞かせてください

1年生の時以来なので、勝てて終われたことは非常に嬉しいと思います。

――1年生と4年生の時の手応えの違いは感じましたか

1年生の時は失うものがないので、ただひたすらやっていたのですが、4年生はプレッシャーしか感じなかったです。すごい大変だなと思っていたのですが、結果的に7勝できたので良かったなと思います。

――あすの入れ替え戦への意気込みをお願いします

今度は9人制になってチームに誰も控えがいない状態の総力戦になるのですが、やってやれないことはないと思います。こっちも総力戦ですがあっちも総力戦になると思うので一つやってやろうかなと思います。

小山雄太(スポ3=神奈川・向の岡工業)

――優勝した今の気持ちを教えてください

嬉しい反面、自分の課題も出たのでそこを修正していきたいです。

――取り組みを振り返っていかがでしたか

法大戦は大事な場面で勝てたのでよかったのですが、その後の大東大、駒大戦で負けてしまいました。敢闘賞を狙っていたので悔しかったです。

――法大戦の重要な場面ではどのような心境でしたか

無心でした。考えると色々迷ってしまうので。

――5,6回戦で惜しくも負けてしまいましたが、敗因は何だと思いますか

駒大戦は立ち合いに遅れてしまいました。大東大戦では、まわしを取りたかったんですけどうまくいきませんでした。

――個人としてはどのような意気込みで臨みましたか

最初に対戦票を見たときから敢闘賞を狙えると考えていました。

――夏合宿の成果は出ましたか

去年より坂ダッシュを倍ぐらいやったので、その成果が出たと思います。

――入れ替え戦に向けて一言お願いします。

自分は順番が最後なので、勝ち4負け4で回ってきたときは必ず勝ちたいと思います。

――1部昇格を決めた今の気持ちはいかがですか

嬉しいのですが、1部の中でも通用するように練習を頑張っていきたいという思いがあります。

――プレッシャーのかかる1番でしたがどうでしたか

正直プレッシャーは感じていましたが、本気でやろうという思いでした。

――チームとしての勝因は何だと考えていますか

やはりチーム力と、夏合宿で全員で頑張ってきたことだと思います。

――今後のいきごみをお願いします

インカレで優勝できるように頑張りたいです。

堀越豊輝(スポ2=東京・足立新田)

――念願の1部昇格を果たしたお気持ちはいかがですか

本当に嬉しいです。

――合宿ではどんなところを鍛えましたか

足腰をずっと鍛えていました。坂道ダッシュとか階段を上ったりして、足を出すことを意識して練習していました。

――きょうのご自身の試合はいかがでしたか

本当は立ち合いでついていこうと思ったんですが、まわしを取られてしまって。でもそこで冷静に対応できたので良い相撲だったと思います。

――その時の勝因は何だったと思いますか

左をすぐに取れたからだと思います。下手が取れたので、自分の形になれて良い攻めができたと思います。

――チームが昇格できたのはなぜだと思いますか

チームの力ですかね。チーム全員で取った勝利だと思うので、きのうのリーグ戦もそうだと思うんですけど、誰かが負けたら違う人が勝ってカバーしていくというチームの力があったからだと思います。

本田熙誉志(社2=大分・楊志館)

――1部昇格を決めた今の気持ちはいかがですか

ただただ嬉しいです。今まで一部昇格を目標にみんなで頑張ってきましたが、思うような結果がなかなか出なかったので、今日の勝ちというのは5勝4敗ではありますがすごく嬉しいです。

――積極的な攻めが見られましたが、自分としてはどうでしたか

積極的な攻めは自分の強みだと思っていて、自分は消極的な攻めでうまく勝てるようなタイプではないので、ここでいくしかないと思って一発勝負をかけました。

――チームとしての勝因は何だと考えていますか

チームとしてのまとまりがあるチームになってきたことだと思います。馴れ合いなどではなく本当に仲がよくて、仲がよい中にも一人一人がライバルだという意識を持っていました。そのような中からチームの一員としての自覚が生まれ、よいチームになってきたと思います。

若林魁(スポ1=岐阜農林)

――優勝してみてどんなお気持ちですか

本当に嬉しいです。/p>

――きょうの試合は満足のいく結果になりましたか

チームとしては良かったですが、個人的には最初の1番目と2番目が集中力が欠けていたかなというのがあって、3つ目から持ち直したのでそこは良かったかなと思います。

――駒大とは激しい戦いとなりましたが手応えはいかがでしたか

相手は自分が高2のときに全日本ジュニアの中量級で優勝した人なんですけど、自分はその相手に負けて3位だったのでリベンジできて良かったです。

――合宿を通して得たことはありましたか

チームとして団結力が上がったというのは絶対にあって、個人的にはあきらめないようになったことですね。合宿が長くてメンタル面できつかったのですが、そこを鍛えたのできょうの試合で後半持ちこたえました。

――法大の相手とは粘っていましたが負けてしまいました。何か課題は見えましたか

相手はこの前のチャンピオンなので、強い相手に自分の相撲をとれなかったというのと、もっと強い相手に思いっきりできるように、明日は特に自分より上の相手だと思うので思いっきりやるというのが課題です。

――明日の意気込みは

明日は1番しかないので絶対に勝ちたいと思います。