フェンシング部

2014.11.17

全日本学生選手権 11月14日 京都・大山崎町体育館

熱い戦いを繰り広げるも結果は振るわず

 個人戦の最終種目は男子エペと女子サーブル。関東学生選手権(関カレ)では4強に二人も入った種目であり、上位進出に期待がかかった。小野弘貴(社3=東京・早稲田)の一本勝負や、神田真希子(スポ4=千葉・東葛飾)と安冨結(スポ4=香川・三本松)の直接対決など初戦から白熱した試合を繰り広げた早大。しかし、トーナメントの当たりの悪さも起因し、全選手が3回戦までで敗れるというまさかの結末となった。

 運命とはこのことを言うのだろう――。インカレのトーナメント表、西森の隣に記されていた名前は佐藤好寛(日大)。1か月前の関カレ個人初戦、手に汗握る接戦の末負けた相手だった。4年生最後のインカレで西森にリベンジのチャンスが舞い降りた。試合は互いに様子をうかがい緊迫したムードで進む。点を取ったら取り返す、シーソーゲームで最終セットを迎えた。第3セットではスコアは動くことなく4-4で1分間の取り放題へと勝負は持ち込まれる。前回のときとまったく同じ展開にふと蘇る関カレの記憶。しかし西森は「ここで負けたら一生思い出す」と迷いを振り切り、プレ・アレの声とともに相手に襲いかかる。敵の裏を取ったこの攻撃が功を奏し、その勢いのままに点を重ね11-6で雪辱を果たした。3回戦では8-15で敗北を喫し、西森の個人戦は幕を閉じた。

関カレの悔しさを晴らした西森

 フルーレを本職としている尾上千尋(創理3=東京・田園調布雙葉)はこの日サーブルの個人戦にも出場。今まではサーブル専門の選手たちの中で思うような成績を残せなかったが、今大会は違った。15-10で順調に初戦を突破すると、続く2回戦ではシード選手との対決。味岡祐奈(中京大)は予選を全選手中2位という成績で通過している実力者だ。尾上の3連続ポイントで試合はスタート。瞬く間に5-1と4点の貯金を作るが、油断したところを付け込まれ6連続失点で逆転を許す。しかし尾上はすぐさま立て直し、先に8点目を獲得。8-7で第1セットを折り返した。迎えた2セット目。終始尾上のペースで攻撃し、ポイントを重ねる。最終的には15-12で見事強敵を撃破し、爪跡を残した。

シード選手に対し勝利した尾上

 インカレでは何が起こるか分からない。西森のように因縁の相手と再戦することもある。神田と安冨のように4年生同士で戦うこともある。これがトーナメントの怖さだ。今大会男子エペ、女子サーブルはトーナメントの当たりでも悩まされた。しかし、これは避けられない定め。その運命をも自分たちで切り開けるような実力をつけることこそ、勝利への近道となるだろう。

(記事 松本理沙、写真 副島美沙子、三上雄大)

※エペ:全身が有効面となる上に、両選手が同時突きをすると両者にポイントが与えられる。より慎重な攻め方が求められるため、時として両者が睨み合ったまま時間が過ぎることは稀な話ではない。

※サーブル:両腕も含む上半身への突きと切り(剣先ではなく剣の胴部分で相手の体に触れること)が得点となる。また、先に攻撃をした方が「攻撃権」を持ち、防御側は相手の攻撃を防御してから攻撃しなければならない。この攻撃権の奪い合いにより、両選手はピスト上を常に前後に往復し合うため、サーブルは3種目の中で最も全身運動が激しい種目だと言える。

結果

▽男子エペ

西森健太(教4=香川・三本松)

1回戦:○11-6 佐藤好寛(日大)

2回戦:●8-15 吉沢有紀(法大)

小野弘貴(社3=東京・早稲田)

1回戦:○13-12 高田亮太(拓殖大)

2回戦:●10-15 山田優(日大)

津江碧(スポ3=山口・岩国工)

1回戦:○15-13 野田遼介(関西学院大)

2回戦:●8-15 成田遼介(日大)

▽女子サーブル

舟山佳穂(教4=山形・米沢興譲館)

2回戦:○15-8 関綾香(専大)

3回戦:●13-15 百崎千裕(専大)

安冨結(スポ4=香川・三本松)

2回戦:○15-13 神田真希子(早大)

3回戦:●7-15 浦野夏菜(中京大)

尾上千尋(創理3=東京・田園調布雙葉)

1回戦:○15-10 高木杏菜(日体大)

2回戦:○15-12 味岡祐奈(中京大)

3回戦:●9-15 佐藤葵(東女体大)

神田真希子(スポ4=千葉・東葛飾)

2回戦:●13-15 安富

コメント

西森健太(教4=香川・三本松)

――お疲れ様でした。まずは個人戦を振り返って感想をお願いします

巡りあわせで関カレ(関東学生選手権)の相手と戦って、今回のインカレ(全日本選手権)はそもそも今までにない気持ちで、よく分からなくて。自分が本当に勝ちたいのかなとか色々思ったこの何週間かで。別に最後だから頑張るとかではなくて普通にこれで本当に終わるんだなと思うと勝ちたいとかではなくて、別の気持ちが働いていて、執念深くやろうとは決めていたので。それは結局一回戦だけですが勝ちにつながったのではないかなと思います。4年生と当たって試合ができたというのも何か自分のそういう思いが引き寄せたのかなと思ったりする個人戦でした。

――初戦は関カレと同じ相手ということで関カレでの反省点から対策は考えていましたか

一応攻めようと思っていて、結構ピストの相手の陣地で勝負はできたのですが、やっぱり相手も隙がなくて。周りの人に聞いたら「お互いかなり動きがキレてたよ」って言っていたので僕もなかなか踏み込めなくて結局また同じような一分の取り放題になりましたね。

――試合展開は関カレと全く同じ。しかし最後だけは関カレとは逆の展開となりましたが、それができた理由は

同じ展開になったときにお互いに「前と一緒だ」と思ったと思うのですが、そのとき僕は「ここで負けたら一生思い出す」と思ったんですよね。それで一本目、プレ・アレですぐに手に行ったのですが相手も全然予想していなくて、すぐに入ったと思って。その一本を取った瞬間に「もう勝ったかな」と思いました。多分相手は絶対動揺してると思って。そこはもう最初から決めるという気持ちがあったので迷いなく開始直後に出ることができたのかなと思います。

――関カレのときとの違いはありましたか

関カレのときは「勝ちたい」が結局最後まで残ってしまって、一本に集中できていなかったですね。一本に集中すれば必ず追いつくことができますし、勇気を持ったポイントが多かったのかなと思いますね。取ったポイントは全部良かったと思います。

――2回戦を振り返って

相手が本当に強くて。今までジュニアとかで何度も当たってきた選手で、お互いに手の内を知っていたのですが、個人戦で当たるのが結構久しぶりで。やっぱり接近戦と手前で手を一回引いて僕が空振りしたところを突くというクーペという技があるのですが、それを何本かもらったときにかなり見抜かれているなと思いましたね、あのときは。かなりその精度も高くてスピードもあったので、これはかなり厄介だなと思ったのですが、結局そのポイントが最後まで何本か要所要所で決められて完敗という感じでした。