水泳部
2013.06.01
関東学生リーグ戦 対東女体大 6月1日 神奈川・日体大健志台キャンパス
リーグ戦開幕!日々進化続く/男子は中大破る
男子に続いて、女子の関東学生リーグ戦も開幕した。強豪ひしめくこのリーグの中で、早大は昨季の3位を越える成績を狙う。開幕戦の相手は、昨季王者であり先週の東日本水球リーグ戦を制した東京女子体育大。敗れはしたものの、今季課題としているディフェンスには幾分かの改善が見られるなど明るい材料も得られた。
ポイントゲッターの固城侑美(スポ3=東京・藤村女)を体調不良で欠く早大は、メンバー交代なしで強豪に臨んだ。第1ピリオド(P)、いきなり長いラリーが続く。互いにシュートまでは持ち込むものの決めきれず、休む間もない泳ぎあいが続く。GK長島佳世(人3=茨城・聖徳大取手聖徳女)の好セーブもあり、このピリオドを0―0の同点に持ち込む上々の立ち上がりを見せた。
ディフェンスを回しこむ固城妃主将
第2P、退水(※)のチャンスに固城妃美主将(教4=東京・藤村女)がすかさず得点する。しかし、東女体大も徐々に調子を上げ、4失点。第3Pも3失点し、5点差をつけられて最終Pを迎えた。
第4P、意地を見せたい早大は、ここまで相手ディフェンスの徹底的なマークを受けていたセンターフォワード小西晃代(スポ2=埼玉・秀明英光)が奮起。ポストプレーから獲得したペナルティーシュートを自ら決まるなど2得点をあげる。更に、右サイドの川村真愛子(スポ3=京都・鴨沂)からのパスを受けた中央の田中寧葉(スポ2=埼玉・秀明英光)がゴールを決め、このピリオドを3―2とし、最後に執念を見せた。
マーク二人を振り切る小西
この日、東日本リーグ戦で主な課題として挙げられていたディフェンス面では改善が見られた。一方で、「少し攻撃に迫力、爆発力がなかったかな」(固城妃主将)、「きょうのオフェンスがちゃんと機能していれば、あと2点とって、失点は2点減ったというイメージですね。」(木下智貴監督、平24スポ卒=埼玉・伊奈学園)と、オフェンス面にも課題を残した。しかし、先週からは確実に進歩している。「きょねんの順位より上、というのが目標」と語る固城妃主将。そのためには、この日敗れた東女体大や昨季の日本学生選手権覇者の日体大を破ることが絶対条件だ。「今後試合を重ねるにつれて、また新たな課題が見えてきたり、前から言っていた課題が改善されればいいかなと思っていますし、またそうしなければいけないなとも感じています」と、チームは常に前向きだ。決して楽な道のりではないが、試合ごとに進化している早大の秘める可能性は計り知れない。
※重大なファウルを犯した選手は、20秒間ディフェンスに参加できない。
(記事、写真 森健悟)
★全員水球の目標叶うも課題残る
男子は、先週から始まった関東学生リーグの第3試合を中大と行った。第1ピリオドから、後半4分間で立て続けに6得点など勢いを見せ、8−1と大量リードを奪う。余裕のある展開に、「全員で各大学のメンバーを把握してほしい」(中嶋監督)という考えのもと、その後3ピリオドで部員全員が出場。経験の少ない1年生などが戸惑う様子も見られたがリードを保ち、25−16という大差で試合を終えた。しかし大量得点の陰で、16失点。「いかにディフェンスを機能させるか」と中嶋監督は苦言も呈した。目標とする優勝への道のりには、宿敵・日体大が立ちはばかる。相手のペースに飲まれないゲームをするためにも、ディフェンス強化は欠かせない。
(記事 深谷汐里)
結果
▽女子
●早大5-9東女体大
▽男子
○早大25-16中大
コメント
木下智貴女子部監督(平24スポ卒=埼玉・伊奈学園)
——きょうの試合を振り返って
結果的に5対9で負けてしまったのですが、第1ピリオド目に0対0だったのはよかったと思います。ただ第2ピリオドで1対4になってしまって、ここがミソだったかなと感じています。水球ではだいたい、第2・3ピリオドでチームの力の差が出てきます。そこで2対7とされてしまったということは、現時点でそれだけの実力差があるのだということだと思います。第1ピリオドは勢いだったり、第4ピリオドは最後の根性などで結果が変化してしまうところなので、実力のでる第2・3ピリオドでこのような差になってしまったことはまだまだだなということですね。
——固城侑美選手が欠場ということに関しては
きょねんからメンバー交代のない試合というのはあったので、選手にとってキツいというのはなかったんじゃないかと思います。ただ、戦術の変化をつけられなかったというのはありますね。やはり一人メンバーがいると、うまく行かないときにメンバーチェンジや戦術の変更ができるのですが、それができなかったことが大きかったかなと思います。きょうは相手もケガや教育実習の関係でフルメンバーではなかったので、そこまで大きな痛手とは感じませんでした。僕が目指しているのも、誰か一人に頼らずにプレーすることなので、このような状態でもしっかりやれるようでなくてはいけないと考えています。相手もスタートメンバーではありませんし、チーム力を試されたといいますか、総合力の差になると思っていました。
——先週は失点が多すぎるとおっしゃっていましたが、きょうは9失点でした
やはり第2ピリオドで4点取られたというのはよくないですね。僕は1ピリオドで取られていいのは4点だと考えています。1試合4ピリオドで12点ですね。きょうは5点しか取れていないのですが、うちは7〜8点は取れるチームだと思っています。しかしそれだと、1ピリオドの失点を2点以下にしてやっと8対8ですよね。8点取れるだけのオフェンスがあってやっと8対8なので、1ピリオド2失点が最低ラインだなときょう感じました。ただ、きょうそれができたのは第1・4ピリオドだけです。1ピリオドで2失点ずつというのが理想なので、9失点というのは目標とする8失点まであと1点とは言え、中身を見るとそこまで評価できることではないかなと思います。
——今後はどこを改善していくおつもりですか
逆説的ではあるのですが、やはり点が入ればその分相手の攻撃チャンスも減ります。きょうはディフェンスがすごく駄目だったというよりかは、オフェンスがすごく駄目でした。これは表裏一体で、オフェンスがよければ相手の攻撃チャンスが減るわけです。きょうのオフェンスがちゃんと機能していれば、あと2点とって、失点は2点減ったというイメージですね。ですからディフェンス・オフェンスだけにとらわれず、全体的に力をつけていきたいと思います。
固城妃美主将(教4=東京・藤村女)
——きょうの試合を振り返って
侑美(固城、スポ3= 東京・藤村女)がいなかったということもあって、やりづらいかなと最初は思っていたのですが、案外ちゃんとした試合展開にできたと思います。ただそれでもやはり課題は残りましたね。できればもう少し競るか、勝つかしたかったというのはもちろんありますが、先週より少しディフェンスが良くなったということも含めて、今後試合を重ねるにつれて、また新たな課題が見えてきたり、前から言っていた課題が改善されればいいかなと思っていますし、またそうしなければいけないなとも感じています。
——課題というのは
一番攻撃できる選手がきょうはいなかったということで少し攻撃に迫力、爆発力がなかったかなというのと、この前の試合よりはずっと良くなってはいるものの、まだディフェンスの機能が完全ではないかなと思います。
——先週からディフェンスをどのように立て直されたのですか
どうしても試合形式の練習ができないので、ここでディフェンスがずれる、というような詳しいことが水(の中)ではできなかったのですが、その分ミーティングでしっかり確認し合ったので、その成果が少しは出たのかなと思います。
——東日本リーグから試合が続いていますが、疲労はありますか
肉体的な疲れは来ていますね。ただ日頃の練習からケガをしないように調整してやったりだとか、あとはウエイトにいまは力を入れてやっていたりしているので、筋肉的には疲れていますが、精神的には追い込んでいることもあって(力が)みなぎっていると思います(笑)。
——関東学生リーグの目標は
きょねんの順位より上、というのが目標ですね。今年度の目標として、9月の頭にあるインカレで決勝まで進むということもありますし、その後に控える日本選手権もベスト4に入れたらいいなとも思っています。それに値するだけの良い試合をしたいですね。
中嶋孝行監督(平13教卒=福岡工業)
――きょうの試合を振り返って
メンバーはいろいろと変えましたが、なんだかんだ失点は多いので、そこはよくありませんでしたね。1年生などは経験のなさというのも大きかったのだとは思うのですが、やはり点取りゲームなので、いかに失点を押さえるかがミソだと思います。日体大などとあたるときはもっと相手もガツガツくるでしょうし、ディフェンスのレベルをもっとあげたいなとは感じています。オフェンスに関しては僕はいつも特に指示を出していないので、いかにディフェンスを機能させて、失点を少なくするかですね。
――第2ピリオド以降、選手を頻繁に交代されていましたが、交代させるにあたり考えていることはありますか
戸張(真寿、スポ3=埼玉・秀明栄光)と深川(幹徳、スポ1=福岡工)は一度もあげなかったのですが、戸張に関してはリーグ戦なので、得点王というタイトルを狙ってほしいということもあって交代させていません。深川は、1年生のなかでもスタメンという形でいまやっているので、やはりもっと大学の雰囲気だとか各チームにどういう選手がいるということを把握してほしいという思いもあって、交代はさせずにずっと出そうかなと考えています。
――逆に、交代して入れる選手にはどのような考えがあるのでしょうか
各ポジションが決まっているので、決まっている選手もいて、そういう選手にはここをやらせたいなということも含め、適材適所で交代させています。ゲーム感を鈍らせないということもありますが、高校での同期などを含め、どこの大学にどういうメンバーがいるというのはチーム全体でなるべく把握してほしいので、なるべく1年生も出していきたいなと思っています。
――関東学生リーグで意識する課題は
相手に合わせてしまうというのが例年多いので、できればきょうの第1ピリオドのような雰囲気の中でどこのチームとやっても、どのようなメンバーでも戦えるような選手層を作りたいなと考えています。サブの選手も含めたレベルアップが課題ですね。選手層を厚くして、チームの底上げをはかりたいと思います。競った試合でも、メンバーを適時変えていけるようなベンチワークにはしたいなというところです。
三浦悠佑(スポ4=京都・府鳥羽)
――今日の試合を振り返って
先週試合に出られなかったので、先週の感じがビデオでしかわからなかったのですが、関東学生リーグを通じての目標のひとつとして、全員が試合に出るというものあったので、全員出場した上でこのように勝ててよかったと思います。
――就活をなさっているとのことですが、練習との両立は大変ではないですか
普段の練習を考えつつ、就活でいないときもあるので、正直チームにも迷惑をかけていますし、自分でも大変ではあります。ただ水球は嫌々ではなく楽しくやっていますし、そこまでつらいなとは感じていません。
――きょうは事前にどのような試合を想定していましたか
結構点差は開く試合になるだろうとは思っていたので、コールド勝ちを目標にはしていたのですが、一番は全員が試合に出るということが目標だったので、結果的にはきょうのような結果になってよかったかなと思います。
――ことしはチーム全体でのレベルアップが目標だとお聞きしました
普段中嶋監督が練習にいらっしゃらないときでも、全員で練習をしています。全員で底上げをして、全員で試合に出て、全員で勝つという、ことしはそのようなチームになりたいと思っていますし、意識しています。
――いままでの試合から、何か課題は見つかりましたか
全試合を通して、どんな相手でも失点が多いというのが一つ課題ですね。まだ3試合しかやっていなくても気付くので、このままだと今後も失点が多いまま続いてしまうと思います。そこを減らしていかないといけませんね。
――その点はどのように改善されていくおつもりですか
僕を含め選手が全体的に軽いので、体も細いですし、もっとウエイトなどをやって、1回1回のディフェンスで失点をなくしていければいいかなと思います。
――このリーグ戦の最終的な目標を教えてください
ことしはなんとか日体大にも勝って優勝したいなと考えています。正直、いま絶対に勝てるという自信はありませんが、勝ちたいと思っていますし、最終的に勝てるだけになる自信はありますね。