ハンドボール部

2014.11.28

全日本学生選手権 11月25日 岐阜メモリアルセンター・で愛ドーム

『三冠連覇』の夢果たせず、3位で閉幕

 勝負の世界は甘くなかった。昨年度の全日本学生選手権(インカレ)覇者である早大がまさかの準決勝敗退。対戦相手の中部大は一試合通して高いポテンシャルを発揮した。前半は15-12とリードを奪って終えたが、後半に試合が大きく動く。シュートを決め切れない早大が、中部大の勢いに押し切られるかたちで悔しい敗戦。「終わってしまった」(増田翔、スポ4=神奈川・生田)。『三冠連覇』を目指した最後の挑戦は、あとわずか、手の届きそうなところでその幕を閉じた。

 前半は落ち着いて試合を運ぶことができた。最初の10分は点の取り合いになったが動じることなく、至って冷静。そうして相手チームの感じをつかむと、徐々に自分たちのリズムを合わせていく。持ち前のフィジカルを生かした堅守で失点を抑え、こぼれ球に飛び込む「らしい」プレーで盛り上げるなど、波に乗り切れたかと思われた。しかし、中部大も譲らない。ここ一番で得点を奪えず、さらには退場者も出してしまい離せる場面で離し切ることができなかった。そして23分には、ついに同点にまで追い付かれる。終了間際の土壇場で一進一退の攻防を繰り広げたが、ここは早大の粘り勝ち。最後は内海祐輔副将(スポ4=香川中央)が切り込んで3点差を付け、良いかたちで前半を終えた。

エースとして全力でゴールを狙った東江

 「落ち着いて受け身にならないようにと話したが、思うようにいかなかった」(森田啓亮、スポ4=岩手・不来方)。ディフェンスシステムは前半と同じ3-3。強気の守りで安定感はあったが、目立ったのはシュートミスだ。攻守のリズムがかみ合わない感じは前半から感じられたが、それがここにきて顕著に表れ始める。対して中部大は連続で得点を奪うことに成功し、完全に流れをつかんだ。4年生中心に声掛けを絶やさず盛り上げようとするも、会場は中部大の追い上げムード。早大は、一度ベンチに下げたエースの東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)を再投入し、反撃を仕掛けるが「冷静になれず少し焦った」と、思うように点数に結びつかない。巻き返そうにも、少しずつ開く点差に選手たちも焦りを隠せない選手たち。終盤には決死のマンツーマンディフェンスを敷くも、勢いは殺せなかった。そして鳴り響く試合終了のホイッスル。勝者と敗者――。試合後のコートには、その明暗がはっきりと分かれていた。

最後まで戦う姿を見せ付けた玉城主将

 「試合に出られない選手や支えてくれているメンバーのためにも、コートに立っている以上は最後のベルが鳴るまではやらないといけない」(玉城慶也主将、スポ4=沖縄・興南)。残り試合時間5分で、8点差。追いつくのには少し厳しい差だった。それでも試合終了のホイッスルが鳴るその瞬間まで、ボールを追い続けた玉城主将。選手たちの目にその姿がどう映ったのか、それは分からない。だが主将が体現したその強い意志は、きっとこの先も受け継がれていくはずだ。思いを背負い総力に磨きをかけて来年は「王者奪還」、そして再びの「日本一」へ――。早大セブンはまた、挑み続ける。

(記事 佐藤凌輔、写真 藤巻晴帆、松田萌花)

男子ハンドボール部


全日本学生選手権
早大 24 15−12
9−20
32 中部大
GK 中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)
CP 玉城慶也(スポ4=沖縄・興南)
CP 内海祐輔(スポ4=香川中央)
CP 森田啓亮(スポ4=岩手・不来方)
CP 東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)
CP 桐生正崇(人3=群馬・富岡)
CP 川島悠太郎(スポ2=福井商)
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コメント

大城章コーチ(平18人卒=沖縄・那覇西)

――ラスト10分で5点差、あれは追いつけない点差でしたか

差を付けられて2回目のタイムアウトを取ったときには延長戦、同点で良いっていう話をして送り出しました。ですがやはり高いディフェンスを敷くリスクとして、裏のスペースが広くなるっていうのがあるので、そこを走られたって感じですかね。

――最後はトップの3人がかなり高い位置で守っていたという印象ですが

やはり負けていたので、受けてしまうのではなく、相手のミスを誘発して速攻するしかなかったですね。

――きょうのタイムアウトのタイミングはあれがベストでしたか

うーん、そう言われたら違う場合もあるかもしれませんけど、終わったことなので。そのときはそれがベストだと感じました。

――試合後にはどんな話をされましたか

多くを言ってもあれなので、実力だっていう話をしました。あと、いままでやれたっていうのは仲間と家族と、支えがあったのでそこにはちゃんと感謝しようねと。

――では、最後に4年生に一言お願いします

1年間彼らが一生懸命やってくれたおかげで二冠しているわけですから。それは自信持ってステップにしてほしいですし、彼らがいたから3年生以下が頑張れた年だと思うので、4年生にはありがとうと、そしてお疲れ様でしたという言葉を掛けたいですね。

玉城慶也主将(スポ4=沖縄・興南)

――いまの感想をお願いします

残念の一言ですね。みんな三冠を目指していたし、周りのOBの方や親御さんの期待に応えられませんでした。中部大が強かったっていうのを認めないといけないし、自分たちが弱かったと。

――全力は尽くせましたか

シュートミスが多かったっていうのは個人個人の技術だったりですけど、悪い展開になってもチームで盛り上げられる底力がなかったのが、ことしのワセダなのかなっていう結果が見えました。

――最後の最後まで諦めずに戦う姿を見せていましたが

4年生の自分にとって最後のインカレでしたが最後だからといって、負けている状態でも、もしかしたら逆転は無理かもしれないってときでも、試合に出られない選手や支えてくれているメンバーのために、コートに立っている以上は最後のベルが鳴るまではやらないといけないっていうのは変わりません。これは最低限のことなので。負けていたとしてもそういう姿を見せることが、後輩たちにもつながるんじゃないかなと思います。

――このメンバーで戦う最後の公式戦となってしまいましたが、ことしのワセダはどんなチームでしたか

ことし1年は「改革」というかどんなことにも「日本一」を掲げて、普段の練習だったり筋トレだったりいろんな意味でトップに立とうとやってきました。筋トレだったらみんな体も大きくなってきていますし、プレーの質もどんどん上がってきていますし、インカレに臨むに当たって最高のコンディションだったんですけど、それでも勝てなかったっていうのは僕の責任でもあり、チーム全体の責任でもあると思います。

――これまで一緒に戦ってきた同期に一言お願いします

4年間やってきて、この同期がいたからこそ、いまの自分がいます。自分はキャプテンなんですけど、そんなにキャプテンらしいこともあんまりしてなくて。ほかの同期にも、増田(翔)だったり内海(祐輔副将)だったり森田(啓亮)だったり。コートに立てるのはこの4人しかいないんですけど、トレーナーの堀内(貴志、スポ4=長野・上田)と栗原(睦、人4=埼玉・大宮)、学生コーチの濱崎(敦仁、スポ4=高知・土佐)と芳村(優太、スポ4=愛知)にもバックアップをしてもらって支えてもらって、本当に良い同期でした。終わったからといって別にこれでバイバイってわけじゃないんで(笑)。僕と内海は実業団で同じチームに行くので、そこでまだインカレで成し遂げられなかった日本一を一緒に目指せるっていう仲間もいるので、頑張っていきたいです。お疲れ様、とは言いたいですねみんなには。

――いま終わったばかりで考えるのは難しいとは思いますが、次の全日本総合選手権(全日本)にはどういった意味合いを持たせるのでしょうか

4年生全員で出られないかもしれませんし、トレーナーも付いて来られないかもしれないので、そういった面ではいまの3年生を中心に出る機会が増えてくると思います。僕と内海が行くかは分からないんですけど、行けたらまた勝負の世界なので、せっかく実業団と戦えるし大学生らしく楽しくやっていければいいんじゃないかなと思います。

森田啓亮(スポ4=岩手・不来方)

――後半に突き放され、敗戦。きょうの試合を振り返っていまの率直なお気持ちは

前半は勝っていて後半に逆転されるという展開で、リーグ戦でもこのような展開で負けるという試合ありましたが、弱いときの僕らが出てしまったなと思います。

――後半突き放されたときにかなり焦りがあるように見えましたが

後半は相手も必死になっていましたが、そこで僕らが受け身になってしまって。そんなうまくいかないときに4年生が流れを変えられるプレーや言葉がけなどができればよかったのですが、それもうまくいかず、ずるずると突き放されるという展開になってしまいました。

――日体大、大体大を倒し、勢いに乗った相手だったと思いますが、話し合われた具体的な対策は

身長が高かったので、ロングシュートなどはカベに当たってしまうので、ロングシュートは打たずにカットインプレーを増やしていこうということで、前半はうまい具合にパス回しができてシュートまでいけていましたが、後半に入ってシュートミスから自分たちがリズムを崩してしまいましたね。

――3点リードした前半でしたが、ハーフタイムにはどのようなことを話し合われたのでしょうか

落ち着いて受け身にならないようにとは話していましたが、思うようにいかずという感じでしたね。

――ケガをした状態でのインカレ出場でしたが、ご自身のプレーを振り返って

コンディションとしてはあまり良くない状態でインカレを迎えてしまって、あまり合わせていなかったりと、チームには迷惑を掛けたと思います。痛み止めを飲んでプレーできる状態で全力でプレーをしましたが、結果を伴うことができなかったので、後輩たちには申し訳ないなと思っています。

――ここまで三冠連覇を目標に戦ってきましたが、今季を振り返って

今季を振り返ると、波が激しかったかなと思います。負ける試合はほとんど同じパターンで、自分たちのミスから相手の雰囲気にのまれちゃって、それはメンタルの部分もあると思いますが、常に安定したプレーを出せずに1年間終わってしまったかなと思います。

――この4年間を振り返って、ワセダに入って良かったと思うことは

良いときも悪いときも経験して、自分の人生にとってもプラスになる4年間だったし、苦しい時もチームで乗り越えてこられたことは良い経験で、あとは章さんや監督(荒木進監督、平5人卒=熊本商)に感謝したいです。

――4年間ともにした同期にはどんなことを伝えたいですか

4年間一緒にやってきた仲間たちは、プレイヤーが4人とスタッフでしたが、それぞれが自分の役割を理解していて、何も言わなくてもやってくれる人たちばかりだったので、本当に4年間楽に過ごせたと思います。励まし合ったり怒るときは怒って、本当に仲間に助けられた4年間だったと思います。

――後輩に伝えたいことは

優勝を目指すことは変わらないと思いますが、今季負けた試合は自分たちの弱いところが出てしまっていたと思うので、そこは後輩がしっかり理解して、それなりのスタイルもあると思いますが、これから4年生になる人たちがしっかりとチームを引っ張ってこのリベンジをしてくれればと思います。

増田翔(スポ4=神奈川・生田)

――まず、いまの心境はいかがですか

悔しいというのが一番なのですが、終わってしまったなという感じです。

――きょうの試合を振り返って

前半終わって結構良い展開だったと思ったのですが、後半終盤になるに連れて、自分たちが負けるときのゲームの流れになってしまったと思います。そこから立て直せないのが自分たちの弱さで、きょうはそれが負けにつながってしまいました。

――GK中野裕通(スポ3=兵庫・神戸国際大付)の戦いぶりはどう映りましたか

序盤から相手のサイドシュートに苦しんでいたので、なかなか攻略し切れずにゲームが進んでしまったように感じました。

――そこで何か声掛けはしましたか

特にはないのですが、ハーフタイムに「どうなの?」と話しはしました。

――特に後半残り10分は苦しい展開になりましたが、選手の様子はどのように見えましたか

中の選手は焦ってる焦ってるという感じはなかったのですが、やっぱり自分たちのミスが多かったので、そこでなんとなく焦ってしまってミスが続いてしまったのかなと思います。

――三冠連覇を目指した今季はどのような1年間になりましたか

三冠連覇を強く掲げていて、春、秋と二冠してインカレだったので優勝したかったです。個人的にも結構試合に出るチャンスをもらうことができた1年だったので、自分がコートに出て優勝したかったです。そういう意味でも単純に悔しいです。

――公式戦出場は今大会が最後となりますが、ここまでの4年間を振り返って

ハンドボールについてたくさん学ぶこともありましたし、上下関係もそうですし、やっぱり苦しいこともたくさんありました。自分自身としては主務をやらせていただいて、二足のわらじで歩んできた中でいろいろな苦労があって、学んだこともありました。もちろん素晴らしい同期にも会えましたし、後輩や先輩にも会えて、人としての幅が広げられた4年間でした。

――後輩に向けて伝えたいことはありますか

なによりも後悔がないように。毎日毎日、自問自答して自分のできることをやって、来年のインカレを迎えてほしいと思います。

東江雄斗(スポ3=沖縄・興南)

――前半振り返っていかがでしたか

出だしから3ー3ディフェンスを敷いてそれがうまく機能して、取ったり取られたりの展開だったんですけど、最後にうまく3つ離せることができて前半は良かったと思います。

――入りがあまり良くないように思われた後半ですが、振り返っていかがでしたか

出だしのディフェンスは大丈夫だったと思うんですけど、攻撃の方で速攻のつなぎやシュートミスがあって僕も連続で外してしまったし。それで少し流れが悪くなって、他の選手もシュートミスが多くなってしまったので、シュートミスで流れを悪くしてしまった感じです。

――その悪い流れを断ち切れなかった要因は

相手のガツガツした勢いに自分たちが受け身になって、思うようにやられてしまったところじゃないですかね。

――緊張や焦りは試合を通してありましたか

自分が後半の出だしに立て続けにシュートミスしたときに若干の焦りがあってそこで流れが悪くなってチームとしても逆転されて、その逆転されたときに冷静になれなくて少し焦った部分がありました。

――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

良いところもたくさんあったんですけど、勝てなかったことは悔しかったですし、負けるときはシュートミスで負けてああいう試合になってしまうので、悔しいの一言ですね。

――インカレを終えてワセダに足りない、強化していきたいと思うところは

戦術ではレベルが高いことをやっているので、攻撃だったら最後のフィニッシュの面とか。シュートが入らないと得点につながらないので、個人個人のシュートだと思います。

――これで大きな大会は最後になる4年生に対して何か特別な思いはありますか

キャプテンの慶也先輩(玉城主将、スポ4=沖縄・興南)とは中学校からずっと一緒だったので、最後に胴上げしたいと強く思っていたんですけど、それができなくて、勝たせてあげられなくて、申し訳ないというか残念です。

川島悠太郎(スポ2=福井商)

――前半振り返っていかがでしたか

前半はチームとしても盛り上がって入れて、相手にやらせたくないところを結構止められていて、良い感じに入れていたと思います。

――後半は入りが少し悪かったように思いますが、振り返っていかがでしたか

ことし全体として後半の入り方が悪くて、追いつかれる展開が多かったです。きょうの試合も後半の入りで悪い展開になってしまったので、ことしのワセダらしさが出てしまったかなっていう感じです。

――その悪い流れを断ち切れなかった要因は

僕個人としては、僕がマークしていた人の調子が良かったんですけど、そこを守りきれなかったことと、自分たちで慌ててしまってミスをしてしまったというのが一番の問題かなと思います。

――あまり調子の方が良くなかったように見えましたが、緊張や焦り等はありましたか

前半は良い感じで入れたのですが、後半追いつかれて追いかける展開になってからは焦りっていうのがあったなと思います。

――ご自身のプレーを振り返っていかがでしたか

きょうはオフェンスでもディフェンスでもミスが多かったのであまり良くはなかったです。

――それはやはりプレッシャーによるものが大きいのでしょうか

準決勝ってなって相手も強くなってきている中で、そのプレッシャーっていうものはあったと思います。

――インカレを終えていま早大に足りないと感じるところはどんなところですか

きょねんからずっと勝っていて、負けというものをあまり味わっていなかったのでどこかにおごりがあったのかなと思うので、次からはチャレンジャーっていう気持ちで一試合一試合戦っていけたらいいなと思います。

――これで最後の公式戦になる4年生に向けて一言お願いします

4年生はだいぶお世話になって、僕たち下級生をやりやすい環境でやらせようっていう意図が見えたので、これで大きい大会は無くなってしまったんですけど、僕たちも上級生になるにつれてことしの4年生のようなチームになっていけたらなと思います。