自転車部

2014.12.03

第28回東京六大学対抗競技会 11月30日 千葉競輪場

収穫と課題得た総合3位

 鮮やかな紅葉が映える千葉競輪場には応援団も駆けつけ、各大学の誇りをかけた大会が行われた。この大会はことしのトラックレースの締めくくりでもある。昨年5連覇を阻まれ、今回こそ王座に返り咲きたいワセダ。スプリントで1年生の後藤悠(スポ1=岩手・紫波総合)が決勝まで進む活躍を見せるも、中長距離種目では思うように得点を伸ばせない。団体は2種目共に2位につけるが、各種目で上位に輝いた法大にことしも及ばず。総合53点の3位で大会を終えた。

 ことしも優勝へのカギとなる中長距離で力を出し切れなかった。1周500mのコースで4周回ごとの着順によりポイントを加算していき、総合得点を競う16kmポイントレース。伊藤和輝主将(スポ2=東京・昭和一学園)、塩田航平(スポ1=埼玉・栄北)、八田衛(スポ1=鳥取・倉吉東)の3人が出場した。序盤から積極的に攻めの姿勢を見せる法大、明大が着々とポイントを重ねる一方で、ワセダはなかなか得点に絡めない。なんとか伊藤が4回目のポイント周回で2位、続いて6回目でも3位に入ると、最後は7位でフィニッシュし総合7位に。八田と塩田は11位、12位と学校得点に貢献できず、ワセダは伊藤の2点に留まる。結果として、21点を稼いだ法大との差が大きく開いた種目となってしまった。

集団の前方に構える伊藤主将

 互いの作戦とスピードをかけた勝負だった。スプリント競技に登場した後藤は、順当にベスト4まで勝ち上がっていく。決勝進出を懸けて挑んだ1/2決勝は、先に動いた相手に対し終盤アウトコースから追いつく後藤の型にはめたレースだった。1本目は最後の最後まで先行されるも第4コーナーで後藤が前に出て勝利。2本目も地力の差を見せた余裕の追い抜きで、決勝に駒を進めた。頂上決戦で相見えたのは、ことしの国体優勝者である明大の橋本瑠偉。一学年上の実力者との対戦に注目が集まる。レース終盤まで両者が動きを見つつ、なかなかダッシュをかけないことも多いスプリント競技。まず1本目は後藤が仕掛けた。残り1周のジャンが鳴らされた直後、スパートをかける。素早い奇襲に橋本は反応できず、「ゆっくりのスピードからのダッシュなら自分の方が勝っている」(後藤)と語る通りの作戦勝ちだった。続く2本目を取れば後藤の優勝が決まるが、橋本も譲らない。後藤は前方から様子をうかがい、互いになかなか動かないままレースが進む。先にスパートをかけたのは後藤。だがゴール間際で惜しくも抜かれ悔しさをあらわにした。取った方が勝ちの3本目。再び前に位置取っていた後藤に対し橋本は後ろから圧巻のスピードで追い抜く。力いっぱい踏み込むも「実力不足だった」(後藤)と語るように橋本の背中は遠い。準優勝という好成績で健闘するが、今後の雪辱を誓った。

国体王者相手に健闘した後藤

 団体競技で2位に入ったことは大きな手応えでもあるが、2位明大との差はわずか6点。それぞれが個人種目の課題を克服し、一つ上を目指すことでさらに上の順位も見えてくるに違いない。一方で、今大会は他大の選手と切磋琢磨(せっさたくま)し個々の実力を測るよい機会にもなった。ことしのトラック競技はこれで終了。「弱くなってはいけない」と伊藤が語るように、冬場にトレーニングを重ねた選手たちのさらなる活躍に期待したい。

(記事 吉原もとこ、写真 目良夕貴)

結果

▽男子

▼スプリント 後藤 2位、伊藤主将 5位

▼チーム・スプリント 早大(森、手嶋、後藤) 2位

▼16kmポイントレース 伊藤 7位、八田 11位、塩田 12位

▼10kmスクラッチレース 中井 4位、森 7位

▼1kmタイムトライアル 手嶋 1位、岩田 5位

▼4kmチーム・パーシュート 早大(伊藤、岩田、塩田、八田) 2位

▽女子

▼オープン500mタイムトライアル 中嶋 1位

総合成績

早大 3位 53点

コメント

伊藤和輝主将(スポ2=東京・昭和一学園)

――まず、きょう出たスプリントについてはいかがでしたか

まず予選は500mバンクだったのでかけ方が未知の世界で、どのようにかけていいのか分からなくて、とりあえず前半から400mバンクのようにかけてしまうと後半が長いので垂れてしまうので、計測ラインから踏む戦法にして11秒7だったので、作戦としては成功しました。

――やはり500mバンクは乗った感触が違いますか

そうですね。100m違うだけでも全然違いますし、カントの角度も違うので遠心力も働かず、車体が伸びないのでその点も大きな違いがあると思います。

――スプリントの1/4決勝はいかがでしたか

相手は法大の荒井選手(荒井佑太)だったんですけど、荒井選手はずっとポイントレースで走ってますしハロンも10秒台で走っちゃう人なので、正直あんまり勝ち目は無いかなと思って臨んだところですね。最初に外枠を取って、荒井選手が上に上がった時点でかけようとは思っていたんですが、ポイントでも強い選手なのでそこでかけても後半の伸びに刺されるなと思い、ちょっと中途半端なレースをしてしまいました。

――スプリントに関してのきょうの出来は

まあ、脚の分だけの実力だったと思います。

――では4kmチーム・パーシュートについてはいかがでしたか

メンバーも走順も早慶戦と全く一緒で、一応設定タイムは4分40秒だったんですけど、1周目から1秒単位で決めていたんですが、ちょっと自分のスタートが失敗してしまって、かなりオーバーラップで入ってしまいました。チームの雰囲気が少し(ラップタイムを)落とそうという雰囲気になってしまって、さらにあの時間帯風が吹いていて、落とそうという気持ちと風のせいで予想よりも落とし過ぎてしまって。後半なかなかタイムを戻すのに時間がかかってしまったのが問題点だと思います。

――タイムは4分39秒でした

目標はクリアということで2位に入れて結果は良かったですけど。3位かなとも思っていたので。

――練習はある程度していたのですか

いえ、早慶戦(早慶定期戦)からは合わせることもなく、個々でロードに行ったりトラックに行ったりしていましたね。

――この4人の組み合わせはいいなと思いますがその点についてはいかがですか

そうですね。1周目の入りが速いなと思って、もともと決めていたラップより4秒くらい速かったんですが、シーズン的な問題もあり、その点から見積もったタイムが少し遅かったのかなということも考えられますね。もうちょっと(設定タイムを)上げていれば、落とそうじゃなくて平常心でこのままキープで大丈夫だという気持ちで走れたのかなと。その点も問題かなと思います。最初全力で行ってしまって、その後ゆっくりで、またその後全力でとペースが一定じゃなかったので、そこが詰まればもう2、3秒は簡単に詰まると思います。

――今回の大会ではチームでどのような意識を持って臨んだのでしょうか

ことしは特に部として目標を決めた訳ではなかったんですけど、3位以内に入ろうという気持ちでやっていたと思います。ここで出せる力を出して、どのくらいの実力があるのか、また他の選手がどのくらい練習しているかも分かりますし、そういった意味でもいい収穫になったと思います。

――一番大きな手応えはどんな点だったのでしょうか

団体競技に関しては、やはり2種目とも2位に入って、六大学という狭い枠の中ですが悪くない結果だと思います。

――逆に個々の種目についてはどうでしょうか

全体的に見れば悪くないですけど、欲を言えばあとちょっと詰めれば明大に総合で勝っていたかなとも考えますし、いまの結果に甘んじることなくさらなる成長を望めるかなと思います。

――冬場はチームとしてはどんなことをしていくのでしょうか

もう来週で解散になってしまうので部として動くことはあまり無いのですが、部としては実家に帰ったりするので特に定めることはないです。ただ弱くなってはいけないというところですかね。

手嶋将大(スポ2=千葉・国分)

――1kmタイムトライアル優勝、6秒台という内容でしたがいかがでしたか

11月、冬場ということで6秒は出ないと思っていたのですが、とりあえず優勝だけは目指してやってきました。優勝プラス、タイムも悪くなかったので良い大会になったと思います。

――優勝は狙っていた

きょねんは3位で、また千葉での試合だったので。さんざん言ってきた分頑張らなければと思いやってきました。

――6秒台を出したいとずっと言っていた1年でした

目標は6(秒台)前半、5秒台と思ってやってきた1年でしたが、結局インカレ(全日本大学対抗選手権)でも出ませんでした。最後に外で6秒を出すことができたというのは来年に向けていい弾みになるかなと思います。

――外で6秒台はやはり大きいですか

そうですね。室内とマイナス1、2秒はある中で出すことができたので一安心です。でも、他の人もタイムが良かったので、きょうのタイムはまぐれだと思ってこれからも頑張ろうと思います。

――この大会に合わせて練習してきたわけではなかった

タイムを出すということは考えていましたが、この時期はタイムが出たことがなかったので。今までは11秒台でしたし、きょねん、9秒台がこの時期に出たのも初めてでした。苦手意識があったので気持ち的には正直、タイムは狙っていなかったです。ペダルを変えたり、乗り方を変えたりしたのが良い方向に行ったのかなと思います。

――千葉開催でしたがご両親は来ていたのですか

父が来ていました。差し入れを貰ったり、励まして貰ったりしました。千葉の後輩もいたので、11月はプレッシャーを感じながら生きてきました。

――来年に向けて

タイムが少しは出るようにはなったのですが、結局全国レベルで戦える力はないので。また鍛え直して、来年こそは確実に着に絡んでいけるようにしたいです。ことしはいい年ではなかったので、いい年にできるように頑張ります。

後藤悠(スポ1=岩手・紫波総合)

――まずはチームスプリントを振り返っていかがですか

ことし初めの東日本(東日本学生選手権トラック)で一回合わせていてそれ以来だったので、合わせもそんなに練習していなかったのですが、スタートも崩れることなく、まあまあで8割くらいはできたと思います。

――ではスプリント1/2決勝はなにか作戦はあったのですか

特に作戦はなかったです。アウトだったら普通に後からかけてインだったら先行して逃げ切ろうと思っていたのですが、1本目は相手が前に出て普通にさすことができて、2本目も先に前に出てくれたので、同じ展開になりました。作戦というよりは、型にはまって勝てたかなという感じです。

――特に1本目は接戦となりましたが、焦りはありませんでしたか

焦っていました。久しぶりにバンクに入っていたので室内とは感覚が違って、上手く走れなかったので、焦りはありました。

――2本目はいかがでしたか

2本目は相手が仕掛けるのも結構遅かったので、余裕を持って追いつくことができました。

――決勝は実力者である橋本瑠偉選手(明大)との対戦でしたが、何か意識した部分は

初めての対戦でしたがあっちが強いというのは分かっていたので、自分は練習のようなつもりでやっていました。

――1本目は序盤からの逃げ切りで作戦勝ちでしたが、もとから考えていたのでしょうか

決めてはいなかったのですが、ゆっくりのスピードからのダッシュだったら自分の方が橋本さんに勝っているので、行こうと思った時にかけたら上手くいきました。

――逆に2本目は相手からの仕掛けも気にしていましたか

2本目は自分が先攻で後ろを見れていたので、あっちもかけるタイミングがなかったとは思うのですが、ラストのダッシュで加速が最後まで伸びなかったのが、自分の実力不足でした。悔しかったですね。

――一本勝負となった3本目を振り返って

3本目も型にはめることができて並走に持っていったのですが、実力不足でした。自分に有利な場面だったのですが、最後は力負けしてしまったので、練習不足だなと思いました。やはりあっちの方が力が上だなと。

――今大会を終えて他大の印象はいかがですか

法政がやはり強かったです。自分の種目だと、橋本瑠偉さん(明大)と今回は出ていなかったのですが曽我圭佑さん(明大)が同じスプリントとして強くなっていたので、冬場に練習して勝てるようになりたいです。

――これで主なトラックレースは終わりですが、ことし1年間を振り返って

1年の最初の方は比較的いいスタートダッシュを切れたのですが、その後はインカレなど後半のあたりで実力を伸ばせなかったのがちょっと響いたので、練習不足ですね。内容ももっと考えていかないとこれからは伸びていかないので、冬場はらいねんに向けて頑張りたいです。