競走部

2014.12.08

第242回日本体育大学長距離競技会 12月7日 神奈川・日体大健志台陸上競技場

集中練習を懸けた記録会で、ケガからの復帰組が躍動

 東京箱根間往復大学駅伝(箱根)まで残り1カ月を切り、いよいよ来たる本番に向けて追い込みをかけ始めた早大競走部。この日行われた日本体育大学長距離競技会は自身の力を測るとともに、主力が集う箱根前の集中練習への参加権をかけた戦いともなった。掲げられた基準タイムは、1万メートル30分30秒。立ちはだかる壁を前に、谷口耕一郎(スポ1=福岡大大濠)が自己記録を更新、浅川倖生(スポ2=兵庫・西脇工業)が基準タイムを切る好タイムをたたき出すなど、ケガからの復帰した2人が意地の好走を見せた。

故障を乗り越え徐々に調子を取り戻してきた谷口

 「より調子を戻すためにはいいレースになったと思います」。谷口は序盤から上位に食らい付き、トップ集団を引っ張る積極的な走りを展開。終盤に足が止まり、大きく順位を落とすも30分41秒53で自己記録を更新した。入学時から大きな期待をかけられながら、故障に泣かされ不本意な1年目となった今季。惜しくも基準タイムには届かなかったものの、苦難を乗り越えた谷口にとっては手ごたえを感じられるものとなった。

 不安を抱えたままのレースとなった。夏にはケガの治療のため手術を受け、前回出場した1万メートル記録挑戦競技会では、ゴール直後に倒れ込むアクシデントに見舞われた浅川。それでも自分の走りを決して崩すことはなかった。集団の最後尾について自分のペースを貫き、淡々とした表情でレース展開をうかがう。中盤には疲れを見せた選手たちを追い抜き上位につくなどの見せ場もつくった。その後は足がなかなか前に出ず再び後退するも、そこから何とか粘りを見せて29分56秒98でゴール。基準タイムを大幅に超えるタイムで、2年連続となる箱根前集中練習への合流を決めた。

復帰後、最も良いタイムをマークした浅川

 なかなか思うような結果が出せなかった今季の谷口と浅川。本調子とは言えない中でも好走を見せ、ことし最後のレースで見事な復活ぶりをアピールした。そして、チームはいよいよ最後の大舞台、箱根へ臨戦態勢に入る。「箱根に出場する選手たちに勢いをつけるとともに、自分にはないものを色々と盗んでいきたい」(浅川)。4年ぶりの箱根制覇のため、チーム一丸となって選手を支え、同時に飛躍へのきっかけをつかみ取る。来季以降の更なる活躍へ――。明日のスターの眼差しはすでに未来へと向かっている。

(記事 杉田陵也、写真 目良夕貴、戸田郁美)

結果

▽男子1万メートル

徳留駿(法4=埼玉・早大本庄)  32分35秒94(6組34着)

藤澤怜欧(スポ3=神奈川・多摩) 30分55秒18(7組20着)

鈴木皐平(教1=愛知・時習館) 31分18秒55(7組28着)自己新記録

河合祐哉(スポ1=愛知・時習館) 31分52秒99(7組31着)

谷口耕一郎(スポ1=福岡大大濠) 30分41秒53(8組33着)自己新記録

浅川倖生(スポ2=兵庫・西脇工) 29分56秒98(11組27着)

コメント

浅川倖生(スポ2=兵庫・西脇工業)

――きょうのレースを振り返って

一応30分は切れたので、ノルマは達成できました。しかし、レースの流れがベスト(タイム)位は最低でも狙えるものだったにも関わらず、そこに付いて行けなかったところに夏以降練習があまり積めていなかったことが出てしまったと思うので、これから練習を積んでいきたいと思います。来年につながるレースはできたと思います。

――前回のレースではアクシデントがありましたが、そこからの立て直しはありましたか

実際1万(メートル)走るのは怖かったですが、きょうは前回と気候が違うということもあって比較的走りやすかったです。といっても、置きにいくようなレースになってしまったのですが。きょうの記録は30分以内でいいと自分の中で決めて、落ち着いたレースをしようと思っていました。前回のことを意識せずに開き直ったレースをしようとしていたので、そこは良かったです。

――夏には手術もされましたが、現在の体調はどれくらいまで回復されましたか

手術を8月にして、ちゃんと走れるようになったのは10月からでした。10月26日の日体大記録会からきょうで6週間経って、これまでに4レース走って感覚は取り戻してこられました。今年はもうレースはありませんが、夏以降練習が不足している状態でもある程度の走りでまとめることができたので、来年はトラックでもしっかり結果が残せるようにしたいです。

――浅川選手は他の選手に比べてたくさん記録会に出ています。それはどのような考えから、そうされているのですか

やはり手術をして、最初は車いすの状態から始まり歩くこともやっとだったので、走りの感覚が全くなくなってしまって自分でも走れるか不安がありました。レースに出ないと(走る)感覚というのは戻らないと思ったので、なるべく多く(のレース)に出させてもらって、少しでも結果を残そうと思っていました。しかし、そんなに甘いものではなかったなと思います。

――序盤はずっと後方でレースの様子をうかがっているように見受けられましたが、それはご自身のレースプランにありましたか

場所はあまり意識していなくて、レース自体の流れが良かったのでそれに乗って前半は走っていきました。後半は(ペースを)上げられたら上げようというレースプランだったのですが、結果上げられずにそのままイーブンで終わってしまいました。

――後半は他の選手たちに抜かれてしまう場面もありましたが、その要因はご自身の中ではどう思われますか

きつくなったところで粘れるような練習があまりできていなかったので、これから箱根のメンバーに入ることはないと思いますが、練習自体は(箱根のメンバーに)合流すると思うので、その課題を克服できるような練習をこれから来年の1月から2月にかけてやって、3月以降の大会で結果を残せるようにしたいです。

――箱根の集中練習には、今回の記録から参加できるということですか

(集中練習に合流できる基準タイムは)30分半(=30秒)と、今日出場したメンバーは言われていました。そのタイム自体はあまり意識していなかったですが、30分を切れたので合流してもいいよと駒野さん(亮太長距離コーチ、平20教卒=東京・早実)にも言われました。去年も集中練習には全て参加させてもらって、ことしは途中からの参加ですが、箱根に出場する選手たちに勢いをつけるとともに、自分にはないものを色々と盗んでいきたいなと思います。

谷口耕一郎(スポ1=福岡・福岡大大濠)

――きょうのレースを振り返っていかがでしたか

夏からずっとケガをしてしまっていて、この前からやっと継続した練習を再開できたのですが、3週間ごとのレースを通して、少しずつ調子が上がってきている実感はありました。タイム的には少し物足りないなと感じている部分もありますが、より調子を戻すためにはいいレースになったと思います。

――きょうのレースに臨むにあたって意識したことは

速めの組に入ったので、先頭集団に少しでも長くいるということを意識しました。タイムを気にして5000メートルで集団から離れることはやめようと思って、いけるところまで追走していこうと思ってレースに臨みました。

――終盤になってタイムが落ちてしまった要因は

やはり正直に言って、夏場の走り込みが他の選手より足りてなかった部分があると思います。3週間前の1万メートルのレースで、5000メートルから今回のレース以上にベースが落ち込んでしまったのですが、今回のレースでは、8000メートル付近までペースを落とさずに走れたため、その点は多少なりとも良かった点ではないかという印象があります。

――練習からきょうのレースまでのコンディションは

レース前の練習が終わって調子が上向いてきているのを自分で感じていました。練習でも疲労があるから力を抜くということもなく、全体的に与えられたメニューをこなしていけていたので、気持ち的にも調子が上がってきているイメージがありました。状態としてはいい状態で臨むことができたと思います。

――今シーズン全体を振り返っていかがでしたか

やはり、高校のときにはずっと万全の状態で走れていたので、はやくAチームで走りたいという意識は常にありました。そういった中で夏場にまたケガをして、治ってはケガをしてというのが続いてしまい、シーズンの前半は、いいところがほとんどないというような状態でした。ですが、秋になって少しずつではありますが調子が上がってきて、後半になるにつれて良くなったシーズンだったと思います。

――今回のレースで好タイムを出せたら集中練習に参加できるということでしたが

基準タイムが30分30秒だったので切ることはできなかったんですけど、3週間やって30秒近くタイムは戻せたので、いまはあまり状態は上がってきていませんが、一日でも早く戻りたいという思いはあります。高校のときのタイム的に、スポーツ推薦組にも負けたくないので、来年の春には万全の状態でやっていけるようにいまは力をつけていって上を狙っていこうと思っています。

――同郷の光延(誠、スポ1=佐賀・鳥栖工)選手の活躍に刺激されることは

そうですね、同じ福岡県出身ということで中学時代からよく知っていて、高校のときに一度予選で1500メートルを一緒に走ったことがあって、そのときに全く歯が立たなかったのを覚えていて、秋に僕が伸びてきたんですけど、それからは光延と対戦する機会がないまま大学に入りました。悔しい気持ちはあるんですけど、高校のときに近くでやっていた光延が頑張っていることに対しては、こっちも負けてはいられないという気持ちにもなります。そういった意味では、光延の存在や安井(雄一、スポ1=千葉・市船橋)もなんですけど、悔しい気持ちが相当あると同時に、自分もそれくらいまでやらないとなとプラスの存在になってくれていると思います。

――来年に向けての抱負をお願いします

来年の春には5000メートルの記録を更新できるように、まずはケガをしないように練習を積んでいきたいです。できるだけ早く光延とかと同じ練習をして、また同じ舞台で戦えるように一日一日を大切にして、ケガだけには気をつけながら頑張っていきたいと思います。