ハンドボール部
2015.05.05
関東学生春季リーグ 5月3日 東京・日女体大総合体育館
気持ちを切り替え、2勝目をもぎ取る
屈辱の敗戦から一夜明け、負ければ上位リーグ進出へもう後がない早大は国士舘大との対戦を迎えた。序盤から一進一退の様相が続いた今試合。前回の反省を生かし、まとまりあるプレーを見せた。1点ビハインドで前半を折り返すと、後半では攻守が噛み合い逆転に成功。なかなか手にすることのできなかった2勝目をようやくもぎ取った。
悔し涙を流した前回から気持ちを切り替えた。先制点を奪われたものの、序盤から積極的な攻めの姿勢を見せる早大。森本方乃香(スポ4=愛知商)が連続で得点を重ねると、前半19分に小林稚菜(スポ2=東京・小金井北)が豪快なシュートを決めるなど、果敢に相手ゴールを揺らしにかかる。終盤はミスによりあと一歩というところで得点に結びつかない場面が続くが、ここで焦らず冷静さを保った早大は、9-10の1点ビハインドで前半を終える。
勢いよくゴールに迫る小林
このままでは終われない早大。後半は攻守共に精彩を放つ。勝利への執念がチームを引っ張った。GK高田美沙(スポ4=千葉・昭和学院)の好セーブも光りしぶとくゴールを守ると、そこから攻撃のリズムをつくり、後半12分には逆転に成功。高田が相手のシュートを弾くと一気に速攻を仕掛け、川上智菜美(スポ2=東京・佼成学園女)がサイドシュートを決めた。その後も取っては取られる緊迫した状況が続き、差をつけられない両チーム。しかし、ここで均衡を破ったのは内海菜保(スポ2=香川・高松商)だった。「とにかく無心で打った」(内海)とラスト3分左サイドからボールを押し込み、決勝点を挙げる。最後に1点を返されるも、リードを守り切り試合終了。17-16で3試合ぶりの白星を挙げた。
貴重な1点を挙げた内海
「前向きな雰囲気で良かった」と高田が語るように、きょうは前回の試合までの悪い流れを断ち切ることができた。落ち着いて試合を運べたことが大きかったであろう。しかし、上位リーグ進出にはあと一歩を詰めなければならない。確実に点を取れる場面で決めきれない部分も見られたため、チャンスをものにしていきたいところだ。勝利に向け波に乗った早大。勢いそのままに次戦でも意気盛んな闘志を燃やしてほしい。
(記事 後藤あやめ、写真 尾澤琴美)
関東学生春季リーグ | ||||
---|---|---|---|---|
早大 | 17 | 9−10 8−6 |
16 | 国士舘大 | スタメン |
GK 高田美沙(スポ4=千葉・昭和学院) CP 千葉絵里子(社4=東京・文大杉並) CP 川村いぶき(社4=岩手・花巻北) CP 森本方乃香(スポ4=愛知商) CP 小林稚菜(スポ4=東京・小金井北) CP 川上智菜美(スポ2=東京・佼成学園女) CP 芳村優花(教2=愛知・星城) |
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コメント
千葉絵里子主将(社4=東京・文大杉並)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
きのうの反省として、試合中悪い場面になった時に中の人が暗くなってしまったというのがありました。それだけは絶対無くそうと、ミーティングをして気持ちも切り替えて試合に臨みました。そしたら前半の出だしも順調にいけて良かったと思います。
――きのうの試合では連携やシュートでのミスが多かったように見えましたがいかがでしたか
今週は特にフローターが間を狙って攻めることと、あまり得意ではないずらしのプレーを徹底的に練習して試合でやろうとしてきました。でもそれだけにこだわり過ぎて自分たちの持ち味である上から打つダイナミックなプレーをきのうはできませんでした。きょうも相手がディフェンス一線だったら、もっと間を狙うのはもちろん、上から打つプレーも増やしていこう、いろんなプレーに挑戦していこうと話し合って臨みました。
――前半を1点ビハインドで折り返しましたが、ハーフタイムにはどのようなことを話されましたか
まず前半、向こうの得点源として左利きのプレーヤーに何本も取られていたので、その守り方をどう修正するのかディフェンスの人に話し合ってもらいました。私からは前半最後の場面で流れが悪かっただけで、全体としては悪くなかったから落ち込むことはないと話しました。いつも競った場面になると焦ってしまって周りが見えなくなる傾向にあるので、常に落ち着いて、焦らなくていいという風に声は出していました。
――後半そういったことは実践できていましたか
ディフェンスの時みんな盛り上がって声を出しているのは良いと思うんですけど、きのうも必死になり過ぎて間をしっかり閉めるとか、当たらなくてはいけないところは当たっていくというような約束事がみんなパニックになってできていませんでした。自分がコートの中にいる時はそういった部分はしっかりやろうと隣の子に言ったり、オフェンスの時はセンターの安藤(万衣子、教2=東京・文大杉並)に常に割っていけるから突っ込みすぎないで冷静に、のびのびとやってねと声は掛けたりするようにしていました。
――2年生と4年生がメンバーの多くを占めていますが、上級生と下級生の間の連携というのはいかがでしょうか
まず声を出すにしてもディフェンスで盛り上げるにしても、自分たち4年生からやって2年生がやりやすい環境を作ってあげるというのが4年生の課題としてあります。その中で出ている2年生は強気でどんどんやってくれて、きょうは個人個人の良いところをすごく出してくれたと思うので、下級生には助けられました。
――次の試合に向けての意気込みをお願いします
きょう勝ったのはとても大きいことだと思いますが、次戦負けてしまったら振り出しに戻ってしまうので、きょう勝ったからこそいままで以上に気持ちを引き締めて、課題を練習でしっかり洗い出していきたいと思います。それで次戦ではきょうのように1点でも多く相手を上回れるようにみんなで勝利を取っていきたいと思います。
高田美沙(スポ4=千葉・昭和学院)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
相手チームは3番がキーマンだったのですが、その選手に1本目からやられて、前半でやられてしまう場面が多く、ディフェンスが合わない部分がありました。それが後半も続いてしまったので、そこの修正をもっとしっかりやった方が良かったなと思いました。
――ご自身では好セーブも見られましたが
きのうも負けて3連敗中で、上位も危うくなっていました。全然自分も活躍できていなく、チームの悪い雰囲気に流されてしまっていた部分があったと思います。きょう勝たないと上位リーグの夢も絶たれてしまうと思ったので、きょうは切り替えて頑張りました。
――きのうの試合からチームでどのように切り替えて調整しましたか
自分たちの何が悪かったのか、7人で何をしなければならないのか、きのう試合が終わってからミーティングをして、気持ちを切り替えて、勝つことに重点を置いてやってきました。
――きのう話した課題とは
きのうの前半で慌てなくてもいいところでミスを9本連続でしてしまいました。流れもつかめませんでしたし、相手のリズムに後半もなってしまったので、我慢するところは我慢するという自分たちの意思統一ができていませんでした。そういう速攻を止めるなら止める、行くなら行くということを自分たちで声を出してやって行こうとなりました。
――その部分はきょうはいかがでしたか
皆で声を出せましたし、ディフェンスも声出しができていたので良かったと思います。
――ペナルティーシュートも止められていましたね
本当はあと2、3本は止められたかなと思います。国士館大とは練習試合も結構していたので、癖などもわかっていました。自分的にはもう少し止められたと思います。
――後ろからチームを見ていて、雰囲気はいかがでしたか
きのうは後ろから見ていて、不安なオーラが出ていたのですが、きょうは前向きな雰囲気でとても良かったと思います。
――次戦の意気込みをお願いします
あした勝てば上位リーグの可能性も出てきます。きょうのラストのシュートなどいらないシュートや、ノーマークシュートで決め切れていない部分があるので、全員が厳しくやっていけたら良いなと思います。
内海菜保(スポ2=香川・高松商)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
負けが続いていたこともあり、勝たなければいけないと思っていました。きょうは攻守ともに前節の反省を生かしたまとまりのあるプレーができていたのでよかったです。序盤からとても良い雰囲気で試合に臨めたこともよかったです。
――相手が立体の守備陣形だったこともありセットオフェンスで少し苦労していた印象でしたが
立体については事前に話し合って対策を練っていました。少し苦戦しましたが、シュートまで運べていたので、その点は良かったと思います。
――決勝点となるシュートを決めた場面についてはいかがですか
前半はミスが多かったので、後半で取り返そうと思っていました。決勝点のシュートはとにかく無心でうちました。
――次戦に向けての意気込みをお願いします
きょう勝てたことはとても嬉しいのですが、ここで油断せずに、きょう見つかった課題を改善した上で、次の試合も勝ちにいきたいと思います。