柔道部

2014.12.08

12月5日 早稲田キャンパス柔道場

世界のリネールが練習を訪問!

 世界最強王者、テディ・リネールの来校だ。リネールは、フランス代表として、世界選手権100kg超級現在6連覇中。ロンドン五輪でも金メダルを獲得した、世界を代表する柔道家だ。そんなリネールが、早稲田大学柔道部の練習を訪れ、部員たちと交流した。早大がスポーツにおけるパートナーシップを結んでいるアディダスの契約選手であることから実現したこの企画。選手たちは、何を感じたのか。

アディダスの早稲田スポーツオフィシャルパートナーショップを訪れたリネール

 道着に身を包んだリネールが登場すると、まずは全員で道場に飾られた大隈重信の肖像に一礼。その後間も無くして、乱取りが始まった。乱取りとは、一対一で自由に技を掛け合う稽古方法。この日は、一組5分間で、早大の主力6選手がリネールと対戦した。早大の選手はいずれも果敢にリネールに挑むも、技は跳ね返され、逆に次々と投げられる。「今までやったことのない感覚」(圓山泰雄、社2=島根・作陽)、「全く歯が立たなかった」(林孝樹、スポ2=富山・小杉)と、世界王者の実力を見せつけられた。そんな中、リネールが最も印象に残った選手として挙げたのは、最後に登場した浅賀慎太郎(社2=静岡学園)。「技も、足の払いも非常に良かった」と、賛辞を送られた。浅賀は、「素直に嬉しい」と喜びながらも、「(リネールは体が大きいので)手も足も届かず、何もできなかった」と、やはりその圧倒的な強さを実感したようだった。

乱取りで早大の選手を投げるリネール

 練習後の質疑応答では、部員に様々なアドバイスを送ったリネール。「体の中に入ることを恐れずに積極的に取り組んでほしい」、「柔道で一番大切なのは、心・精神」と笑顔で語った。吉村拓郎監督(平3卒)は、リネールについて「日本人のように姿勢正しくしっかりと襟を持ち、足技も巧みで、一本を取る技もある。まさしくワセダが目指している柔道そのものを実践されている方」と表す。そんな最高の手本との稽古は部員たちにとって、これ以上ない刺激となったに違いない。林は、再戦したらリネールを投げられるかとの問いに、「頑張ります」と力強く応じた。王者の洗礼は、飛躍の契機となりそうだ。

(記事 平岡櫻子、写真 アディダス提供、三尾和寛)

コメント

テディ・リネール

――学生たちと一緒の時間を過ごしての感想をお願いします

きょう来れてとても嬉しかったです。学生たちと交流できて、とても楽しい時間を過ごすことができました。私は実は年齢的にも彼らとはあまり変わらないです。そんな若い彼らと交流できて非常に嬉しかったです。

――こういった活動は普段からされているのですか

そうですね。フランスではこういう機会がよくあるのですが、行く先の国でも交流したいと思っています。特に今回は、私の大好きな日本でしたので、ぜひともみなさんと交流したいと思いました。

――早稲田大学柔道部はいつもここで練習しています。練習環境について

環境というより練習の仕方についてなのですが、みなさん非常に良い取り組みをされていると思いました。良い乱取りでした。というのは、5分間ずっと攻め続けてくれましたし、そしてきちんと襟を取って攻めるという基本的な攻め方をしてくれて、どの人たちも技を持っていました。そしてきちんと体が動いて、動きながらの取り組みというのができていました。もちろんこれから上のステージに上がるためにはもう一歩必要で、肉体的なことも含めたトレーニングが必要だと思います。

――今後、さらに上のレベルで早稲田の選手たちが勝っていくためには、試合においてどういったことが重要だと思いますか

まずは、攻める、攻撃的になることです。そして、一度つかんだら離さないということ。さらに、つかんだ途端に攻めることが大切だと思います。攻めるべき瞬間というのがありますので、相手をよく観察して、「ここだ」という時に攻めに入るということが必要だと思います。今回の取り組みでも、「ここで、この技をかけるべきなんだぞ」と感じる時がありました。それは私自身がきょう取り組んでいて感じたことです。

――早稲田の選手たちと同年代の20歳前後の時、ご自身が特に意識されていたことは何ですか

まず大切なことは、私自身もそうですが、毎日毎日より良い取り組みをしよう、より良い柔道をしようと思うことだと思います。そして、それは単に良い柔道をしようというだけでなく、どうすれば相手に勝つ柔道ができるかというのを考えることだと思います。

――早稲田の選手たちの態度、礼儀については、どのように感じられましたか

それは本当に素晴らしかったです。非の打ちどころがないものでした。ただ、それは早稲田の選手だけでなく、日本の選手たちはどこでも相手に対する尊敬を持ち、きちんとふるまっていますね。外国では、まだそういったことが成っていないところもありますので、日本は礼儀の点では本当に素晴らしいと思います。

吉村拓郎監督(平3卒)

――この企画が実現した経緯は

アディダスさんからお話をいただいて。めったにないチャンスなので、学生のためになれば、あとは大学のコマーシャルになればと思い受けました。

――リネール選手と乱取りを行った選手はどのような基準で選ばれたのですか

私自身が選んだわけではないのですが、基本的には強い選手の順番です。早大の主力選手ですね。

――今回の企画を通じて選手にどのような影響を与えることができたとお考えですか

リネール選手と早大の選手とでは体格も全然違いますが、そういったフィジカルの面だけではなくて彼の柔道のうまさにも注目してほしいです。(リネール選手は)日本人のように姿勢正しくしっかりと襟を持って、足技も巧みで一本を取る技もあるということで、まさしく早大が目指している柔道そのものを実践されている方だと思います。そういった部分を学生が体感できたということで、非常に大きな成果があったのではないかと思っています。超一流というものを実感できたということで、とてもいい経験になりました。

浅賀慎太郎(社2=静岡学園)

――世界のスーパースターとの乱取りはいかがでしたか

絶望感を味わいました(笑)。

――(リネール選手は)どういった部分がすごいのでしょうか

圧倒的に大きいので手も届かないし足も届かないしで、何もできなかったです。

――その中でどういう技をかけてみようと試みましたか

足技を練習しているので足技なら崩せるかなと思って足技をいっぱいかけたのですが、やはりスーパースターには効かなかったです。

――かけていっても返されてしまうというシーンもあったかと思います。フィジカルだけでなくうまさもありましたか

受け方もさばき方も超一流なので対応されてしまいますし、返されて技もすぐかけられて吹っ飛んでしまいました。

――しかし寝技で抑え込みを試みるなど積極性がありましたね

少しでも印象に残るようにと抑え込みにいって、頑張ってみました(笑)。

――リネール選手が質疑応答で、印象に残る相手に浅賀選手を挙げていましたね

それはもう、素直にうれしいです。

――抑え込んでみても強かったですか

普通ならがっちり決まる感じなのですが、体が浮いている感じがして、地面に力が伝わらないというか。寝技でも力が伝わらなくてすごいなと実感しました。

――コントロールできないということでしょうか

全然できないですね。

――初めての感覚でしたか

そうですね。経験できて良かったです。

――いい経験になったということですね

はい。一生の思い出です。

――今後に生きるでしょうか

この経験を生かしていきたいですね。大きい人たちとやる勉強になったと思います。