ハンドボール部

2014.12.28

第66回全日本総合選手権 12月25日 愛知県体育館

今シーズンの戦いがついに閉幕。そして始まる新たな挑戦――

 「このチームできょうまでできて良かったです」(内海祐輔副将(スポ4=香川中央)。今季の締めくくりとなる全日本総合選手権(全日本総合)。初日を順当に勝ち上がり迎えた2回戦、豊田合成と対戦した。なかなかリードを奪えず4点ビハインドで折り返した後半、立ち上がりで一気に点差を離され連携にほころびが出始める。必死に立て直しを図るもかなわず、押し切られるかたちで敗戦を喫した。4月の関東学生春季リーグ(春季リーグ)で幕を開けたことしの戦い。あれから8ヶ月、名古屋の地で静かにその幕引きを迎えた。

 0-6ディフェンスから3-3ディフェンスへ。早い段階でタイムアウトを取り、守備体系をシフトチェンジした。この戦術変更が功を奏し、高い位置からプレッシャーを与えることに成功。そしてこれがうまく機能し流れをつかみかけるも、ミスが続き波に乗り切れない。相手も素早く対処し、徐々に攻め手を欠く早大。内海副将がペナルティスローを決め盛り上がりを見せたが、そこから続かなかった。前半の終わりには互いに退場者を出し両者にチャンスが巡ってきたが、これも手繰り寄せられず。それでもなんとか粘って食らい付き、わずかにビハインドを4点に抑え前半を折り返した。

実業団相手に一歩も引かない玉城主将

 しかし後半出だしで崩れると、これをなかなか押し返せない。それからは点数を奪えない我慢の時間帯が続いた。早大は打つ手なしで防戦一方。エースである東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)も果敢にゴールを狙うが、ネットを揺らせず枠を捉えることができない。だが、次第に調子を取り戻し始めポテンシャルの高さを発揮。連続得点でチームに勢いをもたらす。しかし、残り試合時間10分を切ると、4年生である玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)と内海副将をベンチに下げて、太田翔(スポ3=北海道・札幌月寒)と川島悠太郎(スポ2=福井商)を投入。コートの選手全員を3年生以下にしたこのメンバーチェンジについて、「実業団とやることで、自分にいまなにができてなにができないのかを明確にしてほしくて、大きく(メンバーを)変えました」と大城章コーチ(平18人卒=沖縄・那覇西)は語った。この後何点か縮めるも追い詰めるまでにはいかず、11点差をつけられ試合終了のホイッスル。実業団との力の差を思い知らされる結果となった。

大舞台で実力を見せ付けた東江

 全力で駆け抜けた今シーズン。春季リーグと関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)では見事その両方で優勝を果たし、二冠を達成。そして迎えた全日本学生選手権(インカレ)では『三冠連覇』を惜しくも逃し、涙を飲むと同時に「日本一」の難しさを痛感させられた。タレントぞろいで主力の4年生が抜け、また厳しい戦いが予想される来年。チームが目指すのはどんな姿なのだろうか。「来年のチームはうまいだけじゃなくて“伝わるハンドボール”」(大城章コーチ)。太田が主将を務めることで再び原点に立ち返りチームを大きく変えてほしいと大城コーチは強く答えた。駆け抜けた軌跡は途切れることなく、挑戦はまたここから始まる――。新たな強さを身に付け、変容を遂げるであろう早大ハンドボール部から、この先も目が離せない。

           

(記事 佐藤凌輔、写真 藤巻晴帆)

全日本総合選手権
早大 21 10−14
11−18
32 豊田合成
スタメン
GK 中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)
CP 玉城慶也(スポ4=沖縄・興南)
CP 内海祐輔(スポ4=香川中央)
CP 桐生正崇(人3=群馬・富岡)
CP 東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)
CP 川島悠太郎(スポ2=福井商)
CP 齋藤凌(スポ2=岩手・不来方)
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コメント

大城章コーチ(平18人卒=沖縄・那覇西)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

高いディフェンスにシフトチェンジした後に、豊田合成が対応できなくて自分たちのリズムになりかけたんですけど、その後のセットのオフェンスで我々もリズムを崩してなかなか乗れませんでしたね。ただ、実業団相手にああいった高いディフェンスが有効というのは証明できたのかなと思います。なんですけども、勝てないってなるとまだまだ力が足りないってことだと思います。

――後半は相手のポストの選手に大きくやられましたが、あれは単純な受け渡しのミスだったのでしょうか

そうですね、あれは下を守っている2人のコンビの問題なので解決しないといけない問題なんですけども、そこができなかったっていうことですね。

――前半8分と、早い時間に一回目のタイムアウトを切りましたが、やはりあれ以上離されるとまずいという判断だったのですか

あれ以上点差がつくと一方的な試合になると思ったので、早めに(タイムアウトを)取って一呼吸置いて、そこからディフェンスシステムを変えましたよね。ディフェンスシステムはなにをするかとかではなくて、相手になにがフィットするかとか、自分たちの調子が悪いのであれば別の手を打つだけの話なので、変更・交代することはネガティブな感じではなくてポジティブなイメージです。

――試合時間残り10分を切った場面で、4年生を下げて3年生以下で臨みましたが、彼らの力試しという意味合いもあったのでしょうか

来年はこのメンバーがメインでというか主で活動してくれなくは困るので、そこはやっぱり実業団とやることで、自分にいまなにができてなにができないのかを明確にしてほしくて、大きく(メンバーを)変えました。

――では、最後に出ていたメンバーがこの先主力を担っていくということでしょうか

あの辺りが軸になってなにかを考えて行動してほしいと思って、もちろんベンチにいるメンバーだとか、ケガをしてベンチアウトの選手とかもいますけど、そのつもりで出しました。

――この全日本総合選手権(全日本総合)で成長を実感した選手はいらっしゃいますか

福岡(佑哉、スポ3=北海道・札幌月寒)はディフェンスに関しては、本人の努力で体を作って自信は付いていると思います。きょうも良いディフェンスをしていると思うので、ある程度戦力として計算ができるようになったのかなと。

――来年のチームが目指す姿といったものはありますか

来年はここ数年ではないんですけど、ポストの太田(翔、スポ3=北海道・札幌月寒)、なかなか試合に出られない選手がキャプテンになることが決まっています。太田が(キャプテンに)なることの意味ですね。試合に出られない可能性がある選手、ただ、努力を人一倍できる選手がチームの柱になることでいままで我々が忘れていた、努力することだったり泥臭いプレーだったり地道にこつこつやることだったり、チーム内で気持ちを伝えるだとか、うまい選手が集まってやるハンドボールの集団から原点に戻るというか、学生らしさっていうのを彼がキャプテンになって僕は変わる、変えてほしいと思っています。なので、来年のチームはうまいだけじゃなくて「伝わるハンドボール」だとか、地道に頑張れるようなチームにはしていきたいですね。でもそれは可能だと思います。

――体作りは来年も継続していくのでしょうか

そうですね。相川トレーナーにも来季は契約を延長いただけることになっていますので。ことしは始まったばかりで、意識だとかモラルの改革まで着手ができなかったので、選手によって温度差があった部分もあると思います。体作りは努力すれば誰でも手に入る武器だと思うので、来年もそこは我々の強みの1つとしてフィジカルというところは鍛えていきたいですね。

――では来年もプレースタイルは大きくは変えないということでしょうか

ディフェンス主体というか、そこは裏表なのでどっちがいいから勝てるということでなはないと思うので、やはりセット。セットのオフェンスとディフェンスをどれだけ確率よく決められるか守れるかっていうところがポイントですよね。インカレ(全日本学生選手権)を見てもシュートミスで負けるとか、ディフェンスで守れずにリズムを崩してっていう繰り返しだと思うので、そういった面も含めてセットっていうのがキーになると思います。

玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)

――いまの率直な感想をお願いします

負けたんですけど実業団と戦えるっていうのは実感していると思います。自分たちはリーグ戦を獲ったので、来年の後輩たちにはインカレを優勝して、また三冠を目指して頑張っていってほしいと思います。

――実際に実業団と戦ってみていかがでしたか

1チームとしか戦っていないので全体のことは言えないですけど、ディフェンス面のコンタクトに関してはそんなに(自分たちと)変わらないと思っています。オフェンス的には、決めるべきところで決めるのが実業団選手というか、プロ意識の高い選手たちで、僕らは決められる場面で決められていませんね。インカレでもそういった場面があったので、こういうのが直接敗因につながるんだなと思いました。全体的にディフェンスは変わらないですけど、オフェンスは個人個人の能力がまだまだかなと。

――来年はここが戦う舞台になりますが、それについてはいかがですか

この1年間を通して、個人的には得点力をもっと増やさないといけないなとは思いましたね。社会人になったら余計に得点を取るのは難しくなるとは思うんですけど、どんどんいかないとだめかなと思いました。

――これからは実業団選手となりますが、最後に意気込みをお願いします

学生が終わってこの先は社会人になるということで、もっと自分の能力を磨かないといけないのかなと思います。膝をケガしてから思うように動けないのが続いているんですけど、それは言い訳にはならないので、これからはもっと高い目標を立てて1つずつ達成していきたいと思います。

内海祐輔副将(スポ4=香川中央)

――大学最後の試合となりました。いまの感想をお願いします

このチームできょうまでできて良かったです。

――きょうの試合を振り返っていかがですか

きょうは自分がちょっと引っ張っていけなかったのが敗因かなと思っています。

――来年からはこの舞台に立つことになりますが、それについてはいかがですか

与えられた仕事をしっかりこなせるよう頑張ります。

――今後の日程はどうなっているのでしょうか

チームに合流するのは4月だと思うので、それまではワセダの練習とかに参加していると思います。

――では最後に、この先への意気込みをお願いします

地道に、地味にやっていこうと思います。