野球部
2015.06.03
春季新人戦 6月2日 神宮球場
打撃で守備のミスをカバーし、逆転勝利を果たす
準決勝 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 計 |
明大 | 0 | 0 | 4 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 |
早大 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 | × | 7 |
(早)二山、奈須、清水、○柳澤—吉見 ◇(本塁打)佐藤晋1号ソロ(二塁打)佐藤晋、宇都口 |
---|
早慶戦を制しリーグ戦での完全優勝を果たした早大。勢いそのままに、1、2年生で構成されるヤングワセダも新人戦に挑んだ。昨季優勝したため、シードを得て準決勝から始まった今試合。投手陣の制球がなかなか定まらず、守備でもミスが見られた序盤は明大に5得点を許してしまう。しかし、ゲームキャプテンの4番・佐藤晋甫(教2=広島・瀬戸内)が打撃で好調さを存分に発揮するなど、7回に逆転に成功。6回から登板した柳澤一輝(スポ2=広島・広陵)は途中苦しみながらもしっかりと抑え、7-5で早大に軍配が上がった。
投手陣はなかなかリズムをつかむことができなかった。先発の二山陽平(商2=東京・早実)は緊張からか制球が定まらず、3回までに4失点を喫する。続く奈須怜斗(社2=宮崎・延岡学園)、清水陸生(人2=宮崎大宮)も四球や安打を許し、5回の時点で3-5の2点ビハインド。このままでは終われない早大は、リーグ戦でもベンチ入りを果たしている柳澤が満を持して登板する。6・7回を三者凡退で抑えるなど、90キロ代の変化球や140キロ代の直球など緩急をつけた投球で相手打者を翻弄(ほんろう)。8回には安打や連続四死球で満塁の場面を迎えるが、ここはさすが経験豊富な柳澤。三飛に打ち取りピンチを切り抜け、マウンドには雄たけびが響き渡った。最終回でも好投を見せた柳澤は期待に応え、役割をしっかりと果した。
ピンチを切り抜け雄たけびを上げる柳澤
「どんな打球でもフルスイングしよう」(佐藤晋)。この日佐藤晋は3安打4打点の活躍を見せるなど、ゲームキャプテンとしてチームを自らの打撃で盛り上げた。2回の第1打席で相手先発・水野匡貴の初球をレフトスタンドへ。先制点をこの一振りで奪取した。盗塁や相手の失策が重なり、満塁の好機が訪れた3回には走者を2人返す適時打を放つ。5回には粘りを見せながらも空振り三振となるが、7回一、二塁の場面で二塁適時打を放ち、4-5の1点差まで詰め寄った。続く吉見健太郎(教2=東京・早実)が中前に適時打を放ち同点に追いつくと、岡大起(社2=東京・早実)の打席で追加点を挙げ、逆転に成功。8回には相手のミスにつけ込みさらに1点を追加した早大は、7-5で逆転勝利を収めた。
この日大活躍を見せた佐藤晋
点を取られても逆転し、粘り強さを発揮した。しかし、与えた四球は11個と投手陣は本来の投球をすることができなかった。守備面でもミスが見られるなど課題は山積みだ。「あすも『一戦必勝』で粘り強く泥臭く戦って行きたい」(岡田稔基新人監督、スポ4=埼玉・川越東)。目の前の勝利に貪欲に挑み続ける早大。2季連続の優勝を目指し、決勝でも底力を見せつける。
(記事 後藤あやめ、写真 三井田雄一)
早大打者成績 | |||||||||||||||||
打順 | 守備 | 名前 | 打 | 安 | 点 | 率 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | (遊) | 宇都口滉 | 3 | 1 | 0 | .333 | 四球 | 見振 | 捕邪 | 四球 | 中2 | ||||||
2 | (中) | 三倉進 | 2 | 1 | 0 | .500 | 二直 | 四球 | 中安 | 投ギ | 死球 | ||||||
3 | (右) | 八木健太郎 | 3 | 0 | 0 | .000 | 右飛 | 四球 | 二併 | 四球 | 二飛 | ||||||
4 | (一) | 佐藤晋甫 | 4 | 3 | 4 | .750 | 左本 | 中安 | 空振 | 左2 | 四球 | ||||||
5 | (捕) | 吉見健太郎 | 5 | 2 | 1 | .400 | 右安 | 遊ゴ | 中飛 | 左安 | 三失 | ||||||
6 | (二) | 岡大起 | 5 | 0 | 1 | .000 | 捕飛 | 左飛 | 空振 | 遊ゴ | 空振 | ||||||
7 | (左) | 長谷川寛 | 2 | 1 | 0 | .500 | 中飛 | 四球 | 遊安 | 四球 | |||||||
8 | (三) | 織原葵 | 2 | 1 | 0 | .500 | 右邪 | 四球 | 右安 | ||||||||
打 | 尾崎資樹 | 1 | 0 | 0 | .000 | 見振 | |||||||||||
三 | 増田裕匡 | 0 | 0 | 0 | .— | ||||||||||||
9 | (投) | 二山陽平 | 0 | 0 | 0 | .— | |||||||||||
投 | 奈須怜斗 | 1 | 0 | 0 | .000 | 投ゴ | |||||||||||
打 | 熊田睦 | 1 | 0 | 0 | .000 | 空振 | |||||||||||
投 | 清水陸生 | 0 | 0 | 0 | .— | ||||||||||||
投 | 柳澤一輝 | 2 | 0 | 0 | .000 | 空振 | 見振 |
早大投手成績 | ||||||||||
名前 | 試 | 勝 | 敗 | 回 | 安 | 振 | 球 | 失 | 責 | 防 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
二山陽平 | 1 | 0 | 0 | 2 2/3 | 5 | 2 | 5 | 4 | 4 | 13.50 |
奈須怜斗 | 1 | 0 | 0 | 1 1/3 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0.00 |
清水陸生 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 3 | 1 | 1 | 1 | 9.00 |
柳澤一輝 | 1 | 1 | 0 | 4 | 1 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0.00 |
コメント
岡田稔基新人監督(スポ4=埼玉・川越東)
――リーグ戦終わってすぐの新人戦でしたが、どのような気持ちで臨まれましたか
リーグ戦と変わらず一戦一勝を掲げました。スター選手などはいないので、泥臭く最後に1点勝っていれば良いよという話はしました。
――先発の二山選手(陽平、商2=東京・早実)の投球を振り返っていかがですか
緊張していたと思いますし、球が大分上ずって制球に苦しんだと思います。最低限失点を防いでくれた点では良かったです。もっと期待はしていましたが、緊張もあり本来のピッチングではなかったです。
――投手陣の起用に苦しんだと思いますが、投手交代のタイミングはどのように考えていましたか
試合が始まる前に投手交代のプランは投手コーチから言われていたので、それは頭にありました。しかし、皆緊張していて制球が定まっていなかったので、少しごたごたしました。
――柳澤選手のピッチングを振り返って
彼は今回ベンチ入りしている選手の中では頭ひとつ抜けている存在だと思うので、堂々と投げてくれたと思います。彼もそれなりに苦しんだと思いますが、しっかり投げてくれたので良かったです。
――8回のピンチの場面ではマウンドに声を掛けに行かれましたが、どのようなお話をされましたか
ランナーを敬遠しすぎて、力んでいるなと思いました。2アウトだったので、ランナーがいようが、バッターを抑えれば良いよという話をしました。
――チーム全体の守備を振り返って
もうボロボロですね。普段東伏見でやっていることが神宮球場でできないという難しさというものを選手たちは感じたと思いますね。
――打撃面を振り返って
もっと点が取れた場面があると思いますが、それは自分のサインの責任です。皆狙い球を絞って、打席で迷いなく打ってくれたと思います。
――佐藤晋甫選手(教2=広島・瀬戸内)の活躍を見ていかがですか
彼は新人戦のゲームキャプテンを任せているので、リーグ戦で右京(河原、スポ4=大阪桐蔭)がしっかり打ったように、彼も彼なりにそういう先輩の姿を見て頑張ってくれたと思います。
――あすの決勝に向けて意気込みをお願いします
きょねん新人戦は、秋は優勝しましたが春はできなかったので、春に優勝を取りに行くよという話は選手にしています。あすも『一戦必勝』で泥臭く粘り強く戦って行きたいと思います。
ゲームキャプテン佐藤晋甫(教2=広島・瀬戸内)
――逆転勝利を挙げることができたいまの率直な感想をお聞かせください
ミスも多くあったんですけど、最終的に1点勝っていればいいという意識でやっていました。率直に嬉しいですね。
――1打席目の本塁打はどのような球を打たれたのですか
高めで、若干インコース寄りのストレートでした。初戦の1打席目だったのでどんな球でもフルスイングしようと思って打席に立ちました。どんな球が来てもとりあえず初球は振らないと体が動かないので、それを狙っていたら良い結果につながりました。
――6回、逆転の足掛かりとなる適時打を打たれましたが、どのような気持ちで打席にたたれたのでしょうか
最初はボールを見ていこうかなと思ったんですけど、(チームの)雰囲気が良かったのでガンガン行こうと思って打席に立ちました。思ったより遅いカーブが来て思わず手が出てしまったんですけど、(バットの)ヘッドが走っていて風も強かったので、運も相まっていい結果になったなと思います。
――きょう4打数3安打というご活躍ぶりですが、打撃の調子はいかがでしょうか
逆方向を意識するよう髙橋広監督(昭52教卒=愛媛・西条)に言われていたのですが、日々の取り組みが良い結果につながっているなと思います。
――春季リーグ戦ではベンチメンバーに選ばれ続けてきましたが、そのことで意識に変化はありましたか
目の前で上級生がすごくいいプレーをしていて、「自分もこういうプレーをしなければいけないな」という気持ちがありました。すごくいい目標であり刺激になりました。
――きょうはベンチからの声がよく聞こえていましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか
試合序盤の流れはすごく悪かったんですけど、ベンチからすごく声を出してくれて、とてもやりやすかったです。
――ゲームキャプテンとしてチームのみなさんに何か言葉はかけられましたか
なかなか守備でリズムをつくれなかったので、「踏ん張れ踏ん張れ、いつかは絶対チャンスが来るから」と声かけをしました。とにかく必死に前向きな声をどんどんかけていました。
――あすの決勝戦への意気込みをお聞かせください
優勝は関係なく、この一戦に勝つことだけ考えてあしたもチーム一丸となって全力でやっていこうと思います。
宇都口滉(人2=兵庫・滝川)
――3出塁2得点と、1番打者としての役目を果たせました
1番打者なので、とりあえず塁に出ることを意識していました。
――きょうの試合で印象に残ったプレーなどはありましたか
8回の吉見(健太郎、教2=東京・早実)の打球が相手の三塁手のミスを誘った場面ですね。なんとか追加点が入ったので、あの場面は良かったです。
――守備面では8回に難しいフライもありましたが、いかがでしたか
あれは普通のフライでした(笑)。
――2回には野選もありましたが
難しい当たりでしたが、アウトにできなくて申し訳なかったです。
――1回には盗塁を決められましたが、何かサインが出ていたのでしょうか
あの場面はエンドランのサインが出ていましたが、三倉(進、スポ2=愛知・東邦)が振らなかったので、盗塁というかたちになりました。
――両軍四死球の多い試合でしたが、守っている立場としてはいかがでしたか
粘り強く守ることはできました。
――1点リードの8回には二塁打でチャンスメークをできました
いままで打てていなかったので、なんとか塁に出ようと待っていました。
――結果的に長打になりました
あまり(長打は)出ませんが、きょう(長打が)出てよかったです。
――ベンチでも声がよく出ており、ムードも良さそうですね
そうですね。新人戦では上の代ですし、(春季)リーグ戦でもベンチに入れてもらえていたので、率先して自分が引っ張っていかなくてはいけないと感じています。
――春季リーグ戦では初のベンチ入りを果たされましたが、いかがでしたか
どういう声かけをしたらいいかなどはだいたいわかってきた感じです。
――リーグ戦は見事優勝されましたが、ベンチから見ていてチームはどのように映りましたか
なんとかつないでいこうという意識を全員が持っていたので、チーム一丸というものを感じられました。
――あすの決勝戦への意気込みをお願いします
あしたは決勝戦で、昨秋優勝した時もベンチには入っていましたが、優勝するために自分のできることをやりたいです。