馬術部

2015.09.06

第85回関東学生争覇戦 9月4~6日 東京・JRA馬事公苑

連覇叶わずも、堂々の2位

 第85回関東学生争覇戦(争覇戦)。各大学から6選手と3頭が出場し、勝ち点を奪い合うトーナメント方式の大会だ。早大は昨年、同大会で63年ぶりに覇者に返り咲いている。ことしは決勝で日大に苦杯をなめさせられるも、各選手が堂々の走行を見せ2位と健闘。一進一退の白熱した戦いが展開された。

 1回戦の相手は慶大。最初に走行した大澤佳純主将(教4=神奈川・桐蔭学園)が自馬で白星を挙げ、幸先の良いスタートを切る。その後は田中萌(スポ3=東京・関東国際)が貸与馬で値千金の勝ち点を獲得するなどし、4-2で2回戦進出を決めた。東農大との2回戦はさらなる混戦を極める。自馬の3頭ではいずれも勝利するが、貸与馬戦を全て落とし3-3の引き分け。総減点で75-79と僅差で相手を上回り、緊迫した接戦を制した。

2回戦の走行を落下なしでまとめた工藤千明(人3=東京・三鷹)とペルペチュエル

 運命の決勝戦。大一番で迎えた相手は、奇しくも昨年の決勝で戦った強豪・日大であった。相手の各選手が好成績を残す中、田中が自馬でまさかの失権。1、2回戦と勝利していた大澤主将も、同じく自馬で7つの障害を落とすなど精彩を欠き、早大の連覇に暗雲が立ち込めた。悪い流れを断ち切ったのは山田瑞月(創理2=英国・立教英国学院)。自身も「競技中楽しかったです」と振り返るように、貸与馬ながら減点0の完璧な走行を見せ一縷(いちる)の望みをつないだ。しかし、追い上げむなしく2-4で敗戦。日大に昨年のリベンジを許すかたちで、今大会は幕を閉じた。

決勝出場者の中で唯一減点なしの走りを見せた山田

 「自馬で勝ち星を挙げていくことが勝ちへのセオリー」――。河野貴大(スポ2=東京・東農大一)のこの言葉からも分かるように、決勝戦の敗因は自馬をうまくコントロールできなかったことにあるだろう。それでも、大澤主将が「今の戦力で2位になれたということは、みんなの力が発揮できたんじゃないかなと思います」と総括したように、選手たちは前向きにこの結果を捉えている。表彰台で見せた笑顔が、今大会での達成感を物語っていた。争覇戦での息の詰まる連戦を乗り切った早大馬術部は、次なるステージを目指し新たな一歩を踏み出した。

(記事 川浪康太郎、写真 桝田大暉、稲満美也)

2位に輝き、笑顔の早大

優秀選手に選出された山田

結果

◇1回戦 ○4-2慶大

○大澤主将(総減点4)―大塚亮太朗(総減点8)

●工藤(総減点12)―小山礼高(総減点4)

○山田(総減点12)―佐藤有美佳(総減点20)

○三浦愛(教4=神奈川・カリタス女子)(総減点9)―岡俊作(総減点20)

●河野(総減点20)―岩崎皇斗(総減点18)

○田中(総減点4)―森夏希(総減点5)

◇2回戦 ○3-3東農大(総減点75-79)

○工藤(総減点1)―和田健太郎(総減点15)

●三浦(総減点12)―吉田匡慶(総減点4)

○山田(総減点24)―富園真伍(総減点28)

●河野(総減点19)―服部真緒(総減点8)

○大澤主将(総減点12)―中嶋遼(総減点20)

●田中(総減点8)―佐竹宏太(総減点4)

◇決勝 ●2―4日大

●河野(総減点8)―児玉光生(総減点6)

○工藤(総減点12)―松本譲(総減点14)

○山田(総減点0)―筑後優子(総減点4)

●田中(自馬での場外失権)―可児太亮(3反抗による失権)

●三浦(総減点19)―陶器幸一(総減点12)

●大澤主将(総減点37)―今橋裕晃(総減点24)

コメント

大澤佳純主将(教4=神奈川・桐蔭学園)

――決勝戦に向けてどういう心持ちでしたか

せっかく決勝まで残ることができたので、しっかり自分も勝ち点を取って優勝に貢献したいと思っていました。

――1、2回戦はいかがでしたか

1回戦と2回戦で違う馬に乗ったのですが、どちらも自馬に乗りました。何回か東伏見での練習でその馬に乗ったことがあったので、その練習通りに乗ろうと思っていました。

――今大会2位という結果についてはどう考えていますか

きょねん優勝していて、ことしは2位という結果なのですが、今の戦力で2位になれたということはみんなの力が発揮できたんじゃないかな、と思います。

――来週には全日本学生女子選手権が控えていますが、目標や意気込みをお願いします

2回目の出場なのですが、2年生で初めて出たときは1回戦で敗退しています。苦手な馬場である1、2回戦をしっかり突破したいです。

三浦愛(教4=神奈川・カリタス女子)

――早大は連覇が懸かっていましたが、この大会にはどのような意気込みで臨まれましたか

私はことし初めての争覇戦で、強い対戦相手を当てられると思っていたので、とにかく帰ってくることを目標に臨みました。

――1、2回戦を振り返っていかがですか

1回戦は相手が途中であぶみを外していたので結構減点が多かったので、私は少ない減点で帰ってくることだけを目標にして帰ってきました。

――貸与馬に乗る難しさはありましたか

私は3試合全て貸与馬に乗ったんですが1、2回戦の馬は結構走る馬で、普段乗っている稲純にタイプが似ていて良かったです。決勝は乗りやすい馬で、前段の陶器くん(幸一、日大)はすごくうまい選手なんですが減点が12ついていたので、もしかしたら勝てるかもしれないと思って、ゆっくり走って少ない減点で帰ってこようと思ったんですが、7番障害終わった後に電光掲示板で減点12の表示を見て、だめだったかと思いました。

――2位という順位についてはどのように受け止めていますか

きょねん勝っているので、やっぱり勝ちたかったです。日大は強いなと感じました。

――引退も近づいてきましたが、残りの競技生活はどのように取り組んでいきたいですか

私の次の試合は9月末の早学戦なので、その第3競技の小障害で優勝できるように練習していきたいです。

工藤千明(人3=東京・三鷹)

――連覇が懸かった大会でしたがどんな意気込みで臨みましたか

1回戦は貸与馬で2、3回戦は自馬だったんですけど、自馬は普段から練習してる馬なので、なるべく大きなミスをしないようにと思っていました。コーチが練習を見に来てくれたので状態も良かったので、自分の実力を出せるように頑張りました。

――1回戦は貸与馬で敗戦しましたが、貸与馬戦での課題はどの部分にありますか

貸与馬は今まで全く乗ったことのない馬なので難しかったんですけど、下から見てもこういう馬だなと分かるように、完璧にレベルを上げていきたいと思います。

――2回戦は素晴らしい成績でしたが、上手く行った要因は

内容はすごく酷かったので、馬が頑張ってくれたとしか言えないです。

――決勝は自馬でしたがプレッシャーは感じましたか

自馬は貴重な勝ち点1だったので、緊張はしていました。

――今後に向けた意気込みを聞かせてください

10月の終わりから11月の初めにかけて全日本(三大大会)があって、普段乗ったことのない馬にも乗るので、そこでしっかりミスしないようにしたいです。

田中萌(スポ3=東京・関東国際)

――昨年優勝した今大会ですが、ことしはどのような思いで挑みましたか

与えられた馬にしっかり乗って、ちゃんと帰ってくることを目標にしていました。

――1、2回戦のご自身の走りを振り返っていかがですか

1回戦も2回戦も良い馬だったので、減点なしで帰ってきたいという思いがあったんですが、乗り切れなかったです。2回戦で2落下してしまったのは悔しいです。

――決勝は失権となってしまいましたが、振り返っていかがですか

待機馬場の時点で馬の脚が痛くて、そこで自分が弱気になってしまったのかなと思います。馬がおかしくなった時も、私もパニックになってしまって、そのまま終わってしまったのですが、(タニノマティーニは)最近組んでいる馬なので、これから一緒に上に上がっていければいいなと思います。

――2位という結果についてはいかがですか

結果としては2位ですけど、内容を良いものにできたら良かったなと思います。

――この大会の内容をどのように生かしていきたいですか

何かハプニングがあると自分がパニックになってしまうので、考えながら落ち着いて乗れればいいなと思います。

河野貴大(スポ2=東京・東農大一)

――1、2回戦を振り返っていかがでしたか

1回戦は早稲田の馬に乗っていて、基本的に自校の馬で勝ち星をあげていくことが勝ちへのセオリーなのですが、勝つことができず、貢献できなかったなと思っています。
2回戦は東農大の選手が2落下していたので、丁寧に回って減点なしでこようと思ったら、弱くなってしまい2反抗されてしまったので、反省の残る試合となりました。

――きょうの試合も貸与馬でしたが、いかがでしたか

日大は良い馬が多いので前日から結構楽しみで、どんな馬なのかを研究して挑みました。結果的には、2落下で負けてしまったのですが、楽しく回ってこれて良かったと思います。

――今大会2位という結果についてはいかがですか

本音を言うと優勝したかったので、悔しいです。

――今後の目標をお願いします

個人としては、ことしの全日本(学生大会)は出られるか分からないので、らいねんの関東(学生大会)に向けて、人の技術も馬の調子も合わせていきたいと思います。

山田瑞月(創理2=栃木・立教英国学院)

――連覇が懸かっていましたが、今大会へはどのような意気込みで臨まれましたか

日大がすごく強い大学なので全然勝てるとは思っていなくて、自分のベストを尽くそうという思いでした。

――1、2回戦でのご自身の走行を振り返っていかがですか

1、2回戦とも早大の馬で出たのですが、自分の思っていたようなことができなくて、相手のミスでもらったようなかたちの勝ちだったので、そこにはちょっと悔しさがあります。これを修正していって、さらに上手くなりたいです。

――決勝では減点なしで勝ち点を獲得しましたが

きょねんも乗らせていただいた桜閃という馬だったのですが、とても乗りやすくて、競技中も楽しかったです。

――今大会2位でしたが、感触はいかがですか

きょねんとは違う新しいメンバーになってここまで勝ち進めるとは思っていなかったので、驚いています(笑)

――今後の課題、目標があれば教えてください

まだまだ2年生で、できていないなと思うところがあるので、そういうところをしっかり修正して、らいねんの争覇戦も頑張りたいと思います。